FC2ブログ

おきらく遍路旅 12巡目結願 60番横峯寺、87番長尾寺・88番大窪寺 令和元年11月13・14日

he12-14a-01.jpg
12巡目も結願を迎えました。
回数を重ねていくうちに、実に多くの人たちに助けられているのかを実感し
感謝の気持ちを持ち、謙虚な気持ちで廻っていることが多くなりました。

また、トラブルなどで時間的に余裕がないと感じた時などは
「まあなんとかなるさ」
と焦ることなく心穏やかに、平常心を保って行動していたら
却ってうまく予定が進むことが出来る機会が増えてきました。

完全な歩き遍路ではないのですが、歩くべき所は修行の気持ちで歩いております。
歩けば歩くほど、わずかずつではありますが、
四国に満ち満ちている神仏やお大師様の息吹を感じられるようになってきました。
更にそれが四国以外でも感じられるようになってきたことは嬉しい限りです。


11月12日(火)
「ハービス大阪高速バス乗り場」2250発のいしづちライナーに乗り込む。
今回はちょっと座席の選択を誤り、3列シートながら通路の狭い席を選んでしまいました。
夜中におしっこに行こうとしたんですが、座席の間を潜り抜けるようにして悪戦苦闘してトイレに行きましたがな。
またしても寝ているのか寝ていないのかよくわからん。
寝不足なのか、そうでないのか。


11月13日(水)
he12-14a-02.jpg
予定よりも早くバスが「伊予西条駅前」に到着しました。
いま0545
夜明け前の伊予西条駅前は街灯の明かりだけが煌々と灯っています。
空には大きな満月が見下ろしております。
寒いかな?と思いましたが幸いにそれほど寒くはありません。
he12-14a-03.jpg

道路向こうのコンビニで朝食と暖かい飲み物を・・・
メガサイズのコーヒーがあったので頼んだら、こおりゃMサイズの3倍はあるんじゃないかな?
飲みごたえがありますねえええ。熱いコーヒーで身体が温まる。

0747に石鎚山行のバスが来ます。
大きなリュックを背負った人が三々五々集まってきますが、彼らは石鎚山登山なんでしょうね。
まだ雪はないのでしょうか?
いつか行きたい行きたいと思いながら、遍路計画が先に立ってなかなか実現しない。
前神寺の奥之院の奥前神寺にも行かなければいけんがなあ。

「横峯寺登山口バス停」で降りて登山バス乗り場に行くと、
バス会社の人が道を登ってくるわしたちの人数を確認しています。
「すぐに出ますから!」
「はははい」
往復チケットを急いで買って車中へ。

伊予西条駅からバスで来た人は、帰りのバスの時間までに間に合うように
フルスピードで蛇行している山道を運行してくれるのです。
he12-14a-04.jpg
なので、しっかり掴まっていないと大変です。
おまけに寝不足のままスマホなどを見ていると車酔いしてしまうよ。

山上駐車場に着いたら
「25分後に出発します!」
毎度のことながら
(ええ~!)
です。

下りの参道を駆けて横峯寺へ急ぐ。紅葉見物をしている暇なんかない。
使わない下りの筋肉を使うので、かなりの負荷になります。
(やはり翌日に筋肉痛が出てきた。まだまだ若いぞ!)

he12-14a-05.jpg
ハアハア息を弾ませながら境内に着く。
金倉寺で買ったザクロ香を身体に塗りたくって・・・
まずは、手近な大師堂からお勤めさせていただきます。
すまんこってす。


本堂へも急げ!
高野山奥之院で教えていただいた、
周囲に迷惑のかからないよう呟くように唱えると結構息継ぎも滑らかに
しかも早く勤行次第を唱えることが出来ます。
当たり前ですが勤行次第は一切省略しません!

納経所でご朱印を頂いて、ダッシュで帰る!
その前に大師堂横の聖天堂で持参の御神酒を供えて
お勤めをしたのち、御下がりを頂いて参道を駆け上がる。

he12-14a-06.jpg
おお、発車までまだ5分あるぞ!よしよし。
こんなことで満足していてはいかん!

艱難辛苦の上、下界まで順調にバスは下り、「横峯寺登山口バス停」に到着!
伊予西条行のバスまでまだ10分以上あります。
he12-14a-07.jpg
やれやれ。
この時点でようやく周囲の紅葉を愛でる余裕が出てきました。


時間通りにやってきたバスに乗り下界に降りてきて列車の切符を買い
「伊予西条駅」~「高松駅」と移動する。

揺れる列車の細かな振動が眠気を誘う。
目が覚めると観音寺を過ぎて詫間のあたりを走っていました。
海岸寺、国分寺などが車窓から見えます。

「高松駅」に着いたらお昼どきでした。
今日はここから琴電に乗って「長尾駅」まで行くのですが、
まだかなり早いなあ。
この近くだと・・・73番一宮寺だ。よし、写経もしてこよう。

その前に、お昼を食べよう。
he12-14a-08.jpg

お腹がくちくなったので、琴電「高松築港駅」に行き、琴平行きに乗る。
車中、なんか鼻から垂れてきたので触ったら鼻血だ。
ああ~、またかよ。。。
he12-14a-09.jpg
実は最近鼻血がよく垂れてくるんっすよ。
テイッシュを突っ込むと、
外因系止血機序(注1)が働いてすぐに止まるのでいいんですが、
還暦を来年に控え、身体にあちこちガタが来ている。
ドクターに「若い頃の気持ちのままで身体を酷使しているからだよ」と言われた。
たしかにそう。筋トレを一生懸命やりすぎた。

それから長年付き合ってきている持病も、無理が重なってきて、
次の段階に進んできているかもしれん。
80歳まで20年、その間の事を考えて生きろ、と示唆されているのかも。

還暦の厄除けをどこかでしなければいかんかなあ・・・
でもいつもいつも四国の霊験あらたかな札所を廻って真剣にお勤めしているので
仏様が助けてくださっているのかなあ。

と、いうことを琴電に揺られながら考えていました。

「一宮駅」に着いて、一宮寺の大屋根の遠景を見ながら歩く。
この遠景好きなんですよねえええええ。
he12-14a-10.jpg

ご朱印を頂いたのち、大師堂に行き
「写経させてください!」
大師堂の写経道場にはお刀自様の先客がひとり。
ふたりで黙々と写経をする。

大師堂に参詣者が来るたびに鳴らされる鐘の音が心地よい。
いつまでもここに居たいという気持ちになりますねえ。

写経後に頂いたお茶とお菓子をいただき、ほっこり。

ほっこりした気分のまま「一宮駅」に戻り、長尾行きに乗ってしばらく揺られる。
また眠ってしまいました。
目が覚めたら、終点ひとつ前の「公文明(くもんみょう)駅」です。

実はわしの家のある裏京都市の住所は「公文名(くもんな)」
鎌倉時代からあった公的文書を処理する役所の名残なんですと。
あちこちに残っている地名のようです。


閑話休題


次の駅が終点の「長尾駅」です。
改札をくぐると・・・どこかで見た駅員さんです。
おお、facebookでお馴染みの小Yさんです。
区切りで歩き遍路をされています。
he12-14a-11.jpg
色々話は尽きないが、彼は仕事中なんで長話ができない。早々に切り上げて長尾寺へ。
歩いてすぐの長尾寺境内には大型バスが2台・・・・
he12-14a-12.jpg

納経所に行ったら「遅い!」とブツクサ呟いているテンジョウインさんが2名
納経帳と判衣がフルヘッヘンド(注2)

聞こえよがしにブツクサ言っているので納経中の住職(副住職?)が奥に引っ込んで
火をともしたお線香を持ってきました。
「何か変なものが入ってきましたので・・・」
んん~、無言の抗議か・・・こんなやり方もあるんやね。
「変なもの」たちは、自分が変なものとは思っていません。

「変なもの」たちが納経帳抱えて走り去って行き、わしの番になりました。
「変なものはいなくなりましたか?」
「・・・・にやり」

納経所にも、お説教を垂れる所、和やかな所、無愛想な所、無茶苦茶時間をかける所
色々あるし、フルヘッヘンドな人にも謙虚な人、横柄な人、無神経な人・・・
色々いて、様々なバトルが繰り広げられています。
ツアー遍路の方々は、自分でご朱印もらう経験はしないので、こういった雰囲気は味わえないでしょうね。
ツアーだけで先達になった人たちは、納経って誰かがしてくれるものだと思い込んでいたりして・・・

おっと、こんな毒を吐くと
「ムカつく!」とか「けしからん!」
というクレームが来るのでしょうね。

剣呑、剣呑・・・・


ご朱印もらって荷物を取りに本堂に行ったら、またしても見慣れた歩き遍路さんがいました。
以前善根宿「紫雲庵」で一緒になった通し遍路のY岡さんです。
he12-14a-13.jpg

「とうとうここまで来られましたね!」


今夜の泊まりはお馴染み門前の「あづまや旅館」いつもここにお世話になっています。
愛想のいい女将さんと料理、特に朝食がお気に入りです。

さっそく洗濯、入浴を済ませて部屋で寝っころがって備え付けの漫画を読んで過ごす。

1830に食事です。
今日は後期高齢者の夫婦、50代の歩きおじさん、わしと・・・爺さんの5人
この爺さん、自分の自慢話を大きな声でまくし立ててきます。
他の人の話題になっても自分の話に持っていく。
「俺は弘法大師じゃー!と言いながらゴミを拾っているんじゃ!」
「なんで食事に納豆がつかないんじゃー!」
「食べられないおかずには箸をつけとらんからな!」


この人、本当に何回もきちんと廻っているんだろうか?
「自称歩き○○回」のような気がしてきた。
回数を重ねるごとに謙虚になっていく人と、高慢になっていく人がいますね。
それに話を粉飾している人は内容でわかります。

老夫婦とかおじさんは、結願目前の遍路話を色々と語りたかったようですが
爺さんがあんまりうるさいので食後の語らいも弾まず、
皆早々に部屋に引き上げていきました。

わしもおいとま・・・。

横峯寺の聖天様の御下がりのお酒を頂いて、さっさと寝ました。



(注1)止血機序第Ⅲ因子組織トロンボプラスチンの作用による止血
(注2)フルヘッヘンド:オランダ語「うず高く盛り上がる」の意(杉田玄白訳)




11月14日(木)

4時半に目が覚めた。
外はまだ真っ暗です。しかし、雨は降っていません。
洗濯物を取り込んで身支度をゴソゴソしていました。

手持無沙汰になったので、お宿の目の前の長尾寺へ参拝に行こう。
厨房に明かりがついていたので女将さんに
「ちょっとお寺に行ってきます」
「はい、はい」

明かりのついている本堂、大師堂で旅の安全の感謝を唱えました。
大師堂にいたら、急に雨が激しく降ってきました。
he12-14b-01.jpg
かなり激しい雨なので、腰を下ろしてボ~~~ッとしていたら、
お宿の女将さんが傘を持って山門のところで呼んでいます。

えっ?傘を持ってきてくれたんですか??
なんとありがたい。

これだからここの女将さん好きです。

15分くらい激しく降った雨は、きれいにあがりました。
これって、今日の結願のための清めの雨なんでしょうか。

「そんなことないけど。そんなのたまたまじゃない」

そう言われる人もあります。
が、わしは龍神様の清めの雨と考えたい。
そう考えた方が感謝の気持ちを常に持てるじゃない。

天邪鬼的な発言をする人って、
「反対意見を発信する自分」を認識したいために無意識に口にする人なんでしょうかね。
「何が何でも反対!」という人は、反対はするが、
代案を何も示すことが出来ないのが特徴です。

閑話休題

お待ちかねの朝食
名物は、「双子の卵」と「餅入り味噌汁」です。
これが食べたいから毎回ここに宿泊するのです!
he12-14b-02.jpg

近所に養鶏場があるので、毎回そこに行って買ってくるそうです。
双子の卵って、安定的な生産・入手が可能なんでしょうか?
なんにせよ縁起がよさそな気がしてきて、
結願の前祝いのような幸せな気分になれます。

0650に出発!
玄関では女将さんがいつまでも手を振ってくれています。
「よいお年を!」

遍路シールの剥がされた遍路道を淡々と南下し、
「お遍路交流サロン」に着きます。
お馴染みの館員さんに新作の札所の絵を貰ってもらいます。

お遍路大使の申請用紙を持ってきましたが、
「いや、わしはバスや列車に乗ってしまっているので純粋の歩き遍路ではないのです」
と辞退したら
「全部歩きと嘘を言っているお遍路さんが沢山いますよ」
「はあ、でもお大師様が見ておられますから」
「そうなんですか。そうおっしゃる方は珍しいですね」
「はあぁ~、そんなもんなんですか」

閑話休題

じ、実はこの場所からバスに乗って大窪寺まで行こうか行くまいか悩んでいたんです。
でも10kmしかないし、まだ9時前だし
やはり歩いて行くべきですよね~。
ウジウジ悩んでいた自分を反省しました。

ということで、歩いて丁石道(旧遍路道)を辿ることにしました。
今日は平日なので、残土処理場へ往復するダンプがひっきりなしに通るので少々危険です。
が、峠を越えると誰もいないし車も来ない。
he12-14b-03.jpg

聞こえるのは猿の声のみ。

登り道でかいた汗が冷えてきて少し寒い。
モミジの落ち葉は・・・ないなあ。
峠に少しばかりありましたが、真っ赤ではなかった。

沿道の渋柿の実は、すべて落ちていて無い。
季節は確実に進んでいるが、紅葉があまり綺麗ではなく、子供の頃の紅葉の風情がないなあ。
he12-14b-04.jpg

落ち葉踏みしめ歩くこと3時間と少し
山門が見えてきました。
この風景も好きですね~。
he12-14b-05.jpg

ああ、12巡目の結願です。

境内は紅葉狩りの観光客が大勢来ていて賑やかであります。
心安らかにお勤めをしてご朱印を頂戴して・・・・

さあ、昼食を食べに行こう。
お馴染みの山門前の「飛猿閣」
「こんにちは~!」
「ああ、久しぶりやねえ」
「女将さん、お元気でしたか」


さて、何を食べようかな?
(打ち止めそば)がある!
これにしようか?
「大将!打ち止めそば!」
「じ、実は蕎麦はいまないんですよ。うどんならあるよ。松茸うどん」
「ええっ!ままま松茸?それください!」
「今朝山から採ってきたんですよ。10分くらい待っててくれますか」
「おう!何時間でも待つよ」


厨房ではうどんを伸ばし始めた。手打ちのようですね。
女将さんと世間話をしていると、やがて松茸がどっちゃり入ったうどんがやってきました。
he12-14b-07.jpg

これ、税込1100円

季節限定、それも松茸が取れなかったら食べられません。
殷賑を極めている門前の某うどんやさんよりも、よほどいいよおおおお。

夫婦連れが店に入ってきて
「何をたべようかねえ」
この会話が聞こえてきたので
「いまなら地取りの松茸うどんが食べられるよ!」
とお節介してしまいました。

最近は結願後、ここのお店で女将さんや大将と世間話をするのが楽しみです。
他のお客さんの邪魔にならないように、隅っこに座る。
この店、なぜかほっとするんですよねええええ。
こういう場所があるのが有難いです。

帰りは1330発のコミュニテイバスなんですが、
バス停には老人たちの長蛇の列です。
紅葉狩りの里の人たちですねええええ。
he12-14b-08.jpg
大きな荷物のわしらは、荷物を前に抱えて身をよじってバス内に立つ。
長尾を過ぎた頃から座席に座れるようになって来ました。

わしは「志度バスストップ」で降りるのですが、白人男性が一緒に降りようとする。
「ここは高速バス停だよ!」
といっても納得しない。
「On the train?」
うんうんとうなずく。
「ここはちゃいまんのや!」
胸の前でバッテンを作ったら納得した。

1502
JR大坂駅前行きのバスが珍しく時間ぴったりに到着した。
運転手さんは大変な努力をしているんやろうなああああああ。
平日なので車内はガラガラ
安心して御神酒のお下がりの残りをあおりながら
安らかに眠りこけていました。

ねぐらに戻ってきても、なにか心が温かい。
やりきった!充実した!という気分とも違う。
こういった気分になったのは初めてです。
また新たなステージに進んだんでしょうか。

この先精進して行ったらどんな景色が見えるのでしょうかね。
he12-14b-09.jpg









スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード