区切り歩き遍路2周目 第10回 71番弥谷寺~84番屋島寺 別格18番海岸寺、19番香西寺

区切り歩き遍路2周目
第10回 71番弥谷寺~84番屋島寺 別格18番海岸寺、19番香西寺

今回の予定は4月18日(土)、19日(日)の予定だったんですが
急遽17日に休みが入ったんで躊躇なくお遍路予定を一日繰り上げました。
でも既に宿の予約を入れてあるので、先に行った分、宿まで戻ります。

4月17日(金)
大阪なんば0835発の観音寺行きのバスに乗る。
朝のバスに乗るのは久しぶりやねえ。
車窓の景色を堪能させていただこうか、と思ったら眠気が襲ってきました。
目が覚めたら淡路島を過ぎる頃。

ここでふと思ったんですが、観音寺まで行くよりも、
その手前の三豊で降りた方が、最初の目的地の弥谷寺まで近いんでないの?
スマホの地図とにらめっこする。
で、三豊市役所前で降りる。1230頃かな?
昼食のビジネスマンたちが道を行きかう。

ここからどうやって行こうか?歩くか?
いや、せっかくだから効率的に廻りたい。
おへんろ地図に載っている「さくらタクシー」を呼んだらすぐに来てくれました。
「弥谷寺まで!」「あいよっ」
遠いかなと思ったら、割と早く着いた。

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第71番札所 弥谷寺着
新緑が美しい季節です。
特に札所は紅葉が植わってるところが多いので
緑がひときわ美しい。
渡る風も爽やかで、鶯の声も聞こえてくる。
空は霞ががっている。
ああ、春の札所は最高やなああああ。

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弥谷寺といえば、「俳句茶屋」
おじさんがテンポよく参拝者たちをあしらっています。
わしも昼食代わりの草餅をいただきながら部屋に上がりこんで一句ひねる。
「霞たつ讃岐の空にわれ一人」
台湾人の女性もいて、日本語で句を書いていました。

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本堂までの登り道では数多い仏様が出迎えてくれます。
「よう来たのう」
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煩悩多きわしには108段の階段は身に沁みます。
山頂から望む讃岐平野の絶景をしばし楽しむ。

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さてここから、別格18番海岸寺まで峠越えて山道を行く。
山道です。
今日は暖かい。
かねてより心配な、「あの生き物(爬虫類)」の出現が予測される。
びくびくしていると、かすかな物音にもびくっとする。
ああ、お大師さま、たすけて~っ
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遍路路を保存されている方の善意の鎌と剪定鋏がある。
おお、これがあのうわさのお方のか・・・
わしも協力しようかと思ったが、生憎草は伸びていない。
また今度、と思い歩きはじめたら

どしっ のコピー
本命が出た!
知らぬ存ぜぬふりをして歩き続ける。
「ドキッ」としたときの心電図波形は正常なのか、期外収縮の波形なのか
誰か知りません?実験しようと思っていたが、果たせず。

ところどころ崩れかけた山道を降りると
里に出てきた。
しばらく歩くと小高い山の上に多宝塔が見えてきた。
九輪がないと変わった雰囲気ですね。

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おおっここが別格第18番札所 海岸寺だ!
勇んで境内に入ると、大師堂だけある。
「???」
盥堂がある。なるほど、お大師様生誕の地の縁起ですね。
納経所で御朱印を頂きました。

さて門を出て道路の向かい側を見ると・・・
あれ?
ここが海岸寺?
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しまったああああ、いまの所は奥の院かああああ。
まったく、つくづく不勉強なわしです。
ごめんなさい。

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気を取り直して遍路道を歩むと、「仏母院」が見えてきました。
お大師様の母、玉依御前(たまよりごぜん)の屋敷跡と言われるそうです。
ここは番外とか別格の扱いをうけていないんでしょうか?
四国曼荼羅霊場の第十七番札所になっているそうです。

ここからひたすら曼荼羅寺めざして南下する。
天気もよくて気温も上昇していく。汗が流れて喉も乾く。
納経所の閉まる1700までに到着せにゃ・・・気ばかり焦るが、どうしようもない。
国道を越えたあたりで近道をしようと、遍路標識以外の道を歩いていたら
訳が分からんようになっちまった。
下校途中の小学生の子が挨拶してくれたので
「もし、お嬢ちゃん、お寺へはどういったらいいのかのう?」
「お寺って?しらない」
「曼荼羅寺なんやけど・・・」
「まんだらでらね。そこをまがったらいいよ」
「すすすまんのう」

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第72番札所 曼荼羅寺着
ここで、すまんこってす。最初に納経所に駆け込みました。
そしてもうひとつすまんことに、出釈迦寺に行きました。時間が足らんのです。

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第73番札所 出釈迦寺着
こんな時間でも結構車遍路さんが来るよ。
納経に間に合い、順序は逆ですが本堂・大師堂でお勤めさせてもらう。
お灯明と香炉の火を落とし始めているので、塗香を使わせてもらう。
買っておいてよかった!
本堂裏の遥拝所からは我拝師山の奥之院が見える。
ああ、今回も訪れることができなかったなあ・・・。

トボトボと曼荼羅寺に戻り、すっ飛ばしていた本堂・大師堂でお勤めする。
ここではお灯明と線香をあげることができました。
昔から持っていた伽羅香がまだ残っていたので持ってきました。
火をともすと、あたりに伽羅のいい香りが漂い、法楽というんでしょうか。
今買うと相当に高いんですが、高い物はやはりそれだけあるなあ。

今日のお宿は観音寺駅前です。
一日分の予定が前倒しになったので、その分戻らなくてはならんのです。
どうしようか?
迷う間もなくタクシーを呼ぶ。
「観音寺までJRで行きたいんですが、一番近い駅まで・・・」
「あいよっ」

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「みの駅」に到着
発車時間までしばらくあったので、駅周辺を探索すると・・・
すぐそばに「さくらタクシー」があった。
わしの頭はめまぐるしく回転し始め、明日の予定表が組みあがりました。
五色台悩む
早朝7時前にこの駅まで来て、タクシーで出釈迦寺奥之院麓まで行き、
それから山登りだっ!
そうと決めたらタクシー屋さんに連絡を入れて明日の朝の予約を入れました。

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今夜のお宿は観音寺駅前のこのお宿
ビジネス旅館で素泊まり4500円
本日の夜11時ころに到着しますとあらかじめ伝えておいたんです。
でも少しだけ早くついてしまいました。
店のオヤジさんが少し慌てる。
「い、いや・・夜中に来ると聞いていたんで、前のお客の荷物がまだそのままあるんや」
(ええっ!だってだって今日の話なんやよ)
別の部屋を案内してくれました。
洗濯機は屋上、1回百円、洗剤はあると聞いていたんですが、ない。
持参の洗剤を使い、その間お風呂に入り、部屋に戻って鍵を開けようと思いきや、
鍵穴に入らない。
よく見たら別の部屋の鍵を渡されたようです。
あ~あ、フロント(らしきもの)に行き、オヤジさんを呼ぶこと数合、
奥からノソノソ出てきました。
「この部屋の鍵、違うよ」
「ああ、〇☆ДЮЙ・・・」

コンビニで食べ物買ってきてとっとと食べて寝ました・・・・

4月18日(土)
早寝したおかげで4時起き
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「観音寺駅0601」~「みの駅0616」の列車に乗る。
計画より早いが、みの駅でしばらく朝の空気を楽しむとしよう。
予讃線の各駅、発車アナウンスは、どこも「瀬戸の花嫁」ですねえええ。
この曲に郷愁を感じるのはわしの年代以上かしらん。
なにしろ小学6年の時に流行したもんねえ。

みの駅について、駅の周りをぶらぶらしていたら、さくらタクシーの方角から
声がかかった。
「もう着かれましたん?いま呼びますよ!」
「い、いえいえ。いいんですよ。早く来てしまったんですよ」
「5分くらいしたらすぐ来ます」
「すすすすすみません」

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我拝師山のふもとに到着!
今日もお天気がいいなあ。それに早朝の空気は澄んでいる。
絶好の参拝日和です。
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勾配が急なのは見てわかる。覚悟の上で登るが、やはりきついなあ。
参道は整備されていて石灯籠や石塔が立ち並んでいる。
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おお、西行法師腰掛石もあるよ。帰りに腰かけてみよう。

捨身ヶ岳

登ること約30分、山頂の奥ノ院に到着しました。
門のところから持鈴の音が聞こえてくる。
もうお寺の方が掃除をされているのか?と思ったら先達さんの輪袈裟をされている。
「おはようございます」
「おはようございます。どちらから?」
「は、はい。堺からです」
しばらくお話を聞かせてもらった。
奥ノ院の檀家総代をされている方で、頂いた納め札は金色
でも裏に108回以上巡拝と書かれている。
「100回以上は錦札と聞いていますが・・・」
「錦よりも金の方がいいと思わない?」
「は、はあ。金、錦ともに見たことがないので比べようがないんです・・・」
この方は、毎朝ここに参拝されておられるそうです。
すごいね~。
その中で、数々の奇瑞に会われたそうです。
その様子を参道途中の石碑で示しているのですが、
迂闊にもその碑文を読んでいなかった。
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自分の迂闊さを恥じつつも、
わしも富士山で出会った観音様の顕現についての話も聞いてもらえました。
やはり朝イチでここに来てよかった。
この方の輪袈裟には「権中先達」のワッペンがあった。
巡拝百回を超えているが、
安易な昇任をよしとしない人格の高潔さを垣間見たような気がする。
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我拝師山での余韻に浸りながら、次の札所に向かう。
旅のお供、携帯ラジオを聴きつつ歩いていると、NHKの短編小説の朗読の時間になった。
この番組すきなんですよねえええ。
今日は人気だったプログラムのアンコールで、「いっぺんさん」です。
作家の力量のため、つい聞き入ってしまう。
一番の山場で次の札所に着いてしまった。

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第74番札所 甲山寺着
うう~ん、どうしようか。ラジオを聞くのを中断するか?
そんなのできない。今が一番いいところです。
鐘楼の脇のベンチに座り、しばらく物語を聴くことにしました。

朝早くからダンタイさんがやってきて札所は賑やかです。
ダンタイさんが潮のように引くころ、番組は終わりました。
すこし涙ぐんだまま、本堂と大師堂でお勤めをしました。

へんろ標識に従い、観音寺の街中を進むと、
名物「かたパン」の店がありました。
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「どれが一番人気の品ですか?」
「ここに並んでいるもの全部ですよ」
乾パンの平べったいやつを10枚買う。
善通寺師団のあった関係で、陸軍の携行糧食やったんかね。
そういえば福井県敦賀市の敦賀連隊跡地の正面にも「かたパン」を売っている店がある。
関連あるのかな?

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第75番札所 善通寺着
相変わらず善通寺境内は広いですねえええええ。
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お遍路さんのダンタイさんのほかに、観光客も数多くいる。
ここでAKBのコンサートがあったんやなあ、結果はいかに?
と思いながら歩く。
各札所で買った記念バッチ、いちいち輪袈裟に付けているので重くなり
ずれるので輪袈裟留めを買いました。

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売店横のベンチに座り、さて早速かたパンを食べてみるかね。
おお、確かに硬いよ。
歯の悪い人にはお勧めできないね。でも携行食としてはいいでしょうね。ほんのり甘い。
ガリガリ4枚ほど食べてお茶を飲んだらお腹が落ち着きました。

予定よりもだいぶ早く廻っているような気がする。
これなれば、かなりの距離を歩いて廻ることができる。
春の讃岐路を鼻歌歌いながら歩く。
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途中、鉄橋の下をくぐるが、かなり低いよね、ここ。
真上を電車が通ったらどんな感じになるんでしょうか。
一度その気分を味わってみたいっす。

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田圃にはレンゲが植わっています。
昔の田圃には皆これが植えてあって、
春先にはピンク色が綺麗だったんですけどもねえ。
根球には窒素を多く含むので、化学肥料に比べて環境には優しいとは思うんです。
ちなみに、わしの故郷岐阜県の県花は、レンゲです・・・
レンゲの歌って何かあったかなあ・・・と考えながら歩いていたら

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第76番札所 金倉寺着
ここの鐘楼の造りは面白いよね。
絵の題材にちょうどいい。
描いていきたいが、うう~む。心の余裕がない。

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金倉寺の門前には、うどん屋さんがある。
ちょうどいい、お昼にしようかね。
あまり広くない店内には参拝客が4人うどんを食べていました。
わしも生醤油の冷うどんを頼む。
おばあさんが天麩羅を揚げている。
うまそうなので筍と牛蒡の天麩羅を頼む。
「うまそうな色やね。この黄色はなに?」
「食紅をつかっているんやよ」
旬の筍は甘くておいしい。
うどんのコシも強烈においしい。
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これで330円なり。
やっぱりうどんは讃岐やねえええええええ。

ちなみに
タクシーの運ちゃんから聞いたんですが
全国に展開している某セルフうどんチェーン店が高松市内に一軒出店したんですが
すぐに潰れたそうです。
そんなに不味いわけでもないと思うんだけどなあ・・・
地元資本でもないのに名前を使われた讃岐人の矜持にかけて潰したのかな?
値段で負けたとも言っていた。

お腹も出来上がったところで出かけるかね。
遍路路沿いの神社周辺では草刈りをやっている。
地元の人たちが草や落ち葉を掃除していました。
わしの好きなこの案内板付近も集められた落葉が積もっていました。
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以前、道隆寺の手前で、手作りのお地蔵様を貰った。
いまそれは、故郷の八十八か所写しの道隆寺の御本尊と大師像の間に安置してある。
http://okirakudojyo.blog93.fc2.com/blog-entry-117.html
今日はどうかな?
家の前を通りかかったが、お昼時なんでしょう。声はかからない。
通り過ぎてしばらくたってから、
「おへんろさぁ~~~ん!」
呼ぶ声が聞こえた。
納め札を取り出しながら、引き返す。
貰えましたよ。
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優しい表情のお地蔵様です。口がハート型に見える。
ほわんとした気分になり、さらに歩くと・・


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第77番札所 道隆寺着
ずらりと並んだ観音様が迎えてくれます。
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さて、
ここからの予定は、少しだけ複雑になります。
このまま順に行けば78番郷照寺なのですが、明日の予定を考える時
80番讃岐国分寺に先に行っておこうという気になりました。
なぜかというと、天皇寺~白峯寺~根香寺~香西寺の順に廻りたいからなのです。

で、まず「JR多度津駅」まで歩いていき、そこから高松行に乗って「国分駅」まで行きます。

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第80番札所 讃岐国分寺着
車遍路さんたちがチラホラいました。
境内の本堂前には大きな画板を広げて絵を描いている人がいました。
ああ、いいなああ。
わしもこんな風に描きたい。
でもね、描きたい描きたいと思うだけではだめなんですよね。
描きたいと思ったら描かなきゃ。

「国分駅」から下りの観音寺行に乗り「宇多津駅」で降りる。
ここの駅は規模が大きいね。周辺に大きなマンションが建っている。

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第78番札所 郷照寺着
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うん、予定表通りの行動に満足するが、予定を立てて動くのがわしの長所でもあり短所でもある。
もう少し心に余裕を持って行動したいものです。

納経所では郷照寺のアイドルが御朱印をくださいました。
最初、納経所を覗いてみたら男性二人しかいなかったので、半ばあきらめていたので
こおりゃラッキー!
facebookをネタにして、ブログ用名刺を受取ってもらえました。

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宇多津駅の近くにあるうどん屋に入ったら、
店の人から色々話しかけられました。うどんを食べている写真も撮ってもらい、
店のHPに写真を載せてくれるそうです。
「おか泉(おかせん)」

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今日のお宿は、多度津駅前にあるビジネスホテルです。
ここは少林寺拳法の本部がある地で、拳士たちが多数宿泊するところのようです。
「拳士たちへ」という注意書きが多い。
今日はちょっと脱線してビールを一本買ってきました。
区切りとはいえ、修行中は飲まないと決めているのですが、
考えてみたら今回の宿泊は今日で終わり。
勝手な理屈をこじつけて精進落としをしました。
そのおかげで、またもや8時前に寝込んでしまいました。



五色台参拝
4月19日(日)
今日は屋島まで行けたら行こう!
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「多度津駅0549」~「八十場駅0607」
あいにく今朝は雨がしとしと降っています。

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第79番札所 天皇寺着
納経所が開くまでゆっくりとお勤めをさせていただく。
そうだ、白峯神社も参拝しておかねば・・・。
それでもまだ時間がある。
雨が降っていなければスケッチブックを出して絵を描きたいところです。
軒下でも描けるじゃんかよ!
と、自分で突っ込む。

納経所前で待つこと数分、閉められていた雨戸が内側から開きはじめた。
わしも外から開けるのを手伝う。

さて、御朱印も頂いたし、次いこう。
今日の天気予報は曇りのはずなんですがなあ。
ポンチョ着て歩くが、気温が高いせいで蒸し暑い。足に付けたスパッツも暑いなあ。
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ふと道の脇を見ると遍路標識が建っている。
昔の遍路道は脇を通っていたんでしょうね。

次第に雨が上がってきたので、ポンチョを脱ぐと、身体が軽くなったような気がする。

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五色台の麓に「血ノ宮」という妙な名前の宮がある。
ちょうど通りかかったおじさんと挨拶を交わしたので名前の由来を聞いてみた。
「ああ、このお宮はな、崇徳上皇の柩が八十場を発って白峯山へ御葬送の途中、
天候が急に悪くなって柩をしばらくこの地に安置したとき、台石に血が流れ出たためなんじゃ」
ふ~~~~~ん。
一旦凝固した血液が線溶したのかしらん?

この付近は崇徳上皇に由来の旧跡が多いですね。
こういったことを考えながら
雨の上がった五色台を見ていると
幽玄な雰囲気を醸し出しているような気がする。
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そんな雰囲気に浸っていると、白峯寺への参道に出る。
延々と続く石段・・・・弥谷寺の百八段とは比べ物にならんね。
さすが天皇陵へとつづく参道です。
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心して登らせてもらいます。ああ、汗が出る。
こおりゃ、国分寺から登る急な道と大して変わらないなあ。
あえぎながら延々と登ると、やがて玉砂利が敷かれた神域に出ました。
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崇徳天皇陵に参拝がかないました。
ここでも塗香を使わせてもらう。
拍手を打ったら鳥の声がやんだ。

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第81番札所 白峯寺着
定年後のおじさん遍路さんたちが数人ベンチで休んでいる。
この人たちは連れだって歩かず、自分のペースで旅をしている。
人と接したいから旅に来るのか、人と接したくないから旅に来るのか
人それぞれです。
わしは人と出会いたいから旅をしています。
ですからベンチで隣に座った人にはひととおり声を掛けています。
そこから会話が弾む人もいれば、実にそっけない人もいます。

ここから尾根伝いに根香寺を目指す。
ここの道は好きですね。
アスファルト道じゃない。
昨夜の雨でぬかるんでいるところもあるが、そのほかは気持ちのいい山道です。
自然に顔がほころんでくる。鼻歌も飛び出してくる。

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この塀の内側の組織とはもう縁がないので興味も何も湧かない。懐かしくもない。
今が一番楽しいからです。

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日の当たる場所に独り立っておられるお地蔵様
幾多の旅人を見つめてきたのでしょうか。

自動車道に出たところで、脇の家から声がかかった。
地元の人たちのやっている休憩所のようです。
お茶とコーヒー、お菓子の接待をしていただいた。
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「お坊さんですか?」
「い、いいいいえ」
そんな風にみえるんですかね?煩悩だらけのオッサンなんですが。

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五色台に、まだ新しいへんろ小屋が出来ていました。
前に通った時にはなかったので、ごく最近にできた建物のようです。
トイレ、宿泊もできるようです。
子供たちがお小遣いを出してお接待用のお菓子を備えてくれています。

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第82番札所 根香寺着
新緑の綺麗な階段を登った時、駐車場の方面から持鈴の音が聞こえてきた。
(あの音は、ダンタイさんか!)
そう思い、お勤めの前に納経所に駆け込む。
首尾よく御朱印を貰い、ほっとして鈴の音が近づいてくるのを見ると、
どうもいつものダンタイさんとは様子が違う。
まず、若い女性が多い。男もいるにはいるが、女性の方が多い。
尼様もいるが、日本で見るような衣ではない。天平の甍で見たような衣装です。
う~~む、なんだろう?

本堂でのお勤めの時、彼女らは五体投地礼拝の姿勢を取り始めた。
よく中華街なんかで見たことがある。
中華系か?
香港?台湾?
尼様と坊様がお経を始める。中国語の般若心経です。
Youtubeで見たことがあるが、実際に聞いたのは初めてです。
中国語の韻が音楽のようで美しく感じる。
しばらくその様子を見ていた。女性はきちんと礼拝していたが、
男どもはその様子を正面から写真に撮りまくっている。

大師堂でお勤めが終わってから、女性の一人に声を掛けてみた。
「台湾?」
「ベイジン」
「ベイジン?・・ああ、北京かあ」
写真を撮りたそうにしていたのでOKしたら、お仲間が集まってきて
ツーショットの撮影会が始まった。
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さぞかしわしの顔はニヤついていたろうなあああああ。
尼様と目が合ったのでニッコリしたら、向こうもニッコリ
尼様とツーショットの記念撮影
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今、中国の仏教の状況はどうなっているんでしょうね。
文革で多くの僧侶が還俗させられたと聞く。
また復活してきているのでしょうか。

ニヤついていたわしに、車遍路のおばさんが
「あの人たちはどこの人?」
「中国ですって」
「中国にも仏教があるの?」
(意味深な問に聞こえるが、多分無知故の疑問なんでしょう)
「そりゃあなた、弘法大師は唐の長安青龍寺の恵果大阿闍梨から灌頂を受けたんですよ」
「え?そ、そうなの。ふ~~ん」

ここから遍路標識に従い、別格19番香西寺をめざして下る。
この道は割と広く、しかもアスファルト舗装されていないので足に優しい。
なので、つい飛ぶように降ってしまう。
後で膝が痛くなってしまうのにもかかわらず。

人家が見え始め、沿道には琵琶の木が目立ち始めた。
商売物の木には、きちんと実に袋がかけられているが、そうではない木はそのまま。
中途半端に熟れて落ちている実もある。
拾って食べてみました。うまい。
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別格第19番札所 香西寺着
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このお寺は水子供養で有名なとこらしいですね。
いつも思うのですが、水子はいつから水子と呼ばれるのでしょうか?
受精したときから魂が宿るのでしょうか?
それとも母親の胎内から出た時なのか?
わしの勝手な論理では、周産期における「死産」と「流産」の境目あたりかなと思うのです。

閑話休題

ここからバスに乗って高松築港駅まで行き、それから琴電で一宮寺へ至る、という
計画を立てていたのですが
バス停が見当たらない・・・・
無駄に時間を浪費していると今日中に屋島寺まで行けなくなる。
よし!タクシーだ。
呼ぶとすぐ来てくれる。便利やねえええええええ。
せっかく乗ったんで、ここから一宮寺まで行くとするか!

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第83番札所 一宮寺着
ここはちょうどダンタイさんで満ち溢れている。それに先達さんの集団も来ていて
賑やかな事この上もなかった。
先達さん、あまた存在していても
先達業務に実際携わっている人は何割くらいなんでしょうね?

ここから琴電の駅に移動して、
「琴電一宮駅」~「瓦町駅」~「琴電屋島駅」
まで行く。わしの好きな小さい電車です。
「琴電屋島駅」駅前には屋島山上行きシャトルバスが運行されている。100円
1545発なんで、まだ30分以上ある。
駅前の食堂兼民宿でうどんでも食べて行こうかね。
「うどんください」
「バスに乗るのかいのう?」
「は、はははい。一番早くできるうどんを・・・」
「月見うどんが一番早いよ」
「ではそれを」

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やってきたバスの乗客はわしともう一人。
採算合うんかいなあ?
でも廃止になったら困るなあ。

10分くらいで屋島山上に到着
雨が降ってきそうな空模様と風になってきた。

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第84番札所 屋島寺着
ここは有名観光地なので、この時間でも駐車場は5割がた埋まっています。
狸さんにご挨拶をして、本堂大師堂に廻る。
納経所でお菓子をいただきました。
駐車場の売店で、職場にお土産を買おうかと考えたが、やめ!
来週は結願なので、そこで買おう。

さて、帰りのバスは1730です。
まだ1時間ほどある。
仕方ない、やるか。
「もし、のせてくれんかのう?」
「すいません、一杯なんです・・・」
「は、はははい」

くじけずに
「もし、のせてくれんかのう?」
「問題ないですよ」
やった!
三十台の夫婦でした。ひいおばあちゃんのやり残したお遍路をしたことがあるそうで、
わしの姿を見ていたら、また廻りたくなったと言いました。
四国の人は、行きたくなったら行きやすいので羨ましいんですが、
案外四国の人は案外お遍路には興味がないそうです。

「琴電屋島駅」~「瓦町駅」~「高松築港駅」
駅を出たら雨が降っていた。
巡拝中にはほとんど降っていなかったのは、お大師様のご利益か・・・

南無大師遍照金剛

JR高松駅前の高速バスターミナルからなんばに帰るのですが、
1830発なのでまだまだ時間はある。
今日は汗をどっちゃりかいたのでお風呂に入りたいんですが、駅周辺にはなさそうだ。
入浴は我慢して、下着だけトイレで替える。ついでに頭にも水をかぶる。
不審者に見えたかな?

ターミナル前にうどん屋の看板が3つほど見えたので、夕食に行こう。
ここでも生醤油うどんの冷たいやつを食べる。うまいね~。

満足してターミナル前のベンチに座ったら、
帰り支度のお遍路さんがやってきて隣に座った。

「お疲れ様です。どちらへ(帰るのですか)?」
「いや、もう帰るんです」
「ええ。ですからどちらへ帰るんですか?」
「なんばまで」
「私も難波までです。そこから堺まで帰ります。あなたは?」
「富田林です」
「へええ、遠いですね」
「ちかいですよ」

彼は人と関わりたくなくて遍路に来ている人かもしれん。
それ以上語るのをやめにしました。
お遍路に来ている人の数だけ、その理由があるんですね。
わしは人との出会いが楽しくってきているんで、今回の三日間は楽しかったなあ。

次回はいよいよ結願に向けて、来週の土日に歩きます。






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71番から84番

  「俳人 おやっさん 讃岐を歩く」、長編力作レポート拝読致しました。
 人さまとのお出会い、札所と歴史のかかわり、日中友好?、景色、うどん食べ歩きなど遍路旅を楽しまれましたね~、88番への続編期待しています。
PS) 
 殆どを日帰り遍路した私にとって、それぞれのお宿での出来事、設備のあり様は興味深い記事でした。

お疲れさまです(⌒人⌒)

驚きも楽しみも盛りだくさんのお遍路お疲れさまです(^ー^)

結局のところ心臓が飛び出るほどの思いされたのは長い方がお見えになったということでしょうか?(≧▽≦)

とにもかくにも歩き遍路の楽しみは人との出会いと私も思っておりますので片っ端から出会う方々に挨拶して歩いております(⌒人⌒)

これからも楽しみいっぱいのお遍路レポートを期待しております( *´艸)

No title

>門前の小僧さん
廃人のわしです・・・∑( ̄▽ ̄;)
今回も素晴らしい出会いに陶然としてしまいました。
これだから旅はやめられません。
小僧様も次回の旅は時間が許せば宿泊の予定を立てられてはいかがでしょうか?(焼山寺では疲れるでしょうから)

No title

>きもとさん
早速のコメント有難うございます!
ほんと、人との出会いは宝物です。
納め札の裏にも書いているんですが、

 小人は縁に気づかず
 中人は縁を活かせず
 大人は袖摺りあう縁も縁とする

この言葉を実践できるように歩いています。
今後ともご指導をよろしくお願いします。
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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