歩き遍路3巡目 高野山

歩き遍路3巡目 高野山
平成27年11月14日~15日

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11月14日(土)
四国遍路四周目の結願報告とお礼に高野山に行ってきました。
堺市に赴任してきてよかったと思うのはこの時です。
なにしろ南海電鉄高野線が近くを通っている。

0504始発に乗って出発
昨夜から降り続いていた雨があがっている。
やれ、ありがたやありがたや。

「天下茶屋駅」で高野線に乗換え
0605発の急行で「橋本駅」まで行き、
そこから各駅停車で「九度山駅」で降ります。
0707
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駅の待合室で装束を改め、出発
ここから約2kmの歩き

0738
自尊院着
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本日の道中安全を祈願し、納経帳に御朱印をいただきます。
山登りの格好の人もチラホラいるが、白の遍路装束はわしだけ。

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0800
百八十町石に見送られて丹生宮省符神社への石段を登る。
根本大塔までの道程を一町(約108m)毎に石塔が建てられていて
道程の目安としては非常にありがたい。
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南海電鉄の駅で貰ったガイドブックには
九度山駅から根本大塔まで、山道を約21km、7時間と書かれている。
まあ、こんなもんかな。
今日中に高野山の宿坊に辿りつく事を目標としましょう。

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山道は落ち葉の絨毯が敷き詰められ
秋の風情が満点なんですが
赤の色味も欲しいなあ、と贅沢も言ってみる。

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ここは富有柿の名産地で
道なりに熟した柿が「さあ、食べて食べて」
と言わんばかりに垂れ下がっている。
ああ、不偸盗不偸盗・・・

展望台からは紀ノ川方面が展望できる。
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今回もお供はNHKラジオ文芸館
夏目漱石の「夢十夜」不思議な話です。
『こんな夢を見た。腕組をして枕元に坐っていると、仰向きに寝た女が、
静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔か
な瓜実顔をその中に横たえている。真白な頬の底に温かい血の色がほど
よく差して、唇の色は無論赤い。とうてい死にそうには見えない。』
不思議な世界観の物語に聞き入って歩いていると、
いつのまにか時間と距離が過ぎている。

しかし、風景は嫌でも目に入ってくるので
絶景を見落とすことはない。
お接待も見逃すことはない。
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おお、柿のお接待だああああああああ。
ひとついただきます。
おいしいなあ。
元気が出たよ。

0900
銭壷石ですって。この石の上に銭を乗せて手掴みで取らせたそうです。
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1265年から20年の年月をかけて
この町石道が整備されたそうな。
その際に安達泰盛が作業員に給金を与えたとき、
この石を使ったそうです。
彼は我等が足立氏の祖先なので、特に興味深くこの由来を見ました。

なだらかな尾根沿いの山道を登っていくので
そんなにきついとは思わず、景色を楽しみながら歩くことができます。

今日は雨が降らないのが有難いのですが
気温が今の季節にしては高いので汗が流れる。
確実に数が減っていく町石は
山歩きの目安としては最適ですね。
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1000
六本杉峠着
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歩き始めてから2時間、まだ半分も来ていない・・・
えい、気を取り直して行こう。
このあたりは少し勾配がある山道なので
疲労度が増すね。
今日は金剛杖に加えてストックを持ってきました。
両手に杖を持って山道を登ると楽ですね。

1037
二つ鳥居前の展望台
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紅葉の山々を眺めることのできる絶景ですが
それよりも休憩所にAEDが設置してあるのに感激しました。
焼山寺のへんろころがしにも設置したらいいのかもね。

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二つ建つ鳥居は、丹生明神と高野明神で、お大師様建立と
伝えられています。
そういえばここの地域は辰砂の鉱脈があるそうですね。
お大師様と辰砂の鉱脈は縁が深そうです。
お四国にも「丹」のつく土地が多い。
そこには弘法大師由来の霊場もまた多い。

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更に山道を歩くと人の声が聞こえてくる。
(山の神様の声か!)
と一瞬緊張したが、
そこにはゴルフ場がありました。
な~~~んだ。

ゴルフ場を右に見ながら山道を更に登ると
自動車の音が聞こえてきました。
いつのまにかお昼時になっていました。
あげパンを齧りながら、自動車道を下に見ながら町石道を歩くと
石の窪みにお地蔵様(?)がある。
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1244
矢立着
ここは車で来たとき、見覚えのある風景です。
自動販売機、トイレがあり
峠の茶屋の店先で休憩させてもらうことにします。
ここの写真を撮ろうとしたら、
車が停まり、中から降りてきた男が袋を手に吐き始めた。
ああああ、くねくね道で酔ったな。
気持ちはわかるがわしの目の前で吐かないでほしいなあ。
なので、峠の茶屋の写真はありません。
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ここから道は急になる。
最後の5.8km、2時間とある。
頑張ろう!
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新旧町石が並ぶ。右が古い方で左が新しいもの・・・
逆な印象ですけどもね。

町石道は、時々道路が寸断している。
と、ある看板が

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「ノオッ!」
思わず叫んでしまいました。マカロニほうれん荘・・・
昔見た漫画って潜在意識の下にしっかり残っているんですね。
以前より激しく杖の鈴を鳴らしながら歩く。

自動車の音を上に聞きながら、杉の落ち葉の道を登っていくと
雨がパラついてきました。
でも雨着を着るまでもない。

1520
つつついに大門が見えた!
7時間と少しかかりました。あ~感激・・・・
の気持ちに浸る前に、突然雨が激しくなってきました。
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ああ、お大師様が高野山にお帰りになったのですね。
ここで初めてポンチョを着込む。

ガヤガヤと騒々しい動画ですいません。
雨に濡れながら高野山の町並みを歩きます。

高野山の最初の目的地は
新西国6番札所「宝亀院」
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根本大塔の道をはさんだ奥にあります。
ここはお大師様の「お衣替の行事」で有名な所です。
お大師様に御衣を奉る寺であり、その衣を染める霊井は、
生命の泉としてお腹の病に霊験ありとか。
わしも水筒にいただきました。
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金峯山寺は、ずぶ濡れなので外からお勤めさせていただきました。
もう靴の中まで濡れてしまいました。

本日のお宿は「大円院」
宿坊のある奥の院の地域へ濡れながら歩いて行くと
先には大きなトランクを転がして歩く一団がいる。
こんなところにも爆買い軍団が進出しているのかああああ(ため息)
どうか同じ宿坊でありませんようにと
祈りながら歩いて行くと、
やがて大円院に到着
幸いなことに彼らは先へ歩いて行く。
それにしても賑やかで、やかましい。

宿坊で出迎えてきたのは20歳台の若者です。
高野山大学の学生さんだそうです。
「あの~、ここでは洗濯できますか?」
「すいません・・・できないのです」
「そうですか・・・」
仕方ない。宿坊でホテル並みの設備を求めるのは野暮です。
「夕食にはビール、お酒はつけますか?」
「(しばし黙考)・・・・ビールを!」
「はい」

通された部屋にはテレビ・エアコンがあるよ。
室温を高めに設定して、せめて濡れた衣装を乾かすかね。

1745に夕食です。
大広間で精進料理をいただきます。
おビールを頼んでおいたので、まずそれを一杯ググ~ッと
「んまいっ」
精進落しです。
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でもビールは最初の一杯が命やね。
次第に酔っ払ってきて
美味しい精進料理を味わえなくなってきた。
なんと勿体無いことですか。
いかん!

食事を終えて
ヨロヨロと部屋に帰り、ひっくり返っていたら
Facebookの友達からメールが来ました。
高野山に研修で来られていて
差し入れを持ってきてくださるそうです。
なんと有難いことか。

酔っ払ったままでは失礼なのでお茶をがぶ飲みして
酔いを醒ます・・・が醒めない。

30分くらい寝ていたら
宿坊の玄関まで来たよ、とメールが来たので
衣装を調え、ヨロヨロと玄関に行く。
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金剛峰寺の参与会の会員の方で、3日間の研修だそうです。
塗香、線香、飲み物のお接待を頂き
わずかの間ですが貴重な立ち話ができました。
ありがとうございます。
またの機会にゆっくりお話をお伺いしたいです。


11月15日(日)
夜半にしていた雨音が聞こえてこなくなっている。
すでにお大師様はお出かけになられたかな?

0550から朝のお勤めがあります。
本堂に集合してきたのは全員ではないようです。
正面の席だけ何故かいつも空いているので
わしが座ることにする。
こういうことは子供の頃からいつもそうなので、慣れています。
お焼香の煙がまともにわしにまとわりついてくるので煙い。

読経がおわり、法話になったのですが
若い副住職でしょうか、
やたらと肩に力のこもったお話をするので
聞く方も少し疲れてしまいます。
もう少し歳を取ったら角が取れた話ができるようになるでしょう。

0715
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大広間で朝食を淡々と食べるのですが、5分とかからない。
わし一人食べ終わってさっさと引き上げる。
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雨もあがっているし、さあ奥の院でお大師様に挨拶をしにいこう。
朝早いのですが観光客がちらほらいます。
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それに気温が高いせいで
歩いて行くうちに汗が出てきます。
11月も半ばなのになあ。

昨夜の雨で高野山は清められ
空気と岩と木々が清浄な雰囲気に包まれています。
御廟所前は人も少なく、更に厳かな雰囲気がします。
お勤めするのも、わしひとり。

見も心も清められて
帰ろうとしたら、大きなカメラをかついだオッサンがいる。
嫌な予感がしたので、しばらくそのオッサンを観察していたら
御廟の写真を撮り始めた。
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「撮影禁止」とあちこちに書いてあるのに
本当にアマチュアカメラマンは節操がないなあ。
いや、むしろ「カメラ持ったおっさん」と呼ぶべきか。
以前アマチュアカメラマンの無節操さを批判したら
自称プロカメラマンに絡まれた事がありました。
「撮影禁止」の場所は、
正式に許可を取らなければプロでも撮影禁止なんです。

信仰の対象である仏像を被写体として捉える人が
撮影後、御朱印を求めるのはアンビバレンツな行為です。
彼らはそれに気づいていないのでしょうか。

最後の最後で嫌なものを見てしまいました。
これについて考えなさい、とお大師様からの課題でしょうか。
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帰りは南海電鉄の「バス」→「ケーブルカー」→「特急こうや」
これ、ほとんど待つことなく驚くほど円滑に乗り継ぐことができました。
歩きバス電車コラボ遍路していると、
驚くほど円滑に乗り継ぎができることがよくありました。
慌てて急ぐと心に余裕がなくなるので
「まあいいや」
と思うとうまくいくことが多かったです。
無作為がいいのでしょうね。

あせらず、慌てずに行くのがいいのかもしれません。


さてこれで四周が終わりました。
五週目・・・・多分12月から始めてしまいそうです。
皆さん、またお付き合いください。
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三巡目 高野山

 昨晩、寝床でじっくり読ませてもらいました。
 ホントにいい所へ赴任されましたね ^^
 
 あの柿畑から紀ノ川を眺めながら「花岡青洲の妻」なんぞを思い出したことです。
 今回も「坂本屋道中安全札」を連れて行って頂きありがとうございました。

No title

そうか、花岡清洲の住んでいたのはあのあたりなんですか。
道中安全手形、八角五尺の金剛杖にしっくりきますよ。
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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