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お遍路さん(その16)有井川~久百々

有井川~久百々

区切り遍路土佐の国 第4回 1、2日目


今回の旅は足のマメと人との出会いの旅でした。
今回は冬からのお遍路計画に備え、ローカットのウオーキングシューズを履いてきたんですが、
登山靴と同じメーカーなのでマメはできないだろう・…とタカをくくっていたんですが大失敗
盛大にマメができて苦しめられましたがな。

10月31日(木)
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いつものようにに高速バスを乗り継いで神戸三宮を経由して高知県割11に向かう。
三宮では3時間くらいの待ち時間があるので、軽い小説で間をつなぐ。
するとチリンチリンと音がする。音の方向を見てみたら白装束のオヤジ遍路がいた。
ああ、彼も区切り遍路か。

11月1日(金)
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0554 まだ夜も明けぬ窪川駅に着く。さすがに朝は寒い。
しかし霧が出ているのでさほど芯から冷えるようなことはない。
今回はこごからスタートして足摺岬を廻り、四万十市の中村からバスで帰る。
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窪川の町を過ぎて国道56号線を南下する。ゆるやかな坂を上る途中で朝食のため一休みする。
ベンチに座って自分で作ってきたお握りを食べていると、オヤジ遍路から、
「ここで野宿したんですか?」と話しかけられる。
「いえいえ、窪川からですよ」秋の歩き遍路の季節だろうか、
オヤジ遍路の姿をちらほら見かける。
彼らと数日間先に行ったり後になったり同宿したりのお付き合いになった。
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国道から旧遍路道に至分岐点にお大師様が「気を付けて行けよ」と見送ってくださっている。
そういえば今回の旅の始まりをお大師様に報告していなかったんだよなあ。
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やがて強烈な片坂越えの路に入る。
平地では追い越されていたオヤジ遍路二人を登り降りの路で追い越す。
わしの場合、山道は割合とスタスタ進むことができる。
谷あいの農村地帯を歩くが、どうもこういった変化の乏しい風景は得意じゃない。
いっそ山道のほうが登る行為に専念で来ていいんだが…という勝手な気持ちになる。
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0839 佐賀温泉が見える。朝だというのに結構お客さんが集まってきている。
わしもここに入りたいなああと思うが先を急ぐのでがまん、がまん。
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「南無大師遍照金剛」の幟がいくつか立っているお地蔵様がいた。
その裏は山道があって何か先にありそうな雰囲気です。
休んでいたオヤジ遍路さんに「この奥には何かあるんでしょうか?」「わからんねえ・・・」
へんろガイドブックにも何も書いていない。まあいいか。
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このあたりは地元の自治体が休息所の案内をあちこちに設置してくれている。
それに遍路道の案内もきちんとしている。
だれかが熱意をもってこういった事をしてくれているんやねえ。
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明治期に掘られた熊井トンネルを通ってからまた国道と合流して、
土佐佐賀の町に入る。ここは前回列車を乗り間違えてきてしまった所なので記慮に新しい。
カツオの漁獲高が日本一の港だそうな。
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土佐西南大規模公園というのがあって、そこからの眺めもいい。
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消防署横の「津波てんでんこ」の看板が目を引いた。
これって、東北弁だったような気がする。
「てんでんこ」とは、rてんでに」なので、「津波が来たらてんでに逃げろ」という意味らしい。

1354 そういったことを考えながら歩いていると、本日のお宿の「たかはま荘」に着いた。
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実は足のマメが痛くなり始めていたんですが、明日は30km近くを歩かねばならない。
だから今日のうちに少しでも距離を稼いでおきたいと願う区切り遍路根性が頭をもたげ、
6km先の土佐入野まで歩くことにした。
本当はこのまま宿で寝っ転がりたい気持ちがあったのですが、
明日少しでも楽をしたいという気持ちが勝りました。
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途中「厄神杜」という気になる名前の神杜がありました。
これは何をお祭りしている神杜なんでしょうね?厄払いの神杜なんでしょうか。
よたよたと歩いていたら女の子のお遍路さんが
「こんにちは~」と言いながら追い抜いて行った。
女の子のお遍路一人旅もこの頃増えてきたそうだ。
なんでも山ガールからの派生型だそうです。

1615土佐入野駅に到着。結構足の裏が痛くなってきていたので、
駅前からタクシーを呼んで民宿まで引き返すことにする。
明日の朝は列車でここまで来る予定です。
1630 民宿お宿に着いてこの事を話したら、明日の朝宿の車で送ってくれるそうです。
ありがたや。
早速お風呂に入ったら、足がジンジンとしてくる。
マメの水を抜いたところからお湯が入ってきて沁みるよ~。
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部屋でマメの手入れをしていると、窓の外からは潮騒が聞こえ、
逢か足摺岬を望むことができる。あそこまで行けるのかなあ。
消毒薬が沁みて歩くのが辛い。這うようにして食堂まで降りていく。
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今日のお遍路さんの客はわしと30代くらいかな?ごつそうな人ですが、笑顔がいい。
バイクのレースで負った足の古傷が痛んできているそうだ。
テントと寝袋を背負って歩いているそうです。体力あるねえ。
結局今日は30km近く歩いて疲れ果て、早めにに床についてしまいました。
夜中におしっこに起きるのですが、足を引きずりながらトイレに至る道は、
これからの日程はどうなるんだろうという不安もありました。

11月2日(土)

一晩寝たら足の痛みも少しおさまっていたので痛み止めを飲んで今目の歩きに備えることにします。
今朝の朝食のいり卵はたっぶり入っていておいしいね。
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0710民宿発土佐入野まで乗せてもらい、松林の中の公園内を歩き始める。
若干足の裏が痛いが歩いているうちに馴染むでしょう、たぶん。松林の中は意外と暗く、
いくつも道が分かれているので迷ったらどうしようかと思うが、
そんな心配をよそに国道に出た。
後ろから二人乗り自転車を押して歩いてくるカップルがいる。
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道端の遍路案内が丁寧に道案内をしてくれていたのを写真に撮っていたら、
自転車組の女性も写真を撮りに来た。
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先に歩き出したわしを追い越すとき、男性からチョコレートを貰った。
「チョコレイトデス」ん?アクセントが違う…。
「ファイテイン!」ああ、韓国の人ね。
わしも「ファイテイ~ン!」とお返しをする。
これは「ファイト」というのをハングルで言うとこうなる。
ここから四万十川に向かうわけですが、海岸沿いルートを通ると河口で渡し船に乗るコースと
国道を行って四万十大橋を渡る道があるが、渡し船は最近運休しているそうなので、
四万十大橋に向かう。
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やはり道沿いに詳細なコースの案内標識があるよ。
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途中、バイクに乗った夫人がわしのほうに向かってきて止まり、
籠からまだ温かい缶コーヒーをお接待頂いた。
いきなりのことで「ありがとうございます」しか言えなかったなあ。
おしっこに行きたくなったので駐車場の広いコンビニに行ったら、
店の前に朝出会ったオヤジ遍路が靴を脱いで足の手入れをしていた。
足の先をテーピングでぐるぐる巻きにしている。痛々しい。
わしも似たようなもんですが…。
おしっこを終えて出てきたらオヤジ遍路さんが地元のおじさんと
話し込んでいて、「どうして足が痛いのに歩けるのか?」と聞かれ、
オヤジはわしに「なんでやろうな?」と振ってきた。
わしも「自分でも何故かよくわからんのですなあ・・・」

これはお遍路さんに共通した想いかもしれない。自分探し、先祖供養、観光…始めた理由は
色々あるけど、きつい歩き遍路をなぜやめずに続けるのかは本人にも
理由がわからなくなってきている。
特に阿波、土佐を歩き続けて足摺岬手前では、お遍路さんの表情とか
雰囲気が変わり始めている時期らしい。
眼が澄んでくる、と言われるがわしの眼はどうなっているだろうか。
今は足の痛みが意識の半分以上を占めてしまっている。
余計な気持ちの浮かぶ余裕がない。

1005 コンビニから出たら、なんとそこは四万十川だった。
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いつの間にか到達していたんやね。
日本最後の清流、と言われているんですが、長良川の水と共に育ったわしとしては
そんなに感慨深いものではなかった。いつも見慣れている大きな川じゃん、
というのが正直な気持ちです。
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橋の上を歩いていると遊覧船かな?屋形船がのんびりと遡上している。
こういったときは一眼レフの望遠レンズ付きカメラを持ってきていればなあ、
と思うが重いのであきらめる。
橋を渡り終えた時点から、後ろにお遍路さんが歩いている気配がわかる。
自分一人で歩いている時はのんきに自分のぺ一スで歩けるのに、
後ろから迫ってこられるとついぺ一スが上がりがちになる。
しかし足が悲鳴をあげぱじめたので、道端のベンチにへたりこむ。
さっきのコンビニにいたオヤジ遍路さんだ。
「だいぶ足が痛いみたいだね」歩き方で見破られたか!
「どうぞお先に…」
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畑の脇に設けられたベンチで、靴下も脱いでひっくり返っていると
家からおばあさんが出てきてお茶とお菓子の接待をいただきました。
今回は心の余裕があったので、納め札を渡すことができましたがな。
途中色々な名所旧跡にちなむ案内板があり、今回はそれらを見ようと
心掛けているおかげで見聞を多少なりとも広めることができました。
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土佐の草深い山奥に大文字の山がある!戦国時代に京都から家領に逃れてきた一条家のお公家さんが
京の都を懐かしんで土佐の山に大文字を作らせた…らしいですが、
かえって侘しさ込み上げてくるのはわしだけでしょうか。

1208 ゆるやかな坂を上って伊豆田トンネルに入る手前に「今大師」というのがある。
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ここも小さいながら大切にされている所で、椅麗にされている。
有豆田トンネルは全長1.6kmで、歩道はあるものの出口の見えないトンネルというのは
落ち着かない。トラックや車が轟音を出して通り過ぎるほかは、
自分の出す杖の音と、杖についている鈴の音だけがトンネル内に響き渡る。
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ああ、あと600mもあるんかいなああああ。
トンネルを抜けるとすぐ右に、江戸時代のお遍路道を整備した中興の祖である
真念法師の建てた真念庵がある。
帰りもここに来るので今日は立ち寄るの楽しみを後に廻すことにする。
下ノ加江の河口を出ると、足摺岬は間近や!と思えるような荒々しい海岸線を望むことができる。
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このあたりになってくると足もむくんできてマメのところが痛くて痛くて
一歩ごとに「痛い」と思うようになってきた。
なんとか別のことで気を紛らわせようと努力するが痛みの前にはすべての努力が無駄になる。
あと少しやあ~、あとちょっとやあ~~、と思いながら、ついに本日の目的地に到着
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民宿の手前には流木を利用したうどん屋があるよ。
入ってみたいが夕食を控えているのでまた今度。
1504 久百々(くもも)到着
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実はこの民宿、かなり人気のスポットなんです。わしもNHKのお遍路雑誌で知り、
ぜひ泊まってみたかったのです。何が人気だっていうと、
女将の人柄に尽きると思います。とにかく明るい。
話好きでこっちもついついぺ一スに巻き込まれてしまい、楽しくなってしまいます。
本日の宿泊者はオヤジ遍路5人と若い女の子。
昨日追い越して行った子みたいです。わしの事も覚えていてくれたみたいで、
ちょっと嬉しい。
オヤジ2人と女の子は前日も同じ民宿だったそうで、
すでに和気あいあい。
わしも彼らと歩いている途中に時々話していたんで知り合いのようなもの。
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楽しくにぎやかに夕食の膳を囲むことができました。
やはり刺身がおいしい。隣のオヤジはビールをがんがんやっている。
ううう、飲みたいが我慢我慢。
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女将さんがみんなの記念写真を撮ってくれました。民宿のHPに載せてくれるそうです。
http://web.u-broad.jp/people/kumomo/
こういった民宿での交流はいいですね。
女将さんが「明目は5時半から朝食ですよ!起きれる人!」「はい!」「はい!」「はい!」
楽しく過ごした後は痛い足を引きずり、部屋に戻って泥のように眠りました。
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おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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