FC2ブログ

おきらく大坂七寺社巡り

5年前に大坂に単身赴任で来てから、四国八十八箇所遍路はもとより、
近畿各地の寺院を西国、新西国、薬師などなどで訪れたり
日常ふと気になってお参りする寺社などなど、
色々な御縁を頂いて参詣する寺社を数えたら7箇所あります。
そこで
「おきらく大坂七寺社巡り」
というものをまとめてみました。
今年一年のお礼を込めて廻ってきました。


朝も早くから自転車に乗って隣の岡町まで。


原田神社 豊中市
主祭神:須佐之男命(牛頭天王)
kansai7-2018-02.jpg
朝早くから様々な人たちが参拝に来ています。
ここはわしの健康を守ってくださる神様がおられます。
何度か健康面で助けていただきました。
kansai7-2018-01.jpg

ここでは祓詞(はらえことば)をあげさせていただいています。
祝詞をあげていると日の光が鏡に反射したり、
拝殿の奥からは音がしたりします。

神無月のとき自転車で前を通り過ぎただけで挨拶をしなかったので
留守を守る眷属様の怒りを買い、交差点で大コケしてしまい
幸い車とは接触しなかったんですが右膝を痛めてしまいました。


豊中駅前に自転車を預けて
阪急宝塚線に乗り、「豊中駅」~「箕面駅」で降りる。
歩いて10分


西江寺 箕面市
kansai7-2018-03.jpg
日本最初の歓喜天霊場です。高野山真言宗
箕面温泉に入りに来たんですが、そちらに行かず
フラフラとここに引き込まれてしまい、
怖がっていた歓喜天様について副住職様から丁寧に教えて頂いた場所です。
こじんまりとした境内には清浄な空気感があります。

kansai7-2018-04.jpg
阿字観、写経などを定期的に行っていて
体験させていただきました。

箕面の瀧まで行きたいのですが、1日仕事になるので
今日は我慢しておいて、次に行きます。


「箕面駅」~「中山寺駅」


中山寺 宝塚市
真言宗中山寺派大本山で、本尊は十一面観音
言わずと知れた西国三十三観音霊場24番札所
ここは安産祈願の観音様で、妊婦さんや子連れの家族で賑わっています。
kansai7-2018-05.jpg
本堂までの参道にはエスカレーターが設置してあるお寺です。
今日は西国札所の巻物納経帳を持ってきたので
御朱印を頂いておきましょうかね。


「中山寺駅」~「清荒神駅」


清荒神清澄寺 宝塚市
真言三宝宗の寺院で、本尊は大日如来 摂津国八十八箇所第72番

鎮守社として三宝荒神社があり、
竃(かまど)の神の荒神などを祀る神仏習合から「清荒神清澄寺」の名称がある。
「荒神さん」の愛称で庶民の信仰を集め、本尊よりもこちらのほうが有名ですね。

kansai7-2018-06.jpg
「清荒神駅」から1.2kmに200軒近い店が並ぶ門前町を眺めて歩くのも楽しい。
年末の賑わいのなか店をひやかして歩く。

天堂の裏の「荒神影向の榊」では、榊の根元に供えられた賽銭を頂いて、
大事に財布の中にしまっていると必ずお金が増えるといわれています。
で、お金が増えた人は倍返しで返さねばなりません・・・
備え付けの木の棒でお賽銭をたぐりよせるのですが、
皆、そのお賽銭が欲しいので、なかなかゲットできないようです。

kansai7-2018-07.jpg

この榊の周辺、あきらかに空気感が違う気がします。
ですから、しばらくこの場所に佇んでいるのが好きなのです。
ついでに、磨いたお賽銭をそっとお供えしておくと
後から来た人が嬉しそうに頂いていくのを眺めています。
お供えした時点で、もうそれはわしのお金ではなく、
神様のものになるんですから・・・



「清荒神駅」~「阪急梅田駅」


北向地蔵尊
梅田の紀伊国屋書店の西側、三番街の一番南側にあたるところ
明治24年に、この付近の畑から自然石に刻まれたお地蔵さんが掘り出され、
信仰の対象となり、当時の地主だった仲谷弥三兵衛氏が世話人となり、
お堂を北向きに建立されたのが由来です。
kansai7-2018-08.jpg
昭和44年、阪急三番街が誕生したために、お堂は西へ50メートル移り、
現在の地に鎮座されております。

とにかくここをお参りする人が多い。
普通のサラリーマンや主婦、若い人まで丁寧にお参りをしている。
人々の祈りがたくさん集まった都会の真ん中の聖地です。
お堂を管理している方(たぶんボランティア)が、お参りに来る人たちに
「ようお参りです」
と声をかけておられます。


ウメチカを歩いて泉の広場から地上に出て・・・



太融寺 大阪市北区太融寺町
高野山真言宗の寺院
新西国三十三箇所第2番札所で、新西国巡礼をしていて出会いました。
本尊は十一面観音で、大師堂もありますが
なんといってもここにおられる「一願不動尊」が有名です。
kansai7-2018-09.jpg
繁華街、ホテル街のど真ん中ですが、ここだけ空気感が違う。
一日中参詣の人が絶えません。
お百度参りをされている方もいます。
わしはお勤めが済むと、しばらくこの場所に佇んで空気間に浸ります。



地下鉄御堂筋線から「南海難波駅」~「天下茶屋駅」



正圓寺 阿倍野区
通称「天下茶屋の聖天さん」東寺真言宗 本尊は大聖歓喜双身天王
ここは大坂五低山のひとつで、聖天山古墳と呼ばれる古墳だそうな。
天下茶屋駅から懐かしい雰囲気の商店街を歩いて10分くらいのところにあり、
鳥居をくぐると一願不動尊が迎えてくれます。
kansai7-2018-10.jpg

夏の台風の影響かな?
屋根にはブルーシートがかけられていますよ。
こじんまりとした境内には大師堂や地蔵堂、その他の堂宇が収まり
平日ながら
参拝者がボチボチと来ています。


天下茶屋駅に戻る前に、もうひとつ好きな場所へ寄っていこう。
番外
波切不動尊
kansai7-2018-11.jpg
浄土宗西宝寺にある小さなお不動さんなんですが、
地元の人達の信仰が篤いのが見てとれます。
なぜ浄土宗なのにお不動さん?
なんていう無粋なことは抜きにしましょう。

略縁記によると昭和14年に茶臼山で地面から掘り出され、
西宝寺の境内に安置されたところ
第二次大戦中、空襲にあって近隣は焼け野原になっても、
ここだけ焼け残ったそうです。
神社仏閣ではこういった事が多いようですね。


5年間大坂に住んでいて
有り難い御縁を頂戴した神社仏閣のおかげで
なんとか単身赴任の生活を無事に過ごすことができています。
またこれからも新たな御縁に会うかもしれませんね。
それは偶然ではなく、必然なのでしょうか。
スポンサーサイト



「中陰の花」玄侑宗久

chuin-no-hana01.jpg
「中陰の花」玄侑宗久
第125回芥川賞受賞作


わしは本を読むと、気になった箇所や
勉強になる箇所には付箋をつけておく。あとで読み返すときに分りやすいように。
本との出会いは邂逅なんでしょうか。
短編小説で、これだけ付箋がついたものはない。

「おがみやさん」の死をきっかけに、曹洞宗僧侶の主人公が
中陰(あの世とこの世の中間)を見つめなおす。
仏教の教えと霊的現象は別なのですが、
僧侶である作者が修行と体験、勉強で得た境地と
それ以外の事象について科学的根拠を織り交ぜながら
日常の出来事を通して描かれています。

その中で、日頃から疑問に思っていて答えを得られなかった
事柄について、示唆を得たような気がしました。
そのいくつかについて、自分の考えた事も交えて紹介したいと考えます。


(その1)
死後の世界について

極楽は信じれば、ある。信じられなければ、ない。

chuin-no-hana02.jpg
そのとおりやんけ。
般若心経の空の心に通じるか。

阿弥陀経には極楽浄土の様子が事細かに説かれている。
あれは「ある」というのが前提になっているのか。

人は死んだらどうなるんか?
仏教では基本的には質量不変の法則で考える。

死ぬと魂はどうなるのか。

魂をコップに入った水とする。
コップの水が蒸発する。
すると水蒸気はしばらくあたりにある。
それが中陰と呼ばれる状態で、この世とあの世の中間

それから水蒸気はどんどん広がり、
空いっぱいに広がっていく。
それをインドではシューニャと呼んだ。

世の中の全てのものは膨らみ広がりつつある。
このシューニャという言葉が中国で「空」という言葉になった。
宇宙が膨張している学説は、これを仮設にして研究されたそうな。

コップの中の水はなくなったけれども、
この地球上からはなくなっていない。

あるけどない、ないけどある。
う~む、般若心経やなあ。

chuin-no-hana03.jpg
一休宗純は、
闇夜に湖に船を浮かべて座禅しているとき鵺の鳴き声を聞いて大悟した。
鵺は黒いから見えない。でも声は聞こえる。
あるけどない。ないけどある。
http://okirakudojyo.blog93.fc2.com/blog-entry-165.html



魂は微塵という大きさになり、
更に七つに分かれて極微(ごくみ)と呼ばれるものになる。
それが仏教での物質の最小単位で、
それは素粒子と同じ大きさなんですと。

素粒子を構成しているもっと小さなものがあるが、
それ以上は物質ではなくてエネルギーである。
「空」というものを一種のエネルギーとして捉える。

で、エネルギーの状態まで戻る事が「成仏」ということで、
再生可能な状態になって「輪廻」につながる。

仏陀は輪廻の事は語らなかったが
龍樹以降、いつの間にか輪廻思想に取り込まれてしまっているよね。

司馬遼太郎の「十六の話」によると、
お釈迦さまが現代日本の仏教経典を見たら、
「わたしはこんなこと言っていないんだけどもなあ・・・」
と言われるそうです。


(その2)
魂は千里を駆けるといいます。

極楽浄土は十万億土のかなたにあるっていうけれども、
そこまでの距離を四十九日かけて行き着く場合の速度は、
秒速三十万キロだそうな。

つまり光速

千里どころではないなあ。
エネルギーの状態であればそれは可能かもしれんて。

chuin-no-hana04.jpg
雨月物語の「菊花の約」にも魂が千里を走り約束を果たした、
という物語を読んだ覚えがある。

すすすると、如来や菩薩はエネルギーの状態なんでしょうか。
凡下にはエネルギーなんて見えないから、
イメージしやすい形にした姿が仏の姿なんでしょうか。



(その3)
あらゆる物質は、分子の中に原子があり、
原子の中では原子核の周りを電子が廻っていて初めて物質化し、
目に見える状態になる。


電子に束縛されていない原子核の中の中性子と陽子は物質化していないので
瞬時にどこへでも移動できる。
そしてその中性子の中に「意識」が宿っている。
なのですべて見える。すべて聞こえるそうな・・・
「虫の知らせ」というのはこの中性子同士の反応だそうな。
魂は・・・


(その4)
憑き物について
霊というのは、何かに気になりだしたら、
そのことにずっと気になっている頭が好きで、住みやすい。
煩悩に囚われている人のことでしょうか。

しかし禅宗の僧侶はいちばん憑きにくいそうな。
パッパッと思考が切り替わってしまう頭は住みにくいんだって。

座禅をしている時に雑念が湧いてきても、右から左へすぐ流す。
悟りの境地に至ったとしても、それすら捨てろと言われる。
全ての事に執着せずに捨て去る。

放下著(ほうげじゃく)とはこのことか。
(臨済宗『五家正宗賛』の趙州和尚の章)
禅宗の僧侶は座禅をしているので頭の切り替えが早いのか。
瞑想をしている人も同じ境地なんでしょうかね。


(その5)
死の直前、光に包まれる。

酸欠状態になると、網膜の中の酸欠に強い細胞の働きが際立ち
光に包まれたような体験をすること・・・
chuin-no-hana05.jpg

死ぬとき、どうしてもこの酸欠状態を通過するために
死ぬ前に光に包まれるというのは、ごく自然な科学的現象なのだ。
死ぬ人は光に包まれて恍惚として死んでいく。

chuin-no-hana06.jpg
極楽浄土からのお迎えは光り輝いているんかなあ。
内海源助は最後のとき、
光が空から降りかかり恍惚とした気分に陥るのを感じながら命果てた、
と書かれてあったなあ。
chuin-no-hana07.jpg

高校のときに限界を超えた激しい稽古でぶっ倒れたとき、
目がチカチカした経験がある。

オウム真理教のやっていた怪しい修行
「水中クンバカ」
chuin-no-hana08.jpg
長く息を止めることによって酸欠状態を作り
光に包まれたような体験をさせる。
あれ?でもオウムは水中に入る前に酸素テントに長時間入っていなかったっけ?
でも長時間水の中で極限状態を作っていたか。


(その6)
幻覚について
禅宗の摂心の際には、睡眠が極度に制限され、精神が疲れ果てて
幻覚を見るという。

光が自分の中に入ってきたり、すべてのものと繋がるという体験をする。
それを「悟り」と表現する宗派もあるが、禅宗では
「座禅をしているといろんな幻覚を見るが、そんなものに騙されてはいかん。
あくまでそれは幻覚で、それを乗り越えてまた座るのだ」

鮮烈で美しい光景と、それを否定する言葉
これは禅宗でのみ伝えられているのだろうか。
chuin-no-hana09.jpg

弘法大師は虚空蔵求聞持法を百日間百万回唱え
明星が口の中に入ってきた、と伝えられるが
禅宗に言わせると、それも幻覚とされるのか。

中学生の頃、満天の星を眺めていたら
何故自分はここにいるのだろう、自分の存在する意味はなんだろう?
と考え、そうしていると意識が宇宙に吸い込まれたような経験をしました。
chuin-no-hana10.jpg

いまでもその時の気持ちを覚えています。
自分と宇宙、宇宙と自分が一体化した、と捉えるのでしょうか。
これって、「さとり」を得た状況と言えるのでしょうか。

それ以後は、そういう気持ちを得た事がありません。
大人になって汚れてしまったからでしょうか。

精神科学では10台の頃は、
世界の中にいる自分の位置を発見するような発達年齢に
なるので、そういうことが起こる可能性が多い、ともされています。

さはさりながら、
成長してからは、時間と空間がなくなったように感じることはあります。
それは物事に集中しているとき。
自分でいうと絵を描いているとき。
描くことに夢中になると時間の概念がなくなる。
これもある意味「さとり」に近い感覚なのでしょうか。

また、山登りをしているときに、麓では雑念だらけなのですが
急坂を登るときには登ることしか考えていない。
いや、考えていることもないのだろうか。なにもない。
自分にとってこれが「徒歩禅」にあたる。
だから歩き遍路はやめられない。


本との邂逅は、ある日突然やってきます。
それは本屋の新書コーナーであったり
古本屋の棚であったり
ネットの書籍紹介であったり
実に様々です。

その出会いを大切にしたいから、予算の都合がつく限り
購入するようにしています。

おきらく遍路旅 高野山お礼参り

he10-kouya-01.jpg

今日は日帰りで高野山お礼参りです。
昨夜は職場の忘年会だったのですが、早めに切り上げたい。
二次会のカラオケで2曲だけ歌わせてもらい
「すんませんっ明日は4時起きで高野山に行きますっ!」

帰って風呂に入り、ただちに寝て
翌日の総員起こしは0400

真っ暗で寒い師走の街に繰り出す。

阪急宝塚線~地下鉄御堂筋線~南海高野線を乗り継ぐ。
早朝のため通勤客はまばらで、無事座る事ができました。
「世界遺産キップ」を購入して、「高野山」行きの急行に乗るが・・・

しかし、「橋本駅」でバスによる代行輸送に乗換え

南海電鉄の高野山ケーブルカー新造のために、
現在「極楽橋駅」~「高野山駅」が運休となっています。
30年11月26日から31年2月28日までの予定だそうな。

へぇ~、そうなの。


今年の夏には台風被害で運休になり、バスの代替輸送を経験しているので
素直に橋本駅からバスに乗りましたが、
状況がよく理解できない老人が長い事駅職員から説明をうけていました。
地理関係のよく判らない人にとっては
繰り返し説明されても納得いかない様子だった。
ガイジンサン達も戸惑ったでしょうね。

手元を見ていると酔いそうな山道をグリグリ回りながらバスは山の上に進む。
錫杖が転がらないように腕でしっかり抱え込むが
つい居眠りをすると手が離れ、あわてて握りなおす。
he10-kouya-03.jpg

今日は大門から奥之院まで歩こうか。
気温表示をみると0.2℃
おお~、寒いなあ
今日はヒートテックの長袖にポロシャツ、その上に
ウインドブレーカーを着てきたら寒くないよ。

その上に白衣を着込んで、さあ行こう。
he10-kouya-02.jpg

朝早いし、平日なので道行く人たちは地元の人たちばかりです。
それに坊主頭率が高いのはあたりまえか。
バイク屋の主人も坊主頭ですねえええええ。

he10-kouya-04.jpg
ただ一軒あるコンビニに入ったら
クリスマスツリーが飾られ、軽快なクリスマスソングが流れていく。
この天空の宗教都市は寛容で、あらゆるものを受け入れている。

he10-kouya-05.jpg
金堂の境内で、知った顔を見ました。向こうも気づきました。
先日、大窪寺への途中、
お遍路交流サロンで出会った明石からの歩き遍路の婦人です。
昨日麓の九度山から慈尊院を経て丁石道を歩いて登ってきたそうです。
「途中柿のお接待はありました?」
「雨が降っていて、気づきませんでした・・・」

彼女からいい情報を聞きました。
高野山のさる宿坊は、歩き遍路さんには宿泊費が約半額になるそうです。
お遍路交流サロンで紹介されたんですって。
he10-kouya-06.jpg
赤バッチ授与の歩き遍路さん対象なので、ここでは明示できません。
あしからずご了承ください。


人気のない境内を抜けて
奥之院へと歩む。手袋をしていても指先がかじかんでくる。
鼻水も垂れているような気がする。
ここで修行をしている人は大変だなあ・・・

おきらく乗り継ぎ遍路をすると年2巡のペースで廻れるが
高野山に行くのは6月と12月になる。
暑い季節か寒い季節になるなあ。
もう3ヶ月ずらしたらいい季節になるのかもしれん。
he10-kouya-07.jpg

そんなことを考えていたら御廟に着いた。
人の姿は見当たらない。
朝早く来てよかったああああああ。
神聖な空気感の貸切です。
しかし大きな声を出して勤行するのは控えます。

金剛峯寺では
納経の折に参与会への入会書類をいただきました。
「あ、あの~、参与会の入会手続きはどこで・・・?」
「ここでできますよ」
「あ、そうですか。会費の納入時期はいつですか?」
「4月です」
「あ、そうですか。では今払うと少しだけ損ですね」
「そうですね。書類だけ持っていってください」
「はい」

門にガイジンサンの一家がいて、
美人の金髪婦人がわしをファインダーに納めようとしている。
「写真をとります?」
「イインデスカ?」
「OK!」
「アリガトゴザイマス・・・(タメイキ)スバラシイ!」
ふ~~ん、この格好はめずらしいんやろね。

今日の予定は終了したので、大門方面に歩いていき
朝寄ったコンビニで肉まんとあんまんで昼食を済ます。
冬の平日、食堂は閉店している所が多い。
まさにコンビニは山上都市のオアシスやね。

大門を出て「大門南駐車場臨時バス停」まで歩き、
5分後に「橋本駅」行きのバスが出るので温かい車内に乗ると
とたんに眠気が襲ってきます。
おかげさまでずっと眠りこけていました。

「橋本駅」~「南海難波駅」の車内も
日差しと暖房のお陰で眠りこけていました。

つくづく大坂に住んでいると高野山には行きやすいなあ、
と感謝です。


自分の願望ですが、
年末年始のお遍路をやってみたいなあ、と考えていますが
家族水入らずの正月も大切にしなくてはならん。
悩ましい所です。


大きなミスをしてしまいました。
13日に先達昇補でお世話になった親寺へ御礼に行き、
18日に高野山に行く予定を立てていたのが
日程を取り違えていました!
あらかじめ連絡していたにもかかわらず、
住職には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。
この場をお借りして陳謝いたします。

he10-kouya-09.jpg

おきらく遍路旅十巡目結願 権中先達昇補 75番善通寺~88番大窪寺

he10-13a-01.jpg

平成30年12月7~9日

前にも書いたが先達昇補のお願いに親寺を訪れたら
「なんで?もう先達になっているからいいじゃないか」
と言われ、返答に困った。

そう、自分はなぜ先達になったのか?何故位をあげたいのか。
歩き遍路ツアーを主催しているので先達位は持っていたほうがいい。
ではなぜ位をあげたいのか?

う~~~ん。
やはり凡俗の悲しさ、昨日よりは今日、今日よりは明日と、
日々進歩していたいから・・・かな?

悩みと期待を抱えたまま、講習会は
香川県は善通寺市の善通寺市民会館で開催されます。
過去、会場は善通寺境内の遍照閣で行われるのですが
どうも手狭だったようです。
でも、遍路の減少に伴い先達の数も減少しているはずなんですけど・・・

閑話休題

職場には3ヶ月前から休暇の申請をしておきました。
なので、3連休です。
講習会の後にはお遍路ができるよ。

12月6日(木)
仕事を終えてダッシュで新大阪から新幹線に乗る。
he10-13a-02.jpg
岡山駅で在来線への乗換えの際、込み合う駅構内では
ビニール袋に包まれた錫杖を持った人がちらほら見られます。
そうだ、今日は新任の先達さんが誕生する日ですね。

お宿の善通寺グランドホテルのロビーには
今日か明日の参加者らしき御刀自様たちがウロウロしています。


12月7日(金)
夜が明けました。
外気はちょっと寒いかな?
he10-13a-03.jpg
朝の善通寺市内を会場に向かって歩くと、向こうから
迷彩服姿のお父さんが両手に子供の手を引いて出勤してきます。
いかにも駐屯地のある街の風景ですよね。

he10-13a-04.jpg
早くも市民会館の前にはお遍路さんたちがたむろしています。
知った顔もちらほらいるので彼らと雑談しながら過ごす。

さて、会場に入ったら、最前列の真ん中に陣取ります。
昔から後ろの方でゴソゴソするのは性に合わんのですよ。
話を聞くなら堂々と正面で。
それに居眠り対策になるしね。

he10-13a-05.jpg
午前の大僧正猊下の話の最中、隣に座っているおっさんが
イビキをかいて寝始めた。
始めは小さなイビキなのだが、ハラハラしながらいると、
更にボリュームが大きくなってきたので肩を叩いて合図する。

居眠りしないくらい聞き応えのある話ならばいいのでしょう。
おっと、
四国八十八箇所霊場会を批判するような発言は厳に慎まねばならん。

今日の課題は便所の問題です。
大ホールが満員になるくらいの参加者の用便問題を解決できる
キャパシティはないのではないか?

で、あるから会場外にある公衆便所をキープしておいた。
講習と講習の間の休み時間はわずか。
おまけに時間超過をしても、情け容赦なく次の開始時間は厳守なので
おしっこ行くのも勝負なのであります。
勝負に敗れた人たちは、講習が始まった後にゴソゴソと会場入りしている。
he10-13a-06.jpg


艱難辛苦のうえ、無事講習も終了
認定証書も無事受領しました。
知った人達との交流をしばしの間交わしたあと、善通寺へ。

he10-13a-07.jpg
無事昇補のお礼を本堂、大師堂で済ましました。
大師堂では上にあがらせてもらおうと思ったが、
ひとりの大先達が座ってお勤めをしています。
後姿に犯すべからざる雰囲気を感じたので、
あがるのを遠慮してしまいました。

ホテルに帰り買い込んできたお酒で今日のお祝いを独りする。


12月8日(土)
he10-13b-01.jpg
天気予報によると今日から寒波の襲来で寒くなるんだって。
ヒートテックを着込んでいるから大丈夫でしょう。
それに手袋も持ってきた!

金倉寺では、本堂・大師堂はもちろんのこと
訶梨帝母堂にお参りをする。
he10-13b-02.jpg
娘の安産祈願です。
ザクロをお供えしたかったんですが今の季節、それはない。
せめてザクロの干菓子を求めたのですが残念ながらありませんでした。

he10-13b-02b.jpg
胎児は逆子だったんですが、いままで各所の神仏にお願いしていたら
無事になおりました。ありがとうございます。
この上は、安産の祈願を本当に真剣にやりました。
これだけ真剣にお願い事をしたのは初めてじゃないやろうか。

道隆寺の手前では、いつものお地蔵さまを頂きました。
錫杖の音をジャラジャラ高く鳴らしながら
家の前をゆっくり、ゆっくり歩く・・・・
あれ?声がかからないよ。
もういちど戻り、ジャラジャラ門から窺うと、
老婦人が出てきました。
「おはようございます!」
「おはようございます・・・お父さん!」
ご主人が出てこられましたよ。

南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛
he10-13b-03.jpg

道隆寺境内には昨日昇補したのかな?
先達さんたちがちらほらいます。
昇補記念遍路なのでしょう、きっと。わしもそう。

he10-13b-04.jpg
最近写経を始めました。
いつかやりたい、いつかやりたいと考えていましたが
強い意志がなかったために今の今までやっていませんでした。
先達昇補、十巡目結願を機会としてお大師様が与えてくださった機会でしょうか。

南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛

he10-13b-04b.jpg
納経所に奉納した新作「富士松天女」の絵を喜んでくださり
遍路切り絵プラカードをくださいました。
自分の描いた絵を喜んでくださると大層励みになります。

「多度津駅」~「宇多津駅」

he10-13b-05.jpg
今日はよく晴れています。
きりっとした冷気に青空
わしにとっては絶好のお遍路日和でありますなあ。
he10-13b-06.jpg
自分の灯した線香の香りが漂い、
読経をしている自分にまとわりついてくると、法楽であります。

なんておだやかな空間なんでしょうか。

空を見ると・・・雲がないので竜神様はおられません。

「宇多津駅」~「八十場駅」

季節はすっかり冬に様変わりして
木々の紅葉は落ち葉となって道の脇に降り積もっていますが
それでもまだまだ札所の境内では見事な紅葉を見ることができます。
he10-13b-07.jpg
大師堂でお勤めしていたら縁の下で白いものが揺らめいた気がしました。
あとで見てみたらそのような気配はない。なにかな?

「八十場駅」~「高松駅」

高松駅を出て信号待ちをしていたら
お接待で100円をいただきました。

南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛

さてお腹もすいてきたのでここらで食事をば。
うどんにしようかラーメンにしようか・・・
いままで気になっていた高松駅前の「徳島ラーメン」に入る。
he10-13b-08.jpg
冷え切った身体に熱いスープが染み渡る。
しみじみと徳島ラーメンを味わったのは初めてではなかろうか。
ライスお替り無料なので2杯食べてしまいました。

「高松築港駅」~「一宮駅」

一宮寺には、今日は正しく山門から入ろうかね。
あまり目立たない生活道路に山門はあるため
車やバスの人たちはもっぱら裏門から入るのが主ですが
やはり山門から入りたい。
境内の外周をグル~ッと廻って、山門が見えてきました。

向かって右側の阿仁王さまにご挨拶をします。
「京都府から来ましたおやっさんと申します。ご本尊さまへのお取次ぎをお願いします」
「うむ、入るがよい」

本堂、大師堂でお勤めして納経所に行ったら賑やかな声がします。
よく見ると、三豊市で善根宿をされているKさんでした。
以前、民宿「碧」でのセミナーのときにわしと同部屋になり
夜中にわしのイビキのあまりのうるささに逃げ出し階下の広間で寝た、
というご迷惑をおかけしてしまった思い出がある方です。

思いがけない出会いでした。
三豊市の近くに来たら泊めてください。

he10-13b-09.jpg
大師堂には写経道場があり、いつでも誰でも500円で写経ができます。
受付のおばさんにお願いして上にあがらせていただく。
まず凍えた指をストーブにかざす。

筆を持って用紙に向き合うと、心が静まってきます。
堂内に流れるかすかな線香の香りと
参詣者が堂内に入るたびにおばさんの鳴らす鐘の音が静かに響く。

奥のお大師さまに祈る参詣者の気持ちが堂内に満ちる。

香りと音と祈りが渾然一体になって
とても心地よい空間を作り出しています。

陶然と筆を進めていると
いつの間にか書き終わっていました。

おばさんがお茶菓子を出してくださいました。
少しの間お話をさせていただくと、
先日先達昇補講習会で聞いた話と同じ内容の話でした。

「自分のためでなく、人にあげることが第一です。そうすれば自然と自分に帰ってくる」

たまたまこの場所に来たのではなく、来るべくして来たのでしょう。

南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛

お芋と飴ちゃんをいただきました。

山門から出て、左の吽仁王さまに
「ありがとうございました」

右に進んで駅の方向に向かって歩くと、
なにやら立派な境内に出ました。
どこかな?なにかな?
おお、一宮神社だっ

初めて訪れましたよ。すごく立派な神社ですねええええ。
he10-13b-10.jpg


「一宮駅」~「長尾駅」

わしの好きな琴電に揺られて今日の最終場所
長尾寺に着きました。

夕闇の迫る境内には誰もいません。
本堂に上がろうとしたら近所の腰の曲がったおばあさんが、
手摺に縋りながらゆっくりゆっくりと登ってきました。

「わたしは近所なんでいつでも来られる。先におまいりしてください」
「ありがとうございます」

いったい何年分の彼女の祈りがここに篭っているのでしょうか。
あちこちのお堂を丁寧に拝んでいました。

he10-13b-11.jpg
今日のお宿は門前正面のここ。
宿泊者はわしと、通しうちのおじさん、それに素泊まりのガイジンさんです。
女将さんによるとガイジンサンは和食を好まず、コンビニで好きなものを買って
食べる人も多いようです。
せっかく日本に来たのに和食を楽しまないのはもったいない、と思うのですが
生活習慣に合わないのでしょうかね。
逆の立場だったら、やはり自分もそうなるのか。
たった7日間のアメリカ西海岸ツアーでも米が恋しくなったもんね。
he10-13b-12.jpg


12月9日(日)
he10-13c-01.jpg
今日も天気はいいが寒い。
お遍路交流サロンまでは歩くが、
そのあとはバスに乗って大窪寺にいこうか・・
一度楽をすると堕落する自分を感じてしまう。
歩くか、バスか、グルグルと考えが渦巻きます。
悩むわしのあとから、隣の民宿を出発した婦人が歩いています。
he10-13c-02.jpg

お遍路交流サロンで温かいお茶を頂きながら休みます。
職員の方にお遍路大使認定書の授与について聞かれたが
全部歩いているわけではないので辞退させていただきました。

he10-13c-03.jpg
やがて婦人も到着されました。
明石から来た彼女はご主人をお遍路に誘ったが、
賛成はしないが反対もしない、なんですって。
うちのカーチャンも「いっておいで」と言うが誘っても頑として来ない。

行きたい人だけ行けばいいんやね。

後日談ですが、高野山にお礼参りに行ったとき、彼女と金堂前で再会しました。
それに、ためになる宿坊情報も教えていただきました。


歩き遍路の話をしていたら、
安易にバスに乗って結願しようという邪念が吹っ飛びました。
何のために歩いているのか?
札所と札所の間の道程が遍路なんじゃなかったのか?

そうです。

歩いていきましょう。
今回も宮崎遍路道の女体山越えではなく、
丁石道を歩む事にします。

今日は日曜なので採石場のトラックもいない。
道にはただ落ち葉が積もっているだけ。

誰にも出会わない。
でも何かの気配に包まれているような感じがします。
猿の経立(ふったち)ではなかろうか?

と思ったら、猿でした。
he10-13c-05.jpg

猿の経立とは、日本の青森県、岩手県に存在すると言われる妖怪あるいは
魔物で、生物学的な常識の範囲をはるかに越える年齢を重ねたサルやニワトリ
といった動物が変化したものとされる。(ウィキペディア)
でも民俗学者の柳田國男の記述を読むと、どうも山人ではなかろうか
と感じます。
いっとき有名になったヒバゴンも、猿の経立に類する存在ではなかろうかと考えます。

閑話休題

he10-13c-06.jpg
ああ、、やはり歩いてきてよかった。
冬の清浄な空気と、山の気を存分に浴びて気分がいい。

すると突然銃声が響き渡り、更に
銃口炎がこちらを向いているような気がして
一瞬肝が縮んでしまいました。
he10-13c-07.jpg

戦場の兵士は、怖かったやろうなあああああ・・・・・・

あとで聞いたら、これは獣よけに定期的に鳴らしているんだそうな。
でもすごい音ですね。

he10-13c-08.jpg
丁石道を歩くと山門が目の前に見えてきます。
やはり結願は山門を見ないと気分が盛り上がりません。
境内には白衣のダンタイサンもいるが
観光客も多い。
he10-13c-09.jpg

作務衣を着た僧形のお遍路さんから
「綺麗な白衣ですね」
「は、はあ。ケーホーさんブランドの白衣です」
「ああ、あの人ですか」
背中のお大師様もリュックで擦れて少しばかり汚れてきました。
新調しなくてはいかんかなあ?

ちょうどお昼です。
門前のお土産やさんで「打ち込みうどん」を食べる。
he10-13c-10.jpg
店内は観光客でいっぱいです。
白衣を着た人は・・・わしくらいかなあ。
今日は時間的余裕があるのでゆっくりと味わって食べる事ができましたがな。

バスの時間まで1時間ほどあるので
門前の「飛猿閣」に行こう。
「こんにちは!」
「あれ、いらっしゃい。ひさしぶりやねえ」
「今回も無事に結願できました」
熱々の甘酒をいただくと、甘くておいしい。
自家製だそうです。
昔々、母親の実家でも台所奥に室(むろ)があり、甘酒を造っていたなあ。
子供の頃は好きではなかったが、今は好物になっています。
冬の寒い日に熱々の甘酒は季節感満点でいいねえ。

おかあさんと、息子さんと三人でストーブを囲んでお話をしました。

「大窪寺バス停」~「志度バスストップ」
高速バスに乗り、大坂まで帰って来ました。

これでおきらく遍路旅十巡目終了!
後半かなり忙しく廻ったんですが、なんとか年内に終わりました。

なぜ自分は昇補したいのか?
答えはまだ出ていません。
この先歩いていたら答えは見つかるのでしょうか。

さて、来年はどうなることやら。
娘の実家での出産があるので思うようにお遍路にいけない。
レンタカーでちゃちゃちゃ~っと廻ってみようか。
he10-13c-11.jpg




プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード