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お遍路さん(その27)52太山寺~53円明寺

52太山寺~53円明寺

歩き遍路伊予の国 第3回 1日目

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毎回毎回区切って歩くわしにお大師様は試練を与えてくれますがな。
今回は右膝の痛みです。もともとひざに爆弾を抱えていたんですが、
前回の久万高原のアップダウンでひざの調子が悪くなってしまいました。
湿布と痛み止めをしこたま仕入れておいたんですが、なかなかよくならない。
今回は東予地方の比較的なだらかな行程です。なんとかなるやろう。
でもペースダウンは覚悟しなければならない。

旅館で一緒になった歩き遍路4回目のベテランさんから教わった言葉で、
通しであれ、区切りであれ、歩き遍路をする人は5つの力を備えた人が
成就できるそうですがな。
それは、
気力、体力、財力、家族の協力、そしてお大師様の力です。
なるほどね。わしにとって一番ありがたいのは家族の協力です。
まあ、半ばあきれられているんですがね。
それに家田荘子さんが言っていたのは、
歩き遍路は「お大師様に『お遍路に来てもいいよ』と言われた人が来ている」だそうです。
わしもお大師様から呼ばれたから、来てもいいよ、と言われたからきている。
としよう。

今回行程中、松山のお遍路先輩の方から毎日支援メールを頂きました。
門前の小僧様、どうもありがとうございました。



2月20日(木)
0549松山駅に到着 
いつものごとく、あまり寝ていないような気がするが、気のせいにしておこう。
さすが2月後半ともなると左程寒く感じられないよ。
前回の区切りの道後温泉本館までタクシーで行く。
運ちゃんがお遍路姿のわしに、衛門三郎伝説を聞かせてくれる。
かなり喋り慣れているんでしょう、名調子なので黙って聞いている。
するとですね、大筋の話は同じなんですが、細部が少しずつ違う。
空海を追い払った衛門三郎の息子の一人が翌日川に落ちて亡くなってしまった。
そしてその葬式のときに出した食事にあたって残りの子供たちも次々と亡くなってしまった、
という事です。
なるほど、たぶん食中毒なのか。
長い間に伝承される物語は、伝える人の解釈や考えが織り交ざったり、
聞き間違えが起きたりして
もとの物語から変化していくものなんでしょうね。
衛門三郎が焼山寺ふもとで空海に出会って許しを得て、
衛門三郎再生と書かれた石を握って生まれ変わった段で
ちょうど道後温泉本館に到着しましたがな。

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本館周りには朝風呂を楽しむための浴衣姿の人達が集まりはじめている。
道後温泉と浴衣、それにお遍路さんは風景の一部と化しているか。

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わしの好きな漂白の俳人、種田山頭火が晩年を送った「一草庵」が
松山市内にあるので楽しみにしていました。
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再建された庵は綺麗に整備されており、周囲は公園になっています。
綺麗なトイレもあり、通夜堂にもなりそうな東屋もあります。
もちろん、一草庵の中には泊まることはできませんよ・・・。
南国伊予松山は、もう春の香りがしている。いいなああああ、梅の香りは。
ありがたくトイレをお借りしました。

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松山市内から郊外へと、52番太山寺、53番円明寺と打つ予定です。
今日は木曜日です。それに朝早いので通勤通学の人たちでごった返す中を
一人お遍路さんは歩きます。
一体街中は、遍路標識を見落としやすいですなあ。
気を散らしてしまったり、ボーッとして歩いていたら赤い矢印の遍路標識がない!
たぶんこっちの方角だろうと思い、歩いていくと遍路標識に再び出会えたときの安堵感
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やれやれと道をたどっていくと、あれ?
「いよわけ」駅近くに来てしまった。
スマホのナビを起動させてみると・・・「円明寺」近くにいる・・・。
あれれれれれれれれ?
うう~む。道を間違ってきてしまいました。すると52番太山寺まで、
逆打ちをしなければならん。
そんなことを考えてスマホのナビを見てみるが、どこに円明寺があるん?
どうも誤差があるようだ。ナビ狂っているかも?
ちょうどお店のシャッターを開けていたおかあさんに「53番さんどこ?」と聞いたら
反対方向を指す。細い路地の近道を教えてくれましたがな。そしたらすぐに着いた。

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0849 53番札所円明寺到着 
お遍路さんが打った四国最古の銅板でできた納経札が見つかった寺だそうです。
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大師堂の裏手には「キリシタン灯ろう」がひっそりとある。マリア観音が刻まれているが
長年の風雪で輪郭のみが窺える。
こんなところにも隠れキリシタンがいたんやねえ。
ルイスフロイスがここら近辺に上陸していた関係で、キリシタンが多かったそうです。

さて、ここで考えた。
52番太山寺までどうやって行こうか。約3キロある。歩いて往復すると
今のわしの膝の状況では2時間かかるなあ。今日は少なくとも浅海まで行きたい。
でなければ明日からの行程が厳しくなるからです。
日程が限られた区切り遍路ならではの悩みに直面しました。
よし、片道は歩き、帰りはバスかタクシー・・・・・
小高い山の上の太山寺までは、ゆるやかな登り道が続く。
かえってゆるい登りのほうが歩きやすいのはわしだけでしょうか?

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0940 52番札所太山寺到着
ここは山門から本堂までが長い。それも坂道ですがな。
山門脇にタクシーが止まっている。あ、あれをキープしておこうか・・・と考えた矢先
スーツを着た人が乗り込んでピューッと行ってしまいましたがな。
まあいいや。
沿道の両脇に並ぶ民家は、往時の遍路宿だそうです。
ひたすら坂道を登っていったら、やがて本道に至る石段(今日は長いと感じた)を登る。
納経所は本堂と山門の中間点くらいのところまで参道を下っていく。
本堂は鎌倉時代の建立で、国宝だそうです。ありがたやあああ。
納経を終えて山門まで行ったら、親父遍路の二人連れがちょうど山門をくぐって来た。
一人は錫杖を持っている。先達さんかな?とにかく絵になる二人連れだなあ、
と思い挨拶を交わした。

さて門前にはタクシーはいない。バス停の表示を見ても53番方面の行き先はなさそうだ。
車遍路さんをヒッチハイクしようか。でもさっき通り過ぎていってしまったよなあ。
路傍の石に腰掛けながら昨日の晩に作ってきたお握りを食べながら考える。

しっかたねえなああああ、歩くか。

そう考えると途端に足が重く、膝が痛んでくる。
と、そのとき
わしの横に車がス~ッと停まり、「お遍路さん、接待です!」と
カイロとお菓子が目の前に差し出された。
(お大師さまが現れた!)
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「すいません!53番まで乗せていってもらえませんか!」
おもわず口走ってしまいましたがな。
快く乗せてくれた方は、やはり歩き遍路の経験者だそうで、
お遍路さんを見るとお接待をせずにはおられないようです。
お遍路を始めてから、困ったときとか道を間違えそうになったときとか、
要所要所でお大師様が姿を変えて助けてくださる。ありがたいことです。

無事に53番に到着し、時間のロスもほぼこれで解消されました。
歩き遍路の「つなぐ」にこだわって歩きたいわし。初回はこれにこだわり、
二巡目はもう少し融通をきかせて公共の交通機関とか車のお接待にすがってみようと思う。
住宅や田園が続く中を歩き、粟井海岸に出る。
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あいにく今日は天気晴朗ナレドモ波高シですがな。
白波の立つ瀬戸内海から冷たい風が海から吹いてきて、傘が飛ばされそうになる。
片手で傘を抑えて歩くのも面倒なので傘は脱いで背中にくくりつけることにする。
左は海、右は崖
吹き付ける風を受けながら歩くと、
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番外霊場 粟井坂大師堂に着く。
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道路向かい側に井戸があり、古来粟粒のような水がブツブツといづむところから「粟乃井」と呼ばれ
粟井郷の地名の由来となったそうです。
これは炭酸泉か?お大師由来ではなさそうだ・・・
この頃になると気温もぐんぐん上がってきて
ヤッケを着ていると汗ばむくらいになってきたのでこれもリュックにくくりつけておく。
だいぶ海も穏やかになってきましたがな。
本来の瀬戸内の風光を楽しむことができるようになって来ましたがな。

1400 伊予北条着
今日はここの太田屋旅館さんに宿泊します。
名物鯛めしを出してくれるところです。楽しみ。
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時間的ロスが解消されているので、旅館に荷物を置いて、
さんや袋だけもって浅海(あさなみ)までいくとしようかね。
荷物が背中にないだけで身も心も軽くなるような気分です。
現金なもので、膝の痛みもないよ。
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道沿いの土手には梅と菜の花が咲いている。ああ、春やねえええええ。

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いい気分で腰折峠のふもとにある番外霊場鎌大師に到着
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東屋に置いてあるお接待のみかんをひとついただく。甘い。
ここはテレビドラマ「花へんろ」ゆかりの地らしいんですが、
残念なことにわしは花へんろの物語を見たことがない。帰ったら勉強しよう。

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腰折山の鴻之坂を登りきると、浅海の町と海が見える。
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坂を下りると浅海の町に入り、

1549 本日の終点、JR浅海駅に到着
ここからローカル線に乗って伊予北条駅まで戻る。
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浅海駅の近くには遍路地図には記載されていない大師堂があって、通夜堂になっています。
こういった心地よさそうな通夜堂の記録を取っておいて、そのうち泊まりたいといつも思います。
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さて今夜の夕食は・・・おお、鯛めし。
鯛の兜煮、鯛の刺身、鯛の水炊き・・・鯛づくしや。
うう~んうまい。

本日の同宿者は太山寺山門で出会った二人連れと、もう一人区切りのおやじさん。
先達さんかと思ったら、錫杖は手作りだそうです。
もう歩きで四周回っておられるそうです。
この方々の経験を楽しく拝聴しながら夕食をいただきました。

今日歩いた距離は29.5km
時間が出来たのでチョーシにのって歩きすぎたああああああ
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Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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