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おきらく遍路旅通算9巡目 38番金剛福寺~43番明石寺

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今年の季節は、半月先に進んでいるような感じです。
あっという間に桜の季節がやってきて、そして散り、
いまは藤の花が満開で、つつじが出番を待ち構えています。
気温も夏並みではないの??
暑いなあ。

4月20日(金)
今回は足摺岬からです。
久々に夜行バスに乗り、0655「中村駅前バス停」着
う~ん、眠れたか眠れなかったか。
足摺岬行きの路線バスは0820発なので、駅前のベンチに座って時間を潰す。
目の前を通学の学生さんたちが行き過ぎる。
少なくとも3種類の制服があるなあ・・・・
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8時を過ぎた頃、白衣を着たオジサン2人がやってきました。
「おはようございます」
「おはようございます」
「どちらへ?」
「足摺岬まで」
わしと同じ計画ですね。それに今夜は観自在寺宿坊に泊まるそうで、
同行者ができました。
お2人は愛知県から来た70代の友達同士ですって。
名古屋弁が懐かしいなあ。

路線バスの乗客は老人ばかり。
しかしそれらの方々は土佐清水市のスーパーマーケットと病院で降車し
あとに残るは足摺岬観光の人とお遍路さんのみ。
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絶景の海岸で時間調整のためにバスは停車してくれる。
海からの風が気持ちいい。
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ふとオジサンの白衣を見ると見慣れない御朱印が押してあります。
「第0番札所」の文字が見えます。
「これはどこの御朱印ですか?」
「中国の青龍寺です」
「へぇ~~~」
ネットで調べてみたら、お大師様が恵果大阿闍梨から密教の灌頂を得た
中国の青龍寺に行くツアーがあるようです。
興味はあるが、行くか行かないか・・・行かないやろうなぁ。

オジサンたち、地元の「知多八十八箇所」にも行っているそうです。
彼らの四国遍路は区切りの一国打ちくらいで、
電車バス歩き遍路を楽しんでおります。
そう、楽しくなくっちゃ。

計画表をビッチリ作ってきています。
何時のバスに乗って何時に到着、食事の時間を何分、札所で何分
わしも似たような感じです。

オジサン遍路さんは、ビッチリ計画立ててくる人と、
行き当たりばったりの人のどっちかに別れるようです。
女性はその中間くらいかな?

超行き当たりばったりは、若い外国人です。
野宿もいとわないパワフルさです。若いっていいねぇ。
でも危険と隣り合わせです。

色々お喋りしていたら1010「足摺岬バス停」着1900円
「昼食は予定していますか?」
「いや、どこかあれば」
「目の前の食堂の『清水鯖の漁師漬け定食』がお気に入りです」
「では、そこにするか」

38番 金剛福寺着
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まずは参拝から。
気温が上昇してきて暑い。
空は抜けるような青さで、新緑が青さに負けないように輝き、
命の息吹が噴き出しているような雰囲気です。

銘々に参拝するが、
オジサンたちはわしより後に始めて先に終わっている。
わし、結構高速でお勤めしているんですけど。

さて昼食に行こう。
いま1030
「こんにちは!清水鯵の漁師漬け定食3つ!」
「はい!」
「1103のバスに乗りたいのでよろしくお願いします!」
「はい!」
他にお客さんもいないので、すぐに出来ました。

いやあ~、生の鯖はうまいなあ。
岐阜県の山奥生まれのわしにとって、鯖は塩鯖しかなかった。
岐阜県を出なければ、日本海の魚に馴染んだ家内と結婚しなければ
こういった海の幸に馴染むことはなかったろうなあ。
それに、生鯖を食べられるような所は少ないので、
ここで鯖を食べる事は自分の定番なのです。

食べ終わったら1055
充分にバスの時間に間に合います。

「足摺岬バス停」から朝乗った「中村駅前バス停」を経由して「寺山口バス停」まで行きます。
2400円
土佐清水市で、大きなトランクを3つ持った女性が小さな子供2人連れて乗ってきた。
トランクを通路に置きっぱなしで、運転手さんが注意するが従わない。
なんじゃこれは?中国人か?
どうやら言葉がわからないらしい。子供2人なので台湾人か?
どうもそうらしい。
わしとオジサンたちでトランクを固定整理してあげて、やっとバスは発進
「Where are you from?」
「○$#☆??」

「タイワン?」
「yes,yes」

ふ~~~ん。
観光客にしてはなぜこんな所にお母さんと子供だけ?
里帰り?
家出?
オジサンとわしは額を付け合って話し合いました。

彼女はスマホの翻訳機で自分の行きたい駅名を示しました。
「中村駅」
ああ、そうなの。バス賃は大人1人と小児2人
どうなるんかなあ???

オジサンたちの心配をよそに、本人は呑気そうにしている。
「中村駅前バス停」に着きました。
やはりモタモタしているので大きな荷物をオジサン3人で出口まで運び
運転手さんに金額を聞いて彼女の財布を取り上げてそこから払い、一件落着

ここで、5分くらい休憩時間があるので急いでトイレに走り、
飲み物を買ってきてバスに戻る。

1200発車
バスが出発してからオジサンたちは勝手な会話をはじめる
「あのお母さん、35歳くらいかねえ」
「旦那は日本人で、土佐清水に実家があるのかも」
「爺婆に孫を見せにいったんか」
「でもダンナはどこにいるんかねえ」
「さあ」
「あの大きい荷物の中身は、爺婆からのお土産満載やろう」

勝手な会話をしていたら
1340「寺山口バス停」着2400円
500m歩いて

39番 延光寺着
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門前の家には鯉のぼりが泳いでいて、
季節の先取りをしている感じですね。

バスの中で、オジサンたちと参拝方法について話をしていたので、
ここでわしが経頭を務めさせていただきました。
錫杖の環を使って、お鈴の代わりにします。
開経偈から懺悔文、三帰、三竟、十善戒・・・・
だんだんと声が揃わなくなってきた。
般若心経になってくるとグダグダになってきて
わしのお経も引きずられがちになる。
ああ、先達としての修行が足りんなあ。

彼らは自己流であちこち省略して勤行してきたようです。
信仰に向き合う気持ちさえあれば細かい事は気にする必要なないのですが
「知っていてやらない」
「知らずにやらない」
の違いは大きいと感じます。
「今までこうやってきたんだから」と素直になれない気持ちはあるでしょうが、
一度でもきちんと勤行してもらうことも大事だと思いますよ。
あとは、自分の向き合う気持ちのみです。

「ここは、『目洗いの井戸』といって眼病に霊験があります」
「おおっ!そうか!」
オジサンたちは早速目を清めています。

延光寺から歩いて約1km歩いて「平田駅」まで。
宿毛行きの列車は1607に来るので1時間くらいあります。
駅の待合室で色々話す。
彼らは若い頃から登山やマラソンをしていて、
山の話とかマラソンの話をもっぱら聞き役で・・・。

興味深かったのはオジサンが通っている「男のパン教室」の話
パンを捏ねるのに、「不自由な手」で捏ねなさい、
と若い先生に教わったという。
「不自由な手」とは?
聞いてみたら親指と人差し指をひっつけて
残りの指だけで捏ねる・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・?

あっ、

これって、もしかして手のひらだけで捏ねないようにってこと?
指の全部を使えないと、
必然的に腕・肩・背筋・腰の全部を使わねばならん。
このほうが無理なく大きな力になる。
これ、古武術の奥義なんですよ。

この理論が介護にも使われています。
人の介助をするとき、影絵の「狐の手」にすると
手だけでなく身体全体を使うので無駄なく力を出せる。

更にわしの主治医が南拳の武術をたしなんでいて、
腎臓生検の際に腰を使って長い生検針を刺す、という話を最近聞きました。
看護師に教えてもなかなか解ってもらえなかったが、
ひとりだけ出来る人がいて、そのひとは茶道をしているとか。
茶道の所作は「剣道の型」にも通じる。

うう~む。

方法は様々あれど、行きつく先は皆同じ。
所作は身体全体を使うのです。
思わぬところで話が繋がって、ちょっと感動です。

オジサンによると、そのパンの先生は彼女のお師匠さまから
「不自由な手」という言葉だけを習って生徒に教えていたようです。
オジサンは愛知に帰ったら先生に教えてあげます、と言っていました。


閑話休題


ゴトゴトやってきた一両編成の列車に乗り、
「宿毛駅」で降りる。
駅の売店は・・・開いている!
ドブロクは・・・・・・ない!

売り切れだぁ!

ざんねん!

気を取り直して・・・
「宿毛駅前バス停」から1645発の宇和島行きのバスに乗ります。
バス乗り場には、独り歩きのオジサン遍路さんがいて
彼は行き当たりばったりの行動のようです。
「どこか39番近くで泊まるとこないか?」
と聞いてきたので、門前の「嶋屋」さんを紹介しました。
へんろ地図を持っていないようですね。
逆打ちでなさそうなのに、なぜここから39番?
よくわからん動きをしているようですね。

「平田駅! 付近! 宿泊!」
と、スマホに喋りながら調べていますが、
いまいち使いこなせていないようで、益々混乱してきました。
見かねて僭越ながらわしが手出しさせていただきました。

オジサンと遍路の話をするうちに
「自分の作法もいい加減なくせに、人に意見する先達が多い!」
「今日もそんなやつに怒ってやった!」
と大きな声で喋りはじめました。
わしも末席ながら先達で、「そんな人ばっかりではない」
という気持ちも浮かびましたが、逆らったらまずい、
黙って宿のお世話だけさせてもらいました。

去り際
「先達さん!ありがとう」
と言われました。

今日わしは、城辺の友達が家に泊めてくれるので
「城辺バス営業所」で降ります。
オジサン2人は観自在寺宿坊泊なので「平城札所バス停」で降ります。

迎えに来た友達の車に乗り、まず近くの「一本松温泉」に行って汗を流す、
ここはお遍路宿もやっている温泉のようです。
宿毛から松尾峠越えで行くと、少し戻らねばならんが、
今度歩くときはここに泊まろうか。

友達の家で夕食と泡般若湯のもてなしを受けて
色々喋りました。

自分では気づかない自分の事を色々教えてくれました。
「表情に笑顔が少ない」
「でも顔つきが最近変わってきて丸くなった」

これって、観音様が彼の口を借りて教えてくだすったのやろうか。
夜通し飲みたかったが、
明日もあるので11時前には寝る事にしましょう。



4月21日(土)
朝0645に車で送ってもらい、

40番 観自在寺着
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朝の空気が境内いっぱいに満ちています。
昨日のオジサン2人もまだ開いていない本堂前でお勤めしています。

通夜堂には、3人くらいの男女が泊まっているようですね。
わしがそこに泊まらなくてよかったあああ。
なにしろわしのイビキは騒音ですから。

0711「平城札所前バス停」から宇和島行きに乗ります。
オジサンの1人がリュックを背負ってくるのを忘れた!
あわてて境内に境内に走る!

間に合ってよかったね。

0805
「宇和島駅前バス停」着1900円
オジサン2人は別格も廻っているので、目の前の龍光院に行きます。
わしは・・・駅で待ちます。
0939の窪川行きに乗り、「務田駅」から41番龍光寺まで歩くんですが、
時間が有り余っています。

バス停に行ってみる。
務田方面に行くバスに0855発がある。
「学休日運休」と書いてあるが、今日は土曜日
最近土曜日もやっている所が多いなあ。

しばし待つ・・・

0900まで待つが、来ない。
ああ、やっぱり来ないか。

急激に気持ちが萎えてしまい
目の前のタクシーにフラフラと歩む。
「龍光寺まで」

列車待てばいいやんけ、と思うのですが
傾いた気持ちは止められない。
メーターの金額は気にしない、気にしない。
オジサンたちとは必然的にお別れです。
別に一緒に廻ろうと誓い合った仲でもなし。

石鳥居の前でタクシーを降りる。
門前のお店には柑橘類が並び、新緑のコントラストが美しい。
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0925
41番 龍光寺着
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ああ、空が青い。
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ふと見ると、「南予七福神」大半は遍路道沿いにある。
ウズウズと心が動いて仕方がないが、金山出石寺があるよ。
あそこに行くのは大変やなあ。

またご縁があったら行くか。

3.5km歩いて次に行くが、この道は単なる国道沿いの道なんで
あんまり面白くないなあああああ。
しかし今は半月早い新緑の季節
おお、お茶の葉だ。一枚頂いて口に含む。ウオーキング茶道です。
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柿の葉も鮮やかです。
これも一枚頂いて口に含むが、
先ほどのお茶の葉に比べると味のインパクトがない。

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藤の花も美しい。
さぞかし11番藤井寺の藤も綺麗やろうなああああああああ。
何も藤井寺に拘泥する事はない。
野に咲く藤の花も美しい。

いまたくらんでいるプロジェクト
「藤井寺の藤の花を栽培しよう!」
冬に藤井寺で貰ってきた藤の種を蒔いておいたら、芽が出ました。
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今現在、5本出ています。
これは順次報告していこうと考えております。

そんなこんなで

1028
42番 仏木寺着
ここの新緑も目に鮮やかです。
もう、こんな表現しか思いつかん。
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駐車場にはジャンボタクシーが来ていて、小規模のダンタイサンが来ています。
マイカー遍路さんたちも沢山来ていますよ。
歩きもちらほら。
ああ、春のお遍路シーズンやねえ。

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ここも南予七福神の札所なんですね。
ずらりと七福神様たちが並んでいます。

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タクシーを使ったおかげで予定よりも1時間くらい早い。
次の45番明石寺まで歯長峠越えで10,8km
時間にして3時間

ああ、どうしようか。
今日は「卯之町駅」から帰る予定なんです。
なるべく早く帰り着きたい。

3時間歩くか、ヒッチハイクするか、タクシー呼ぶか・・・・
心は千々に乱れるのです。
仏木寺駐車場にいる車を見つめて、時計を見つめて悩む。

目の前を夫婦連れの歩き遍路さんが歯長峠向かって歩いて行く。

えい!
歩いて行こう!

弱気の虫をお大師様が払ってくれました。

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そうと決めたらさっさと行こう。
気温はだんだんと上昇してきて、湿度も低い。
まずはアスファルト道を登る。

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やや行くと、山道に変わります。
この遍路道は多くの歩き遍路さんが通るのでしょう。
きちんと道になっています。
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ここで気になるのは、
そう、あの長い生き物です。
暖かくなってきて活動が活発になってきているのですよ。
神域で出会う時は、神仏の眷属なので怖く感じないのですが
それ以外の場所では、単なる気持ちの悪い生き物でしかすぎない。

錫杖の遊環をシャクシャク鳴らしながら山道を登る。
ほどよい山道が続き、汗ばんできますが
吹き渡る風が心地よい。

山道が終わって自動車道と合流した途端、
目の前の壁から「ドタッ」とあの生き物が落ちてきました。
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キャ~ッ

落ちてきた方も大慌て、なんとか逃げようともがきにもがいている。
壁の排水溝に逃げ込もうとしています。
おや?胴体が膨らんでいる。
お腹いっぱいになって油断していたんでしょう。
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昔のわしならば気を失うほどの衝撃だったんですが
お遍路始めてからは、少しは冷静に眺める事ができるようになりました。

南無大師遍照金剛

歯長峠への遍路道分岐点に、仏木寺門前で見かけた夫婦連れが
行こうか行くまいか相談しています。
「こんにちは。峠道へ登るのですか?」
「こんにちは。どうしようか迷っているのです」
「崖は崩落していますが、人は通れますよ」
「そうですか、では行ってみます」
「お気をつけて」

さて歯長隧道
いらん情報を仕入れてしまいました。
ここって、四国の心霊スポットなんですって・・・・
鈍感なわしには多分何も感じられないでしょうが
それでも気になる。

南無大師遍照金剛

お大師様と歩けば怖くない!
気にしなければ怖くない!
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大日如来の御真言をつぶやきながら歩きます。
隧道の真ん中あたりは、なんだか雰囲気が暗い。
暗い雰囲気に呑まれないよう、御真言の声も大きく、大きく。

はあぁ~、通りきった。
何事も知らぬが花ってことやけどもね。

ちょっと心が疲れたし、お腹が空いたので
隧道出口の東屋で昼食にしましょう。
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座るところに何か落ちています。バッチのよう。
よくみたらサンチャゴ巡礼のバッチらしいですね。
これ落とした人、どんな気持ちでしょうかね。

隧道の中から人の声が聞こえてきます。
誰かな?
先ほどの夫婦連れでした。
「歯長峠には行かれなかったのですか?」
「通行禁止を無視して通ったお遍路さんが、地元の人に怒られたっていう人がいて、行くなと言われたんです」
「ふ~~~ん。わしが通ったときには何も言われなかったけど」

確かに通行禁止を無視して、もしも遭難したら、
地元の人に迷惑かかるなあ。
だったら、修理してくれんかいなあ。予算がないか。
せめて安全ロープくらい張ってくれんかなあ。

山を降りて道路沿いを5km歩く。
この道もあんまり物語のない道です。
なぜって、住宅街を淡々と歩くだけだから・・・。

1357
43番 明石寺着
おお、結構早く着いたなあ。
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駐車場には大型バスが停まっているが、もう帰り支度しているので
安心です。
しかし、その影響で納経所には長い列が出来ています。
もうジタバタしても仕方がないので
慌てることなく本堂大師堂でお勤めし、
納経所へ。

ここの納経所の人は、丁寧なのか拘っているのか
1人分を書くのに長い時間をかけています。
並んでいる人は、大概初めての人ばかりなので、
「奉納、御本尊、寺名」を書くのに毛筆を持ち替えたり、姿勢を変えたり
なかなか書きはじめてもらえない。
わしの前には8人くらい並んでいて、それぞれ2冊くらい携えています。

待つのも修行です。

15分くらい待ってわしの番が来たら、
重ね印なのであっという間に終わりにけり。
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今回のお遍路旅もここで終わり!
オヤジさんを初め、年配のお遍路さんたちとの出会いがたくさんありました。
そこで気になったのは、
勤行次第が自己流になってしまっていること。
「知っていて、やらない」
「知らずに、やらない」
の違いは大きいと思います。
やはり最初は先達さんにきちんと導いてもらう必要があると思います。
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「卯之町駅」まで降りていくと、
1516発の松山行き特急がありますよ。
おおっ
それに乗って「松山駅」「岡山駅」「新大阪駅」と順調に乗り継ぎ
大阪は豊中に帰ってきたのは2100
ちょうどいい時間やねえ。

次回は5月半ばに久万高原から松山歩きを楽しみます。
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おきらく遍路旅通算9巡目 24番最御崎寺~26番金剛頂寺、30番善楽寺

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今回はデンマークの女の子と道連れになりました。
年甲斐もなく舞い上がってしまい、はしゃいだ表現が多々あります。
良識溢れる方々には拙文を御覧いただいて不愉快な思いをされました際には
なにとぞご容赦を賜りますよう平にお願い申し上げます。



4月13日(金)
いつものように仕事を超速で片付け、JR大阪駅高速バスターミナルにブッ飛んで行きます。
遅れることなく徳島行きのバスに乗り込み、売店で買った雑誌を読む。
「ビッグコミックオリジナル増刊号」には、わしのお気に入りの
「七帝柔道記」が連載されていて、毎回楽しみに読んでいます。
小説とはまた違った熱気溢れる描写がいいですね。

徳島駅前では最近の定宿「徳島ステーションホテル」にチェックイン
素泊まり5000円、少しでも予算を節減しなくてはなりません。
近くに「餃子の王将」があるので炒飯と餃子で腹ごしらえをします。

ホテルに帰ってきて、コンビニで買ってきたビールをあおり、
さっさと寝ましょう。


4月14日(土)
今朝は0547発の海部行きの列車に乗る予定ですが、
そ、その前に駅前の「松屋」で朝定食をいただく。
これも徳島での定番コースとなっています。

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駅のホームで西の空を見てみたら、かすかに紅い。
朝焼けは雨
ああ、天気予報では夕方には雨
なんとか持ってもらいたいなあ。

0747徳島駅発
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「日和佐駅」で列車待ち合わせで10分くらいの停車中、
お遍路姿の白人の女の子が乗ってきました。
「excuse me, this train go to MUGI?」
「あ?牟岐・・・この列車やったっけかなあ? No」
彼女は向かいのホームに行きました。

あっ間違えた!この列車は牟岐に行くんやった!どどど~しよ。
わしの心配をよそに、誰かに正しい事を聞いたのでしょう。
再び乗ってきました。ああ~、よかった。
「I'm sorry i misstake・・・」
「No probrem」
牟岐まで行くのなら、鯖大師に行くんやろうか。

牟岐でも降りず、鯖瀬でも降りないよ。
OHENNROガイドブックとにらめっこしているので
間違えている事もないのでしょう。

とうとう「海部駅」まで乗っていました。
「Where are you want to go?」
「24 temple」
Oh!わしと同じやんけ。

阿佐海岸鉄道に乗換え、「海部駅」から「甲浦駅」へ。
ここから室戸岬方面のバスに乗るんですが、0959発なので
あと1時間くらいあります。
まずは隣の八幡さまに行ってご挨拶、と。
今回の旅の安全をお願いします。

甲浦駅の待合室の天井にはツバメが沢山巣を作っていたんですが
今年は入り口がビニールのカーテンで仕切られていて
入ってこられないようになっています。
職員さんに聞いたら
「ツバメの糞がすごくてねえ・・・」
仕方ないですね。ここは公共のスペース、
掃除する方のご苦労を考えたら無責任な事は言えない。

待合室には畳が敷いてあるスペースがあり、そこに上がりこんで
瞑想をしてみます。
雑念が次から次へと湧いてきて集中できないのは修行不足・・・

彼女からはそんなわしはどんな風に見えたのでしょうかね。

ちょっとの間に聞いてみたのですが
彼女はデンマークから来たそうな。
金髪、色が白くて、目が碧い。名前はセルマさん。
20歳で、この旅の後兵役につくそうです。
おお、わしも海軍に30年いたので、退役海軍士官としては
お世話させてもらわねばならん、と勝手に思いましたがな。

なぜわざわざ四国へ?の問いに
サンチャゴ巡礼に行ったとき、四国遍路も薦められたそうです。
ふ~~ん、確かにそういったパターンで四国に来る西欧人のことをよく聞きます。

白人の親父さんもやってきました。彼もオヘンロなんでしょうか。
0959にやってきたバスに乗り、室戸岬を目指します。
車窓から見えるのは海と山、
道路には歩き遍路さんが点々と見えています。
ああ、お遍路シーズンやなあああああ。

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「大師像前バス停」で降りて、しばらく歩くと御厨人窟に着きます。
「ここはお遍路さんの聖地です。若き日の弘法大師はここで修行しました」
と、デタラメな英語で説明しました。
残念ながら今は崩落の危険から、中には入れない。

(デタラメな英語なので、以下やりとりは意訳とさせていただきます)

「24バンマデ、アトドノクライアルノカ?」
「目の前の山を登ること30分くらいです」

24番奥之院「一夜建立の岩屋」で、まずお勤めします。
彼女は黙って見ています。
先へ行ってもらってもいいと言ったのですが、
一緒に連れて行ってもらいたいみたいです。

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57歳のオッサンと20歳の若い女性では
歩く速度も山を登る調子も違うでしょうに。
かえってわしのほうが意識して、のそのそ登ることなく
さっさと登らざるを得なくなってしまいました。

でもそんなに消耗することなく24番山門が見えてきました。
若者パワーの影響を受けたせいか。


1119
24番最御崎寺着
「あの~、ご一緒に写真撮らせてもらっていいですか?」
「イイデスヨ!」
「おおっ!」

デヘデヘの写真が撮れました。早速facebookの八十八箇所グループに投稿したら
反響がすごかった。
「ニヤついてるね~」「鼻の下が伸びていますよ」
はい、そのとおりです。
おぢさん嬉しくてはしゃいでいます。
今回粋なご縁をくださったお大師様に感謝しています。

南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛

彼女、納経帳は持っていないらしく、
御宗旨を聞いたら、特に信ずる修派はないそうです。
デンマークはプロテスタントが多いそうですが、まだまだ彼女は20歳
この先人生経験を積んでいったら信ずるものに出会えるでしょう。
無理強いはしません。

宗旨はともかくとして、今は彼女はお遍路さんです。
新米先達がお遍路のマナーをレクチャーしました。

まず手水の使い方から。
「わしのやるとおりにしてください。まずは右手に柄杓を持ち・・・」
真剣にわしのやるとおりに真似します。
「左手に入れた水で口をすすぎ、出す。これは口をつけるだけでいい・・・?」
「ゴックン」
「あれ?飲んじゃったの?」
「ノンジャッタ・・・」

わしの勤行の間に、境内をあちこち見物して廻っています。
これはこれでいいんじゃないの?
お寺さんにご縁ができたんやから。

「境内の道は、左側通行です。また、真ん中は神様仏様が通られるので歩かないようにしましょう」

「ツギノ26バンマデ、ドレクライ?」
「う、うう~む。1時間くらいかな?」
納経所の人が聞いていて、
「About 7km two hours!」と教えてくださった。

眺望絶佳のスカイラインを下って漁師町を通る。
「お腹空きましたか?」
「スコシ」
「どこかお店があったらそこで食べましょう」

ところが店自体がない。
点々とあるのは自動販売機です。

もともと英語を母国語としていないもの同士
込み入った話では意思の疎通が難しく、
スマホの翻訳機を使うのですが、この翻訳、いまいちです。
デンマーク語が訳わからん日本語に変換されて
更に訳解らん。
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去年のスイス人女性との会話の件もあり、
英語力を向上させねばならんなあ、というのが目下の課題であります。
日常会話は、中学校のリーダー程度で充分なのは解っていますが
硬くなってしまった頭を持て余しています。

でもね、単語については、スマホがあるので大いに助けられています。
それを会話に繋ぐ事ができたらもっと便利なんでしょうがね・・・。

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ネコちゃんがいます。
「May i take a picture?」
あっ、ネコにまで英語で喋りかけてしまった

25番手前にコンビニがあります。
「ここで何か買ってたべますか?」
「ソウシマショウ」
わしはお握りをかってかぶりつきます。
彼女は何を買ったのかな?
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菓子パンとお握りです。
「デンマークにもコンビにある?」
「セブンイレブンガアルケド、タクサンナイ」
「多くの四国のコンビニには、お遍路さん休憩用の椅子が置いてあるのです」
「ソレハイイデスネ」

1330
25番 津照寺着
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長い階段を見上げて
「Oh・・・タメイキ」
頑張って登りましょう。
「四国の札所では左側通行です」
「アッソウデシタ・・・」

本堂から見える海の景色は美しい
彼女はしばし、景色に見とれていました(ように見えました)

ご朱印を頂き、次へ。
山門付近に大きな荷物を背負った大きな白人のオジサンがいました。
26番にはどっちに行けばいいのか迷っていたので
「右です!」
と示してあげました。

このオジサンと、このあと道中後になったり前になったり。
サンチャゴ巡礼の貝をリュックにぶら下げています。

今日は曇りながら暑いので
「きちんと水分補給をしてくださいね」
「ダイジョウブデス。ホラ」
リュックの中からチューブが出ていて、口の近くに吸い口がありました。
なるほど。これは便利なツールですね。

昨日は晴れていて日差しが強く、肌が赤くなっています。
北欧人は強い日差しには弱いので肌を露出させないよう配慮が必要ですね。

「ところで今日はどこに泊まるの?」
「ゼンコンヤドガアレバイイケド」
「えっ?どこに泊まるか決めていないの?」
「ドコカデテントヲハリマス。オカネガナイ」

ええっ?
今夜は特に雨風が激しいよ。
それに26番付近には野宿ポイントも善根宿もないよ・・・。
彼らは善根宿にいつでも泊まれる、という情報が廻っており
それに頼りすぎているようです。
そんなネットワークは心配で、危険です。

もう!もう・・・無謀です。若いなあ・・・

「今日のお宿をわしにお接待させてくれんか?」
「エッ?イインデスカ?」
「26番の宿坊です。今電話で追加可能か聞いてみる」

時間が早かったのでOK!の返事をもらいました。
自分の娘よりも若い女の子が
雨風の中で野宿するなんて、おぢさん心配で心配でならん。
野郎ならばこれほど面倒はみません!

「あそこの山の上に26番があります」

登りの山道にさしかかったとき、
前を歩くオジサンが脇によって
「ココハ『ヘンロコロガシ』ダカラサキニイッテ!」
「そうっすか。そうでもないと思うんですが・・・」

山道の遍路道は楽しい。
汗ばんできますが、アスファルトの道路よりも数倍歩きやすい。
ホケキョと鳥の鳴き声も聞こえてきます。

1445
26番 金剛頂寺着
山門脇の接待所では着物の方々がお茶の接待をしていますよ。
あとで行きましょう。

手水を使い・・・
そうだ、鐘を撞いてもらおう。
「この撞木を持ち、1・2・3・4・5で撞きます」
鐘をつくのは初めてでしょう。
笑顔で撞いてもらえました。
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この頃になると細かい雨が降ってきました。
疲れている様子なので本堂回廊の椅子に座って待っていてもらう。

大師堂から戻ってきてご朱印を貰い、
山門脇まで戻る。

そこでは裏千家の方々がお茶のお接待をしています。
「お抹茶は知っています?」
「シッテマス」
「飲むのは初めて?」
「ハジメテ」
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雨脚が強くなってきました。
「ヤドマデトオイノデスカ?」
おお?弱気になってきたね。
こんなコンデイションで野宿は無理でしょ?
それに26番は山の上、店も何もないんですよ。
「ほら、宿坊はすぐそこ」
「Oh!」

ピンポ~ン

ここの宿坊はインターホン越しでチェックインするのです。
始めての人は「なんじゃこれ?」
と思いますが、ここは宿坊。ホテルじゃないのです。

女将さんが出てきてチェックインするが、
「先達様のお連れの方ですか?」
「い、いや、今日だけお世話させてもらっているのです」
「わたし、英語ができないので先達様にお願いします」

「先達様」と言われると調子に乗ってしまう。
彼女のチェックインの記入方法から始まり、部屋、食堂、風呂、洗濯機の
場所を案内して、ついでに浴衣の着方を教えていたら、
玄関からニュッと大きなガイジンサンが覗いている。
今日一緒だったオジサンだ。
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女将さんが出てきて
「あ、こまった・・・先達様お願い。部屋は205号ですから」
「はははい」

彼は先ほど急に電話で素泊まりのみ、と言っていたらしい。
え?こんな山の上で素泊まり?食料持ってるんかなあ。

女将さんは「素泊まりと聞いている」
と言って厨房に行ってしまいました。

オジサンに住所氏名を記入させて部屋、食堂、風呂、洗濯機の
場所を案内しました。
彼はイタリアのミラノから来たフェラーリンさん。
気になっていた食事の事を聞いてみた。

「素泊まりだそうですが、何か食料を持っているんですか?」
「ナニモナイ」
「どうするんですか?」
肩をすくめたポーズをする・・・
「仕方ないなあ・・・ちょっと待っていてね」

厨房の中に行き、女将さんに彼の食事が間に合うか聞いてみる。
「え~っ!!素泊まりでいいって言ったのに!」
わしが怒られてしまいました。
マンマミ~ア~!

でもなんとか交渉して素泊まり4000円だったのですが
朝夕つけて6500円で交渉をまとめて、
フェラーリンおやじさんに結果を告げると、
「ノー、プロブレム!」
マンマミ~ア~!
ありがとうくらい言ってよ・・・わし、従業員じゃないよ。
ま、いいか。これもお遍路さんのためです。

金剛頂寺の宿坊も例に漏れず人手不足で
今夜は2人の年配女性職員しかいない。
宿泊者に対してきめ細かいサービスはできないようです。
それに四国遍路の国際化を声高に叫んでも
それを支えるお宿の人たち、みんなが英語が堪能ってわけではない。
世界遺産化を目指すならば、言語の問題から解決すべきでない?
とも思います。

英語が母国語ではない国の人達同士が
英語でコミュニケーションを取ろうとしたとき、
母国語の訛りが残っていてうまく伝わらない。
スマホの翻訳アプリも、丁和翻訳は、はっきりいってまだまだです。
全然通じなかったよ。
(デンマークは『丁抹』と漢字表現される)
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フェラーリンおやじさんの英語も、半分イタリア語が入っていてわからん。
「ウエザーレン?」
と聞かれて戸惑ったが、明日の天気のことを聞いたらしい。
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けっこうバタバタしたが、やれやれ、落ち着いて
1600からお風呂なので、その前にお洗濯をしよう。
洗濯機が3台あり、2台のタイマーが変ですよ。どうも故障しているようです。
セルマさんに使ってもらったやつは大丈夫のようです。
よかったああああ。
スイッチ類は日本語表記やから、故障していても対処しきれんですもんね。

宿坊には他に日本人がおじさん2人、御刀自さま2人がいますが、
彼らには特にレクチャーはしませんでした。
自分で対処しなはれ・・・。

1800から夕食です。
部屋から出てきたセルマさんの浴衣姿を見て・・・・
(あっ袷が反対や!)
彼女に恥をかかせないために、
お節介なわしは着替えをやり直してもらいました。
(もちろん、直接手出しはしていませんよ)

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今夜の夕食は
ベテラン8周目のおじさん、初めてのおじさん1人・御刀自様2人
わしとセルマさん、フェラーリンおじさんの
合計7人でワイワイやりました。

「わしは歩きにバス、列車も使っています」
「えっ!そんなの駄目よ!」
御刀自様が反論してきました。
「え?別にいいんじゃない?」
「駄目!お遍路は歩きでなくっちゃ!」
「拘らない心が般若心経にも書かれてありますよ」

確かに最初の頃、わしも歩きに拘りぬいていました。
歩きでなければ遍路じゃない!と思い込んでいました。
でもね、拘りすぎると心の自由さがなくなってくると思うんですよ。
修行僧ならばともかく、在家の我らはそこまで拘る必要もないし
また、人のすることを批判する必要もないと思います。

ま、自分の経験から、そのうち考えも変わってくると思いました。
ベテランおやじさんも同じ意見のようです。
歩き8周のおやじさんは先達にはなるつもりはないようです。
ま、それも人それぞれ・・・
お遍路初心の方たちに色々教えていただきたいと願います。

先達に対する嫌悪感も少し匂わせていました。
偏見もあるでしょうが、ベテランの遍路さんが得た感想ですから
嫌悪感を持たれる先達にも反省すべき点は多々あると考えるのです。

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昼間に投稿したfacebookのわしの記事について反響があり、
最近デンマークからのお遍路さんが増えている、
といった事を教えてもらいました。
なぜか?
そのひとつに、去年10回シリーズでお遍路番組をやっていたそうです。
でもそれだけで地球の裏側まで来るのってすごいよね。

セルマさんにお遍路番組を観たか?とを聞いてみたら、
番組の事は知っていたが、直接の動機はサンチャゴ巡礼とか。
そういえばフェラーリンおやじさんのリュックにもホタテ貝がついていたなあ。

いつものごとく、金剛頂寺の夕食は美味しいね。
特に、トコブシの炊き込みご飯が美味しい。
ついつい食べ過ぎてしまいます。

オヤジたちは麦泡般若湯をいただき、いい気分です。
舌も滑らかになってきますねええええ。

御刀自様たちは「先達」に興味があるようで
どうやったらなれるのか?何人いるのか?
赤い錫杖って何?
など色々聞かれました。
わしの経験から、なれるご縁ができたときにはなれる、
としか言えませんでした。


肝心なのは先達になってからどうするか、です。
わしはちゃんと先達できているやろうか??
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それからセルマさんの兵役の話になると、
おじさん御刀自様たちは、ピンと来ないようでした。

何故軍隊なぞに行かなくてはならないのか?
そんな必要のない日本って平和なのよ!
話し合いで解決できる!

・・・・・やはり少し考えが違うなと感じました。
過去ドイツやソ連などから干渉や侵略を受けてきた北欧の国々にとって
国防は重要な事なんです。
水と安全はタダ!と無邪気に考えている日本人は、
どう見られているでしょうね。

あと、「デンマークの兵役」でググッてみたら、
男性のみ兵役義務があるようです。
18歳になったら徴兵検査を受けて、合格者の中からくじ引きで決めるそうな。
女性は志願で、するとセルマさんは志願して兵役に就くのですね。
徴兵と志願を聞き間違えていたのは、わしの会話能力の低さでしょう。


女将さんから明日の朝食の時間と
明日の朝はお勤めがない、と案内がありました。
住職と副住職が奈良の長谷寺に西国三十三ヶ所1300年記念法要に
行かれているからだとか・・・
ああ、ここは真言宗豊山派なのですね。


7時過ぎに部屋に帰り、
窓を開けると雨風が吹き込んできます。
セルマさん、今夜野宿しなくてよかったねぇ。
お節介なオヂサンと思われようが、いいんです。

8時前には眠くなってきたので、寝ます。

おやすみなさい。


4月15日(日)
4時前に目が覚めてしまいました。
窓の外は・・・雨はあがっていますが風はまだ強い。

目が覚めてしまったので、しばらく瞑想をしてみる。
静寂の中、次々と邪念が浮かんでは消える。

夜が明けてきたので
境内に行くことにします。

弁天堂が池の中に建っているので、まず弁天様にご挨拶しましょう。
徳島で買っておいたお酒を、封を開けてお供えします。
灯明は風ですぐに消えましたが、線香は消えません。
跪いてお勤めしようとしたら、
線香の明かりが揺らいだような気がしました。

あ、弁天様にお供えを頂いてもらえたのかな。
お下がりのお酒を大切に頂いて弁天堂を後にしました。

薄暗い朝の境内は誰もいなくて、わしひとり。
本堂、大師堂でも丁寧にお勤めをしました。
お遍路を始める前の自分だったら、気味が悪いなあ、と感じるでしょうが
今はかえって安心感のほうが大きいね。

朝食の時間までは、用足しとか部屋に干した洗濯物の取り込み、
そのあとはテレビをボ~ッと見ながら過しました。

0630朝食
純和風の朝食ですが、セルマさんは箸を上手に使って食べています。
フェラーリンおじさんはライスはいらない、と言っていました。

朝から大飯3杯頂き、今日は早立ちなのでさっさと食べ終わって帳場に行き、
セルマさんの分もお宿代を払い、さっさと出かけることにしましょう。

0700出発
出発直前にセルマさんがわしの所にお接待のお礼を言いに来ました。
ああ、何も言わずにそっと出かけたほうがクールやったけどもなあ・・・。
でもいいや。
僅か1日だけでも彼女とのご縁を繋いでくださったお大師様に感謝

南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛

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朝の山の上は霧がかかっています。
なんて幻想的なんでしょう。

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ふと見ると茶畑があり、新芽が出ています。
一枚だけ頂いて口に含むと甘い味と香りが口いっぱいに広がる。

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山の道は昨夜の雨で濡れています。
暖かい季節になったので、あの長い生き物もいるのかな・・・?
おっかなびっくりと草深い山道を下る。
道は石畳が敷き詰められているのですが、濡れて滑りやすく危険です。
特にこのような急坂の石畳は危険すぎるねえ。

山を降りたら海岸沿いの国道に出ます。
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「きらメッセ室戸バス停」から、安芸行きの便に乗るのですが
0744発なので少し時間があるので、
トイレに行くことにします。

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その途中見た海は、風を受けて白波が立っていますよ。
荒々しい太平洋の波しぶきにしばし見とれる。

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そして駐車場を見れば・・・キャンピングカーが泊まっていて
お遍路のステッカーが貼ってあります。
スーパーカブも搭載されています。
いいなあ・・・こんなお遍路旅、やってみたいっす。

バスに乗って「安芸駅前バス停」で降りて、
「安芸駅」からJR路線を経て「土佐一宮駅」で降ります。
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ここから30番善楽寺まで歩いて行きます。
前回の土佐遍路で打ち漏らした所なのです。
この頃になると空からは雨雲が去って青空が広がり、
気温も上昇してきますが、新緑にそよぐ風が心地よく感じます。
これって、5月頃の季節やねえええええ。
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1042
30番 善楽寺着
土佐一ノ宮神社には、着飾った人々が参拝していますよ。
結婚式の記念写真を撮っているカップルもいます。
おばあちゃんと一緒の女の子が
「およめさん、きれい~」
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善楽寺本堂では、法要があったらしく、黒服の人たちが出てきます。
女性美人住職様もこの中にいるのかなあ?
それとも豊山派なので長谷寺に行っているのかな?

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本堂、大師堂でいつも目につくのは綺麗に飾られている花
どのお寺でも花が飾られているのですが、
特にここのはいつも目を楽しませてくれます。

境内には無人販売所があり
美味しそうなトマトが売られています。
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200円なので思わず買い、ベンチで食べるとこれが甘い!
隣に座っていた逆打ちのおじさんにお裾分けしました。
おじさん、12回目だそうで
わしにも逆打ちをしなさい、と勧めてくれました。
今回は敢えて先達にならないベテランさんと出会うなあ。

前回の土佐遍路で廻れなかった24~26、30番を廻り
今回はここで打ち止め。

もう少し廻れるかなあ?と思うが、
お四国は逃げはしません。来週また来よう。
来週は38番金剛福寺~42番明石寺です。

今回はデンマークの女の子とご一緒して
年甲斐もなく浮き浮きとした歩き遍路ができました。
お遍路さんを導く、これも先達としての業務のひとつであると考えます。
そこで反省すべきは自分の英語の会話能力の低さ。
本当になんとかしなくてはいけない。

今後益々精進します。
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明星に歌え 関口尚

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若者が四国八十八箇所を歩いて廻る、という
わしの好きな青春群像小説です。


四国お遍路ツアーに参加した大学生の玲
全国の大学から集まった学生が7人の班で夏の日に歩き遍路の旅をする。
天真爛漫な太陽、ひねくれた態度の剣也、誰とも打ち解けない花凛
神経質なコーディネーターなどなど・・・
10歳以前の記憶がない玲だけでなく、
それぞれが事情を抱えている様子。
過酷な道中、予期せぬトラブルも生じ、脱落せざるを得ない者も出る。
長い長い道中の中、
様々なトラブルや事件を通して自分の抱えている悩みや問題と向き合い
軋轢も和解もあり、やがて結束する。

旅と若者の成長、どこにでも転がっていそうな物語ですね。
海外旅行でも、日本縦断でも、なんだっていいんです。
で、この物語の舞台背景がお遍路というのでビットが立ち、
興味津々で読み始めました。

これが結構面白い。
読み始めたらとまりませんでした。
作者は実際に歩いて廻ったのかも?とも思いました。
登場人物が歩いて廻らなければ物語は成立しない。
敢えて不便さを享受し、肉体に鞭打って自分自身の脚で
暑い夏の日を40日以上を歩かねば
若者の成長の物語にはならない。読み手の心には響いてこない。

歩き遍路をやった事のある人にとっては共感も得られる。

物語がハッピーエンドで大団円、ならばいいのですが
将来への期待感も残しているのが小気味いい。
そのあとは読者が自分で物語を紡ぐ楽しさもあるから。


若いやつらって、いいなぁ~。
過去10年間、
「鯖街道キャンプウオーク」に関わってきて
若者達の成長や失敗や挫折を身近で見てきた思い出が
切なく蘇ってきましたがな。
2009[1]
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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