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お遍路さん(その29)57栄福寺~59国分寺

57栄福寺~59国分寺

歩き遍路伊予の国 第3回 3日目

2月22日(土) 

朝食は昨日弁当屋で作ってもらったお握りです。
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今朝はホテルからタクシーに乗って57番へ向けて出発する。
昨日歩いた道程を、タクシーは15分程であっという間に走る。

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57番札所 栄福寺着
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朝早い札所には誰もいない・・・と思ったら誰か来た。
「中先達」の印がある輪袈裟をつけた人が来た。
「おはようございます」
「・・・・」
あれ?愛想悪いなあ。
お勤めを終えて7時に納経所で記帳してもらう。
今日は7時から歩くことができます。

58番仙遊寺は、山の中にある。今回一番高いところに登ります。
ため池の手前に「犬塚」があったので写真を撮ろうとしたら
シャッターがおりない!
故障かと思い、何度もやったが頑として動かない。
過去、フィリピンのコレヒドール要塞と沖縄の海軍壕でシャッターが
おりなかった事があった。
(あああ、ここは因縁のあるところか・・・)
写真を撮るのをあきらめ、しばらく歩いたら見事な梅ノ木が花を咲かせている。
よもやと思い、カメラの電池を交換してみた。
な~~~~~~んだ。電池切れかあ。
でも、電池の残量が少なくなると、モニターに表示が出るのになああ。
やはりなんかおかしかったのか。
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旧遍路道はアスファルト路に寸断されつつ、山を登っていく。

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「内海源助墓」の墓石がある。
山と渓谷社「四国八十八ヶ所を歩く」に、
山口崇の書いた「浄土は何処だ?内海源助懺悔旅」が示されている。
彼は天明3年に南部藩八戸に生まれた。天明の大飢饉では人肉まで
食べなければ生きてゆけなかったという。赤子の彼もまたそうして育てられた。
人肉を食べた者は、夜になると狼のように目が青く光るそうだ。
成長した頃、それを江戸から来た旅人に言われた。
それを知った彼は、
「人を犠牲にして生きる腐れ身に未練はあらじ、せめて大師の救いを求め懺悔をなし、
悪しさ宿命に泣いた人々の菩提を弔い浄土へお送りすべし」
と陸奥の国を出発し、途中出羽国横田で知人の戸籍を借り、
約10年後に58番仙遊寺の山門に至る急坂にさしかかった時、
光が空から降りかかり恍惚とした気分に陥るのを感じながら命果てた。

墓石に内海源助の名前を見つけた。
しばらくその場にぬかづき、南無大師遍照金剛を唱えた。
お大師さまが彼を浄土に連れて行ってくれたのだろう。
その墓には暗さがなかった。

さて山の標高が上がるにつれて、雪が残っている。先日の寒波では四国も
かなりの雪が降ったんでしょうね。

0755 58番札所 仙遊寺着
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雪と仁王門の組み合わせは、わしが子供の頃に岐阜県の山奥でよく見た懐かしい
風景です。
仁王様にご本尊様への取次ぎをお願いする。
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この白い仁王様の迫力に、しばらく見とれてしまった。
仏像彫刻は西洋彫刻のような写実感とは違い、筋肉の躍動感、力の表現方法が
見るものに迫ってくる。

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山門をくぐると、瀧見観音様が、坂の向こうの瀧を見ている。
その横向きの表情が憂いを帯びていて、なんともいえない。
ここの仏様たちは、本当に心惹かれる表情をお持ちになっています。

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本堂まで長い急な坂を登る。この急さは岩屋寺以来やね。
途中に弘法大師御加持水の井戸がある。多くの人の難病を救ったそうな。
この水の成分は何やろうか・・・。

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最後の石段を登り終えた眼に入ってきたのは、
四国八十八ヶ所の本尊の石造が取り囲む修行大師像です。
山の中のお寺は、幽玄な雰囲気が漂う。
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納経所は本堂の中にある。記帳の際に、
「あの御加持水を水筒に貰ってもいいですか?」
「どうぞどうぞ」
「あの水は、何に効果があるのでしょうか?」
「そう、何にでも効果のある有難いお水です」
何にでも効果があるということは、水の分子結合の小さい水かな?
帰る途中に御加持水を水筒いっぱいに頂きました。
これで今日の歩みは大丈夫?

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休憩所から国分寺へ至る遍路道に向かう。
夏ならばマムシの出現に恐れながら歩きそうな道ですね。

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山道を登ると、峠に出る。ここは五郎兵衛坂と呼ばれる所です。
まさかのの伝説はお大師さまゆかりではないでしょうね・・・・

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道標に「下国分寺」示されている。
ここでふと、こんな重い石を誰がどうやって運んだのか、
昔の人のエネルギーはすごいなあと思ってしまう。

くだりの山道は結構急です。
膝に負担がかからないように、杖にすがりながら慎重に降りる。
気がつけば、1番霊山寺で買った金剛杖は、先端の部分が10cmくらい
磨り減って短くなっている。
杖に書かれた般若心経の文字もかすれてしまった。
自分の修行のお供になってきてくれた大事な杖です。

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いきなり視界が開けたら、今治市外が一望の下に望まれる。
遠くには瀬戸内しまなみ街道が見える。
山男としては、最高の気分やね。

国分寺までは6kmある。わしの足では2時間弱かかる。
まあでも、次の目標地点が明確なので足取りも軽い。

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門前には今治タオルがメインのお土産やさんがあるよ。
色々なタオルがあって面白いが、荷物がかさばるので買うのは我慢

1044 59番札所 国分寺着
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伊予の国の国分寺です。これで四国の国分寺は3つ目です。
創建当初は七堂伽藍が立ち並ぶ堂々たるお寺だったそうです。

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握手修行大師様がおられる。
握手しながら願いをすると聞き届けていただけるそうです。
しかしお大師さまも忙しいため、願い事はひとつだけ!
お大師さまのお手も、幾多の参詣者と握手されているために手垢で
汚れている。掃除してあげたい。

さてここからが問題です。
今回の旅のゴールは60番横峯寺へ至る山道の入り口の妙雲寺までの
20kmをひたすら歩く行程です。
ああ~、大丈夫かなあ。
気持ちが落ち込まないように気をつけなくてはいけない。
JR予讃線と今治小松自動車道にはさまれた遍路道を一人歩く。
出会う人は、なし。車と列車が行きかうのみ。
相変わらずスマホのナビは座標がずれている。

えい!元気出していこう!
千遊寺で頂いてきた御加持水を飲みながら元気で行こう。

途中の瀬田薬師も、お大師さまゆかりのお寺だそうですが、
寄っていく元気も無い。
三芳の町に入ると、臼井御来迎とか、日切り大師などがあるので
休みがてら寄ってみよう。
しかし、三芳の街中は下水工事中であちこち道路交通制限がされている。
工事の警備員さんに
「通れますか?」
「どうぞ、お気をつけて」
交通規制区間終わりまで案内してくれる。
お遍路さんには親切ですね。

工事のためか、臼井御来迎を見落としてしまったあああああ。
気になるネーミングなので立ち寄ってみたかったっす。

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しかし、日切り大師様は見つけることができましたがな。
天平年間に行基菩薩が開基したと伝えられ、本尊は不動明王様です。
弘法大師が日切の誓願を立てたと伝えられているので、
「日切大師」「お日切さん」とも呼ばれているそうです。

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日切り大師へ向かう細い道の脇にも遍路墓らしき墓標が固まっている。
ここも綺麗に整備されているようです。
地元の人の無言の善根でしょうね。

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丹原へ入ると目の前に雪を冠した石鎚山が見えるようになってきた。
あそこのふもとに向かって歩いていけばいいんですが、
まだ10km以上ある。このへんで昼食を食べたいのですが
食べたいと思うと、思ったように店がない・・・。
持っているパンの残りとチョコレート、それに御加持水を頂く。

いつもスマホのナビで位置確認しながら歩くのですが
今回はへんろ地図と首っ引きです。
何しろ道を間違えたくない。

煩悩まみれの歩き遍路は、やがて石根の街にたどり着いた。
ああああああああ
足がもう動かん。

1719 本日のゴール、妙雲寺に到着です。
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元は横峰寺の前札所だそうで、「60番前札旧跡」を称するようになった・・・
う~ん、なんだか経緯が少々複雑みたいです。

それはともかく、もう足が動かん。
膝が痛い痛いと言いながら、今日も30km歩いてしまったがな。
ここの近くに温泉がある。
歩いて行こうにも、そろそろ日が暮れてきた。
よし、タクシーを呼ぼう。
「湯の里小町温泉しこくや」は、ここから1kmくらいの近くにあった。
タクシーの運ちゃんには悪いと思いつつ、ツーメーターくらいで到着
ここの温泉は宿泊施設も兼ねている。
それに道の駅のような感じです。広い売店にはお遍路用品やバス遍路さんが
好きそうなお土産が山ほど売ってある。
多分ここはバス遍路さんんが60番へ至る中継所なんでしょうね。
食堂で久しぶりに温かいうどんとカツ丼のセットを食べ、
温泉でゆったり疲れを癒しましたがな。

そして2000にタクシーで伊予小松駅まで行き、
そこから伊予西条駅まで電車で移動、
2300出発の高速バスで帰りました。

ああ~、疲れた。
なんだか膝の調子が悪いと、疲れた気分が全身に広がってしまうんですね。
身体のバランスって重要ですね。

次回は3月のお彼岸の連休に、60番横峯寺から始まって
65番三角寺ふもとまで歩く予定です。
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伊予歩き遍路

 松山駅から妙雲寺までたっぷり読ませて頂きました。


 ヒザの調子がイマイチのところ30㌔前後の錬行お疲れ様でした、充分に膝の回復を図って下さい。
 私の遍路は、その殆どが日帰り遍路でしたから足立さんのお宿の楽しみ方が羨ましく思います。
 必ず奥様にお土産を送られるなんぞは「見習うべし!」と反省もしております。
 
 次回は、いよいよ横峰寺ですね、桜吹雪やウグイスの「法法華経」に背中押されてお楽しみ下さい。

 出発前の準備・資料など、こちらでお役に立てることがありましたら、なんでも申し付けて下さい。
 

No title

ありがとうございます。
膝の調子は、いまひとつですが、昨日はいつもの
八十八箇所の写しがある山に登ってきました。多分本番はだましだまし歩けば大丈夫でしょう。
52番と53番の道間違いの段で、頭が混乱して札所番号がおかしくなっていたのに気がつき、早速直しました。失礼しましたっ!
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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