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立禅と 「ひかりの魔女」

「ひかりの魔女」山本甲士
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巻き込まれ型の小説を得意とするこの作者の物語は
多くの示俊を含んでいてためになります。

表題の小説からは「立禅」を学びました。

立禅(りつぜん)は その名称どおり、立って行う禅で、
瞑想法、気功法になるでしょうかね。

誰でも実践できるシンプルな健身法で、特別の器具も必要なく
ただ立っているだけ。あとはやる気です。

仏教も本質的には立禅を主体として托鉢に始まり、
歩行、沈思、四念処と立禅に依って成り立つそうです。

お釈迦さまが沙羅双樹の下で座って瞑想により大悟されたため
座禅だけがクローズアップされているのですが、
それは立つ・歩く・座る・臥するの中の一形態なのです。

立禅ありて座禅あり、徒歩禅ありて臥禅あり。

わしは座禅の入り口を垣間見た程度であるし、
歩き遍路を通して自分に見合った徒歩禅を行っているが、
まだまだです。

さて立禅とは、
人間の内的パワーを強化し、爆発的な気を養成する。
心身を一つにまとめ、人間の持つ潜在能力を掘り起こす。
本能を覚醒させることで、動物的な反応や動きも可能にする。
武道や武術でも応用できそうですね。

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実践の方法ですが、
両足を肩幅に開き、内股気味で、ひざを軽く曲げる。
上から見下ろして、ひざがつま先より前に出ないくらい。

かかとの下に紙3枚分くらい敷くくらい浮かせ、
足親指の付け根付近に重心を置く。
両腕は顔の高さにあり、大きなボールを抱えるように
両手掌の間は拳1個半空ける円をつくり、指先は開いたまま下にたらす。
頭は天から吊り下げられている感覚で、
視線は半眼のまま、地面と平行でまっすぐ前

心穏やかに自然な呼吸を行う。

肩の力を抜いてリラックスするのが肝心です。
ふくらはぎが緊張してきて、下半身を鍛えるのみならず
両手両足と体幹部の連携機能を向上させて気の力を蓄える・・・

だ・・・・そうなんですが、

5分でも10分でもいいんです。
最初は3分でもかなりキツい。
武術の稽古として行う場合は最低15分必要なんですと。


自然な呼吸というのは、鼻で吸って口から出す、
丹田呼吸法を行います。

ここでお遍路の勤行の際に身につけた呼吸法が役に立ちました。
「十善戒」を三度、一息で唱えるために色々やってみたのですが
下腹に息を溜めてから丹田を意識しながら長く呼気とともに吐き出すと、
一気に三度唱える事ができる。
下腹に意識が向かないと、途中で息が途切れる。

これが臍下丹田呼吸法だったんだあ。

今年の正月に立禅を知って
最初は3分から始めました。
無理は禁物、3分でも脚がプルプルしてきましたが、
そのうち1分、また1分と増やして
2月の終わりの今は10分間できるようになりました。

心なしか階段の昇り降りも以前よりは楽になったような??
それに駅ではエスカレーターを使わなくなりました。
このさき続けていけば、どんな境地に至ることができるのでしょうか。

頭が天に向かって引き上げられているような感じになる、
というのですが・・・
それはいつだろうか。

確かに先日車遍路をしたとき、10番切幡寺の333段の階段では
息切れすることなく一気に登ることができました。
まあ、リュック背負って歩いて切幡寺まで来た訳ではないので
疲れていないといえば、疲れていない。

この検証は焼山寺登りでしてみる事にします。
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突撃レンタカー遍路(通算十一巡目)1番霊山寺~13番大日寺

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承前

正月一日に産まれた二人目の孫のお守りのために
お遍路は控えています。
しかし重度のお四国病に罹患しているために
30日以上遍路をしないと禁断症状で手が震える・・・・


2月16日(土)は、1日だけ休みなので、
孫の所には行けない。

おおっ

お遍路に行こう。
かねてから企画していた
「レンタカー遍路」です。

徳島駅前には色々なレンタカーの店がありますが
一番近いJRのレンタカーを使おう。
以前に使ったことがあるからネット予約手続きも楽にできました。

金曜の晩から徳島入りして
「東横イン徳島駅前」に泊まります。
以前ここには「お遍路さん応援プラン」というのがあったんですが
いまはないなあ。
また復活してくれへんかなあ。
夕食は餃子の全国チェーン店で餃子二人前と炒飯、それに生中!
うまくてうまくて2杯も飲んでしまったよおおおおおお。

ほろ酔い加減でチェックインしてすぐに寝てしまいにけり。


翌朝、徳島駅前のレンタカー事務所に行く。
0900から営業開始なんですが、いま0840
中に人がいるので
「あ、あの~、もうやっていますか?予約の者ですが・・・」
「ああ、いいですよ。2年前に借りた人ですね」
ありがたや、9時前に借りることができました。

カーナビを1番霊山寺にセットして出発!

今日は曇り空で少し肌寒いが
温かい車での移動なので大丈夫!
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結果からいうと1番から13番まで廻ることができました。
こおりゃ、クルマヘンロはいいなあ。
50回、100回なんてのは可能だね。
わしも足腰弱くなってきたら車をメインにして廻ろうかね。

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でもこれだけ早く廻れたので、もしかしたら勤行次第を
すっ飛ばして札所を廻ったのではないか?
という疑念を抱かれたのかもしれない。

しかしながら遍路修行者を標榜している優婆塞の自分としては
仏前の勤行次第を端折ることはできない。

わしがやっているルーティンを掲げますがな。

灯明を灯しながら
「今日ここまで無事安全に健康で来られました。ありがとうございます」
と唱え、線香に火を灯す。

本堂に進み、端っこで

○普礼真言(三遍)

○密厳院発露懺悔文の一部

○祈願文
「納め奉る此の所のご本尊高祖弘法大師を始め当山鎮守総じては
 日本国中大小の神祇に祈願し奉る
 至心発願 天長地久 即身成仏 密厳国土 風雨順時 五穀豊饒
 世界平和 万民豊楽 乃至法界平等利益」

○開経偈

○懺悔文

○三帰(三遍)

○三竟(三遍)

○十善戒(三遍)
 
○発菩提心真言(三遍)

○三摩耶戒真言(三遍)

○般若心経

○ご本尊の真言(三遍)

○光明真言(三遍)

○高祖宝号(三遍)

○大金剛輪陀羅尼

○廻向文

○先祖代々供養の願文

○普礼真言(三遍)

○密厳院発露懺悔文の一部

十三佛真言、延命十句観音経、舎利礼は
省略させていただいております。

十善戒を一息で三遍唱えるよう努めると、
臍下丹田呼吸が意識できるので座禅や立禅のとき役立つ。

先達業務をするときには、ゆっくり唱えるのですが
自分だけの修行の際には早めに唱えていると実感できます。


2番極楽寺の大師堂でお勤めしようとしたら、
後ろでお遍路さんが見つめている気配がしました。
意識して努めて明瞭に普通の速度で勤行したあと振り返ったら
真新しいお杖の歩き遍路さんがおられました。
「勉強させていただきました」
「あ、いえいえ」
「1番で買った勤行次第に書かれていない文言は何ですか?」
「あ、あれは普礼真言とか大金剛輪陀羅尼というものです」
「そうなんですか」
「勤行次第に書かれているとおりに唱えればいいんですよ」
「そうですか」
「そのうちに必要になったら唱えてください」
「ありがとうございます」
「いえいえ、この先、お気をつけて」

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今日は歩き遍路の方々をちらほら見かけます。
それから車遍路さんも多く見かけます。

ですが

勤行次第が早いなあ。
わしより後にやって来て先に終わる。
若者二人連れは本堂で手を合わせただけで、納経所に駆け込む。
重ね印のおじさんは、野球帽をかぶったまま経頭を務めています。

うう~む。

誰にも教わらず自分達だけで始めた車遍路さん、
そのうち勉強してくれるんやろうか。
それともこのまま4周廻って先達になるんやろうか。

仏様は、無作法な人たちを見て
「あいつらけしからん!」
と憤ることを嫌うそうです。

わしは周りの人が見ていることを意識して
きちんとお勤めするようにしております。
これも先達業務と心得ております。
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さて今回の目的
主目的と言っていいでしょう。

「スズメバチホイホイ」
の液交換

足掛け3年のプロジェクトです。
焼山寺への途中の柳水庵の下に地元の人が作った小屋があり
歩き遍路さん達の休息場、宿泊場になっているのですが
4年前にスズメバチが小屋内に巣を作り、危険な状態になっていたので
「鯖街道キャンプウオーク」で培った経験を生かして
スズメバチトラップを仕掛けました。

スズメバチの習性を生かして春先に女王蜂だけを捕獲して
巣を作るのを予防するのです。
幸いトラップを設置してからは巣ができたという報告はありません。

こりゃ、わしが元気なうちはずっとやらねばならんかな?
望むところですがな。

その年の遍路計画により、11番藤井寺から歩いて登るか
自動車で来るか、色々です。
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今回は鴨島から県道43号線から山道を上がって柳水庵まで行きます。
一番心配したのは雪ですが、幸いなし。
行き交う車もなく、山道をそろりそろりと走りました。

標高が上がっていくに従い、空が暗くなり雨粒も落ちてきます。
あれ?雨粒が凍っていないかい?
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無事に液の交換も済み、焼山寺に行けるかな?
えい!行こう。

再び山道をクネクネ降りて
鍋岩のすだち館の所まで来ました。
ここから焼山寺まで登ります。

駐車場に着いたら・・・風に雪が舞っています。
どひゃ~
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今日は頭に被る物を持ってきていないのです。
太龍寺の龍手拭を巻いて山門までの道を歩む。
すれ違う善男善女さんたちも、寒そう。

納経所では、なにやら揉めています。
納経帳を二冊持っている人に対して
それはできません、と納経所の人が言っています。
足腰の弱い人の分を持ってきている人や
代参の人はどうするんでしょうかね?

ここの納経所は厳しいと聞いていたのですが、初めて見ました。

閑話休題
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13番大日寺に5時までに到着できるでしょうか??
気が急いて、ついついアクセルを踏んでしまうのですが
その都度
「法定速度を超過しています」
とナビ子ちゃんが注意してくれます。
「あ、はいはい。ごめんしてちょ」
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心配をよそに、間に合いました。

住職は海外公演のため不在でしたが、
ああ、今日はなんてうまく行った日なのでしょう。
お大師様に今日の旅の無事の御礼言上しました。

今年はレンタカー遍路の予定なのですが
こんなにサクサクいくとは思いませんでした。
これならば年末までに2巡は廻れるでしょう。
しかし自分の基本は歩き遍路であることは肝に銘じなくてはいけません。
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拇趾反張女仏

拇趾反張女仏

渡辺淳一の短編小説です。

若い頃にこの小説を読んで「バビンスキー反射」を勉強しました。
作者は医師であるため、医学的根拠がしっかりしており
医学小説での設定、描写に無理がなく、とても勉強になります。

バビンスキー反射とは、
脊髄損傷や脳溢血などで半身麻痺になった際の脊髄権反射を調べるため、
脚の裏側の外側を踵から趾先に向かって掻き揚げると
健常人ならば趾を縮めますが、
前述の原因で脳や脊髄の中枢の神経が冒されている場合には
拇趾は甲の方に反り返り、やや開き気味になり、
さらに膝が軽く曲がるのです。
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フランスの医師ジョセフ・バビンスキーによってこの反射が19世紀に確認され、
彼の名がつけられました。
彼はスラブ系のフランス人なんかねえ?

閑話休題

赤ちゃんの拇趾にも同じような反応が見られます。

これは、まだ神経系が未発達のためで、
生理的バビンスキー反射といいます。
個人差はありますが遅くとも2歳頃までに消失するようです。
2歳になれば運動陰機能、中枢神経が発達するので、
2歳を過ぎても消失しない場合は、錐体路障害を疑います。

聖母子画にもこのような表現が残されていますね。
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産まれたばかりの孫の拇趾を見たら、おお、跳ね上がっているぞ!



さて本題

この物語では女性のエクスタシーと十一面観音様の関連について描かれています。

奈良法華寺の国宝十一面観音立像の脚
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右足の膝を軽く曲げ、斜め横を向いています。
そして拇趾が反っているのが焦点になっています。

膝を軽く曲げ、拇趾を反らしているのはバビンスキー反射そのものです。
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像にみなぎる緊張感、静から動に移る一瞬を表現したのでしょうか。
中枢神経の異常を表したものではないのではないか。
他の観音立像ではこういった表現はない・・・ように思います。

仏像三十二相八十種好にもこれはありません。
あえて言うなら八十種好 其の二十一に、
「容儀備足:容貌と立ち居振る舞いが美しい」
う~ん、これは苦しいなあ。

ダイナミックな躍動感を現わす仏像は
金剛力士とか四天王のような天部に属する方々で、
如来とか菩薩は静かで落ち着いた雰囲気を表す。
拇趾だけを跳ね上げる表現がなんとも不自然です。


法華寺の十一面観音像のモデルは光明皇后だそうです。
非田院や施薬院などを作り、民の垢も流してやったという
優しく慈しみ深く、美しい人物であったそうな。

仏像を彫った仏師はガンダーラから遣わされた問答師といわれています。
どんな気持ちを込めてこの像を彫ったんでしょうか。



セックスの際に女性がオーガズムを感じるくらいの興奮状態になると
一時的に精神・神経回路が狂い、平常時には絶対起こる事のない
バビンスキー反射が起こると言われています。
これ、自分では確認した事がないのが残念な事です。

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浮世絵にもこの描写があります。
喜多川歌麿「願いの糸口」
花魁が男に背を向け、細めた目で見ている拇趾の先が反り返っています。
生身の人間にも、天女や仏と同じになる瞬間があり、
このときすべての神経が麻痺してしまう。
この瞬間とは、エクスタシーのことか。


美貌の光明皇后に懸想した仏師が、その瞬間を想像しながら
彫ることによってその想いを叶えていたのかもしれません。


二十代の頃にこの物語を読んでからずっとずっと心の中に
バビンスキー反射と拇趾反張女仏が住み着いていました。
そして孫の拇趾を見て、またぞろ出てきたのです。


この考えは仏像を観音菩薩を冒瀆する行為になるかもしれません。
不愉快と感じられた方がおられたら、ひたすら申し訳ありません。

しかし、仏師の想いが仏像の造形に顕れ、
千年を経た今日でもその想いを感じ取ることができると思うと
また格別な気持ちになるのは自分だけでしょうか。


法華寺平成31年春の御本尊御開帳は3月20日~4月7日まで
今度行ってみようと考えております。
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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