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お遍路さん(その12)29国分寺~33雪渓寺

29国分寺~33雪渓寺

区切り遍路土佐の国 第2回 3日目

9月16日(月)
やはり0400に起床してしまった。
テレビをつけて天気予報を見る。どうやら台風は四国には影響はなさそうだ。
しかし、近畿地方に発達した雨雲が不穏な状況を示している。
大雨のようだが、まあ職場からの呼び出しは全くないので呑気に構えても
大丈夫でしょう。

夜明けまでテレビを見ながらうたた寝をして過ごし、空が明るくなってきたと
ころで散歩に出かけた。昨日雨のおかげでゆっくり参拝できなかった大日寺を
訪れる。
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夜明けの境内には誰もいない。清浄な空気が漂う。
この雰囲気って、身体の中から毒気が抜けるような気がして好きです。
奥の院の爪彫り薬師堂まで行ってみる。
山中の霊気に満ちたような場所にお堂が建っている。
湧き出しているご霊水は上半身より上の病に効くという。
気になる門前のお土産屋さんは、当然開いていない。残念!

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0630朝食は、やはりボリューム満点で、ご飯お代わりの必要のない内容です。
食後のコーヒーをいただいていると、ちょっと早めにタクシーが来てくれたので
出発することにする。お昼のお弁当のお接待をいただきました。
昨日濡れながら歩いた道をなぞりながら、あっという間に国分寺に到着
今日の出発の挨拶をご本尊様とお大師様にしました。
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昨夜の台風の影響で、境内には折れた木の枝や葉が散らばっている。
参拝を済ませたら急にトイレに行きたくなったので
山門横のトイレに駆け込んで用を済ませて出てきたところで、
60歳くらいの車遍路さんに出会ったので挨拶をしたら、
納め札をいただきました。赤札です。
8回以上廻っておられる人なんですね。わしも歩き遍路を
終えたら車遍路もやってみたいなあ。
なん今日は朝からお接待を立て続けに受けました。
なんかいいことあるかな?
門前の遍路用品店の「扇屋」さんには、いろいろなオリジナル巡拝用品を揃え
た店なんだそうですが、まだお店は開いていない。残念!


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三十番札所の善楽寺まではのどかな田んぼの中を進む。
すると行く手に
おお、虹がかかっている。
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西に向かって歩いているんですが、雨雲を追いかけて歩いているようで、
東のほうは雨雲がない。だからしばらく虹に向かって歩くことになる。
こんな経験は初めてです。昨目はずぶ濡れの1日だったけど、今日は朝か
ら気持ちがいいなあ。
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雨上がりなのでカタツムリがあちこちにいる。
ヘクソカズラの花が綺麗に咲いている。名前がなんとも言えんけどね。
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小さなのもいるので踏みつぶさないように気を付けて歩く。不殺生
足のほうも不思議と筋肉痛もないし、豆もできていない。昨日擦り剥けた足の
指の間もそんなに痛まない。四国の路を歩くうちに鍛えられてきたのかな?

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道沿いに不思議なものを発見。なんでこんなところにエジプトの神像がいるのか。
膝に乗せているのは何かな?
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のどかな田園と緩やかな丘を越えたところに遍路休息所が設置してある。地元
の企業が私費で作ってくれているのです。

道の途中から、「レインボー」というお遍路宿の看板がしきりと目に入る。
リーズナブルなお宿のようだ。ペンションかなと思っていた。
やがて真言宗のお寺が見えてきて、ここが宿屋レインボーらしい。
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宿坊ですね。酒落が効きすぎているが、一度は泊まってみたくなるような
宿坊ですね。

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0930 三十番札所 善楽寺着 スタートから6.9km
正面の大きな十面観音菩薩像が出迎えてくれる。
隣には立派な土佐一宮神杜がある。もともとこのお寺と神杜は一緒だったのが
明治の廃仏段釈で本尊が高知市内の安楽寺に移動して、しぱらく三十番札所は
2か所あったらしい。「遍路迷わせの三十番」と呼ぱれたそうだ。
境内には団体さんもいない。車遍路が2組いるのみです。それから境内をお
掃除しているお年寄りもいます。昨日の台風で散らかったのを椅麗にしてくれ
ているんでしょうね。

納経所で、「歩きですか?」「はははい」「昨日は歩けなかったでしょう」
「いや、無理やり歩きました」「それはご苦労様です」
飴をふたつお接待でいただきました。
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土佐神杜にもお参りしたとき、拍手を勢いよく叩いたらすごい音が出て自分でも
びっくりしましたがな。
さて次に進む。
高知市街を川沿いに南下する。

