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おきらく遍路旅 13巡目 1番霊山寺~11番藤井寺 令和元年12月24・25日

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12巡目が11月中に終了したので年末のお遍路はどうしようかな~、
と考えていましたが
今年の年末年始3連勤なので、24・25日のクリスマスが
休みになりました。

お四国にいこかいこまいか躊躇する事しばし、
結局13巡目を始めることにしました。


12月24日(火)
徳島駅前の「サンルート徳島」に前泊し、
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朝早く起きて駅前の定食屋さんでがっつり朝食を食べて
「徳島駅」始発で「板東駅」に向かう予定だ!
1番線の列車に乗り順調に出発!

ところが車内のアナウンス

「次は府中(こう)~」

おや?

あっしまった!
池田方面行きに乗っちまった!
「府中駅」で飛び降り、さてどうしようか。
1番霊山寺を7時に出発する予定が崩れる・・・
タクシーを使おうか。しかし朝早すぎてどこのタクシー会社も営業時間外

しかたがない。やりなおし!
「府中駅」⇒「佐古駅」⇒「板東駅」と乗り継ぎ、
艱難辛苦の上霊山寺にたどりつきました。
当初の予定から30分のロスですがな。
まあいいや。なんとかかるでしょう。

お遍路始めて得た心境は「あせらないこと」です。
これだけは成長できたような気がします。

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誰もいない本堂手前の灯明台に蝋燭をたてようとしたら、
先生、たくさん空いていますから本堂内に立ててください」
と地元の人らしき信者さんから声がかかった。
「ヴぇ?せ、せせ先生?わしはそんな大層な者じゃないっす!」
「いえいえ、御姿をみればわかりますよ」

うう~む。

単なる優婆塞で、修行道半ばのわしとしては
「先生」と呼ばれることには激しく抵抗がある。
「先生」という言葉には魔力がある。
先達さんを「先生」と呼ぶ習慣があるそうですが、
そう呼ばれると胸をそらす人と、一層謙虚になる人がいますね。

実るほど頭を垂れる稲穂かな

「わたしってお遍路では先生ってよばれているのよ!」
自慢する人がいる。あ~、あほらし。
先生と呼ばれるほどの馬鹿じゃなし!

そんなことを考えながら
冬枯れの遍路道を黙々と歩く。
12月の平日は、お遍路シーズン真っ盛りですがな。
出会う人もなし。
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札所に着いてもクルマヘンロさんの老夫婦が一組いるかいないか・・・
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空はやや曇り空です。
龍神様はおられるかな、と見上げても今日はおられません。
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何も考えず、誰にも出会わないと歩調は速くなるのかもしれません。
黙々黙々と歩むのみ。
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3番奥之院愛染院でいつもお茶をいただいて一休みするのですが
今日は先を急ぐ、急ぐ。
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5番地蔵寺を目前の場所に、とってもおいしいパン屋さんがあります。
調理パンも菓子パンも、どこにでもあるようなパンなのに妙においしい。
本格的に修行をしてきた人が作っているんでしょうか。
アップルパイのシナモンの具合が丁度よかったり、
カスタードクリームが上品な味だったり。

今日のラッキー
平日なので11時少し過ぎでも、棚に豊富にパンが並んでいました。
いつもは土日なので同じ時間でも半分くらいはなくなっている。
それも人気商品はいち早くなくなっています。

うきうきした気分であれにしようかこれにしようか、楽しく買い物ができました。
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買ったパン3つを大切に抱え、
地蔵寺は大銀杏下のベンチに腰かけて楽しくいただきました。
少しばかり吹く風は冷たいのですが、ヒートテックの長袖のおかげで気にならん。
このヒートテックは屋外で働く人のための優れものです。

さて地蔵寺山門を出てすぐにあるお店は・・・やはりやっていません。
そうでしょうねええええ。一日居てもお客さんがほとんど来ないんでしょうから。
ここの干し芋を密かに期待していたんで、ちょっとばかり残念

日が高くなるに従い気温も上がってきて少し汗ばんできました。
で、白衣とヒートテックの間に着ていた厚手のポロシャツを脱ぐ。
これも屋外作業員が冬に着るやつなんで、かなり温かい。

歩きながら考えていたこと。

年が明けた1月には、正月のほかに平日に3連休が2回もある。
最初の3連休は室戸岬からの土佐遍路で決定しているのですが、
次の3連休はどうしようかなああああああああ。

足摺岬から卯之町まで行けるかなあああああ。
あ~だこ~だ、色々考えながら歩くのは楽しい。
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そうしていたら6番安楽寺の山門が見えてきました。
最初の頃はここの宿坊に泊まるのを楽しみにしていたんですが、
最近は時間が早すぎて持て余してしまう。
誰かを連れて歩くときにはここを紹介すると喜んでもらえます。
独り歩きばかりだけじゃなくって真面目に先達業務をしなくては。

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この季節、どこも新春を迎える準備をしています。
7番十楽寺では副住職(?)が奥様(?)と植木の剪定やら枝集めをしています。
わしがお勤めを終えて納経所に向かうと奥様が熊手を置いて納経所にやってきました。
「あの~、休憩用ベンチの横に自動販売機があったんですが、無くなっていますね」
「そう。撤去したんですよ・・・」
「ほかの札所でも自販機がなくなっているところを見かけたんですが、そういった流れなんですかね?」
「いや~、そうでもないとは思うんですが・・・」

そうですか。

さてここから
今夜のお宿の越久田屋さんに向かうのです。お宿に荷物を預かってもらい
更に8番・9番へと進む予定なんですが
遍路道標識通り進んでいたら・・・

ありゃ、越久田屋さんを過ぎてしまっていました。
お宿は遍路道と平行に西に進む道路沿いにあり、
どこかで遍路道をはずれなくてはいけなかったが
歩みが絶好調だったので、ついつい先へと進んでいました。

まあいいや。
このまま8番熊谷寺まで行きましょうぞ。
なんだか今日は荷物も軽い。
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フンフンフ~ンと熊谷寺の階段を上る。境内に流れている御詠歌の響きが心地よい。
「お寺と御詠歌」は、
子供の頃に初詣に行っていた西国三十三箇所結願寺の谷汲山華厳寺に流れる
御詠歌の響きが心に刻まれていて、なんだか懐かしい響きです。
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山門から一気に下って9番法輪寺までは下り勾配と、
遠景にお寺の屋根が見えるので気持ちも楽です。

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ああ、15時に着いてしまった。
たしか、前回の時には16時過ぎだった。
それに前回よりもスタートが30分遅かったのに、なぜか大幅に早く着いた。
足取りが軽かったせいかな?
この勢いだと10番切幡寺まで行けるか?とも考えたが調子に乗って歩くと消耗するので
ここでやめておこう。

うん、やめておこう。

ゆっくりと参拝を終えて、門前のお店に入る。
「こんにちは~。まだやってます?」
「はい、はい」
名物草餅をいただく。コーヒーをお接待で出してもらえました。
「今日はお遍路さんは来ました?」
「いやぁ~、今日は3人やねぇ」
暖かいストーブのそばでしばらく休む。今日は30kmくらい歩いたかな?

お宿の越久田屋さんに電話すると、門前まで迎えに来てくれました。
今日は御主人が来てくださいました。3番奥之院愛染院住職です。
色々あって越久田屋さんの管理人を奥様とやっておられるのです。
住職のお迎えなんてもったいないんですが、以前の越久田屋さんも送迎サービスをされていたので
それを受け継がれておられます。

いつもは近くの温泉「御所湯」へ送ってくださるのですが、
わしはお宿のシャワーのみで十分なのでそのままお宿へ。
道すがらの食料品店に寄ってもらって今夜と明日の朝の食料と麦泡般若湯を買い込む。
越久田屋さんは素泊まりのみのお宿なのです。で、4000円

シャワーを浴びて洗濯をし、麦泡般若湯を流し込みながら夕食をいただき、
何もすることがないのでスマホをいじりながら眠りにつきましたがな。


12月25日(水)
今日はクリスマス(キリストのミサという意味)です。
イエス・キリストの産まれた日だそうですが、聖書にはその記載はどこにもない。
ローマ人が征服地に住むゲルマンの冬至祭にひっかけてこの日を制定したとか・・・

閑話休題

朝食に買っておいたパンをモソモソ食べて・・・
0640に住職に車で10番切幡寺駐車場まで送ってもらいましたがな。
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まだ薄暗い中を333段の階段を登り・・・本堂が見えてきました。
今朝も貸切です。
瑞兆はあいにくと顕われない。

今日のお天気は曇り、ですが昨日よりは暖かいような気がします。
11番に向かって10kmひたすら歩く。
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昔この中州(善入寺島)には多数の農民が住んでいたそうですが吉野川の氾濫で被害が絶えないために
大正期になって住民を他に移住させ、今は広い畑だけになっています。
いまはネギの収穫時期のようで、朝早くから農家の方が忙しそうに働いています。

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収穫風景を眺めながら沈下橋を渡り、鴨嶋の町を藤井寺目指して歩く。
今日は瓶コーラの自動販売機には在庫があるよ。
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飲んだら飲んだだけおしっこがしたくなってくる。
夏場は汗になって出ていくのでさほど苦にはならんが、
冬場はそうはいかない。しかし冬季の脱水にも注意せんといかん。
あいにく道すがらにはトイレが見当たらない。
仕方ない、藤井寺まで我慢するか・・・
寺域が近くなってくる場所では立ちションはご法度です。
それ以外の場所でも同様(のはず)なんですが、女性お遍路さんは大変やろうなあ。
解剖学的には男性よりも女性の膀胱の方が大きい。

閑話休題

ささ、今回の旅のゴール、11番藤井寺に到着!
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本堂のあと、大師堂で今回の旅の安全のお礼と、御先祖様の回向、三人の孫の健康を祈願していたら
隣で声高に読経していたおじいさんの願文が途中で涙声になってきました。
あれは後悔でしょうか懺悔でしょうか切なる願いなのでしょうか
鬼気迫る雰囲気がビシバシ迫ってきたので、自分の祈願は遠慮してその場を離れました。

納経所に行ったら先客がひとり、そしてわし、あとにもうひとり。
ご朱印を押す住職が
「ああ、今日は誰もこなかったけど、先生方がたてつづけに来られましたなあ」
え?またここでも「先生」と呼ばれた。
ここの住職は臨済宗の老僧で、人のことを伊達や皮肉で「先生」と呼ぶお方ではない。


1番の本堂で先生と呼ばれ、最後の11番でも先生と呼ばれた。
いったい何の意味があるのでしょう?

ただ言えることは、わしは先生と呼ばれて得意になることはない。
また先生と呼ばれる器の人間でもない。

懺悔懺悔六根清浄、
煩悩にまみれた自分自身を反省しなくてはならん。
13巡目のはじまりは、この気持ちから始まる。
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 >単なる優婆塞で、修行道半ばのわしとしては
  「先生」と呼ばれることには激しく抵抗がある。
  「先生」という言葉には魔力がある。
  先達さんを「先生」と呼ぶ習慣があるそうですが、
  そう呼ばれると胸をそらす人と、一層謙虚になる人がいますね。

  今朝、拝読いたしました。
  読後感: 「フム フム」、「ある ある」 です。

 PS)「優婆塞」、初めて触れた漢字、ネットで調べました。
    勉強になりました。

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おはようございます。
先達とは僧と遍路の間に立つ存在なんですが、僧侶ではない。

また、得度だけして、僧の形をしている人でも四度加行を修めていない人もいます。
そういう人をわしは「沙弥(しゃみ)」と呼んでいます・・・

今の年齢では四度加行を行う体力がない・・・形だけの僧侶になっても仕方がないので出家はしないつもりです。
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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