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おきらく遍路旅 通算8周目 12番焼山寺~17番井戸寺

おきらく遍路旅 通算8周目 12番焼山寺~17番井戸寺
平成29年10月27日(金)、28日(土)

旅の醍醐味は、風物もさることながら、人との出会いですね。
毎回毎回素敵な人達との出会いに酔いしれております。
今回は勤務の関係上27(金)、28日(土)のみです。

10月26日(木)
仕事を終えて阪急豊中駅にすっ飛んで行き、梅田で徳島行きの高速バスに乗る。
新しい職場では、いそいそとお遍路に出かけるわしの後姿を見て
「亀仙人」という名前をつけてもらえました。
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台風がまたしてもやってきそうなんですが、
まあ大丈夫でしょう。

今夜のお宿は徳島駅前通の「BH清風荘」
素泊まりのみなので駅前の王将で餃子を食べて英気を養います。
あとは寝るだけ!

10月27日(金)
0620
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まだ暗いフロントの窓は閉まっているが、
中ではニャンコが店番をしています。
ニャンコに鍵を返して、チェックアウト!

今回も12番焼山寺への道は、神山から登る逆打ちコースです。
先週スイス人女医さんに進めたコースで、
果たして彼女は無事に辿りつけたのでしょうか??

「徳島駅前バス停」で、
0705発の神山高校行きのバスに乗ります。
今日は平日なのでガラガラだった車内も、高校生が途中のバス停で
次々に乗ってきて満杯になります。
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谷沿いの道をバスに揺られているせいか、皆眠りこけていますよ。

0820
「寄井中バス停」着1000円なり。
ここで降りたが、次の「神山高校前バス停」で降りればよかったあああああ。
まあいいか。次はそこで降りよう。

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焼山寺へ向かう分かれ道の食料品店には
うわさの瓶コーラの自販機があるよ。
先週鴨島での瓶コーラ自販機は売り切れで残念でしたが、ここは大丈夫。
早速100円投入して買いました。
ガラス瓶が唇にあたる感触が、より美味しく感じますね。

元気百倍、焼山寺への道程を歩みます。
今日のお天気は、台風はどこ?と思うような秋晴れの空が気持ちいい。
紅葉はまだ先なんですが、秋の気配が漂う山の舗装道路です。

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「すだち館」を過ぎて旧遍路道に入ると、もうそこは異世界です。
山の気を分けていただけるような感じの木と山肌と岩が出迎えてくれて、
思わず「ふふふふふふふ」と笑い声が出てきます。

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木漏れ日の道を抜けると眺望絶佳の景色が目の前に広がる。
「分け入っても分け入っても青い山」
の世界です。

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石畳の道は滑りやすいので気をつけながら、
昔の旅人もこの道を踏みしめていたんだろうなあ、と思う。

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半年前は草ボウボウだった道には
砂利が敷き詰められて歩きやすくなってきます。
しかし
この道にまた草が生えてきたらどうなるかな??

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急な坂を登りつめると、杖杉庵が見えてきます。
ここで一息つきましょうかね。
裏から登る焼山寺ですが、それでもここまでの標高を登らなくてはならないので
結構疲れてきます。
無人販売所の「すだちジュース」がいつも気になるのですが
まだ買うには至っていません。

気持ちのいい青空に近づいてきたような気分になった頃

1042
12番 焼山寺着
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今日は平日なので参拝者もちらほらです。
わしが本堂にいるときはだれもいなかったので
大きな声で読経をしました。

大師堂でのお勤めを終えて食堂を見てみたら、開いています。
「うどん200円」

おおっ

さっそくうどんを注文して・・・
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おいしいなあ。
ちょうどいい分量ですよ。
麺の太さはうどんと冷麦の中間くらいですかね。
曼陀羅寺裏のうどん屋さんでお接待に食べた麺の太さと同じくらい。

あっという間に食べて
「ああ~、おいしかったああああ」

元気百倍
納経所で元気よくご朱印をいただきました。
「ゆっくりしていってくださいね」
のお言葉に従い、
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ベンチに座ってしばらく山を見ながらボ~ッとします。
5分間くらいボ~ッとして、出発!

下り道は好調また好調
しかし景色を楽しみつつ、
あっという間に「すだち館」に着きました。
駐車場には大型バスが一台います。
ダンタイサンは、近くの食堂で昼食のようです。
この食堂は予約のダンタイサンしか食事できないんですよね~。

神山町営バスは1315発なので、
しばらくすだち館で過しましょうかね。
ここ、女将さんの人柄を慕って近所のおぢさんたちの憩いの場になっています。
お接待のコーヒーをいただきながら
いろいろいろいろ話をしました。

善根宿もやっていたのですが、それじゃ大赤字でしょう。
最近有料になりました。そのほうがいいと思います。
しかし、それでも安い。
こんど泊まりたいですね。

「午前中東京からの3人組の楽しいおじさんが来て、今夜大日寺宿坊に泊まるらしいよ」
「おおっそうですか。それは楽しみです」

バスが来る時間になったのでやってきたバスに乗る。
しかし、よく考えたらここで1時間つぶすよりも
歩いて神山町まで行っても同じ時間じゃないか?

でもね、ここの人達とお喋りするのも楽しいんですよ。

1330「神山町役場前バス停」で降りますが、
徳島駅行きのバスは1440までありません。

いつものとおりに川沿いに県道を歩いていきましょうかね。
この一見無駄に見えるプロセスもまた
楽しいんですよ。

1410頃に「青井夫(あおいぶ)」バス停に着き
そこのベンチに座ってボ~ッとしながら1447のバスを待つ。
この待ち時間もまた旅です。

やってきたバスには、やはり高校生がちらほら。
こんな時間にもう授業終わったの??
「一ノ宮バス停」で降りて、

1530頃
13番 大日寺着
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本日のゴール地点です。
境内には参詣者がちらほら・・・やはり平日だからでしょうね。
ゆっくりゆっくりお勤めをして、納経所で本日のお宿のチェックインをします。
勝手知ったる宿坊に案内され、早速お洗濯をしにいきましょう。
厨房裏にある二漕式洗濯機を使わせてもらいながら
目の前の風景を見ていたら
駐車場からやってきた美人さんから声をかけられました。
近くにある舞踊場から稽古を終えて帰ってきたユナさんです。

「オヒサシブリ!」
「い、いや・・・相変わらずお綺麗ですね」

洗濯を終えて部屋に干したら、次はお風呂です。
熱~いお湯に浸かって今日の疲れを癒して
部屋でゴロゴロ・・・しようかと思ったけども
まだまだ早い時間なので境内に出てしばらくボ~ッとしたり、
写真を撮ってみたり、向かいの一宮神社に参拝に行ったりしていました。
先日父親の喪が明けたので鳥居をくぐっても大丈夫です。

宿坊に戻ったら、玄関で賑やかな声がしておじさん遍路さんたちが
ドドッとやって来ました。
ああ、この方達がすだち館で聞いた人達か・・・

廊下を挟んだ向かいの部屋からは賑やかな声が聞こえてきます。
いきなり部屋に乱入しては失礼なので食事時になるまで待ちましょう。

1730
「お食事ですよ~」
「はいはい~!」

今日の宿坊の参篭者はわしを含めて4人です。
見るからに楽しそうな3人組の方達で
金沢美術工芸大学バレー部の先輩後輩チームだそうです。

皆、人柄のいい方々であっという間に話の輪に入れていただき、
話の弾むこと弾むこと!
東京からやって来て今回は阿波一国を廻る予定ですって。
わし、基本的に独りでお遍路をするのが趣味なんですが
楽しい仲間とワイワイお遍路すると楽しさも倍増でしょうね。

「今日のへんろころがし以上に大変な所はないんでしょうか?」
「あそこはアップダウンが激しいので、あそこ以上に大変な所はないっす」
「そうですか!それ聞いて安心しました!」

酒も飲んでいないのに話に酔い、
部屋に帰ったら急速に眠くなり、あっという間に寝てしまいました。


10月28日(土)
窓の外は雨・・・気持ちが萎えてきそうです。
このままバスで帰ろうかなあ、なんて弱気の虫が出てきました。

「参篭の皆様、朝のお勤めの時間です」

のアナウンスで本堂に向かいます。
椅子を4つ並べてちょこんと座り、待っていると
副住職に続いて住職が入ってきました。

お遍路さんにもわかりやすい真言宗勤行次第でのお勤めが始まります。
お勤めの後は金住職による講話がありました。
金住職と息子さんの数奇な物語に、何度聞いてもわしの目に涙が・・
東京からのおじさん3人組も話に聞き入っていました。

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そのあと階段で恒例の記念撮影
みんないい笑顔です。
わしはお弟子のユナさんにおねだりしてツーショット
エロオヤジ全開ですいません。

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朝食を食べ終わる頃には元気一杯、
朝方の弱気の虫はどこかに行ってしまいました。
元気よく雨着を着込んで出発しましょうかね。
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ポンチョを着込んできたのですが、雨は霧雨になっています。
南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛
足取りも軽く14番への道を歩みます。

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この柿は干し柿用の柿なんですよねええええええええ

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途中の石材店の家先の言葉にいつも元気を分けていただきます。

0820
14番 常楽寺着
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雨がパラパラ降り始めてきました。
足元に気をつけながら岩の上を上り下りします。
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納経所前には子猫が数匹いますよ。
この子猫たちは皆ここで大きくなって、また子供を産むのでしょうか。
そうしたらすごい数になるんやないか。



思いましたがな。


0905
15番 阿波国分寺着
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ここの本堂は改修中で、御本尊は烏枢沙摩明王堂に移動しています。
わしのあとからダンタイサンがやって来て
チリンチリンと賑やかであります。
納経所にはセンダツさんが納経帳やお軸をどっさり積み上げていて
濡れながらしばらく待ちます。
ここは曹洞宗のお寺なので、禅の勉強会のポスターが掲示してありますね。

雨の中
北に向かって遍路道を歩んで行きます。
それほどひどい雨でもないので
雨の中を歩くのも悪くないなあ、と思いながら歩く。

雨も小降りになってきたなか、
0945
16番 観音寺着
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ここでも別のダンタイサンがいました。
どこかのお寺のツアーでしょう、お坊様が導師を務めていました。
どうも禅寺の講のようです。

ガイジンサンの夫婦連れもいました。ニホンゴが堪能のようです。

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雨があがったのでポンチョを小脇に抱え
次に向かいます。
ここ最近、この遍路道は17番から13番まで逆に廻ってくるので
順に廻るのは久しぶりなんです。
また違った風景が見えてきます。

線路を渡り、しばらく歩いて
1039
17番 井戸寺着
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今回はここで終わりです。
今日ここでは法要が営まれているようで、
喪服を着た人達が多く見られます。

また、面影の井戸の水を汲みに来る人もいます。

お大師様に今回の旅の無事のお礼をしてから
井戸寺を後にしました。

「国府(こう)駅」まで歩き、
1116に着いたら丁度徳島行きの列車が出て行ったところです。

ああ~、

でも別に急ぐ旅でもなし、
次は1209
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待合室のベンチで、大日寺宿坊でそっと渡されたお握りを食べながら
ボ~ッとしていたら、お遍路らしきおじさんがやってきました。
「お疲れさまです」
「あの~、12番焼山寺へ行ってこられたんですか?」
「そうです。でも裏からです」
「うらから?」
彼は東京方面から来た区切り遍路さんで、一旦高松から飛行機で帰り、
次回焼山寺へ行く予定だそうな。
11番藤井寺からへんろころがしを登るのに
かなり慎重になっているようです。
昨夜のおじさん3人組みも「へんろころがし」という言葉を
重く捉えているようですね。
ガイドブックも大げさに書きすぎなのかもしれません。
楽しく行きましょうよ。

神山から登って降りるわし推奨のコースをお勧めしておきました。

「徳島駅」まで戻ってきて
高速バスチケットセンターで1400発のチケットを買い
それまで、「びざんの湯」に浸かって疲れ癒した後
王将でビールをくらって
ほろ酔い加減でバスに乗って帰ってきました。
なんとか台風の影響はありませんでした。

次回は初、飛行機で松山入りします。
松山と今治の札所を廻る予定であります。
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おきらく遍路旅(通算8巡目)1番霊山寺~11番藤井寺

おきらく遍路旅(通算8巡目)
1番霊山寺~11番藤井寺
平成29年10月14日~16日
当初の計画では、おきらく歩き遍路ツアーをご要望により急遽開催する事になったのですが
ドタキャンが相次ぎ、最後の一人も前夜にキャンセルの連絡が入り
結局独り遍路になりました。

お宿とかの調整があったならば、後始末に汗をかいたんですが
まあ今回はよしとしましょうかね。
平常心を保つのも修行のうちです。
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でもお大師様のおはからいか、スイス人女性とご縁ができ、
彼女の先達をさせていただきました。
今回の旅行記、はしゃいだ記述も多いかと思いますが
お許しください。


10月13日(金)
仕事を終えてバスに飛び乗り徳島入りして
定宿のサンルート徳島に荷物を降ろし、まず最上階の温泉を楽しむ。
このパターンは決まりになっていますね。

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風呂上りにビールをグググイッと飲み、
「渦潮巻き」と「御座候」をいただきテレビをつけると
ローカル番組で平等寺の番組やってましたよ。
お遍路前に縁起がいいねええええええええええええ


10月14日(土)
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0552「徳島駅」発の列車に乗って「板東駅」に降り立つ。
今日の天気予報は雨のち曇り・・・・
曇り空が広がるが、雨の気配はない。

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板東駅前には歩き遍路さんが必ず寄るお好み屋さんのお接待所があります。
ここの大将は始発の列車が着く時間に合わせて店を開いているそうな。
「おはようございます~!」
「おお、久しぶりやねえ」
わしのことを覚えてくれていましたよ。嬉しいなあ。

コーヒーをいただきながらしばらく世間話をします。
大将は、ここを訪れるお遍路さん達から元気を分けてもらっているので
元気で居られると言っていました。
わしも大将から元気のお裾分けをいただいております。

0700
1番 霊山寺着
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さて、独りで歩こうかね・・・
と思ったら山門を入った所でブロンドの女性と目が合いました。
お互いニッコリ

どこへ行ってどうお参りしたらいいのか迷っている様子だったので、
ついついお節介を・・・
手水鉢の使い方から・・・あれ?きちんとやっているよ。
本堂で灯明(キャンドル)、線香(アロマステイック?実はincense sticks)
の灯し方、消し方などを教えます。
そのあとわしが勤行する後ろでずっと祈っています。
ふ~ん、只者ではないなあ。

「どこから来たのですか?」
「スイスデス」
「何語圏?」
「ドイツゴデス」
「わしねえ、学生の頃ドイツ語の教授が『Bitte』と『vas?』だけ知っていたらいい、と教わったんです」
「ハハハハ、タシカニ」
「日本語できます?」
「ゼンゼン」
「では、『どうも』だけ覚えていってください」
「Ja!」
スイスの人は日常的にドイツ語、フランス語、イタリア語、もちろん英語ができるそうです。
すごいね~。

次に大師堂に・・・なぜ大師堂に行くのか?
あうあう、難しい。
「Forgetter(開祖)にご挨拶を」でなんとか納得してもらえたようです。

「お賽銭(コイン)はスライドしてイン・・・」

ああっなんて語彙が貧困なんやろう!勉強が足りないなあ。
自分の英語力の低さにうんざりします。

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最後に納経所の売店に行くが、彼女は何も買わないと言う。
なぜなら、7日間で1~12番まで廻り、その後高野山に行くそうな。
なるべく荷物は増やしたくないみたいです。

それなら無理強いしまいと、わし自身の納経帳に御朱印を頂いていると
彼女も納経帳を買っていましたよ。場の雰囲気に呑まれたか?
御朱印帳に描かれた墨痕を気に入っていたようです。
売店の人から数珠ブレスレットのお接待を受けて、喜んでいました。

さて次に行きましょう。
必要以上に気を使われるのは好きではないようなので
わしは先行してスタスタ歩く後を、やや離れて歩いてきます。
わしも必要以上に喋る事がでけへんので、このくらいの距離感がいい。


0742
2番 極楽寺着
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彼女は近鉄観光の遍路プランを利用しているようで、
お宿はツーリストが確保しているそうです。
今日は1番~7番歩き、十楽寺宿坊、
明日は8番~11番歩き、鴨島駅裏のホテル
明後日は12番のあと、神山の民宿
そして高野山に行って宿坊遍照光院に2泊するんですって。
そしてスイスに帰る。

ここまで聞くことができました。
恥ずかしながら、わしは今先達をしているし、
彼女も真剣に仏教に向き合っています。
ですので携帯用お鈴を取り出し、鈴の音も冴え冴えと勤行をします。

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「この木は樹齢1200年の長寿です。触れてみてパワーを貰ってください」
「Ja!」
真剣な面持ちで瞑想を始めました。

彼女の仏教のお作法についての知識が高い事が見えたので
「あなたはBuddhistですか?」
「Nein」
しばしばスリランカに行くそうです。
それも瞑想をしに。
え?
「あなたは何をされている人ですか?」
「ビョウインデハタライテイマス」
「お医者さん?」
「セイシンカノドクターデス」

おおおおおおおおおおおおおおおおおおお

なるほど。それでスピリチュアルな事柄に造詣があるのですね。
ならば先達としてのお勤めを今以上真剣にやらねば。

「アナタハ『monk』デスカ?」
「なんだと?」
言葉の前後のつながりで、どうやらmonkとは僧侶のことみたいです。
「い、いえわしは只のお遍路です。でも遍路コンシェルジュといえるでしょうね」


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次の金泉寺に行くには草の生い茂った旧遍路道を歩きます。
このあたりはお遍路シールが剥がされていて、
手作り看板に書いてあるニホンゴが読めない人達にとって
道順がわかりにくいでしょうね。


0930
3番 金泉寺着
「ここにはお寺の名前の由来である『Gold Spring』があります」
「『Spring』デハナク『Fountain』デスネ。ワキデル、トイウイミ」
「なななななるほど」

さて次に行きましょう。
後ろから歩いてくるのを意識していると
自然と自分の歩みも速くなってきます。
いつもは時速3kmでちんたら歩いていますが、今日はかなり早いと感じる。

山道を越えると、
3番奥之院の愛染院に来ました。
ここで一休みしましょうかね。
縁側に腰を降ろしたら住職がお茶をお接待してくれました。

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住職は流暢な英語でわしがうまく説明できなかった仏教の解説を
してくれました。
「住職は英語が堪能なんですねええええええ」
「インドに2年ほど行っていたからね」
「へえええええええ」

刷毛書きの御朱印を貰います?と聞いたが
八十八ヶ寺以外の御朱印は貰わないそうです。
ま、そのうち欲しくなったらもらえばええやね。

「さあ、次はわしのお気に入りの有名店でうどんを食べましょう」

萌月の美味しいうどんを食べてもらおうと張り切って行きましたが・・・

ああっ

まだ開いていないよ。
土曜日なので休業日ではないし。
開店前だったんでしょうか。

涙で曇って前が見えない。

ちんたら歩いてくるとちょうど空いている時間なのですが
今日のペースは、やはり速い。

気を取りなおして次行こう。
紅葉の季節にはまだ早い。美しい日本の秋の景色を見せてやりたいなあ。

1030
4番 大日寺着
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境内では先達さんたちがお接待をされていますよ。
88トイレの会の皆様だそうです。

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手水鉢ではカマキリさんが出迎えてくれました。
境内にはダンタイサンがいたので、
彼らの勤行に被らないように時間差でお勤めしました。

杖立てには銀の錫杖がありました。

どの納経所でも、白人女性が来ると親切に対応してくれます。
それに、お接待もいただき、お土産がたくさんできました。

まだまだ空模様も持ちそうです。日頃の行いがいいのか・・・
しかし、おいしいうどんを食べてもらおうと思ったんですが
ここのルートは萌月から7番門前まではうどんやさんがない。

「おなかすきました?」
「イエ、アサカラタクサンタベタノデ」

1100頃
5番 地蔵寺着
「この銀杏の木は樹齢800年だそうです」
「秋が深まると葉が黄色くなり、地面も黄色に染まります」
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わしのお気に入りの絵をプレゼントしました。
「Oh・・・アナタハアーテイスト?」
「いえ、ただのおっさんです」

門前のお土産やさんを覗いてみる。
「ホラ、カキヲウッテイルヨ。コレヲカイナサイ」
「は、はははい」
ここまでの道すがら、わしが柿を拾って食べたら皆渋柿で
わしが吐き出しているのを見ていて笑っていたのです。

「おひとついかが?」
「ダンケ」
ジューシーな柿を食べながら歩く。
「コレハビタミンガホウフナノヨ」
ドクターらしい言い方ですね。

通り過ぎる車からお接待を差し出されて彼女は感激していました。
一緒に歩いていても汚い親父のわしは相手にされないのは当然・・・。
金髪女性が歩いていたら構ってやりたいもんね。

小雨がぱらついてきました。
彼女の足取りも幾分疲れ気味です。
ちょっと休息が必要か?

1246
6番 安楽寺着
おおおおお、すごく早いぞ。
まさかまさかこんなに早く着けるなんてねえ。
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門前の茶店で休みましょうかね。
その前に、参拝をしましょう。
門前で車遍路の親父さんが彼女に話しかけてくる。
「Do You Know TSUYA-DOU?」
「?」

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境内の「身代わり松」が枯れて切られてしまっていますね。
残念

安楽寺の本堂、大師堂は室内なので鈴の音と勤行の声がよく響き渡る。
線香の香りが漂い、自分達の出す音と調和して幽玄な雰囲気になります。
彼女にもこの雰囲気が伝わったでしょうか。

わしはここの宿坊に泊まります。彼女はこの先の7番十楽寺宿坊泊
まだまだまだまだ時間が早いので一緒に7番まで行きます。

そのまえに、門前の茶店でコーヒーブレイクをしましょうかね。
温かい飲み物でほっと一息。
お互い疲れていたんでしょうね。

6番から7番までの道は近いながら曲がりくねっている。
日本語で書かれた看板が、旧遍路道を指し示してくれるので
わしらは迷わず進む事ができるが
漢字で書かれた案内板を読む事ができない人には難しいでしょうね。
「コノミチハ、ムズカシイ」
とも言っていました。


1355
7番 十楽寺着
珍道中も、ここでラストです。
ほかに参拝者もいないので、更に気を込めてお勤めします。
「あ、あの~。一緒に写真を撮ってもらってもいいですか?」
「イイデスヨ!」
はい、チ~ズ
にやけた顔になっている親父ですいません。
he8-6kinennsatuei.jpg

納経所が宿坊の受付になっているので
そこまでご案内して
チェックインを済ませた後に
「それではこれにて。よい旅を!」
「アリガトウゴザイマシタ!」

門前のうどん屋さんを見たら
お昼を食べていないのに気づき、早速入る。
he8-6b-14.jpg
名物たらいうどんを注文したら、すぐに出てきました。
熱々のうどんをすくって鼻水垂らしながら食べます。
ああ~、おなかいっぱい。

6番までの道を、のそのそ歩きながら戻り
宿坊に落ち着きました。

早くもお風呂の用意ができているそうで、ありがたや。
洗濯機に濡れた衣服を放り込んで
天然温泉弘法の湯に浸る。
「あ゛あ゛~ヘブン、ヘブン」
おかしな英語ばっかり使っていたので独り言も英語になっちまった。

そういえば彼女、日本の温泉が気に入っていたようで
6番宿坊には温泉がある、と言ったら残念がっていました。

夕食のときは個人宿泊者は3名だったので同じテーブルに。
車遍路満願のご婦人と、
80歳の歩き遍路15周(だったか?)のベテランさん。
「これがほんまの歩き遍路」という本を出されているそうです。
あとは30人くらいの講の団体の方々でした。
先達さんはいないようでしたが、リーダーの方がお世話をされています。

夜のお勤めの際、安楽寺では先祖供養のセレモニーがあります。
供養をしたい人の名前をお札に書くのですが
去年亡くなった父親の名を書きました。
ちょうど翌週は一周忌法要なのです。
ささやかな親孝行・・・



10月15日(日)
今日は朝から小雨が降っています。
0630に大飯食べてから
ポンチョ着込んで出かけましょう。
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0715頃、十楽寺の前を通ったとき宿坊の食堂を見てみたら
昨日のドクターが白人男性と食事をしています。
手を振ったら向こうも気づいて手を振ってくれました。
十楽寺のお勤めは朝なので、食事もそれ終わってから。

0749
民宿「越久田屋」さんに立ち寄ります。
先日ここの親父さんが亡くなられ、偲ぶ会に出られなかったので
門前に独り佇み、親父さんのご冥福を祈り、勤行させていただきました。
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雨の降る御所の地をひたすら歩き

0815
8番 熊谷寺着
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雨に冷えたのか、お腹の調子が悪くなり
納経所のトイレを使わせていただき、本堂へ行く。
かなり雨脚が強くなってきました。

本堂軒下で雨着を脱いでお勤めした後、濡れながら大師堂へ上がってお勤め。
それが終わって納経所へ向かう途中、
ドクターのやってくる姿が見えました。
追いつかれてしまったか。早いね~。

「納経所で待っていますよ」
「キニシナイデ、サキニイッテクダサイ」

では無理に合わせず先に行こう。

雨の田園地帯を南に進み、

0916
9番 法輪寺着
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車遍路がちらほら見えますが、濡れ鼠のわしと違って
みな小ざっぱりとしています。

お気に入りの門前の茶店に入り、鳴門金時大福を食べて一休みしていると
ドクターが門を入っていきます。

参詣を終えて、この先どっちに進んだらいいのか?とキョロキョロしている姿に
店の中から
「ドクター!こっちこっち!」
「Oh!」
一緒にコーヒーを飲んでひとやすみ
また今日もご一緒しましょ。

「これはお米で作ったお菓子です」
「ナカニナニガハイッテイルノカ?」
「豆を甘く煮たものです」
「・・・・・」

さて元気出して行きましょう。

次の札所まで距離がある。
ので、いつものラジオを聴きながら歩く。

黙々と濡れながら歩いて行くと
切幡寺参道の入り口が見えてきました。
雨もあがってきたのでポンチョを脱いでリュックにくくりつけました。

「実は、歩くとき退屈なのでラジオを聴いています」
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と、ドイツ語で怒られました。
コンセントレーション(concentration)という単語が出てきたので、
後で調べてみたら、彼女は歩く事に集中する行をしているようです。
なるほど。ヨガか、徒歩禅か。
おきらくお遍路のわしは少しだらけているのかな?


1044
10番 切幡寺着
「333STEPを登るのです」
「Oh・・・」
コンセントレーションして頑張ってください。
おきらくなわしは自分のペースで登っていくが
彼女は2日目で疲れが出てきたのか、大分後ろを登ってきます。
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艱難辛苦のうえ、本堂までやってきました。
雨がまた降りだしてきます。

御朱印をいただいて出てくると、十楽寺宿坊で彼女と同宿だったという
カリフォルニアからの青年がやってきました。
彼はわしを見て
「アナタハMonkナノデ、イノリデアメヲトメテクダサイ」
「なんだと!わしは僧侶じゃないぞ!」
と言いつつ、怪しげな真言を唱えたら
雨脚が更に強まってしまいました・・・・・

ここから次の札所まで約9km
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吉野川を越えて黙々と歩きます。
途中休憩したとき、明日の予定について話しました。
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彼女、焼山寺登山を、わしに一緒に来てほしいようです。
「いや、わしは明日大阪に帰るんですよ」
「ダイジョウブ、ダイジョウブ」
「焼山寺は冬に登る事にしているんです。汗かかないもんね」
「ユックリノボレバイイノヨ」
微妙にかみ合わない会話を交わしながら
なんとか一緒に登るべく説得をしますが、わしは応じません。
「いやあ~、わしは57歳ですよ。体力ありません」
「ワタシハ51サイヨ!」
えっそうなんっすか。

なんと言われても明日は大阪に帰ります!

明日雨が降ったら、11番藤井寺裏から遍路ころがしを登るのに
不安を感じ始めているようです。

なので、鴨島駅から徳島駅まで移動して、そこからバスで神山の寄井中まで行き
そこから7.5km車道を登って12番焼山寺へ行くコースを提案しました。
これなら大丈夫でしょう。
それにちょうどお宿は寄井中バス停隣なのです。

疲れが見え始めているのか、
休憩するたびに大きなため息が聞こえてきます。
そうです。お遍路は初日に張り切りすぎると後が持たないのですよ。

1400
11番 藤井寺着
かなり早い到着です。
わしにとっては韋駄天のような行動ですがな。

さあ、ここが本当にラストの勤行です。
本尊、お大師様に今回の旅の安全のお礼をしました。

「もういちど、記念撮影をば・・・」
「Ja!」

山門を出たところで、車遍路のおじさんから
「どこから来たの?」
と日本語で尋ねられて「?」だったので
「スイスからです」
と代わりに答えました。

わしは今日は善根宿「鴨の湯」に泊まる予定でしたが
雨が降って濡れたので急遽駅前の「さくら旅館」を朝に予約しておきました。
ドクターは鴨島駅裏の「セントラルホテル鴨島」です。
どこかな?どこかな?と探しながら駅裏に行くと、おお、ここか。

ホテルの玄関で
「えっあんたたち、藤井寺から歩いてきたんか?」
門前で声かけてきた車遍路のおじさんでした。
え?歩き遍路ならあそこから歩くのって当然やけどな・・・


「もし明日、雨が降っていて徳島駅からバスに乗るつもりならば、0800に鴨島駅に来てください」
「Ja!」

ここでお別れかもしれんので、今日も握手して別れました。

1530
さくらや旅館に着きました。
今日は昼食を食べていないなあ。
「ちょっと食べ物を買ってきます」
「え?今何か食べると夕食を食べられないよ。早めに出してあげるから我慢しなさい」
「そうっすね。では少し寝ます」
洗濯してお風呂を使わせてもらい、ふとんに寄りかかって転寝をしていたら
夕食のお知らせがきました。
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豪華な夕食やなああああ。
ビールもいただき、極楽極楽
今夜の宿泊はわしひとりのようです。
と、思ったらこのあと2人飛び込みが来たようです。
なんでも11番近くの民宿吉野さんが、
外人さんの団体さんで満室のようで、こちらに廻ってきたようです。
宿の人によると、白人は団体で行動しないので亜細亜人じゃないか?
とのこと。なるほど。亜細亜のどこかな?

雨が降って気温も下がり、
今年初めて部屋のエアコンを暖房にして寝ました。


10月16日(月)
今朝も雨です。ドクターはどう決断したかな?
ゆっくり朝食をいただき、0730にお宿を出ました。

朝の鴨島駅でコーヒーを飲みながら佇んでいたら
おお、やはり傘をさしながら彼女はやって来ました。
「おはようございます」
「オハヨウゴザイマス」
0808徳島行きの列車に乗りましょう。
わしは切符を買ったんですが、
彼女はツーリストのフリーチケットを持っていますね。

車内は通勤通学の人で一杯です。
車内は湿気も高く、窓ガラスが曇っていますね。
30分くらいで終点徳島駅に着きます。
車内で、今日の道筋の概略を書いたものを渡しました。
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彼女から、今回の先達のお礼にと、スイスアーミーナイフを頂きました。
おおっ、スイス人からスイスナイフ!ありがたや。

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それから住所を教えてくれ、と言われ住所の交換をしました。
社交辞令かもしれんが、スイスに来たときには私が案内します!
と言っていました。
じつはわし、「ハイジの家」に行ってみたいのです。
もし行くことができたらいいなあ~。

それからお遍路の魅力にハマッてしまったようで
また絶対に来る、と意気込んでいました。

またご縁があったらご一緒しましょう。

徳島駅で降りて、市内のバス乗り場に行く。5番乗り場が神山高校行きがあり
1時間後に出るようです。
これならば今日中に余裕で12番焼山寺行き帰りができます。

わしはこれから大阪行き高速バスのチケットを買って帰るので、
これで本当にお別れです。
固い握手して何度も振り返って手を振ってお別れしました。



今回の旅は、最初に計画していた歩き遍路ツアーが参加者のドタキャンで
なくなってしまったのですが
このような素敵なご縁を得て楽しい楽しい歩き遍路ができました。
これって、最初からお大師様が仕組んでくださったのではないかなあ・・・
と感じることしきりです。

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大阪に帰ってきたら、
印刷屋さんに頼んでいたオリジナルの納札が出来上がっていました。
赤札1000枚です。これで当分持つなあ。

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子供の頃に飲んだもの食べたもの

子供の頃に飲んだもの食べたもの

①ヤギの乳
クララの願い
アルプスの少女ハイジでは、
新鮮なヤギの乳を
「おいしい!」
といって飲んでいましたが
我ら兄弟はそれを醒めた目で見ていました。
山間部の田舎に住んでいたわしは、
近所にヤギを飼っている家がいて、ある日母親がヤギの乳を貰ってきました。
ヤギの乳
焦がしてしまい使われなくなったデコボコの鍋に
泡泡がたって白い毛が浮かんでいる白い液体
臭いは忘れました。
しかし、わしはそれを飲んだ思い出がない・・・

余談
アルプスの少女ハイジが放映される時間になると
我が家は正座して観ていました。
父親は「うちのセバスチャン」なんて意味不明の符丁を使い始め
母親はフランクフルトでのハイジが可愛そうだと涙を流し
妹は物語がラスト近くになってくると「何で終わりなんや!」と本気で怒り、

裏番組の宇宙戦艦ヤマト・・・見たいなんて言えるはずありませんでした。


②蜂ご飯

うおっぷ・・・!
そりゃあなた、蜂の子は栄養満点
田舎の大御馳走ですよ、あなた。
父親が地蜂の大きな巣を取ってきたか、貰ってきたか。
「これは栄養満点なんやぞ!」
と言いながらピンセットで蜂の子をつまみ出して鍋に入れています。
時々口に放り込んでは旨そうに食べていますよ。

昔はトイレはどこの家も汲み取り式
従って蝿もくる。
卵も産む。卵が孵化して蛆虫になる。
当時の子供達は皆、その姿を知っている。

ああ・・・蜂の子と同じ姿やないか。
あれを食べなくてはいけないのか。
夕食が待ち遠しくなかったのは、初めてだ。

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母親が張り切って蜂の子ご飯を炊き上げてくれました。
お茶碗にたっぷりとよそってくれました。
これ岐阜県美濃地方では「へぼ飯」という郷土料理だそうな。
こおりゃ、やばいっす。

うおっぷ

何を食べればいいんやろうか・・・
ご飯を見つめても箸が進まない。
兄も妹も同じ。

うおっぷ

父親の顔がだんだん険しくなってきた。
このままではまずい、食べなくては。

うおっぷ

えづくのを抑えつつ、
ほんのひとくち食べて
「これでいい?」
父親に聞いたら

茶碗が飛んできました。


今なら・・・食べられるかなあ?

うおっぷ
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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