FC2ブログ

お遍路さん(その37)  83一宮寺~85八栗寺

83一宮寺~85八栗寺

歩き遍路讃岐の国 結願への道程 6日目 83一宮寺~85八栗寺


5月1日(木)
「朝食は朝何時でもいいですよ!」
と、前の晩に言われた。
なので、早立ち歩き遍路の常として、
「では、6時に・・・」
と言っておきました。
5時半頃、食堂に電気がついていたので、そっと覗いてみたら
もう朝食が用意されていました。
he-13f-01.jpg

「?」

ああ、なるほど。
前の晩から用意してあったんですね。
お味噌汁はインスタントの袋がお椀に入っていました。
まあいいや。いただきま~す。
ポットからお湯を注いで、味噌汁のできあがり。
韓国海苔がドーンと置いてあった。食べるのは初めてです。

0557
思いがけず早く朝食を食べることが出来たので、早めに出発できます。
今日も27km歩く。
今回の歩き遍路も6日目になってきたので、足も慣れてきました。
he-13f-02.jpg
店先には100円自販機がある。
麦茶を買って水筒に入れておこう。

さてここから高松市内を南に歩いて83番一宮寺に向かう。
いつも思うのですが、街中は遍路標識のシールを見落としがちになる。
注意して歩くのですが、ちょっとボーッとした瞬間に
道の向かい側にある標識を見落としてしまう。

あれ?

間違えたかな?
スマホのナビで確認してみると・・・やっぱり行き過ぎた。
たとえ15分のロスでも気分が落ち込んでしまう。
道を引き返す途中、ふと上を見ると建物の看板の上にヘリが着陸!
he-13f-03.jpg

本来の遍路道に戻り、細い路地の道が続く。
こんな狭い道を通るかと思うと、生活道路っぽい所も通る。
he-13f-04.jpg
庭に洗濯物を干している若奥様と眼が合った。
彼らはお遍路さんが日常的に自分の庭近くを歩いているのは
どう感じているのでしょうか。

一宮寺の手前には一宮小学校・中学校があり
登校中の子供たちが道に溢れている。
「おはようございます!」
「おはよう!」
元気な挨拶は一日の元気の源です。
元気で挨拶をしてくれる子や、知らん顔を決め込む子もいる。
自分の子供の頃はどうだったかな?

0754
83番札所 一宮寺着
he-13f-05.jpg
本堂の横には地獄の釜と呼ばれる薬師如来祠があるが、
見落としてしまった。残念。
名所旧跡について予習を十分にしておいたはずなんですが、見落とすのは
気持ちの余裕がないせいでしょうか。

he-13f-06.jpg
手水鉢にはお大師さまがおられて、
掌から水が湧き出ている。
同じ水道水でも、ありがたいような気がします。

ここから次の屋島寺までは14km、高松市内をまず6kmほど北上する。
歩道の狭い、またはない道はちょとばかり危ないね。
早く道幅が広いところにならないかなあ。

今日もわしの旅の相棒、携帯ラジオは絶好調です。
NHK香川放送局の電波状況もよく、受信状況も良好で
RSは59(ファイブアンドナイン)です。
でも、声をかけてくれる人の声が聞きづらくなるのが難点と言えば難点です。

前から自転車でやってきたおばあさんが停まった。
荷物をガサゴソやって何かを探している。
(お接待かな?)
やがて100円のお接待を頂きました。
「ありがとうございます」
「あの・・・もらえない?」
(あ、納め札か)
巡拝用品が入ったさんや袋もリュックにしまいこんでしまっていたので
あわててリュックを降ろして
さんや袋を取り出し、その中の納め札入れをとりだし、
やっと手渡すことができました。
納め札入れくらいは、取り出しやすいところに入れようかなあ。

おばあさんも手伝ってくれてリュックを背負ったら、
おや?さっきよりも軽いよ。
お接待パワーを頂いたおかげでしょうか。

川に沿って東に進路を取り、更に歩いていると
後ろから呼ぶ声が聞こえた。
またラジオのおかげで少し反応が遅れてしまった。
「お茶でも飲んでいきませんか?」
「は、はははい。ありがとうございます!」
he-13f-07.jpg

遍路道よりひとつ向こうの通りにお接待所はあった。
隣の家が売りに出たので買い取ってお接待所に改造したそうだ。
去年の12月に開業したお接待所だそうです。
ここは善根宿にもなっていて、遍路地図に掲載の申請をしているところです。
でもせっかくこんないいお接待所があるのですが
遍路道にその案内板が設置されていないため、
声をかけてもらうまで判らない。
ご主人に、是非案内板を作って宣伝してもらうようにお願いしました。

he-13f-08.jpg
さて遍路標識を見失わないように気をつけて
正面に見えている屋島を目指して進む。
ここあたりには小さな木札に「へんろ道」と書かれたものが
電柱などにくくりつけられている。
遍路シールが見つからず心細くなったとき、この木札を見つけてほっとする。
うどんやがあったら入ろうと思うが、そんな時ほど店はない。
コンビニでパンを買って食べましたがな。

屋島への登り口は、山道ではなくてコンクリで舗装された道を登る。
今を去ること40年近く前に、中学の修学旅行で屋島を訪れた。
中国、四国を巡ったのですが、ここ屋島のホテルに泊まりました。
当時の思い出は、屋島のスカイラインを通った際に
ベテランのバスガイドさんの流暢に語る平家物語の那須与一の段でした。

he-13f-09.jpg
途中、お大師さまが仏天を供養し誦呪加持をしたといわれる水がある。
石碑の「加持水」の文字はお大師さまの筆跡だそうな。

he-13f-10.jpg
空の青さと新緑のコントラストがとても美しい。
ここは地元の人たちのウオーキングコースになっていて、
何人ものウオーカーとすれ違う。
木の枝から目の前に虫がぶら下がってきている。
そういえばすれ違った人達の何人かは木の枝を振り回しながら歩いていた。
虫の嫌いな人にとってこの季節のこの道は大変だなあ。

1231
84番札所 屋島寺着
he-13f-11.jpg
ここは観光地なので、さすがに人が多い。小学生の遠足もいる。
今日は連休の中日なんで、休日はもっともっと人が多いんじゃないだろうか。
登り口で地元の人に言われたことなんですが、
「お遍路さんにはせっかく屋島に来たんだから、屋島寺を参拝してすぐに
次の札所に急がなくて、ゆっくり屋島の景色を見ていってほしい」
そうだなあああああああ。
聞いたときにはそう思ったのですが、
やはり納経を終えると、次の札所に心が飛んでいってしまう。
そんなんで、四国狸の総大将、太三郎の蓑山大明神を見逃してしまったよ。

he-13f-12.jpg
屋島からの降り道がある側の展望台売店は、
どこも閉まっていて寂れている。ここは観光客が来ないのかな??
ここからは次の目的地、五剣山を望むことが出来る。
あそこまで歩くのだ。

he-13f-13.jpg
降り道は、なんでこんなに急なの?
と思うくらい急な坂道です。45度あるんじゃないの?と思うくらい。
おまけに昨日の雨で少し地面が湿っていて、
苔むした岩は危険です。
案の定足を滑らせて転んでしまいました。
背中のリュックが衝撃を吸収してくれましたが、
白のズボンの尻が汚れてしまいましたがな。
この傾斜は膝にはきついなあ。目の前の五剣山を見ながらひたすら降る。

やっと平らなところまで降りてきました。平地はありがたいなあ。
遠足帰りの小学生とすれ違う。
わしも子供の頃、連休前後には遠足に行ったよなあ。
行き先は必ず山奥のお寺で、シャガの花が咲いていた。
わしにとってシャガの花は、山奥のお寺と遠足のイメージです。

he-13f-14.jpg
安徳天皇社がある。
ここには安徳天皇の行宮があった所だそうです。
壇ノ浦で8歳で亡くなった安徳天皇陵はどこにあるのかな?
(後で調べたら、山口県下関市阿弥陀寺町にある阿彌陀寺陵だそうな)

he-13f-15.jpg
今回の旅の目的のひとつに、真念の墓に詣でること。
85番八栗寺へ向かう途中の洲崎寺にある。
これは、最初は牟礼駅の近くにあったものを何度か移転したのち
ここに落ち着いたらしい。
墓の主は、あちこちに引越しをされたのをどう考えているのでしょう?

目の前の五剣山の山容がだんだん大きくなってくる。
この山は実に味わい深い姿をしています。
he-13f-16.jpg
ふと足元を見ると、マンホールの蓋のデザインは那須与一です。
このあたりには那須与一にちなんだ看板やレリーフが多い。

he-13f-17.jpg
八栗ケーブルカー駅に着いた。
今日最後の登り道が始まる。うどん屋が2件ある。
食べようか、よしておこうか考えながら
駅前のベンチに座ってペプシを飲んでいたら、
隣に座っていたおじさんが草もちをくれました。
お大師さまのお使いが現れた!
お遍路を4回しているそうです。
結願後のお礼参りの話をしたんですが、
彼によると88番大窪寺から10番切幡寺まで25kmもあるそうだ。
だから10番付近で宿を取るべきだ、と言われました。
え?へんろ地図では19kmなんだがなあ・・・
まあいいや。

ケーブルカーに並行してコンクリ舗装の登山道がある。
少し登ると茶店があったよ。
he-13f-18.jpg
ここは「男はつらいよ」のロケがあったそうです。
それに、徳光さんのお遍路でもここが出ていたなあ。
そうか、さっき貰った草もちはここで買ったんやね。

he-13f-19.jpg
標高230mの登り道は屋島に比べて楽なんですが
疲れが足に溜まってきているので結構辛くなってくる。
ここも地元の人たちのウオーキングコースになっていて、
軽装の人達が歩いている。

1515
85番札所 八栗寺着
he-13f-20.jpg
やがてお迎え大師さまが出迎えてくれます。
ここから屋島は目の前に横たわる。更に遥か剣岳かな?を望む。
五剣山の荒々しい姿を背にして本堂や聖天堂が立ち並ぶ姿は
絵になりそう。ここの風景を描いてみたいなあ。

納経を終えて境内のベンチでひっくり返っていたら
「傘に書いてある文字の写真を撮らせてもらえませんか?」
とカメラを持った女性から声をかけられた。
「あ、いいっすよ」
女性から声をかけてもらえるのはオールオッケーなわし。
さぬき市の料亭の女将さんだそうです。
札所でお遍路さんをよく見かけるが
お遍路さんの写真を撮ることはなかったそうです。
「杖とともに一番札所を歩いてきたのでほら、こんなに磨り減ってしまいました」
チョーシに乗って色々歩き遍路の事を喋ったり、
ポーズをとって写真を撮ってもらいました。
he-13f-21.jpg
考えてみたら自分の写真を撮ってもらうことはなかったなあ。
一眼レフで、いいレンズを使い、気持ちがこもると雰囲気のいい写真が撮れますね。
お遍路のいい記念写真ができました。ありがとうございます。

今日のお宿は門前に一軒だけある「岡田屋」さんです。
岡田屋という屋号には雲辺寺もそうだけど、縁があるなあ。
築100年という重厚な屋内には、趣味のいい調度品が置かれています。
宿泊可能人員は僅か2名・・・
女将さんによると、ご主人が去年急に亡くなられ、
名古屋にいる息子さんが帰って継いでくれないと廃業するしかないそうです。
こういった理由で歴史のあるお宿が次々と廃業の憂き目に会っているのです。

he-13f-22.jpg
通された部屋はこれまた趣のある旅館といった雰囲気です。
窓の外には藤の花が満開で、いい香りもしてくる。
いいなあああ。

he-13f-23.jpg
今日の同宿者は大坂から来たオヤジ遍路さん。
65歳で今だ現役、仕事の合間にお遍路さんしているそうです。
今夜の夕食は揚げたての山菜天ぷらが美味しい。
写真を撮ったときには、まだ天ぷらは揚がっていなかったんです。

he-13f-24.jpg
食後に浴衣姿で外に出てみた。
お迎え大師さまから夕焼けに染まる屋島を眺めていました。
振り返るとお大師さまの背中と五剣山
絵になるなあ。

この晩は、本当に静かな夜でした。
下界の物音が全く聞こえてこないのです。
静寂を味わいながら眠りにつきました。















スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

No title

いよいよゴールが近くなりましたね、
ドキドキしながら(楽しみに)読んでいます。

No title

ゴールまでは、結構モタモタ、ノロノロ進んでいきましたんで
面白くなかったらすいません・・・・。
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード