歩き遍路3巡目 29番国分寺~37番岩本寺

歩き遍路3巡目 29番国分寺~37番岩本寺



7月4日(土)
なんばOCATを0710発のバスに乗って高知駅へ行く。
今回の旅は、なるべく夜行バスに乗らないようにしている。
わしのイビキの被害者が増えないように・・・

1210
「高知駅北口バス停」着
小雨が迎えてくれる。
今日の天気予報は・・・「雨時々やむ」なんじゃこりゃ?
まあいいや。
「JR高知駅」から「後免駅」まで列車で移動する。
「ここの改札、PASUMO使えます?」
「すいません、使えないのです」
「そうですか」
安芸行き上り列車は元気な中学生たちでムンムンしている。
青春真っ盛りのあの頃にもどりたいか、というと
面倒くさいからもういいや。

人生をやり直したい、と言う人はいるが
強い意志で自分自身を変革しなければ
また同じ人生を歩むんじゃなかろうか。


「後免駅」に着いて駅前から少し歩いたところにある「後免駅前バス停」に行くと、
「国分寺通りバス停」行の便は30分後です。
では、歩くとしよう。
雨の降る中をポンチョを羽織って歩くが
湿気が高いので汗が流れて
ポンチョの外よりも中の方がしっぽりと濡れている。
ああ~、気持ち悪い。
靴もですね、「防水加工」が施されているはずなのに
靴下に雨が滲みてきました。寒くないのが救いといえば、救い。
途中に「へんろ石饅頭」の看板がやけに目につくが、
まだ一度も食べていない。

歩くこと約40分で
29番札所 土佐国分寺着
雨にぬれるとカメラを出す気にもなれず、従って写真もない。
紫陽花が綺麗なんですが、雨の風情を楽しむ心の余裕もない。
そそくさと門から出ようとしたら
「歩きですか?」声がかかった。
40歳くらいの傘をさした車遍路の男性
「区切りですよ。今日はここから」
「そうですか。私も長い休みのときは区切りで歩いて現在新居浜まで来ました」
「車と歩きを並行でやっているのですね。羨ましい」
「お気をつけて」
「お気をつけて」

さて国分寺門前の遍路用品店「扇屋」ここは外せないっす。
今回欲しかったのは緑の納め札
次回から使うために買いました。

小雨の中雨具を着ずにバス停まで小走りで歩く。
「後免駅前バス停」行きのバスは・・・
おお、ちょうどある。
南無大師遍照金剛

「後免駅」高知方面行下り列車は30分くらい後で、
しばらくホームのベンチで休む。
蒸し暑いながらも汗に風があたると寒く感じる。
雨脚が更に強くなってくる中、
やがてやってきた列車に乗って「土佐一宮駅」で降りる。
約3km歩いて善楽寺に向かう。
やはりポンチョの中は汗と蒸発する水分で濡れたままです。
靴の中も濡れている。

考えてみたら、過去歩きの3回とも土佐では雨に濡れて歩いている。
そのうち1回は台風の中でした。
わしは土佐雨男か?

he3-33a-01.jpg

30番札所 善楽寺着
雨の中札所に着いても、まずどこで雨着を脱いでリュックを降ろせばいいか?
悩ましい場所も多い。
ここは本堂脇にすべて脱ぎ、菅笠のみかぶって本堂~大師堂を移動する。
菅笠は傘代わりになって便利なんですが
読経の時雨のしずくが菅笠の縁から経本に垂れて来るのに困ります。

この時点で、1600
ここから次の竹林寺に行くことができるか?
多分麓まで行くことは出来るだろうけども、
そこから五台山頂上まで歩いて登ると納経所が閉まる時間に間に合わないだろうなあ。
と、いうことで今日はここまで!

「土佐一宮駅」から「高知駅」まで戻り、
駅前の「高知ホテル」に荷物を降ろす。
この時点で濡れた服などを洗濯したかったが、
素泊まりなので夕食をなんとかせにゃならん。
駅のコンビニで食料を買ってもいいが、まだ時間がある。
路面電車に乗って、「はりまや橋電停」で明日の朝の
バスへの乗り換え時間を確認する。

he3-33a-03.jpg
そして、にぎわうはりまや橋商店街のアーケードへ向かい、
お気に入りの洋食屋さん「コックドール」に行く。
ここ、去年たまたま入って美味しかった店なのです。
チキンカツレツがやけに美味しかったんですが、
今回は別のメニューを食べてみよう。
オムライスとカニクリームコロッケのセットを頼む。
まだ時間が早かったので客はわし一人
店の人としばらく雑談をしながら待つこと数分、注文の品が届きました。
おいしそう・・・
おいしい、やっぱり美味しいぞ!

he3-33a-02.jpg
堪能して店を出ると
アーケードでは「土曜夜市」をやっていました。
浴衣などを着た多くの人出で賑やかでした。
もうすぐ七夕ですね。
でも新暦では梅雨なので雨の日が多いね。
本来旧暦の七夕は8月上旬なんで、天の川もバッチリ見えるんですけどもね。




7月5日(日)
今日は前半は歩き、
後半は去年土佐で知り合った地元の人が車で札所めぐりに付き合ってくれる予定です。
人との縁に感謝です。
四国の人との有難い縁が出来て、土佐と松山の行程は大層はかどります。

野宿歩き遍路が一番偉くて、バス・バイク・車遍路は邪道だ!
などという硬い気持ちはなく、
お気楽に、ニュートラルな気持ちでお遍路を楽しみたいと考えます。
要は、いかに自分が真摯に向き合っているかだと思います。

he3-33b-01.jpg
土佐電鉄路面電車の始発に乗って「はりまや橋電停」まで行き、
そこから五台山経由のバス便を見ると
30分以上あるよ。
それに雨は遠慮なく降っています。
雨宿りしながらしばらく待つ。
「はりまや橋バス停」から後免町行きM1系統バスに乗り
「三ツ石バス停」で降りて五台山北側から登ります。
ただでさえ登り道は汗をかくのですが、
今日は蒸し暑い。
今日も雨着の外側よりも内側の方が濡れている。
気持ち悪いなあああ。

登ること30分あまり、
竹林寺の門前が見えてきた。

he3-33b-02.jpg
31番竹林寺着
ここの石段は絵になる場所なので、濡れるのを覚悟でカメラを取り出し
写真を数枚撮る。
アングルとか露出とかなどを考えると
広角レンズ付きの一眼レフカメラが欲しいなあと思う。
でも大荷物になるし、濡れたら困るし・・・
五台山の植物園方面から登ってきた初老の歩き遍路さんから
「逆打ちですか?」
「いえ、今回は南側から登ってみたのです」

境内には傘をさしたおっさんたちが数人来ていて、
声高に賑やかしく喋っていた。
納経所ではジャンボタクシー運転手センダツさんらしき人が
大きな声で納経所の人と喋っていた。
「重ね印と掛け軸ひとつずつ!」

先ほどの歩き遍路さんが雨着を脱いで机の端に置こうとしたら
「それ、濡れているんやろう!」
と、置かせなかった。
自分の持っているお軸が濡れるのを嫌ったのでしょうか。
そんなにお軸と雨具は近接していなかったし、
もっと言いようがあるんじゃない?
と思った。

he3-33b-03.jpg

五台山から降りて下田川に沿って禅師峰寺まで7km
雨の中を歩く。
目の前を傘をさした別の歩き遍路さんがスタスタと歩いて行く。
彼は通し遍路さんなんだろうか?
後ろを振り返ると先ほどの初老の歩き遍路さんも歩いている。
お互い微妙な距離感を取って歩いているね。

相変わらずラジオを聴きながら歩いていると
今日のニュースはギリシアの国民投票について
ユーロ経済圏からの脱退か否か?
更にEUからの離脱もあるか?
各識者がそれぞれの立場で解説していて興味深かった。

後ろを歩いていたお遍路さんは、武智半平太生家の方に行ったのでしょうか
姿が見えなくなっている。

小雨っぽくなってきたのでポンチョを脱いで
菅笠だけで雨をしのぎながら歩くことにする。
防水のはずのトレッキングシューズからは、相変わらず雨が滲みてくる。

途中雨脚が強くなったのですが、
禅師峰寺まであと少し、このまま行こう。
山道に入って木立が雨から守ってくれると思ったが
かえって大粒の水滴がポツポツ落ちてくる。

1015
32番禅師峰寺着
境内は雨を遮るものがなく、
ここでも写真は撮れなかった。
石段が濡れていて滑りやすい。
子供の手を掴んで滑らないように世話を焼いていた母親が
自分が派手に転んで数段転げ落ちてきた。
幸い何ともなさそうだったのでお節介を焼くのはやめにしました。

参拝を終えて、待ち合わせの駐車場にある休憩所で
濡れた上着を着替えてしばらく待つと


1030
土佐の弁天様が車で迎えに来てくれました。
一挙に突撃遍路の開始です。
この方とは不思議なご縁で去年高岡のバス停で邂逅しました。
なぜ?
多分お大師様かお不動様か弁天様のお引き合わせなんでしょうね。
お互いの悩み事をカウンセリングし合い、
背負った重い荷物を降ろすことができたのです。

まず浦戸大橋を渡り、桂浜を経て雪蹊寺へ至る。


he3-33b-04.jpg
33番雪蹊寺着
ここは臨済宗妙心寺派の寺院で、妙心寺派といえば
わしの傾倒する寒山慧玄師の系統ですね。
御本尊の薬師如来様はとても力の強い仏様で、前日までに連絡を入れたら
御本尊を拝むことができるのですが
前日雨に降られてダウン気味だったので事前連絡できませんでした。
今日は塔婆供養の日だったらしく、わしらが着いたときにはそれも終わり
満杯だった駐車場も空きはじめたそうです。

それから、境内の通夜堂の位置も確認できました。
割と広く、寝心地よさそう。

つぎ、行こう!


車は西に進み、
34番種間寺着
he3-33b-05.jpg
お寺の傍に蓮根畑があり、蓮の花が綺麗に咲いていたそうですが
生憎花の季節も終わってしまい、青々とした葉が浮かぶのみ。
ここの通夜堂も確認したかったのですが
どれが通夜堂なのか、今回も確認できませんでした・・・
後で調べてみたら、倉庫のように見えたところがそれだそうです。
なんでも事前の調査は大事やなあ。

駐車場に帰ったら、車の周りを蝶が飛び回っている。
弁天様によると、お寺で蝶が飛び回っているのは歓迎されているとか。
蝶は仏様のお使いだそうです。

蝶と言えば、漫画家の水木しげる氏も、南方で戦友の墓参に行ったとき
おびただしい数の蝶が墓標に集まってきたらしい。


次は清滝寺
ここに至る狭い山道は、車遍路の難所の一つです。
道に入る前に二人して
「南無大師遍照金剛・・・無事にお寺まで行けますように」
功徳があったのか、日曜の昼ながら対向車は現れませんでした。


35番清滝寺着
雨はほとんどあがっていました。
ここの絵を描くには、観音様の御姿は省略できないなあ。
後姿も捨てがたい。
he3-33b-06.jpg
境内にある通夜堂は、畳敷きで寝心地よさそうです。
流し台も確認できましたよ。

さ、次行きましょう。
道を下る前に
「南無大師遍照金剛・・・無事に下まで降りられますように」
景色を楽しむゆとりもなく
慎重に狭い道を下る。
御利益があり、比較的広い道で一台のRVに出会ったのみ。

なんかついているぞ。

あとは青龍寺を残すのみ。
弁天様は、ここの弁財天様とお不動様と縁が深いそうです。


36番青龍寺着
駐車場に車を停めたら、
参拝の邪魔をしないようにわしは一人で本堂までの石段を上がる。
ここの絵を描こうと思うと、やはり石段を入れるべきでしょうね。
でもどのアングルがいいかな?
本堂、大師堂にお参りしてからあちこちアングルを探して
石段を上り下りしていました。
その結果の絵が、これ。
he3-33b-07.jpg



「岩本寺まで行きますか?」
「えっ、そそそこまで行ってくれるのですか?」
「今日行けるところまで行きましょう」
「ありがとうございます!」
突撃車遍路です。
高速道路の無料区間は須崎から四万十町までで、
そこを通ればすぐに窪川に着くことができます。



36番岩本寺着
he3-33b-08.jpg
納経所が開いている時間内にたどり着けました。
お勤めが終わってから、椅子に座って本堂の天井絵をしばらく眺めていました。
自分だったらどんな絵を描くのだろうかね。
きっと無難なところで仏画なんかを描くんやろうなあ。
わしは、既にあるものは描けるけども、
新たに産みだすようなクリエイティブな絵は描けないのです。
これ、才能の限界です。

今回の道中、弁天様には
わしの心の奥底にわだかまっていた話を聴いてもらい、
心の整理が少しついたような気がします。
自分は未練たらしい人間で、
いつまでも過去の人間関係を引きずっています。
それを聴いてもらうことによって整理がついたような気がします。
気持ちが軽くなった。

それだけでも来てよかったです。
お大師様が引き合わせてくれたのでしょうか。

日も暮れてきたので、夕食は高知県高岡郡日高村にある
「ひだかオムライス街道」にある有名なお店に連れて行ってもらいました。
ここのはふわふわトロトロオムライスで、
上に載っているトッピングや日高村特産シュガートマトソースも普通とは違う。
いつの間にか店内は満席で、待ち客もいるという盛況ぶりです。
結構田舎なのにすごい所です。
he3-33b-09.jpg

ところで
人に指摘されて気づいたのですが、
わしが店に入るとガラガラの店内でも、お客さんが次々と来て、
やがて満席近くになることがよくあります。
霊感がある人に言わせると「人を引く力」らしいです。
そんな力があるのか?自分では全く意識していないんですがね。


夜が更けた高知駅前のホテルまで送ってもらいました。
半日お世話になりました。ありがとう。
また次回もよろしくお願いします。

部屋に荷物を置いて、明日の朝の食料を買いに高知駅のコンビニに
行ってお握りなどを買い、ついでに熱いコーヒーを買い、
早く部屋に戻って飲もうと急いで歩いていたら

「すいません、お遍路さんですか?」
30代くらいの女性から声がかかった。
お大師様がバックプリントされた恵峰Tシャツに白ジャージを穿いていたので
一目瞭然ですね。
「そうですよ。区切りですけどもね」
「え?何ですか?」
「区切り遍路です」
「?」
(知らないのかな?)
「何か悩みを持って遍路をしているのですか?」
(おおっ!久々に宗教の勧誘やなあ)
わし、こういった輩の相手をするのが大好物なんです。
だってだって、彼らは一途に自分の信じている教義が
世の中で一番優れていると信じ切っているので、
教義の不自然なところとか矛盾についてチクチクからかうのが好きなんです。
我ながらかなり悪趣味と思います。
だってねえ、仏教はすべてお釈迦様の言葉から出ているでしょ?
我が宗派が正しくて、他は間違っているなんておかしいじゃない?
人間って愚かですね。
he4-1b-10.jpg

今回の日蓮大聖人様を神聖視する教団(顕○会かな?単に日蓮正宗の講に過ぎないんですがね)
の彼女は、ちょっと不勉強ですね。
法華経をきちんと読んでいないんじゃなかろうか。話す内容が空虚だ。
講習会などで仕入れた「知識」ではなく、
自分で思索を深めた「智慧」でなければ人を感化し得えないと思います。
これは、四国遍路の中で、教えたがりの偉い方々も同様と考えます。
「知っていることを教える」ではなく「考えたことを伝える」のほうが大事です。

段々彼女の不勉強さと人の話を聴かない態度にうんざりしてきた。
せっかくのコーヒーも冷めてしまったよ。
で、適当に切り上げてホテルに戻りました。

もしかして、そえみみず遍路道の手前で現れる折伏老人は
彼女と同様の集団かもしれない。
会えることを楽しみにしておきたい。
大阪峠越えをしているので、今度はそえみみずを通ってみようかな?



7月6日(月)
今日この日を使って岩本寺まで行き、1540のバスで帰ろうと思っていたのですが
予定が前倒しになってくれたので
バス便を早めに変更してもらおう。
バスチケット売り場は0730に開くので、
ちょっとその前に30番奥之院の安楽寺に行こう。
安楽寺と善楽寺の関係については、既に有名な話なので割愛するが
裏京都市の四国八十八箇所写しには、30番札所は両者が並び立っています。
なので、安楽寺にはぜひ行ってみたかったのです。
he4-1c-01.jpg

しかし、遍路さんがあまり来なくなっただろう境内は
少し寂しい気がしました。
朝一番で納経所を訪れたので墨と筆は昨日のもの、
頂いた御朱印はかすれた筆跡でした。

高知駅北口の高速バスセンターの窓口で
「すいません、なんば行を変更したいんですが、いちばん近い便で開いているのは・・」
「はい、いいですよ。・・・・このあとすぐ7時40分がありますけど」
「よろしくおねがいします!」
ちょっとワタワタしたが、無事に0740発のバスに乗って
日の高いうちに堺市に帰り着くことができました。

次回は足摺岬からです。
どこまで行けるかな?
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード