歩き遍路4巡目 13番大日寺~23番薬王寺

歩き遍路4巡目 13番大日寺~23番薬王寺


平成27年のお遍路の終わりは
焼山寺登山で終わる予定でした。

しかしながら
直前に風邪をひいたようで
お腹の具合が、山陰線下りから、東海道新幹線のぞみ下りになり

こおりゃいかん。

熱はひいたものの、
山中でもしものことがあったら洒落にならん。
というわけで、
平地ならば体力的に無理も少ないであろうということで
急遽13番~17番、18番~23番を
歩き&バス&列車で廻ることにしました。

「歩かねばならん!」
という強迫観念は、すでになし。
自由な心でお大師様と向き合おう。


12月21日(月)
1820「南海なんばバスターミナル」を出て
2130「徳島駅前バスターミナル」に到着しました。
今夜のお宿は、徳島駅前の定宿「ルートイン徳島」
最上階の温泉に入って明日に備えます。
おっと、葛根湯と陀羅尼介丸を忘れずに飲もう。


12月22日(火)
今日は冬至だなあ。
0609「徳島駅」発~0620「府中駅」着
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ここの駅名、初めて見知った人は必ず
「さて、これは何と読むでしょう?」
という投稿をするんでしょうね。
特にお遍路を始めたばかりの人・・・

今回もこの区間は逆打ちです。
標識がないと歩きにくいね。
特に今日は冬至だけあって日の出前です。
暗く、わけわからない道を歩くのは心細いなあ。

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夜が明けてきました。
東の空の雲は、何に見えるんでしょうね?
2kmを40分かけて歩いて

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17番 井戸寺着
今日は平日なんですね。
登校前の小学生の姉妹が境内にいました。
ここの本堂・大師堂は一面石畳が敷かれていて、
久しぶりに正座をしてお勤めしたら
足のあちこちが痛くて痛くて
足の位置をもぞもぞ変えながら
落ち着きのないお勤めでした。許してチョ~。
大金剛輪陀羅尼を最後にしっかり唱えます。

ここからいったん元来た道を引き返して
16番観音寺へ向かいます。
通学の小中学生の姿が多くなってきました。
それに通勤の車も多い。

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遍路道から少し離れるが、
善根宿として有名な「栄タクシー」の位置を確認しておきました。
善根宿、通夜堂を使えば経費の削減ができる。
いつかここに泊めてもらおうと思います。

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16番 観音寺着
朝も早いのにダンタイサンがやって来ました。
ジャンボタクシーの小規模ダンタイです。
納経所ではセンダツさんが
納経帳をバーンと積んで受けていました。
その間、すでにお勤めは始まっています。
慣れた人に任せているのでしょう。
こんなんもありかな?

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納経所では、
わしの描いた観音寺の絵を納めさせていただきました。
納経が終わり、トイレに寄って出かけようとしたら
「お遍路さん・・・」
納経所から呼ばれました。
「お名前を教えていただけませんか」
「は、はははい」
納め札をお渡ししました。

今回も旅のお供は携帯ラジオ
NHKの番組が落着いていて、わしは好きですね。
毎日午後からの
「午後のまりやーじゅ」もNHKらしくなくて、
それでもどこかNHKらしい落ち着きもあり
山田まりやさんのトークと笑い声が楽しくて好きです。

15番 国分寺着
寺域に独り立つ本堂
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栄枯盛衰を顕わしているこの建物、好きですね。
大師堂は立替えられたばかりで、
木の色がまだ新しい。
本堂・大師堂の新旧の対比もまた面白い。
ここでも絵を納めさせていただきました。

ここから次まで歩いて20分あまり。
それにしても今日は暖かいねえ。
本当に12月なのかい?と思うくらいの気温です。
従って汗も流れてきます。
寒いと思って着て来たヒートテックのアンダーウエアー
1枚でも歩けるような気がします。

14番 常楽寺着
ここの境内の絵を描きたいのですが
いかんせんアングルが決まらないのです。
岩盤を基本にすると、かなり低い視線で見つめなくてはいけない。
したがって、はいつくばってカメラを構える。
みなさん、どうやってアングルを決めているんでしょうね?
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老夫婦がやってきた。
はいつくばるのをやめる。
「アララギ大師・・・?」
「これは何の木かな?」
「アララギ?」

「もし、これはイチイの木の事です。昔お大師様がこの木の葉から
糖尿病の薬を作ったのです。
ほら、この木の又に小さなお大師様がおられるでしょう」

「おお、本当や。イチイか・・・勉強になったなあ」

「お道よろしゅう」
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5周も廻ると、少しづつ札所に関する知識が増えてくるが
これはあくまで知識であって智慧ではない。
やたら知識を開陳したがる
教えたがりにならないように気を付けなければ。

(葉に含まれるタキシン・タキシニンが血糖降下作用があるが
アルカロイドなので投与には注意を要するようです)

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さてここから13番まで2.3km
のどかな里の景色を楽しみながら歩く。
暖かいのがなによりですね。

13番 大日寺着
金住職は今週は不在だそうです。
ちょっと残念でしたが、公私ともに超多忙な住職の都合に合わせて
訪ねたいものです。
年末の平日、貸切状態の境内には暖かい日差しが降り注ぐ。
ちょっとここでお昼を摂らせてもらいましょうかね。
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ここから「一宮札所前バス停」の
1225発の徳島行きバスに乗って「徳島駅前バス停」に移動する。
しかし・・・時間になってもバスは来ない。
15分くらい待って、次の便に乗ろうかと思い始めたころに
バスはやってきた。

30分程で徳島駅に着いたのですが
15分遅れだったので
1218発の牟岐行の列車に乗り遅れてしまいました。
まあいいや。
次まで30分くらいある。
ふと構内の食堂を見たら・・・
「十割蕎麦」の暖簾がある。

おおっ

今まで気がつかなかったなあ。
「麺家れもん」というお店です。
迷わず店内に入り、お品書きを見ると
「鮎の甘露煮入り蕎麦」
これしかない!
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「祖谷蕎麦」という名物だそうで、太くて短い麺です。
十割蕎麦の舌触りもさることながら、鮎の甘露煮がまたおいしい。
岐阜県の山奥育ちのわしとしては、「鮎」と聞けば
我慢が出来ないんっすよ。

1243初の牟岐行きの列車に乗って
「南小松島駅」まで行きます。
列車内は買い物かな?老人や婦人たちであふれている。
荷物で2人分の席を占拠してお喋りに夢中の婦人が
老婦人に席を譲らないので、わしが席を譲り、
出口付近で立っていたら
別のオバサンが話しかけてきました。

「あんた、四国八十八箇所廻っているんか!」
「・・・この格好ですから・・・」
「どこから来たんか!」
「大阪の堺からですよ」
「私の知り合いが岸和田にいるんやが、知ってるか!」
「ああ、泉南の方ですね」
「それから友達が御堂筋の◎×ЮШにも住んでいたことがあってな!」
「その辺は詳しくないのです」
「わたしも八十八箇所廻ってな!」
「歩きですか?車ですか?」
「それで今度は高野山にも行ってきてな!」
「わしもこの間歩いて登ってきました」
「誰それと、誰それがあそこに行ってきてな!」

微妙に話がかみ合わない。
自分が最近廻ってきたことだけを言いたいようです。
結構そういう人いるよね。
大概車か、バスですな。

「南小松島駅」で降りて、18番恩山寺まで3.0km歩きです。
ここは遍路道ではないので
地図を頼りに行く・・・が遍路地図にはこの地点は載っていない。
国道を南に向かって歩いて行くとおじさんに
「どこ行くの?」
「はあ、恩山寺まで・・・」
「この方角は違うよ」
「あ、そうですか」
「いつもこっちの方角に行こうとするお遍路さんがいるので教えているんやよ」
ありがたやあああ。

更に歩くと、郵便局近くで歩いてきたお爺さんが
わしに敬礼をしてきた。
わしも金剛杖で答礼をしましたがな。
お爺さんはわしの答礼に、にっこり。
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「どこからかのう?」
「大阪の堺からです」
「おつかれさま」
「ありがとうございます」
また敬礼を交わして別れました。
小松島に航空隊があるので、もしかして先輩かな?

またしばらくローカルな雰囲気な道を歩くと
「千羽ヶ嶽のお豊とお君の墓」
いまだにここの由来が分らない。
誰か教えて!

その先には
遍路小屋とお京塚もある。
すっかり見慣れた風景ですね。
しかし、積極的に遍路小屋で休もうという気にならないのは、なぜか。
お遍路を始めたときから違和感を感じていました。
居心地悪いというか、落ち着かない。
それはアバンギャルドな外観も原因のひとつかもしれない。

わしは芸術を理解できない人間なんやろうね。

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野宿の際、どちらで寝るかというと、
多分朽ちかけた地蔵堂を選ぶでしょうね。
昔、瞽女(ごぜ)がひっそりと泊まっているような・・・

18番 恩山寺着
朽ちかけた山門の脇にある遍路道を登ると
途中老人が杖をつきつき登っています。
地元の人でしょうね。こうやっていつも登っているのでしょう。

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境内は、まだ銀杏の黄色が残っています。
どんなアングルがいいのかな?
ダイセンダツさんの老夫婦が仲良く石段を登ってきたんですが
あっという間にお参りして先に去って行きました。
なにかな?

次の札所まで4.0km歩く。
ここは夏と秋に通った道で、両脇の田圃の風景もまた
違った顔を見せている。
夏は農業用水を思わず飲んでしまったなあ、とか
たわわに実った稲穂を触りながら歩いたなあ、とか。
今はすっかり刈り取られて
次の季節を待っています。
ほのかに漂ってくる煙の香りが、子供の頃の冬の記憶が蘇ります。

「プルースト効果」という言葉があります。
匂いと記憶の強い関連性です。
脳内の臭覚と記憶の場所が近いからだそうな。
視覚、聴覚記憶よりも臭覚による記憶の方が
より強くフラッシュバックする・・・
わしの場合、それは給食の匂いだったり
初詣の寺院に漂う線香の香りだったりする。
楽しかったり、切なかったり。

ですから、
わしはお遍路に出かけるたびに子供の頃の初詣の記憶が蘇るのです。

こんなことを考えながら歩いていたら

19番 立江寺着
ここで大きなミスに気づきました。
蝋燭が切れた!
確か立江寺大師堂の手前に雰囲気のいい売店があったなあ。
そこで買おう!
と思ったら今日は閉まっているよ!
ああっ
どうしようかと考えていたら
さんや袋の底に2本転がっていました。
おおっ南無大師遍照金剛
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ここでも納経所で絵を受け取ってもらい

今日はここまで。
200m歩いて「立江駅」まで行く。
1632発「立江駅」~1701「徳島駅」360円なり。

今夜のお宿も昨夜と同じく「サンルート徳島」

今日は20kmくらい歩いたかな?
チェックインしたらランドリースペースに汚れものを放り込んで
夕食に行くかね。
駅前のいつもの店で、骨付き鶏(雛鳥)を堪能します。
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この骨付き鶏、丸亀名物だったのですが
今や四国全般に伝播していますね。
それに大阪でも食べられる店もできています。

お腹もできたことだし、
ホテルに帰って今度は天然温泉を楽しむ。
ちょっとしょっぱくて、錆色に濁ったお湯に足を浸していると
今日の疲れも取れるような気がします。


12月23日(水)天皇誕生日
午後から雨の予報ですが、
今日の予定は午前中です。22番、23番です。
0547「徳島駅」~0710「日和佐駅」
昨夜よく寝たのですが、列車に揺られているとつい寝てしまいますね。

日和佐の駅で降りて、
いつも東側の正面から大回りして薬王寺まで歩いていったのですが
よく考えたら西側出口から道の駅を通ればすぐなんですね。
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やはり早朝の薬王寺には誰もいない。
落ち着いてお勤めをすることができていいね。
さて、蝋燭
本堂の蝋燭立ての横で売っていたのでそれを買いましょう。
願文入りのやつを買う。
ちょっと高めですがまあいいか。

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薬王寺の絵を描きたいんですが、ここの桜の木の枝ぶりを見ていると
春に描いた方がいいなあ、と思います。
瑜祇塔の朱と桜の色がよく合うと思うのです。

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本堂の裏手に「肺大師」があります。
すっごく気になる名前ですね。
なんでもラジウムを含んだ霊水(瑠璃の水)が湧出していて
肺病など諸病に効くといわれているそうです。
薬王寺温泉と関係あるのかしらん?

長い石段を降りていくと、お爺さんが
「南無大師遍照金剛、南無大師遍照金剛・・・」
と1歩1歩唱えながら登ってきました。
地元の人なんでしょうか、
彼らにとっては日常的な有難いお寺なんでしょうね。

まだ門前のお店も開かないまま、薬王寺を後にする。
0900「日和佐駅」発~0923「新野駅」着
2km歩いて22番平等寺まで40分
空模様が怪しくなってきました。
なんとか午前中は持ちこたえてもらいたいなあ。

22番 平等寺着
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手水鉢に活けられた南天が美しいね。
いつもながらセンスのいいお寺です。
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本堂は現在修理中で、
御本尊は仮本堂の不動堂に引っ越しています。
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納経所で、わしの描いた絵を納めさせていただき、
副住職さんと少しお話しました。
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平等寺も、花をもっと植えたい・・・
門前のコスモス畑は去年から地元の人が始めたそうな。
「コスモス=平等」を意味づけて植えたそうですが
仏教でいう平等とは意味合いが違うんやけどもなあ・・・
などと言われていました。
向日葵を植えたそうです。

この先副住職さんが平等寺をどう演出していくのか
楽しみです。

ここで今回の旅は終了
「新野駅」で1時間ほど列車を待つ間に雨が降り始めました。
乾パンとカロリーメイトで軽く食事をする。
「新野駅」~「徳島駅」で徳島に帰り
駅前「びざんの湯」で汗を流し、餃子の王将で食事をして
1600「徳島駅前バスターミナル」から
1900「南海なんばバスターミナル」着

堺のねぐらにたどり着いたのは20時過ぎでした。

今年もお遍路に明け、お遍路に暮れた1年でした。
とても充実していたなあ。
旅のための時間は、
日常の職務をしている中からひねり出して作る方が充実している事が
更に実感できました。
あと少なくとも5年はこういった区切り遍路を続けていきたいと
考えています。
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No title

 おやっさんペースの遍路旅、昨晩じっくり読ませていただきました。
 14番常楽寺の絵、楽しみにしています。

>先客の瞽女がいた
  それからどうなりました?
  なんてヤボは申しません^ ^

No title

瞽女の運命はいかなることに?
実はこれ、川口松太郎の「一休さんの門」に影響されて描いたんです。一休さんと森侍者の恋の物語です。
わしもこんなことないかなあ。

森侍者

 知りませんでした・・・「森女」のこと。
 ちょっとネットで調べてみました、
 一休禅師にそんなエピソードがあったのですね~
 へえ~~~~ って感じです。 
 

No title

そんな人間くさい禅坊主の一休さんが大好きです。
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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