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歩き遍路3巡目 24番最御崎寺~28番大日寺

歩き遍路3巡目
24番最御崎寺~28番大日寺


先生と言われるほどの馬鹿でなし。

「先生」と呼ばれると、
自分が自分以上の能力、存在になったような気がして
小さい人間は得意になったり陶酔したりします。
そういう人達は時として「センセイ」と揶揄されますが、
当人は気づいていません。

「実るほど 頭の垂れる 稲穂かな」

わしは今まで「先生」と呼ばれる居心地の悪さから、
全て拒否し続けてきました。

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火曜日に4日間のお遍路から帰ったばかりというのに
またです。

6月5日(金)
1820発のバスで徳島へ渡り、
2130徳島駅前の「サンルート徳島」に落ち着く。
徳島駅前のわしの定宿となっているところです。
11階に天然温泉「眉山の湯」があり、展望風呂がお気に入りです。

6月6日(土)
0547始発の海部行列車に乗り徳島を立つ。
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朝早いんですが、学生の姿がちらほら見える。
部活かな?講習かな?いずれにせよ大変やねえ。
お遍路姿の人も2~3人乗っていて、立江駅や日和佐駅で降りて行く。

0805海部駅着、阿佐海岸鉄道に乗り換え、甲浦へ。
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0824甲浦駅着

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駅舎には毎年ツバメが沢山巣作りのため集まり、とても賑やかです。
室戸方面行のバスは0958発なので、しばらく時間がある。
八幡神社が近くにあるので詣でたら、本殿の修理をしていた。
なんでも土台に白アリの被害が出たので
土台ごと持ち上げて取り換える工事をしているそうです。
大変珍しい光景です。
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やがてお遍路さんが二人待合室にやってくる。
男性とご婦人
「こんにちは。どちらまで?」
「室戸岬まで・・・」

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バスがきて乗り込むと、ご婦人が運転手さんにどこで降りたらいいのか
訪ねていたが、どうも要領を得ない。
そこでわしが、
「御厨人窟には行かれますか?」
「え?何ですか、それは?」
「空海が若いころ修行をして神秘体験をした洞窟です」
「あ、そこ、そこ!私そこに行ってみたかったんです!」
「では『大師像前バス停』で降りたらいいでしょう」
「そこからどう行けばいいんでしょうか」
「すぐそこですよ。ついでだから私も一緒に行きましょう」
行く予定はなかったが、訪れて損はない。旅は道連れです。

大きな青年大師像を前に見てバスを降りる。
5分くらい岬に向かい歩くと、「御厨人窟」の看板が見えてきた。
「御厨人窟は空海が居住した所で、隣の神明窟は苦行をされた所です」
「へえ~、、、これがその・・・」
「入れるのは御厨人窟で、神明窟は崩落の危険がるので入れません」
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天井から雫がしたたり落ちる洞窟内部の空気はひんやりとして
行場の雰囲気を漂わせている。

神仏よりも高い目線でお参りするのは失礼なので、
ひざまずいてお経をあげる。読経の声が心地よく洞内に響く。
白いズボンの膝がかなり汚れた。でも気にならない!

「納経所もあって、御朱印ももらえますよ」
「え!貰えるんですか!でもどこに・・・」
「納経帳の後ろの頁に空白があるでしょう。ここです」
「うれしい!」
ここまで喜んでもらえると、一緒に来た甲斐があります。

一緒に最御崎寺まで登ることにした。
昭和22年生まれと言っていたので、彼女のペースで原生林の山道を登る。
でも意外と元気です。
捻り岩や、喰わず芋の故事を立ち止まり説明しつつ登ると疲れずに登れる。


意外と早く頂上につきました。
「この先に室戸岬灯台がありますよ。せっかくだから見ていきましょう」
「遠くなんですか?」
「いえ、5分くらい歩いたところ・・・」
「じゃあ、行きます!」
室戸岬の突端に立つこの灯台、視界のすべてが海
雄大な景色を見て感嘆の声をあげていました。

色々自分のことを話してくれました。
彼女は43番明石寺近く在住で、一人でお遍路に来たそうです。
御主人は退職校長先生で、かなりワンマンなようですね。
彼はお遍路には全く興味がないらしい。
わしの父親も校長をしていたので、彼女に共感できる話題が多い。

一緒に廻ると大変な事になるでしょう。
ずっとお遍路に行きたかったんですが、
御主人や娘さんなどの世話があったそうで、
諸々の雑事が片付き、来られるようになったそうです。

わしの母親もお遍路に行きたいのだが、
他人の心配ばかりで自分の時間がないと言っていた。
本人が心配するほど、周りは困っていないんですけどもね。
このくらいの年代の主婦はこうなんでしょうね。

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24番札所 最御崎寺着
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「あ、口をすすぐ時には柄杓に直接口をつけないでください」
「え?なぜかしら?」
「自分の前の人が口を付けたのを平気で使えます?」
「あ、ああ。そうね」

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納経の作法なども、自己流になっているようです。
臨済宗だそうで、唱えるのは般若心経のみ。
「妙心寺派というと、寒山慧玄さんの法系ですね」
「え?そうなの?」
「美濃の国伊深の正眼寺に隠棲されていたんです」
「わたしあまりお寺さんとは仲良くないのよ・・・」
「『エゲン坊』伝説、好きでしたね~」

四国遍路は真言宗なんですが、開経偈から廻向文まで、
きちんと唱えたらもう少しお遍路もピリッとしたものに
なるのではないでしょうか。

「さて、次の札所まで歩いて約6kmなんですが、歩きますか?」
「ええ、だいじょうぶ」

次の津照寺まで、彼女のお話を聞きながら歩きました。
関西人のわしは、彼女の話に時々ボケや突っ込みを挿入するので
その都度笑い転げて立ち止まり、
そのおかげで単調な道中を楽しく歩くことができました。
今日、娘さんが愛媛県西予市から安芸まで迎えに来てくれるそうで、
次の札所がゴールになるかな?

昼食がまだなのに気がついた。
「津照寺門前の土産物屋さんで食事にしませんか?」
「そうね。そうしましょう」
彼女は天ざる、わしは天うどんを食べました。
お代は彼女からのお接待をいただきました。

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25番札所 津照寺着
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ダンタイさんもやってきて長い階段をあえぎながら登っていく。
御本尊の舵取り地蔵尊の説明をしながら、漁港を望む。
本堂から港を眺めると、西寺、東寺とは関係なく
ここのお寺は漁師さんたちを守るお寺なんだなあと感じます。

彼女の旅はここまでで、バスで安芸まで行き、
車で迎えに来た娘さんと合流して温泉泊だそうです。
「お世話になりました。本当にありがとう」
「いえいえ、これもご縁です。お道よろしゅう」
なんだか自分の母親とお遍路をしたような気持になりました。
いずれ、年老いた母親を連れて四国を廻る時がくるのだろうか。
その時は歩きか?車か?

また独りの歩き遍路に戻る。
約3km、漁師町を歩く。今日は湿気が多いような気がする。
流れる汗が貼りついてくる。

途中の店でアイスクリームを買おうと思ったが、閉まっている。
土曜日なのになあ。お客がいないのでしょうか。

民宿「うらしま」が見えてくると、金剛頂寺は目の前です。
200mの山登りはハイキング気分ですね。


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26番札所 金剛頂寺着
駐車場の売店でアイスクリンを食べる。
いやあ~、これ後口がさっぱりしていて暑い日には最高やね!

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今日のお宿はここの宿坊です。
評判の女将と料理の宿坊だそうで、楽しみにしていました。
「団信徒会館」と看板が立っているので、ここが宿坊?
と思い、おそるおそるインターホンに向かって話しかけたら、
「お入りください」
と返事があり、通されたのは玄関正面の広い部屋
え?こんないい部屋に一人で泊まっていいの?

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夕食は豪華絢爛で、こんなんで採算とれるの?と思う。
漁港と直結しているんかなあ?
トコブシの炊き込みご飯が珍しくて、おいしい。
今夜も大飯を食べてしまう。
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男6人がテーブルを囲んで食事をする。
集うは、定年後のオヤジ4人、自転車旅行の若者、わし。
色気ないなあ。

俺は○○商事の営業部長ダッ!っぽい人、
人と交流するのが苦手っぽい人、
普通のおじさん2人、

みんなお遍路初心者なので、
お互いの情報交換は自分の足のマメと靴の話くらいしかない。
わしは例によって黙って話を聞いていたが、
話のきっかけから4周目というのがばれてしまい、
会話の主導権を握っていた元営業部長っぽい人が機嫌悪そうでした。
ちなみにわしは40歳くらいの若僧に見られていたようです。
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会社組織から離れたら只のオッサン、
本来の自分の姿で勝負なんですが、
頭の切り替えできない人はこれから苦労するでしょうね。

お宿代を払う際に女将さんに先達推薦の話をしたら
「ああ、それならうちでやってあげますよ」
と、事もなげに言われました。
へえええええ。推薦貰うのは、もっと難関かと思っていました。
これも縁なんでしょうね。
でもそのあとの親寺とのお付き合い諸々が難しいのかもしれん。
4周目が終わったら熟考します。

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部屋に戻って窓を開けたら
涼しい風と共に、室戸岬の夜景が美しい。
しばらく見とれていました。


6月7日(日)
0400今朝も早起きしました。
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朝の境内を散歩する。絵を描く構図を探してあちこちうろつき、
手水鉢越しに修行大師様と本堂が見えるアングルを見つけました。
これでいこう。
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0600今朝のお勤めは宿坊の隣、護摩堂で副住職が行いました。
6人のオヤジが横一列に並び、神妙な顔つきで勤行をする。
彼らは、まだ真言宗仏前勤行次第を覚えていないようで
自信なさそうに声も小さい。
護摩堂には副住職とわしの声だけ大きく響く。

0630朝食
お味噌汁と漬物がおいしいね。
今朝も大飯を、と思ったがお櫃が空になりそうなので2杯でやめておきました。

食事をかき込み、出発!
山を下りて、「きらメッセ室戸バス停」を目指す。
0716発の安芸行に間に合いそうだ。ラッキー!
0756「唐浜中央バス停」着
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ここから「真っ縦」といわれる山道に向かって登る。
途中のバス停車場には大阪ナンバーの歩き遍路ツアーバスが停まっていました。
この時間だから、27番神峯寺へ登っているのかな?

この道は「真っ縦」と言われるが階段が少ないし、
勾配もさほど大きくないと感じるので、
自分の歩測で登れば苦労せずに登ることができると思います。

「マムシ注意」の看板がやたらと多く、神経がすり減る。

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27番札所 神峯寺着
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今回の目的は、札所の奥にある神峯神社参拝
ここはとても力のある神様が今もおられる所だそうで、
行ってみたかった所なのです。
山門と鳥居が並んでいる、が
鳥居の奥は草ぼうぼうで何やら出現しそうで・・・どうしよう。

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まず本堂、大師堂にお参りしよう。
鐘楼の裏手の石清水で喉をうるおす。甘露ですねえええ。
通夜堂に荷物を置かせてもらい、身軽になって本堂への階段を登る。
大師堂の奥に、神社へと続く道路が見えた。これだ!
ここから300mほど登ると神社です。
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途中から人の通った気配のなさそうな石段があり、
引き寄せられるようにそちらへ進む。
おおおおおお、長い生き物が出てこないかなぁああ。
おっかなびっくり進むと
急勾配の階段が現れた。
いかにも神域に向かう階段の様子です。

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見上げると、社殿が視界に入る。
子供の頃、村の山手にあった神社の拝殿に至る階段の事を思い出しました。
子供心に神域に踏み込むような厳かな気持ちがして、
遊び気分で登らなかったのを思い出しました。

わしは凡俗なので神様の気配を感じることができない。
でも昔から神様が祀られている所には何かがあるんでしょうね。
厳かな気持ちになったのは少なからず神意に触れたからでしょうか。

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真っ縦を下りる道の途中、
木の間から見える水平線が高く感じる。
不思議な景色です。

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舗装道路を下り、土佐くろしお鉄道の「唐浜駅」まで行く。
次の安芸行きは1216なので
あと1時間以上あるよ。

ちょっと周辺の散策でもしてこようかね。
この辺りは「食わず貝(貝の化石!)」伝説のあるところで、
出土地を示す看板があるが、周りにはそれらしき痕跡は見られず、
上にお堂がある。
「四国遍路道中雑誌」にはくわづの貝の庵とあり、
養心庵のことを言っているようです。

駅に戻り、乾パンと水で昼食を摂る。
汗でぬれた白衣を脱いで日に当てていたら、15分くらいで乾きました。
さすが速乾性繊維を使用した恵峰オリジナルです。

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やがてやってきた列車は、旅番組で見たオープンデッキです。
女子高校生4人組がデッキではしゃいでいる。
わしもデッキに行ってみたいなあ~、と思ったが
彼女らを見るだけで楽しいよ。
トンネル内では歌を歌っている。若い子は楽しいね。
すっかりオッサン気分で列車を楽しみました。

「野市駅」で降りて、ここから約2kmを歩く。
この道程は去年経験しているので遠くは感じない。


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28番札所 大日寺着
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日曜日ながら境内には人が少ない。
シーズンオフに入っているんでしょうか。

さてここで終わりにしようか・・・それとも次に行くべきか。
帰りのバスは高知駅前1710発なんですが、
汗をかいたのでお風呂にも入りたいなあ。
あまりギリギリな計画を立てたら苦しいので、これで終了!

そうと決まったらまず、高知駅に行く。
バスの時間までお風呂に入りに行こう。
タクシーの運ちゃんに
「お風呂に入れるところ!」
連れて行ってもらったところは・・・6分くらい走った先にある
「高知ぽかぽか温泉」
家族連れがたくさん来ていて、賑やかでした。

洗濯ができないのが残念ですが、
汗を流して着替えてすっきりしたところで
夕食をいただきました。

1630にタクシーに迎えに来てもらい、
高知駅前(裏?)バス停まで送ってもらいました。
旅の終わりにはいつも精進落としをするのですが、
今回は「司牡丹」のワンカップをバスの中に持ち込んで
チビチビ飲みながら帰りました。
さそかし盛大にイビキをかいて寝ていただろうなあ。
周りの人、すいませんです。

最近、夜行バスを極力使わないようにしているのです。
なぜって、わしのイビキで周囲の人の睡眠を阻害しないように・・・

次回は7月の4・5日で高知市内の残りと青龍寺まで行く予定です。
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室戸岬から大日寺

おやっさん、
 室戸岬で素晴らしいガイドお勤めになりましたねえ!
御杖の色など関係なく、案内される側の方が喜ばれればそれこそ素晴らしい
「お先達さん」だと思いました。
 
 日帰り遍路の私には、宿坊や旅籠のレポートが新鮮で、いつも羨ましく読ませてもらっています。
 7月のお遍路は暑さ対策に万全を期して下さい。

No title

わしには、こういった個人の方のガイドの方が向いているのかもしれません。
でも色々な人がいますしね~。
金剛頂寺宿坊は、☆3つでお勧めです。

お遍路同窓会の第2回目はいつですか?楽しみですね~。

お遍路同窓会

「同窓会」の件、
 高野山参拝以後、桜や紅葉を追っかけて3回ほど日帰り歩き遍路を行ないました。
 番外・別格参りと称して、新年会(若しくは忘年会)、夏のビヤガーディン(若しくは夕食会)は”この指止まれ”方式で適当に楽しんでいます。
 5年6ヶ月、苦楽を共にした同行20人は小僧のお宝です。
 
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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