西国巡礼記 31番長命寺~結願33番華厳寺

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たまには裏京都市の実家に帰って家内のご機嫌をとらねばならぬ。
それには7月の海の日の3連休を使うとよいであろう。

もちろん、西国札所巡礼も結願もせねばならぬ。
その日のために、
姫路や番外札所への突撃日帰り巡礼をしてきたのだ。

家内は温泉と美味しい物が好きです。
ですから、琵琶湖畔の小谷城跡の麓にある「須賀谷温泉」で
「近江牛スキヤキ御膳」を予約しておいたがな。


7月18日(土)
先日まで日本を荒らしていた台風も日本海側に抜けたものの
台風の影響で雨雲の活動が活発になったままだ。
山道は大丈夫だろうか。

0730に裏京都市を出発し、まず最初の目的地の
比叡山延暦寺の横川中堂を目指す。
ここは、新・西国三十三箇所の札所の1つで、
おいそれと行けるところではないので今回行くことにしたのです。
しかし
カーナビの画面に「通行止め」の表示が出ていた・・・
最近のカーナビは性能いいんやねえ。
台風直後なので通行止めもさもありなん。

仕方ない、こちらは明日行くとして、
琵琶湖大橋を渡り、近江八幡方面に行き、
31番札所の長命寺へ行こう。

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山の麓のバス停から、有名な808段の石段を登って行くのですが
今回は足弱の家内が一緒なので
迷わず車で山上駐車場を目指す。
山道は昨夜の嵐の名残をとどめています。

駐車場から更に100段石段を登ると

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31番 姨綺耶山 長命寺着
風も吹いていて涼しいが、湿度も高い。
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十二代景行天皇の代、武内宿彌(たけのうちのすくね)がこの山に上り、
『寿命長遠諸元成就』の文字を柳の大木に彫り、
長寿を祈願した結果、三百歳の長寿を保ったと伝えられるそうです。

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眼下には琵琶湖が眺望できる絶好のロケーションです。

さて次の安土に移動し、
32番観音正寺へ行くための表参道を通って山に
登ろうとしたら、通行止めになっていました。
やはり台風の影響でしょうか。
ここの林道は狭くて危険な個所もあります。
反対側の裏参道も同様なんでしょうか・・・

ここで決断を迫られます。
今、1300
このまま温泉旅館に行くには早すぎる。

えい!
33番華厳寺に行こう!
ここは結願寺なんですが、細かいことには拘らないようにしよう。
西国札所の中で唯一美濃国にある札所です。
今いけば1500には着くことができる。

今日はまだ昼食を食べていないなあ。
夜は御馳走だし、中途半端に食べてお腹を膨らませてしまうとなあ・・・
と、考えているうちに
美濃の国は揖斐に着きました。
おお、なんか風景は深山幽谷という感じですね。
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33番札所 谷汲山華厳寺着
ここは通称「谷汲さん」と呼ばれていて
わしは子供のころから初詣に毎年来ていたところなんです。
ですからここに来ると子供の頃の楽しいお正月の気持ちが蘇ってきます。
さすがに門前町は正月の時の殷賑はないが、
それでも土産屋とか巡礼用品店が賑やかです。

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山門をくぐると厳かな雰囲気の寺域になります。
地元の人たちが子連れ、孫連れでお参りに来ています。

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御本尊の十一面観世音菩薩様に、
きちんと向かい合うのは初めてです。
厳かな気持ちでお勤めをして、
「あの~、納め札はどこに・・・」
「上に行ったところに『満願堂』があります。そこです」
「は、はははい」
初詣に毎年来ていたのに、何がどこにあるのかわからん。
笈摺堂があるよ。
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ここで花山法皇が笈摺を奉納したところです。
ここでお勤めをしておこう。
さて更に上に登った先に・・・満願堂がある。
そこに納札入れがある。
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納経所は観音堂内にあり、
300円握りしめて納経帳を出したら、
「観音堂・満願堂・笈摺堂の三か所の御朱印があり、合計900円です」
「・・・は、はははい」

西国三十三番の結願札所として花山法皇が詠まれた御製三首の
御詠歌にちなんで三つ御朱印を行っているのだそうです。
三つとは観音堂・満願堂、笈摺堂を指し、
それぞれ現在・過去・未来を意味するとされてるそうです。
ふ~~~ん。
我ながら不勉強でした。

門前の食堂で笊蕎麦と味噌おでんを食べました。
味噌おでんは愛知岐阜の赤味噌文化の代表格のようなもので
わしのソウルフードでもあります。
福井県敦賀市出身の家内にとってこの味は許容範囲から逸脱しているらしく
「味噌おでん、おいしいなあ~。あんたも食べなよ」
「いらん!」
それに笊蕎麦のおつゆも味が濃すぎたそうです。
う~~ん、東西食文化の壁は越えられないなあ。

そうそう、職場のおばはんたちにもお土産をば買わねば。
このあたりの名物「柿羊羹」を買うか。
わし、これあんまり好きじゃないんですけどもね・・・

それはさておき、
今日はここまで。
滋賀県長浜市にある、「須賀谷温泉」に行く。
小谷城の麓にひっそりと涌く秘湯は、戦国武将の浅井長政も
湯治に通ったという歴史の湯だそうな。
信長の妹、お市の方も湯治に使ったそうです。

ここ、昔から岐阜県の故郷に帰省するときに通りかかり
いちど行ってみたかった所なのです。
駐車場に停められている車は石川とか神戸ナンバーの県外車が多い。

まず露天風呂に浸かって今日の汗をドッと流す。
ああ~気持ちええ~なあ~。
家内は1時間浸かっていたよ。

そして今日のハイライト、
近江牛のすき焼きです。
高級近江牛、100gいくらするんでしょうね?
割り下でいただく。
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関西風のすき焼きもいいが、割り下を使う方が高級肉を
よりおいしく食べられると思います。
家内が「おいしいね!おいしいね!」を連発するんで
わしは主に肉汁が滲みた野菜や麩を頂きました。
そして最後は栄養たっぷりのおつゆをご飯にかけていただきました。
これはこれでおいしかったよ!

二人で一本の瓶ビールで心地よく酔っ払い
夜の露天風呂を楽しむ間もなく眠りこけてしまいましたがな。


7月19日(日)
今朝は5時から露天風呂に浸かり英気を養う。
部屋に帰って爆睡している家内を叩き起こして
「風呂に入ってこい」
1時間後に部屋に帰ってきました。

朝食のご飯を3杯ずつ食べて
チェックアウトしたら、外は雨がザーザー降っています。
今日は雨のち曇りのはずだが・・・・

長浜から南下して安土へ。
雨もあがってきました。
今度は観音寺城へは裏参道を通っていこう。
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実はこちらを通れば駐車場から長い石段を登らなくてもいいのです。
料金所で、
「昨日は表参道が通行止めで・・・」
「ああ、こちらは開いていたんですよ」
「ええっ!」
そうやったんかああああ。
まあいいや。
裏参道も狭い山道をおっかなびっくり登る。
カーブではクラクションを鳴らしていかねば危険ですがな。
しかし観音様の御加護か、対向車は一台もなし。

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駐車場からは更に林道を歩いて行く。
たいした勾配ではないので楽に歩くことが出来る。
ここは、佐々木氏の居城のあった場所で、
あちこちに石垣が残っている。
観音寺城もトレッキングコースに入っています。
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32番 繖山 観音正寺着
山門はなく、むき出しの仁王様が守っておられます。
足元には大きな鉄下駄があるよ。
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ご本尊の千手観世音菩薩は、寄木造の柔和な表情で
圧巻の迫力で迫ってきます。

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本堂横の石積みには寺の縁起を示す人魚や観音像が配置されています。

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納経所では先日33番を先に参拝した経緯を話したら
満願の印を押してくれました。
わしにとっての満願場所は観音正寺ということでしょうか。
これもご縁です。

これで去年の6月から始まった西国三十三ヶ所巡礼も一区切りです。


次は新西国三十三ヶ所観音巡礼の始まりです。

琵琶湖大橋を渡り、
比叡山ドライブウエィへ入る。今日は通行止めではない。
不勉強で知らなかったんですが
比叡山は東塔地域、西塔地域、横川地域に分かれていて
それぞれ見所たくさんです。

今日は横川中堂のある横川地域に行く。一番奥になりますね。
横川地域は源信、親鸞、日蓮、道元などの宗派を立てた名僧が
修行された地域だそうです。

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あきらかに下界とは雰囲気が違う。
杉の林も笹の葉も苔むす石も、幽玄な雰囲気を醸している。
昔からここで仏道修行をしていたわけですね。
清浄な気持ちになってくる。

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ここは世界遺産なので当然のごとく観光客があまたいる。
ひとり真剣にお経を唱えるわし。
彼らにはどう映っているんでしょうね。

先には「恵心堂」があり、今堂内が拝観できるそうです。
堂にいた婦人二人が熱心に拝観をすすめてくれました。
なんでも石川から拝観にあわせてわざわざ来たそうです。
恵心僧都は、「往生要集」を著し、以後の浄土宗信仰の展開に大きな影響を与え、
その法系は恵心→法然→親鸞と繋がるわけです。
ですからわしと家内の実家は浄土真宗なんで、
祖師になるわけです。

普段拝観できない恵心僧都尊像を今日拝めたことは幸いでした。

気温も次第に上がり、
家内の表情もうつろになってきました。
「西塔地域、東塔地域に行くか?」
「・・・どっちでも・・・」
「行く気力がなくなってきたな?」
「・・・うん」
「じゃ帰るか」

途中某手打ちうどんチェーン店でうどんを食べて
夕方に裏京都市にある家に帰り着きました。

翌日、
家の庭の木の剪定とか草引きとかの手入れをした後
市内にある29番松尾寺に行き、
西国三十三ヶ所先達申請書類を貰いに行きました。
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あっけなく申請は通り、書類に必要事項を記入し、
22番総持寺に郵送するとあったので、
翌週堺市に戻ってから直接茨木市にある総持寺まで持って行きました。

これで西国巡礼も一区切りつきました。
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西国巡礼結願

おしどりお遍路道中記拝読致しました。
「寺は西国」とか聞きますが、さすがに立派な札所が多いですね~

「高級近江牛のすき焼き」、思わず生ツバごっくん!

あっ、お里の松尾寺さんでの西国先達申請おめでとうございます、次は四国88ですね。

No title

めったに食べられないお肉は、料理旅館で食べると美味しさが倍増ですね!巡礼中もこうした楽しみもいいもんだと思いました。
四国はお世話していただける札所も決まり、あとは焦らず慌てず
着実に歩を進めて行きたいと思っています。
これからもよろしくお引き回しお願いします。
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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