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住宅街を曲がりくねって進むが、この辺は遍路標識がたくさん貼ってあって
迷うことは少ない。路面電車を横切り、郊外へ至る。

川を渡ると田圃の先に五台山が眺望できる。行き先が見えていると気持ちが
楽ですね。お接待でもらった飴を舐めながら山のふもとまでくる。
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この山は全体が公園になっていて、植物園もある。連休の最終目、台風も
去ったので家族連れがたくさん来ている。
植物園内にはお遍路さん専用の通り道があり、標識に従って歩いていくと

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1200 三十番札所 竹林寺着 スタートから13.5km
このお寺の庭も美しい。特にこの広い階段がいい雰囲気です。
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紅葉の季節になったら見事な景色になるでしょうね。
団体さんも現れて、境内は読経の声で賑やかになってくる。
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荷物を置いて納経しようと思ったら、なんか臭う・・・銀杏ですがな。
そうか、もう銀杏の落ちている季節なんだあ。拾おうと思ったが、やめ、やめ。
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納経を終えて門前の石垣に座り、民宿でもらったお握りを食べる。
お握りは外で食べるとどうしてこんなに美昧しいんでしょうね。
暑くなってきたので景気づけに門前の食堂でかき氷を食べました。
店先では犬が店番をしています。
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五台山を降りて下田川を渡り、道に沿ってひたすら歩く。このあたりは
武市半平太の実家があるところです。案内板が建っている。時間があれば
見てみたい。「瑞山橋」という名の橋がある。なるほど、武市瑞山ね。
道路わきに観光タクシーが止まっている。山際を見ると、看板の立っている
古民家がある。ああ、あれがそうかあ。
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なんでも江戸時代からの建物を保存してあるそうです。いざ近くまで来てみ
ると、見に行きたいという気持ちよりも先に進みたいという気持ちに支配され
そのまま横目で見ながら進んでしまう。どうも今回の旅はこういった気持ちの
余裕のなさが気になる。よし、もう一度時間に制約されないようなお遍路を
しよう。
峠を越えて、ややわかりにくい街中を通り過ぎて山を登り、

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1435 三十二番札所 禅師峰寺到着 スタートから19.2km
境内から太平洋が青く輝いている。ああ、南国やなあと思うこの瞬間
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今日は高知駅前にホテルを予約している。従って今夜中に高知市内まで帰れば
いい、ということで、次の三十三番の雪渓寺まで7.5kmだが、
行けるところまで行ってみよう。
ビニールハウスが並ぶ平坦な砂地の土地を西へ進む。単調で退屈してくる。
やがて住宅街になるが、ここは限りなく海抜が低い。津波が来たら一巻の
終わりやなああああ、という気持ちばかり頭に浮かぶ。お遍路中に
南海トラフ地震が来たらどうしようかな?
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1640浦戸湾東岸にある種崎の渡し船の港に着く。
次の便は1715なので、待合所前のベンチに腰掛け、靴を脱いで休憩する。
もうこの時点で雪渓寺の納経所の閉まる1700には間に合わないので、
のんきに景色を楽しみながら行くことにする。
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県営のフェリーが運航されていて、なんと料金は無料だそうです。
今回は歩き遍路をすることを頑なに守っているが、これは乗り物に乗るというより、
海の遍路道の渡し船に乗るという気分ですね。
4分間の船旅を楽しむ。
長浜の港に着くと、左に曲がれぱ有名な桂浜と坂本龍馬像がある。見に
行きたいが、もう日が沈みそうな時間になってきた。
またこの次の機会に・・・・

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1800 三十三番 雪渓寺到着 スタートから26.7km
もうこの時間は境内には誰もいない。納経所も売店も閉まっている。

大師堂で今回の旅の終わりの報告と、道中安全のお礼をして、門前のタクシー
営業所に行き、高知駅前まで送ってもらう。
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ホテルではタ食を頼んでいないので、駅前までお土産を買いがてら夕食を食べ
に行く。カツオのたたき定食を食べました。生ニンニクの味が強烈でした。
ビールが身体に染み渡るよねええええ。
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9月17日(火)
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駅前には坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太像が見送ってくれましたがな。
高知1000発→神戸三宮→裏京都市1620着
今回は台風で濡れましたが人と猫と犬との出会いに恵まれ、おまけに虹も見られて
心癒された旅でした。
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おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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