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私と鯖街道(その11)

sabaoyaji


明日に向かって

 鯖親父さんが泣かせた子供たちは、確実に成長している。彼は実に子供たち
の心の琴線に触れるのが上手だ。
 鯖親父さんは65歳を境に鯖街道を引退するつもりで、去年あたりから徐々
にその意志をスタッフなど、周りに漏らし始めていた。気力体力の限界を感じ
始めてたからだろう。組織の力を借りず、徒手空拳でこの種のイベントをこな
すのには苦労が耐えなかったのだろう。徐々に彼の精神と肉体は蝕まれてきた
のだ。ここまで来れたのは奇跡に近い。

 よく彼は私に対して、「自分の引退後は鯖街道を引き継いでほしい。」と言
う事があったが、私は頑として拒み続けてきた。なぜか?答えは明白である。
私を含めて鯖街道に集う者たちは、鯖親父さんを慕って集っているからだ。一
人一人が直接鯖親父さんと繋がっている。その人柄を慕い、手弁当で協力を惜
しまないのである。かくいう私も、鯖親父さんに誘われてから鯖街道にどれだ
け注ぎ込んでいるかわからない。男が男に惚れるとはこのことだろうか。理屈
抜きだ。

 おそらく他の連中も金銭では到底購えないほどの何かを鯖親父さんと鯖街道
をやることによって得ていると思う。そんな関係の中、精神的主柱である鯖親
父さんが抜けた後、ただの枝葉でしか過ぎない私が鯖街道を引き継いでも、今
の連中は集まってこないだろう。『こんな簡単な事もわからないのか!もっと
自分を知れ!』とその都度彼に向かって叫んできた。

 そんな問答を繰り返すうちに、2009年の鯖街道を迎え、そこで我々は、
確実に次世代が育ちつつある足音を聞いてしまった。今年の参加者はどこか違
う・・・高校生は大学生のレベルに、中学生は高校生のレベルに、小学生まで
が一段高い視点を持ち始めていたのだ。鯖親父さんが過去に泣かせた子供たち
の成長は著しかった。自分を認めてくれた、褒めてもらえたといった嬉しさで、
感動で泣いた経験は、彼らの心を確実に成長させていたのである。
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おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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