2017年お盆の行事

今年の夏は昨年10月に亡くなった父親の初盆です。
何気に「初盆」という言葉を使ったが
我が家は浄土真宗本願寺派(西本願寺)なので、
お盆という行事は本来ないのです。
「門徒物知らず」の我が家に於いては母をはじめ兄も暗中模索状態です。

父親は生前から神仏が嫌いなようで、
初詣に西国三十三ヶ所結願所の谷汲山華厳寺に行く以外はどこにも行かず
神仏に詣でる作法などはきちんと教えてもらわなかったような気がします。
母親の実家は神道で、もとより仏事には詳しくありません。

父親の本家では、父親が亡くなる1ヶ月前に伯母が亡くなっており、
諸々の仏事は本家のやる事を真似すればええんや、
という考えになっていました。
そうやろうね。それが妥当です。

葬儀からこっち、わしなりに仏教と浄土真宗、お盆(盂蘭盆会)について勉強し、
この歳になって初めてきちんと浄土真宗と向き合いました。

わが国では仏教伝来以前から死者の霊がこの世に戻ってくると信じられ、
それが仏教の盂蘭盆会の時期と重なり、先祖の霊を家に迎えてお供えや
読経など供養をしてあの世へ帰すという行事として定着したようです。
ですから、本来のお盆(盂蘭盆会)とは異なる行事が、あたりまえの様に行われています。

浄土真宗の教えに生きた門徒は、迷いの世から解き放たれ、極楽浄土におられるのですから、
お盆の時だけ帰ってきて、子孫の供養をうけるような事はありません。
「盆棚」「迎え火」「送り火」「精霊流し」などはないのです。

とゆうてもお盆にご先祖を敬う行事が無意味ではありません。
一族皆揃って仏前にひざまずいて先祖や亡き人を偲びつつ、
賜った生命の尊さを確認するのは意義のあることです。

我が家は土地の風習に従って盆提灯を飾りました。
迎え火が提灯に置き換わった岐阜県の風習である、と民族学者が言っていました。
2017bon01.jpg

みんなが集まって亡くなった個人の事を賑やかに話し合うことは
何よりの供養ではないだろうか。

若い頃読んだ徒然草の三十段に、

亡くなった人の事を覚えている人のいるうちはいいが
その人たちもいなくなってしまうと、もう知った人もいなくなり、
墓参りする人も絶えてしまうと、墓は苔むして
訪れるのは夕べの嵐、夜の月だけとなってしまう。

2017bon02-b.jpg

なんという無常観でしょう。


ですから墓がどうとか永代供養がどうとか言っても
故人を知らない人は心から拝んでくれるだろうか。
わしも顔も知らない祖父や祖母の墓に詣でても、形ばかり手を合わせていただけでした。



閑話休題





8月10日(木)
単身赴任先の堺市から、仕事が終わり荷物を抱えて1700から列車を乗り継ぎます。
南海線~地下鉄御堂筋線~新幹線~名鉄羽島線~高速バス八幡線
わし、乗り鉄なんでこういうの好きなんですよ。
2100に母親が独り暮らしている岐阜県関市の実家に着きました。

まず、父の仏壇にお供えを供えて
真言宗の数珠を繰って般若心経をあげます。浄土真宗で般若心経・・・?
いいやんけ。仏様は気にしてはいません。

母親は四国八十八箇所を歩きたかったそうですが
生前父親がお遍路に興味を示さなかったために行くことが叶わなかったんです。
いずれわしが連れて行かねば。


8月11日(金)
朝から母親が細々とした家の用事を言ってくるので汗をかきながらこなす。
今日の昼食は?という話になったとき、鮎が食べたくなりました。
わし、毎年夏になると鮎が無性に食べたくなるんですよ。
亡き父親は鮎つりが大好きで、毎年鮎をたらふく食べていました。

「鮎を食べに行こう!」

近くに住んでいる兄がやってきたので、
あらかじめ調べておいた岐阜県関市洞戸の板取川沿いにあるヤナ場の鮎料理店に
ドライブがてら行こうかね。

中学校の教員だった父親の転勤に伴い
岐阜県の山奥を転々としていて、ここも1年間暮らした場所なので、
懐かしい・・・かな?
2017bon03.jpg

日照時間4時間という村の川原に沿ってキャンプ場が多く、
三連休の初日ということもあり、大変な賑わいです。
沢山ある鮎料理店も満員!
受付だけ済ませてしばらく川原を散歩しつつ順番を待ちます。
昔は夏休みには毎日ここの川原で遊んでいたなあ。涼しい風が吹きわたる。

待った甲斐がありました。
鮎の煮浸し、小鮎の南蛮漬けに始まり
空揚げ、刺身に続いて
塩焼きと鮎が続きます。まだ鮎が動いているのを目の前で焼くのです。
2017bon04.jpg

「あっ動いてる動いてる!」

周りの席から子供の叫び声が聞こえてきます。
こんなに鮎を食べたのは初めてで大満足!
〆の鮎雑炊が出る頃には鮎でお腹が一杯になっていますよ。

大満足して店を出たら、
道を車がひっきりなしに通る。
こんな山奥でなにかな?と思ったら、この近くに「モネの池」があったのです。

なんと!
2017bon05.jpg

岐阜県関市板取にある「名もなき池(通称モネの池)」です。
この池は、SNSで急速に広がり、多くの人たちが押し寄せてきました。
いい村おこしになったでしょう。
道の両側には大きな駐車場があり、地元の人が稼いでいますよ。
まさか「モネ饅頭」や「モネ煎餅」はないやろうなあ。
と思ったら喫茶店には「モーネングセット」があるよ。

ちなみに、向かいの山を越えた方角の岐阜県関市下之保には「平成村」があり
元号が平成に代わった時に大いに賑わっていました。
そこもわしの故郷のひとつです。

故郷は山ばっかりや。

ドライブの帰りに夕食の食材、ビール、明日の作業のために草刈機の部品などを買い、
家に戻りました。

食事担当は、わし。

父親の好物だった鰻丼を作り、仏前に供えます。
去年亡くなる前、最後に食べたのが鰻なのです。

この晩は母親と兄とわしの3人で語りながらお酒を飲む。
葬儀の際に父親のお棺に入れた物は、わしが四国遍路で貰ってきた判衣と金剛杖、それに本山寺で買った六文銭
判衣を着せようとしたら浄土真宗の坊さんが嫌がったので足元に掛けるだけにしました。
それからそれから、わしが江田島の幹部候補生学校で被っていた部隊識別帽を入れたなあ、
孫達は折鶴を沢山折って入れたなあ、

なあんてことを夜遅くまで喋っていましたがな。



8月12日(土)
特にお盆といっても何もする事はない。
朝早くに庭の花を採ってきて仏壇に供え、盆提灯を飾りました。

朝食を済ますと家の庭と裏にある畑の草刈り作業が待っていました。
お盆の時期に集まる人達は、墓参りの他は何もする事もなくゴロゴロというのが定番ですが
今日はそうもいかん。
労働力なのです。

畑は兄が毎週末に手入れに来ているのですが
それでも夏草の勢いはものすごく、ジャングルになってしまっている。
2017bon06.jpg

父親の着ていた作業服に身体を押し込んで草刈機を始動する。おお、動いた。
蒸し暑い屋外で草刈機を無心に動かしていると汗が滝のように流れます。
ちょっとボ~ッとしてきます。
しかしなんとかお昼前に終わりましたよ。

お茶を飲んでも飲んでも喉が渇く。
どんだけ汗が流れたのか。

昼食時には妹夫婦が末っ子1人連れてやってきました。
末っ子といっても大学3年、それに兄の嫁も来ました。
あっというまに大人7人が食卓に揃い、チラシ寿司と冷麦で賑やかな昼食になりました。
2017bon07.jpg

わしら兄妹3人揃うと話のネタは尽きず、午後一杯は食堂の椅子に座ってダラダラお喋りしました。
10月の一周忌、11月の本願寺での納骨の予定も決まりました。
身体を動かすことなく昼食、おやつ、夕食と食べ続けたので
せっかく減量しているのに体重増えたやろうなあ・・・
夕食はわしの作った「海軍カレー」ですがな。

賑やかに皆で喋っているので亡き父親も喜んでいるでしょう。
認知症の時期が10年と長かったが90歳の大往生なので
楽しい思い出ばかりが残ります。

また、今まで知らなかった母親の実家の事も、今だからこそ聞かせてもらいました。
母親の母親の実家は大きな呉服屋だったそうで、花嫁衣裳は持参してきたそうな。

「まだある?」
「あるよ」
「見せて!」
「ええっ、見るんかいね・・・」

嫁入り道具の桐箪笥から、打掛と帯が60年ぶりに出てきました。
なるほど、いい品物は長持ちするなあ。
これ、孫の花嫁衣裳にならんかなあ・・・なんて考えます。
2017bon08.jpg



8月13日(日)
わしの滞在最終日、わしの予定に合わせて兄と妹の家族が昼に集まってくれました。
仕事の都合で全員とはいかなくても、大人数です。
椅子が足りませんやね。

そうそう、忘れてはいけない「お盆玉」
まだ学生が3人いるのでオヂサンの務めとしてあげなくてはいけませんね。

そして嬉しかったのは、甥っ子達がプラモデルを作っていること。
ほんの僅かの時間でしたが、
ひさびさにプラモデルの話ができましたがな。
2017bon09.jpg
実は、この場面には兄の長男しかいなかったが、妹の長男の話も別に聞いていたので
架空の場面をコラボさせていただきました。

久々の実家で里心がついてしまい、もっと長く居たいなあ、という思いを残しつつも
帰らねばなりません。
兄の息子が新岐阜駅まで車で送ってくれました。
甥っ子は大学院でバイオを勉強しているし、姪っ子は薬学部に行っているので
わしとは理系の話が共通項で、なんとか話についていくことができましたがな。
若い人と話すのはいいねえ。

お年頃の姪っ子は、自分の親父と喋るのは嫌がっても
叔父さんと喋るのは問題ないようでした。

このまま堺市の単身赴任先に帰ります。
今回わしの家族は勤務の都合上合流できませんでしたが
10月の一周忌には皆揃うでしょう。
その時にはひ孫の顔を見せてあげられます。

それまで、お楽しみに・・・
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード