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歩き遍路3巡目 高野山

歩き遍路3巡目 高野山
平成27年11月14日~15日

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11月14日(土)
四国遍路四周目の結願報告とお礼に高野山に行ってきました。
堺市に赴任してきてよかったと思うのはこの時です。
なにしろ南海電鉄高野線が近くを通っている。

0504始発に乗って出発
昨夜から降り続いていた雨があがっている。
やれ、ありがたやありがたや。

「天下茶屋駅」で高野線に乗換え
0605発の急行で「橋本駅」まで行き、
そこから各駅停車で「九度山駅」で降ります。
0707
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駅の待合室で装束を改め、出発
ここから約2kmの歩き

0738
自尊院着
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本日の道中安全を祈願し、納経帳に御朱印をいただきます。
山登りの格好の人もチラホラいるが、白の遍路装束はわしだけ。

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0800
百八十町石に見送られて丹生宮省符神社への石段を登る。
根本大塔までの道程を一町(約108m)毎に石塔が建てられていて
道程の目安としては非常にありがたい。
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南海電鉄の駅で貰ったガイドブックには
九度山駅から根本大塔まで、山道を約21km、7時間と書かれている。
まあ、こんなもんかな。
今日中に高野山の宿坊に辿りつく事を目標としましょう。

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山道は落ち葉の絨毯が敷き詰められ
秋の風情が満点なんですが
赤の色味も欲しいなあ、と贅沢も言ってみる。

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ここは富有柿の名産地で
道なりに熟した柿が「さあ、食べて食べて」
と言わんばかりに垂れ下がっている。
ああ、不偸盗不偸盗・・・

展望台からは紀ノ川方面が展望できる。
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今回もお供はNHKラジオ文芸館
夏目漱石の「夢十夜」不思議な話です。
『こんな夢を見た。腕組をして枕元に坐っていると、仰向きに寝た女が、
静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔か
な瓜実顔をその中に横たえている。真白な頬の底に温かい血の色がほど
よく差して、唇の色は無論赤い。とうてい死にそうには見えない。』
不思議な世界観の物語に聞き入って歩いていると、
いつのまにか時間と距離が過ぎている。

しかし、風景は嫌でも目に入ってくるので
絶景を見落とすことはない。
お接待も見逃すことはない。
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おお、柿のお接待だああああああああ。
ひとついただきます。
おいしいなあ。
元気が出たよ。

0900
銭壷石ですって。この石の上に銭を乗せて手掴みで取らせたそうです。
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1265年から20年の年月をかけて
この町石道が整備されたそうな。
その際に安達泰盛が作業員に給金を与えたとき、
この石を使ったそうです。
彼は我等が足立氏の祖先なので、特に興味深くこの由来を見ました。

なだらかな尾根沿いの山道を登っていくので
そんなにきついとは思わず、景色を楽しみながら歩くことができます。

今日は雨が降らないのが有難いのですが
気温が今の季節にしては高いので汗が流れる。
確実に数が減っていく町石は
山歩きの目安としては最適ですね。
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1000
六本杉峠着
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歩き始めてから2時間、まだ半分も来ていない・・・
えい、気を取り直して行こう。
このあたりは少し勾配がある山道なので
疲労度が増すね。
今日は金剛杖に加えてストックを持ってきました。
両手に杖を持って山道を登ると楽ですね。

1037
二つ鳥居前の展望台
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紅葉の山々を眺めることのできる絶景ですが
それよりも休憩所にAEDが設置してあるのに感激しました。
焼山寺のへんろころがしにも設置したらいいのかもね。

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二つ建つ鳥居は、丹生明神と高野明神で、お大師様建立と
伝えられています。
そういえばここの地域は辰砂の鉱脈があるそうですね。
お大師様と辰砂の鉱脈は縁が深そうです。
お四国にも「丹」のつく土地が多い。
そこには弘法大師由来の霊場もまた多い。

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更に山道を歩くと人の声が聞こえてくる。
(山の神様の声か!)
と一瞬緊張したが、
そこにはゴルフ場がありました。
な~~~んだ。

ゴルフ場を右に見ながら山道を更に登ると
自動車の音が聞こえてきました。
いつのまにかお昼時になっていました。
あげパンを齧りながら、自動車道を下に見ながら町石道を歩くと
石の窪みにお地蔵様(?)がある。
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1244
矢立着
ここは車で来たとき、見覚えのある風景です。
自動販売機、トイレがあり
峠の茶屋の店先で休憩させてもらうことにします。
ここの写真を撮ろうとしたら、
車が停まり、中から降りてきた男が袋を手に吐き始めた。
ああああ、くねくね道で酔ったな。
気持ちはわかるがわしの目の前で吐かないでほしいなあ。
なので、峠の茶屋の写真はありません。
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ここから道は急になる。
最後の5.8km、2時間とある。
頑張ろう!
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新旧町石が並ぶ。右が古い方で左が新しいもの・・・
逆な印象ですけどもね。

町石道は、時々道路が寸断している。
と、ある看板が

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「ノオッ!」
思わず叫んでしまいました。マカロニほうれん荘・・・
昔見た漫画って潜在意識の下にしっかり残っているんですね。
以前より激しく杖の鈴を鳴らしながら歩く。

自動車の音を上に聞きながら、杉の落ち葉の道を登っていくと
雨がパラついてきました。
でも雨着を着るまでもない。

1520
つつついに大門が見えた!
7時間と少しかかりました。あ~感激・・・・
の気持ちに浸る前に、突然雨が激しくなってきました。
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ああ、お大師様が高野山にお帰りになったのですね。
ここで初めてポンチョを着込む。

ガヤガヤと騒々しい動画ですいません。
雨に濡れながら高野山の町並みを歩きます。

高野山の最初の目的地は
新西国6番札所「宝亀院」
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根本大塔の道をはさんだ奥にあります。
ここはお大師様の「お衣替の行事」で有名な所です。
お大師様に御衣を奉る寺であり、その衣を染める霊井は、
生命の泉としてお腹の病に霊験ありとか。
わしも水筒にいただきました。
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金峯山寺は、ずぶ濡れなので外からお勤めさせていただきました。
もう靴の中まで濡れてしまいました。

本日のお宿は「大円院」
宿坊のある奥の院の地域へ濡れながら歩いて行くと
先には大きなトランクを転がして歩く一団がいる。
こんなところにも爆買い軍団が進出しているのかああああ(ため息)
どうか同じ宿坊でありませんようにと
祈りながら歩いて行くと、
やがて大円院に到着
幸いなことに彼らは先へ歩いて行く。
それにしても賑やかで、やかましい。

宿坊で出迎えてきたのは20歳台の若者です。
高野山大学の学生さんだそうです。
「あの~、ここでは洗濯できますか?」
「すいません・・・できないのです」
「そうですか・・・」
仕方ない。宿坊でホテル並みの設備を求めるのは野暮です。
「夕食にはビール、お酒はつけますか?」
「(しばし黙考)・・・・ビールを!」
「はい」

通された部屋にはテレビ・エアコンがあるよ。
室温を高めに設定して、せめて濡れた衣装を乾かすかね。

1745に夕食です。
大広間で精進料理をいただきます。
おビールを頼んでおいたので、まずそれを一杯ググ~ッと
「んまいっ」
精進落しです。
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でもビールは最初の一杯が命やね。
次第に酔っ払ってきて
美味しい精進料理を味わえなくなってきた。
なんと勿体無いことですか。
いかん!

食事を終えて
ヨロヨロと部屋に帰り、ひっくり返っていたら
Facebookの友達からメールが来ました。
高野山に研修で来られていて
差し入れを持ってきてくださるそうです。
なんと有難いことか。

酔っ払ったままでは失礼なのでお茶をがぶ飲みして
酔いを醒ます・・・が醒めない。

30分くらい寝ていたら
宿坊の玄関まで来たよ、とメールが来たので
衣装を調え、ヨロヨロと玄関に行く。
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金剛峰寺の参与会の会員の方で、3日間の研修だそうです。
塗香、線香、飲み物のお接待を頂き
わずかの間ですが貴重な立ち話ができました。
ありがとうございます。
またの機会にゆっくりお話をお伺いしたいです。


11月15日(日)
夜半にしていた雨音が聞こえてこなくなっている。
すでにお大師様はお出かけになられたかな?

0550から朝のお勤めがあります。
本堂に集合してきたのは全員ではないようです。
正面の席だけ何故かいつも空いているので
わしが座ることにする。
こういうことは子供の頃からいつもそうなので、慣れています。
お焼香の煙がまともにわしにまとわりついてくるので煙い。

読経がおわり、法話になったのですが
若い副住職でしょうか、
やたらと肩に力のこもったお話をするので
聞く方も少し疲れてしまいます。
もう少し歳を取ったら角が取れた話ができるようになるでしょう。

0715
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大広間で朝食を淡々と食べるのですが、5分とかからない。
わし一人食べ終わってさっさと引き上げる。
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雨もあがっているし、さあ奥の院でお大師様に挨拶をしにいこう。
朝早いのですが観光客がちらほらいます。
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それに気温が高いせいで
歩いて行くうちに汗が出てきます。
11月も半ばなのになあ。

昨夜の雨で高野山は清められ
空気と岩と木々が清浄な雰囲気に包まれています。
御廟所前は人も少なく、更に厳かな雰囲気がします。
お勤めするのも、わしひとり。

見も心も清められて
帰ろうとしたら、大きなカメラをかついだオッサンがいる。
嫌な予感がしたので、しばらくそのオッサンを観察していたら
御廟の写真を撮り始めた。
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「撮影禁止」とあちこちに書いてあるのに
本当にアマチュアカメラマンは節操がないなあ。
いや、むしろ「カメラ持ったおっさん」と呼ぶべきか。
以前アマチュアカメラマンの無節操さを批判したら
自称プロカメラマンに絡まれた事がありました。
「撮影禁止」の場所は、
正式に許可を取らなければプロでも撮影禁止なんです。

信仰の対象である仏像を被写体として捉える人が
撮影後、御朱印を求めるのはアンビバレンツな行為です。
彼らはそれに気づいていないのでしょうか。

最後の最後で嫌なものを見てしまいました。
これについて考えなさい、とお大師様からの課題でしょうか。
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帰りは南海電鉄の「バス」→「ケーブルカー」→「特急こうや」
これ、ほとんど待つことなく驚くほど円滑に乗り継ぐことができました。
歩きバス電車コラボ遍路していると、
驚くほど円滑に乗り継ぎができることがよくありました。
慌てて急ぐと心に余裕がなくなるので
「まあいいや」
と思うとうまくいくことが多かったです。
無作為がいいのでしょうね。

あせらず、慌てずに行くのがいいのかもしれません。


さてこれで四周が終わりました。
五週目・・・・多分12月から始めてしまいそうです。
皆さん、またお付き合いください。
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歩き遍路3巡目結願 87番長尾寺~88番大窪寺

歩き遍路3巡目結願 87番長尾寺~88番大窪寺


遍路装束
歩き遍路3巡目、総合4巡目の結願編です。

平成27年4月から始めた何でもありのおきらくお遍路
関係各位のご縁をいただきまして
順調に進みました。
一挙に結願まで持っていっていいのでしたが、
ラスト2箇寺は最後までとっておきました。
ゆっくりと遍路道の風情を楽しみながら歩きたかったのです。

しかしですな、

柔道やっていたときに痛めた股関節が
無理すると具合悪くなることがあり、
折悪しく一週間前から右の足の付け根が痛くなってきましたがな。
そこで関節痛に効くという「ゆずっ粉」を欠かさず飲んで備えました。
女体山超えをするか、旧遍路道を歩むか悩ましいところです。
えい、出たとこ勝負だ。

10月30日(金)
1800発南海なんば発で高松を目指します。
この時期高松道の夜間集中工事のために鳴門西ICから下道に降りたため
若干遅れて2200に高松駅前バスターミナルに到着
駅前のビジネスホテルに宿泊しました。

10月31日(土)

今朝もいい天気みたいです。
朝の冷気を吸いながら琴電「高松築港駅」まで歩く。

なにも高松から行かなくても、と言われそうですが
どうしても琴電長尾線に乗ってみたかったんですよ。
鉄ちゃんの血が騒いで騒いでしかたがないのです・・・・
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0616始発に乗ると車内はガラガラ
好きな席に座って出発!
しばし早朝の電車旅を楽しむ。

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0652「琴電長尾駅」着
ここから87番長尾寺までは歩いてすぐです。

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87番長尾寺着
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早朝ながら参拝者が二組いました。車遍路と歩き遍路
納経所の横にある売店の
「甘納豆入りおはぎ」を食べたかったんですが
残念ながらまだ店は開いていません。
心を甘納豆おはぎに残しつつ大窪寺へと歩みます。

相変わらずここの遍路標識が剥がされたままです。
八十窪の女将さんから訳を教えてもらいました。
これは、札所と半官半民のややこしい人間関係の所産だそうです。
まったく凡俗のせいでお遍路さんは不便な思いをしますね。

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秋の深まる遍路路を景色を楽しみつつ歩きます。
いつも楽しみにしているNHKラジオ小説を聴く。
今日は白石一郎著「十時半睡事件帖」の中の「丁半ざむらい」
このシリーズが好きでよく読んでいました。
江戸時代の設定ですが、
現代人の悩みや世相と微妙にリンクさせてあってとても面白い。

閑話休題

ちょうど短編が終わった頃に
「おへんろ交流サロン」に到着しました。
朝早くから開いています。
「おはようございます」
「おはようございます。あ、前に来たことありません?」
「は、はははい。4月に・・・」
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今回は、描いてきた絵を貰ってもらいました。
八十八箇所全部の絵が描けたらまた持ってきます。

さて今回は女体山超えと別のルートを辿りたいと思い、
お勧めルートを聞いてみました。
最後の大窪寺へ行くには、
大きく「女体山越え」と「花折峠越え」の2コースあり、
最初は皆、せっかくだからキツい「女体山越え」に挑みます。
でもここは「四国の道」だそうで、
本来の遍路路は「花折れ峠」だそうです。
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国道沿いに歩くこの道
毎年この時期に「さぬき市88へんろウオーク」が行われるそうで
沿道に旗が立っています。

途中山道へ入る標識が遠慮がちに建っています。
舗装されていない道を選んでしまうのは歩き遍路の性でしょうか
躊躇なく山道を目指す。
あとで八十窪の女将さんによると、
この路は遍路路でもなんでもない後付けの山道だそうで・・・
でもいいんです。
山道を歩くのが好きなんですから。
正しいことはひとつではないのです。

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今日は可能な限りゆっくりと楽しみながら
歩こうと決めた日なのです。

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2kmの山道、結構勾配がキツいですねええええ。
大きな石がゴロゴロしていて、
何かお大師様由来の石でもないかと思うのですが
そうでもないみたいです。
眺望絶佳、といいたいところですがそれほどでもない。
でも心地よく汗をかきました。

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舗装道路に合流し、しばらく歩くと休憩所がありました。
長尾寺駐車場でお接待に貰ったキャラメルを食べながら休んでいると

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「お遍路休憩所で、お遍路さんが休んでいる・・・」
というような独り言が聞こえてきました。
お年寄りの夫婦連れが歩いてきました。
地元の人らしい。
「おはようございます」
「おはようございます」

「バス通りコース」という3号線と合流しました。
確かにダンタイサンを乗せた観光バスが通り過ぎて行きました。

幟旗に沿って旧遍路路を歩くと
「細川家住宅」がありました。
特に見たいとは思わなかったので、スルーしました。

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道沿いには大窪寺までの丁石があり、
確かにここは遍路路なのだということがわかる

が、

道路整備等の関係で道沿いに建っていない所が多い。
崖上に移転していたり、草むらに覆われてしまい
どこにあるのかわからないよ。

ここの山里の路、気に入りました。
ひそかに計画している
「おきらく遍路ウオーク(仮)」の結願コースにしようか・・・

山里には秋の味覚がわしを誘う。
山栗のイガが落ちているが、
すでに鳥獣が食べてしまっていて殻だけ。
木には柿や柚子がたわわになっている。
人の畑のものは、十善戒に背くので取れませんが
廃屋の柿の木があったよ。
丸くて、柿色に色づいているのでひとつ頂いて齧ったら・・・・
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口の中が渋だらけになちまった。
あ~、この感触
なんとかならんか。
喉の奥まで変になってきました。
キャラメル舐めてごまかす。

艱難辛苦のうえ
道の向こうに山門が見えてきました。
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おお、大窪寺!
やはりこの路が遍路道だと実感する瞬間です。

1250
88番大窪寺着
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今回は遍路道を通ったので山門から入ることができました。
お腹がすいていたので門前町から漂ってくる香りに心が動きますが
参拝してから!
本堂の前には大きな銀杏の木が綺麗に色づいています。
空は青空、気持ちのいい秋の昼下がりです。
土曜日の昼ながら、そんなに混雑はしていません。

ですので

座る場所を探さなくても気兼ねなくお勤めができました。
納経帳に御朱印を押してもらい
4周目の終了です。
納経帳を見つめて目に涙・・・は出ません。

早速腹ごしらえに
八十八庵(やそばあん)に飛び込む。
「いらっしゃいませ!」
「打ち込みうどん!」
「はい!打ち込み一丁!」
鍋焼きうどんは寒い季節に食べると美味しさが倍増するね。
ふうふう汗をかきながらすする。
うまいね~。
わし、すっかりここの打ち込みうどんのファンになっています。
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お腹もできたことだし、今度は門前の「飛猿閣」に行く。
「こんにちは。甘酒飲ませてください!」
ここの女将さん元気です。
しばらく四方山話をする。
それによると、やはりお遍路さんは減少してきているそうです。
ダンタイさんからの遍路装束のお世話をしているのですが、
その注文がさっぱりこないと言っていました。

来年はうるう年の逆うちツアーを旅行社が企画しているそうですが
それもいまいちらしい。

そんな話をしていたらお客さんがドドッと店に来たので
おいとますることにして
わしの描いた大窪寺の絵を貰ってもらいました。

ぶらぶらと境内に引き返し、ベンチに座っていると
歩きの親父遍路さんが二人
このあとの予定を話し合っている。
「高野山へはどうやって行けばいいんかなあ」
「さあ、わしも初めてなんで・・・」

「あ、横からすいません。いいですか?」
「はい」
「大阪の難波まで行って、そこから南海高野線の『高野山・世界遺産きっぷ』が便利ですよ」
「なるほど」
「もしかして八十窪に泊まられるのですか?」
「そうだけども、まだ早いから迷惑かと思い・・・」
「大丈夫ですよ」

宿に着いたらいつもの女将さんが出迎えてくれました。
女将さんにもわしの描いた絵を貰ってもらいました。
早々と洗濯、入浴を済ませて
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ワンカップで独り四周目結願を祝う
・・・つもりが遍路日記と絵を描き始めたので
それに没頭してしまいました。
書き終えたら眠くなりテレビを見ながらうとうと。

「夕食ができましたよ~!」
「はい!」

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八十窪の名物、結願祝いお赤飯です。
今日は季節感たっぷり、栗入りおこわです。
色が妙にピンク色だったので聞いてみたら
炊くとき色をつけているそうです。

今夜の会食はオヤジ遍路さん二人、車遍路夫婦二組、わし。
歩きは歩き同士で話が弾みます。
区切りのオヤジさんは後半は全て
通夜堂とか善根宿で通してきたそうです。
通夜堂を使ってみたいわしは、
彼に質問攻めをしてしまいました・・・

ここでもわしは年齢よりも若く見られていて
「わし55歳なんです・・」
「ええっ!30台かと思いましたよ」
急に彼らの口調が変わりました。

食事中、
80歳を超える女将さんから長尾寺から大窪寺へ至る遍路道の変遷とか
興味深い話を聞かせていただきました。
昭和からのお遍路さんを見つめている生き字引ですね。
そんじょそこらの遍路知識をひけらかしている人達は
到底太刀打ちできませんやね。

11月1日(日)
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今日は高速志度から高速バスに乗って帰ります。
ゆっくりと大飯をいただいてから
朝の散歩に出かける。
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早朝の大窪寺境内は空気が澄んでいて気持ちがいい。
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しばらくその空気を楽しんでから門前町に降りると、
すでに店が開いていました。
「おはようございます。早い開店ですねえ」
「納経所が7時から開いていますからねえ」
たいしたもんです。
彼らは朝早くから夜遅くまで参詣者のために働いていてくれるんですね。
これこそ究極のお接待ではないでしょうか。
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8時にお宿を出て再び大窪寺境内で
スケッチブックを出して絵を描き始める

今朝はどうもうまく描けないなあ。
なぜか?よくわからん。
言えるのは、まだまだ自分の腕は未熟だってことです。

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1000にコミュニテイバスで「志度バスストップ」まで行き
1132のバスで大阪難波OCATに帰り着きました。



これで通算四周目が終わりました。
始めた頃はこんなに廻るとは思いませんでしたがな。
この先いつまでお四国を廻るのか見当もつきませんが
「体力」「財力」「家族の協力」の三力が尽きるまで
おきらくにやっていきたいと思います。
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PS
今考えていること・・・
「おきらく遍路ウオーク(仮)」を計画しています。
ハードでない遍路道を、
みんなで楽しく歩くことはできないだろうかと考えています。
ご賛同頂ける方を募ります。
お気軽にメールください。

歩き遍路3巡目 46番浄瑠璃寺~64番前神寺

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歩き遍路3巡目 46番浄瑠璃寺~64番前神寺

今回は突撃車遍路です。
坂本屋の会員で、松山市内在住の「門前の小僧さん」と一緒に
2日間二人で廻りました。
各方面で活躍されている「門前の小僧さん(以下『小僧さん』と呼称)」と
スケジュールを合わせた結果、今回の日程になりました。
前回と順序が前後するが、それもいいでしょう。


10月17日(土)
「なんばOCAT」を0725に出て
「松山駅前バス停」に1255に到着する。
すでに小僧さんは国産のキャデラックで迎えに来てくれていました。
2日間よろしくお願いします。

ここからまず一番近い51番石手寺に向かう。
小僧さんは今回の車遍路にあたって
札所間の距離と時間の綿密な予定表を作成していました。
わしも同じ事をやるなあ。
性格なんでしょうね。
でも、あてどのない旅にもあこがれます。
駐車場で装束を改めます。
今日は靴を脱いで藁草履を履いたままにしよう。

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51番札所石手寺の山門は閉鎖されていました。
安保法改正に反対する住職の意思を示したそうですが、
参拝に来る人達の不便を考えた末のことでしょうか。
一休禅師の説く大道無門、お寺の門はいつも開け放たれている、
そういったもんだと思います。
お寺と政は時として重なってしまうのでしょうか。

ここの納経所のお目当ては小銭の両替です。
八十八箇所分の五円玉を両替してもらいました。
ずっしり重いねえ。帰って磨こう。

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50番繁多寺の駐車場前にあるアイスクリン屋のおじさん、
今日も駐車場の交通整理と秩序の維持に貢献されていました。
いつもながらここの境内からの松山市内の眺望は格別です。

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今回も小僧さんのお宅にお世話になります。
くどいようですが、ここは善根宿ではありません。
「たかのこ温泉」というのもあり、一度泊まってみたい所です。

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48番西林寺は伊予の関所寺、
業深きわしは、
今回も無事に山門をくぐる事ができるでしょうか・・・
白衣に押してもらう判を、各関所寺で押してもらうのもいいかもしれません。
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外人遍路さんたちにも人気の通夜堂、ここでも泊まってみたいっす。

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47番八坂寺
小さな門の下には今日もネコがいて迎えてくれます。
子供がさわりに来ても泰然としています。
お寺にネコはよく似合いますねえええええ。

さて計画よりもかなり早く廻ることができたので、
ちょっと寄り道・・・
浄瑠璃寺門前の看板を見て左折、「生目(いきめ)神社」に行きます。
ここは眼病に霊験あらたかな神様だそうです。
急な山道を駐車場まで登り、そこから更に歩く。
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-由緒高札より-    
屋島の合戦で敗れて日向へ落ち延びた平家の侍大将・平影清は
源氏の繁栄を見るのが口惜しくて、ついには自分の目をくりぬいて
岩に投げつけて盲目になりました。
岩にくっついた目玉はいつまでもぎらぎらと光っていましたが、
そのうちに岩に眼の跡が残り、人々は恐れ拝みました。
ところが不思議なことに眼を患っていた人の眼病が治ったのです。
それ以後、生目神社として祀りました、 
この話しを聞いた当地の庄屋さんが、日向からご神体(景清の
短刀と云われる)を勧請して当地に祀ったのが、ここ生目神社の
はじまりということです。

小僧さんが自分の薬種園で育成していた「メグスリノ木」がここの御神木として
迎えられたということです。
http://jh5swz.exblog.jp/23903766/ (相互リンク)

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神社の山からは松山市内が一望できます。
小僧さんの後姿

46番浄瑠璃寺で、今日の予定は終了です。
今日も本堂・大師堂では正座してお勤めをしていたので
膝が少し痛くなってきました・・・
まだまだ修行が足りないなあ。
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(小僧さんから貰った写真です)

そのあと裏の公園へ行き、地元戦没者の「鎮魂の皿」に
詣でました。詳しくは門前の小僧さんのブログにて・・・
http://jh5swz.exblog.jp/24222472/(相互リンク)
私たちは先の大戦に散った人達を忘れてはいけない。
いかなる死者をも冒涜してはならないのです。
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(これも小僧さんから貰った写真です)


無事に今日の予定をこなすことができました。
やはり車遍路は早いなあ。

小僧さん宅に着き、
一風呂浴びて汗を流した後
近くの居酒屋に行き地酒を飲みながら
歩き遍路研究会を開催しました。

今回車遍路に徹したのは道中小僧さんと積もる話をしたかったから。
お遍路と、それに付随して生じてしまう人間関係とかの
お互いの愚痴を聞いてもらうことです。



10月11日(日)

0550に朝食を食べて早めに出かける。
明け方に驟雨があり、激しく屋根をたたく音が聞こえました。
昨日に引き続き、今日も草履で歩きたいが、大丈夫かな?

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52番太山寺には0700以前に到着できました。
日曜の早朝ながら境内にはちらほら参拝者が見える。
ジョギング姿の人や、白衣を着た人たち・・・

ここから53番円明寺まではすぐです。
境内にはススキの穂が揺れていて
秋の風情が漂ってきます。
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北条から今治までの海岸沿いの道を快調に進む。
菊間の鬼瓦を横目で見つつ、
海には豪華客船が浮かぶ。中華爆買いツアークルーズでしょうか。

途中小僧さんのリクエストで
海岸沿いを歩く姿の写真撮影をしましたがな。
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ここの海岸線の道が大好きなんで、わずかの距離でしたが楽しかったっす。

今治市へ入り、
54番延命寺へ。車は早いね~。
小僧さんも歩き遍路なので、車遍路のハイペースには驚いていました。
これなら8日間で八十八箇所廻れるなあ。
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本堂は改修中のようで、すっぽりとブルーシートに囲われており
仮本堂が納経所横に設置されていました。

今日は連休の中日で、
ダンタイさんとは幸いにかち合わなかったのですが、
家族連れの車遍路を多く見かけます。
小さい子供さんも負摺を着ています。
こうやって子供の頃からお寺さんに親しむのはいいことだと思います。
それにしても四国の人は羨ましいなあ。
行こうと思えばいつでも札所にいける。

55番南光坊でいつも思うのですが、大山祇神社に一度行ってみたいです。
しまなみ街道沿いに行くか、今治からフェリーで行くか、
いずれも楽しそうです。

納経を終えた時点から雲行きが怪しくなり
ポツポツ雨が降り出し、やがて激しくなってきました。

あっしまった。
南光坊の写真を撮るのを忘れた・・・・

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56番泰山寺に着いた頃には運よくやんだのですが
出来た水たまりで、履いていた草履がぐっしょり濡れてしまい
靴下も同じ運命になってしまいました・・・・
足元が濡れるということは、気分も落ち込むねええ。
これが歩きだったら、
次の札所へ向かう気力を振り絞らなければなりません。
地面が濡れているので失礼して立ったままお勤めさせていただきます。

小僧さんは土地勘はあるものの、
車で札所を廻ったことがなく、
わしは突撃車遍路の時にはカーナビ頼りだったので、
次の札所への道のりが危なっかしい。
でも、四国の道には車遍路用の立て看板がきちんと札所への道のりを
示してくれています。
それ以外の道は・・・遍路標識シールを目を皿のようにして探します。

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57番永福寺には柿の木があり、たわわに実っています。
秋の風情ですねええええ。
ここは映画「僕は坊さん」のロケ地であり、
住職の書かれた同名の小説が販売されています。
小僧さんも一冊買われたようです。
わしもそのうち買おうかな?

ここの地面は濡れていなかったので座ってお勤めしたのですが
靴下が濡れているのでお尻にあたる部分が濡れてしまいます。

58番仙遊寺の仁王門の門前で
「ここから階段登って御加持水を飲んで行きますか?」
「い、いえ。今日はそんな気分じゃないっす」
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どうも足元が濡れているとダウナー気味になります。
それにそろそろ鼻緒に当たる部分が痛くなってきました。
普段から草履を履きなれていないからなあ。
指の間に貼ってあるテーピングも濡れています。

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59番国分寺に至ると
空はすっかり晴れて青空さえ見えています。
さっきの雨はなんだったんだろうね?
また龍神様を呼んでしまったんかなあ?
隣の春日神社では、秋のお祭りの準備をしていました。
この季節はキンモクセイの香りと秋祭り。

あっ、握手修行大師様と握手するのを忘れた・・・

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丹原町には番外札所の「臼井御来迎」があり、
実はわしはいつも見落としてしまっていて訪れていないんです。
なので、小僧さんがわざわざ立ち寄ってくれたのです。
こんこんと清水のあふれ出る所に仏の御来迎が拝されるそうです。
虹のことかな?

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向かいには東屋があり、ここで宿泊できそうです。
また、少し先に行った「光明寺」にも通夜堂があるそうです。

ちょうどお昼なので、お勧めのカレーショップに行く。
行列ができるほどの人気店だそうで、
あらかじめ予約の電話をいれてみたら、幸いに空席がありました。

なぜここに?
と思うような田舎のど真ん中にあるお店です。
リピーターの確保が成功の秘訣なんでしょうね。
印象的な器と、初めて見た盛り付けのカレーです。
食後のコーヒーは、古代の器で飲んでいるみたいな気分です。
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突撃車遍路を再開
行動予定を大幅に上回る速度で快調に進む。
60番横峰寺は前回廻っているので、61番香園寺へ行きます。
横峰登山口麓にある妙雲寺は、「六十番前札旧跡」というややこしい由来です。
由来を記すと大変面倒なので割愛します。

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61番香園寺の境内は桜の木に覆われていて
春に来ると綺麗なんでしょうね。
絵の素材としては桜の花を是非入れたいです。
濡れた草履と靴下を脱いで大聖堂の中に入る。
意外と人はいなくて、自分の読経の声がホールに響き渡る。

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62番宝珠寺は、すぐです。
相変わらず本堂は工事中ですね。早く復興しないかな。
正座してお勤めする際に、
意外と楽に座れるのは細かい砂利が敷き詰めてある所です。
いい具合に砂利が足の形に窪んでくれるからです。

反対に硬く締まった地面に砂利が半分くらい埋まっている所では、
砂利が膝や足の甲に食い込んで痛いのなんの。

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香炉にはダンタイサンが去った痕跡があります。

63番吉祥寺は、申し訳ないけども写真を撮り忘れてしまいました。
「成就石」に通す杖は、車の中に置いてあるので通すこともできず・・・。

石鎚神社の大鳥居を右に見ながら
64番前神寺へ到着
かなり時間が余りましたよ。
絵に描く写真を撮りながら本堂まで進む。
ここの本堂は石鎚山を御神体にした神社みたいな雰囲気ですね。
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さて今回の突撃遍路はここまで!
門前の小僧様ありがとうございました。
「伊予氷見駅」から「伊予三島駅」まで列車で移動するのですが
1500発の岡山行きが3分前に出てしまっていました。
次は1630
どうしようか。
国道に出てバス停の時刻表を見たら、新居浜行きが1509にあるよ。

南無大師遍照金剛

バスを待てども・・来ない。
1515になっても来ないので、バス停の前でヒッチハイクのポーズを取り始めたら
おお、バスが来たよ。
早速乗り込み、やれやれ。
お客がわしだけなので、バスの運ちゃんと世間話をしながら走っていたら
西条市手前の橋にあるバス停で、
お遍路風体のおばさんが「ちょっと、聞きたいんですが」
と運ちゃんに話しかけてきました。
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結局彼女は何をしたかったんでしょうか?
あくまで「自分は歩き」にこだわり、他者にもそれを言いたいみたいです。
わしも一巡目は歩きにこだわっていたなあ。
でも、歩きにこだわりすぎると、
かえって気持ちが頑なになってしまうような気がします。

新居浜駅に着いて、そこからJRで三島を目指します。
1640発の岡山行き特急列車に乗ることになりました。
特急料金も要ります。
まあいいか。
15分くらいの列車の旅を楽しみましたがな。

「伊予三島駅」から歩いて5~6分で
本日のお宿「つるや旅館」着
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日曜日は夕食は出ないそうです。
「?」と思って聞いてみたら、一人しかいない板前さんの休みのために
日曜日は食事がないのだそうです。
なるほどねえ。それも一理ある。
でもここの料理はいい!という評判だったので少し残念です。
今度また来よう。

旅館の界隈には食事ができる所が沢山あって困りません。
「ここから下に行ったらすぐ中華の店があってね」
(ん?「下」?・・・地下にあるのかな?)
疑問を感じながら海の方に向かって50m行ったら中華料理の店がありました。
カウンター越しに親父さんと話していたら、
「下」「上」という言葉が出てきたので
疑問に思っていたことを聞いてみたら
この辺では山と海に挟まれた土地なので
山側を「上」、海側を「下」と言うのだそうな。
東予はこういう地形なので、どこもこの言い方なのかな?

食事を終えて汚れ物を洗濯機に放り込んでひとっ風呂
ここで災難にあいましたがな。
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おばさんのところに行って背中に絆創膏を貼ってもらいました。
これ書いている今も背中が痛い・・・



10月12日(月)
0415に目覚め、テレビをつけたら丁度
ラグビーワールドカップの日本対アメリカ戦をやっていました。
食事の時間までちょうどいい。
トライの瞬間には一人騒ぎ、
五郎丸選手のキックの時には同じように印を作って応援していました。

三島のお宿は、65番三角寺登山があるので
それに備えて朝食が早い。0550に電話が鳴りました。

食堂では同じ年代の車遍路夫婦と一緒になりました。
大阪から来ているそうで、
旦那のほうがわしの話を聞いて、
自分も歩きをやりたいと言い出していましたが、
奥さんのほうは「あなた一人でやって」と
つれない風情でした。

今日は1158のバスで帰るんですが、
時間があるので「村松大師堂」に行きます。
0700にお宿を出て「三島バス停」まで歩き、
0725のバスに乗り10分、
「大師前バス停」で降りて、さてどっちの方角に行くのかな?

この辺一体は製紙工場が立ち並び、高い煙突からは煙が盛んに出ています。
その中に村松大師堂は、ひっそりとある。
庭木に水をやっていたおじさんに聞いてみたら
「ああ、この道を下に行ったら庚申塚があるので、それを左や」
なるほど、下ね。
下に行って橋を渡ったら唐突に現れました。

ここは「のぎよけ大師さん」と親しまれ、
喉に小骨が刺さったときにおまじないをすると取れるそうな。
「のぎ」というのは、
のどに刺さる小さい魚の骨の意味だそうです。
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大師堂の横には墓地があり
大東亜戦争の神風特別攻撃隊敷島隊の関行男さんの墓があります。
時間があった時にはいつも参拝しています。
今回はコンビニでお酒を買ってきてお供えしました。

特攻の是非はともかく、
戦争で亡くなった有意の人材のなんと多いことか。
平和論争もいいのですが、亡くなった人達を犬死だとか
悪く言う人が多いのは許せません。
いかなる死者をも冒涜してはいけないのです。

また来年来させていただきますとの気持ちで村松大師を後にして
三島川之江ICバス停を目指します。

日が高くなり気温も上がると暑くなってきて
昨夜の背中の傷に汗が染みて痛くなってきましたが、
これしきの痛みで音をあげていてるわけにはいきません。

0900に高速バス停に着きましたが
まだ3時間余もあります。
でもこのために、時間つぶしの本を持ってきているのです。
読みかけの「座敷童の代理人」と、昨日買った「バケモノの子」を
読んでいました。映画を見て見たいなあ。

帰りのバスでは寝るかと思ったけれども
今回は歩くことはなかったので疲れておらず、
ひたすら本を読んで過ごしていました。


今回は門前の小僧さんを巻き込み、
2日間で18箇寺を高速車遍路しました。
小僧さんも初めての体験で、
車遍路の気持ち、味気無さがわかったと言っていました。
確かに車遍路は早いが、
人との出会い、触れ合いがまったくない、ということが結論です。

時間と効率を重視した結果
旅の醍醐味が抜け落ちてしまうのです。
こう書くと車遍路の方々からは「そんなことない!」と
猛反発を食らうのは必定と思いつつも、書きました。

一度歩いて御覧なさいよ。
そしてビジネスホテルじゃなくって
ひなびた遍路宿に泊まってみてよ。
遍路路で、遍路宿で出会った人達との会話を楽しんでくださいよ。
そう思いますよ。

次回はいよいよ結願に向けて77番長尾寺から女体山を越えて88番大窪寺へ
向かいます。

そのまた次には九度山から高野山登山をしようと計画中です。
もちろん宿坊も予約できています。
秋の高野山登山が楽しみです。

歩き遍路3巡目 60番横峯寺~86番志度寺

歩き遍路3巡目 60番横峯寺~86番志度寺

今年の秋はシルバーウイークです。
でも、わしは関係ない。土日月と仕事・・・・
その分、木金と休みを申請してみたら通ったよ!
南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛
22日(火)から27日(日)まで6日間の休みをいただきました。
やることはただひとつ!



9月22日(火)
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前夜の勤務明けの眠い目をこすりながら
大阪駅前ハービス大阪バス停を0800にバスは出る。
行き先は、伊予西条駅です。

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1300に「伊予西条駅前バス停」到着
1333発のせとうちバス西之川行に乗り、
「横峯寺登山口バス停」で降りる。

すぐ上の「上ノ原乗換え所」で登山バスに乗り換え。
マイクロバスに、ある程度乗客が乗ったら随時発車なのです。
ちょうど大型バスからダンタイさんが乗り込んでいて、
それに乗せてもらえるかな?
と思ったら次のバスに1人だけ乗せてくれました。

おおっ、貸切やああああ。

往復1750円
登山道を無線を使いながら順調にバスは登る。
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「下から軽自動車2台上がります」
「りょう~かい」
「12番、白のワゴン車下ります」
「りょう~かい」
「18番バイク下る、早い」

この無線を傍受すれば車遍路の人は安全に走行できるでしょうね。
業務用だから150Mhzあたりの周波数でしょう。

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1425に「横峯寺参拝口バス停」に到着
停まっているマイクロは3台
「あの~、帰りは空いている車にのればいいんでしょうか?」
「1510までに帰ってきたらこれに乗ってよ」
「はははい」
時間を区切られると、気持ちがそれに捕らわれてしまう。
わしの因果な性格です。

横峯寺までの山道をダッシュで駆け下り、
手水場までいく手間を惜しみ、塗香を身体に塗りたくる。
手前の大師堂からお勤めをし、次いで本堂へ急ぎ、
最後に納経所への階段を駆け下りる。
ああ、こんな余裕のない参拝はいかんなああああ。
心配していたダンタイさんの納経は既に済んでいるようで
ひと安心

全て済んで駐車場への坂道を駆け上がる。汗だくになっちまったよ。
努力の甲斐あって予定時刻の10分前の1500に帰り着いた。
(お、もう帰ったの?)というような顔の運転手さん。

1500にわし一人を乗せてバスは発進!
1520に「上ノ原乗換え所」に戻ってきました。

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この時間だと、1544発の「伊予西条駅前バス停」に間に合うよ。
予定では次の1749発の便まで時間を潰す予定だったのです。

1610「伊予西条駅前バス停」に到着
時間に余裕があるのはいいねええええ。
駅前のコンビニで今日の夕食、明日の朝食と昼食をごっそり買い込み
今日のお宿である「にぎたつ旅館」に向かう。
ここは素泊まりのみなのです。3100円



9月23日(水)
まだ暗い「伊予西条駅」から、
0540発の高松行きに乗り、
0622「伊予三島駅」に到着

「伊予三島駅前バス停」から、
せとうちバス天日行き0657発に乗る。
バス停標識のないわかりにくいところなのですが、
座って待っていると目の前をお遍路さんの二人連れが歩いて行くよ。
三角寺まで歩いていくんでしょうね。
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しばらくしたら、一人の婦人遍路が駅の階段から降りてきた。
「おはようございます。バスですか?」
「はい、三角寺まで。あなたも?」
「はははい。そうです。57分発です」
愛知県からの76歳の区切りのご婦人です。
バスが来るまでしばらく世間話をしました。
わしと同じく交通機関と歩きで廻っていて、
この旅の間、彼女とはあちこちで出会いましたがな。

やがて来たバスに乗り、「三角寺口バス停」で降りる。
三角寺口とは言いながら、三角寺まで2.5kmとあり
45分かかる。
「私は遅いから、先に行って・・・」
「はい、ではお気をつけて」
彼岸花の綺麗な山道を登る。
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0755三角寺着
ここで、今回は新浜のTさんと一緒に歩く予定にしていました。
Facebookの友達で、今年から車遍路を始めて4周廻り、
先達さんになりたい、
それに歩き遍路さんのために善根宿をしたい、
という願いを持っている人です。

でもわしは、
「え?今年から始めて車で高速遍路しただけで先達?そりゃ無理でないかい?」
と思いました。
多分Facebookの方々も同じ気持ちを抱かれたのではないでしょうか。
聞けば足指の怪我を理由に歩いたことは一度もないらしい。

別にバスツアーだけで先達になっている人達は沢山いるし
あまた存在する先達の先生たちは車遍路がほとんどです。

それでもいいんですが
彼の志は、
自分だけのために先達になりたいわけではないようです。
歩き遍路さんのために善根宿を作りたいということです。
ですから、
「一度歩いてみません?」
とお誘いをしました。
お遍路は札所だけを訪れるスタンプラリーではありません。
札所と札所を結ぶ遍路路にこそ
お遍路の風景・風情が満ち満ちているのです。
それを少しでも経験してもらいたかった。
お接待に触れて、有難さを感じてもらいたかった。

三角寺駐車場で待っていた彼の姿をひと目見て、
普通の車遍路ではない雰囲気を感じました。

地下足袋が格好いいねえ。
お祭り用の純白のカーゴパンツも決まっている。
白衣の背中の刺繍の「南無大師遍照金剛」も粋です。
むしろ「御意見無用」の方が格好いいかも?

「今日はここからどこまで行きますか?」
「雲辺寺まで登ります」
「おおっ、でも無理しないでくださいね」

彼は道中、私の背中をたくさん撮ってくれました。
普段は見られない自分の後姿
腰につけた自作の引敷(ひっしき)の様子とか、
正座してお勤めする様子も客観的に見ることができます。
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今回は草履を持ってきました。
靴と荷物をベンチで降ろして草履に履き替えてお勤めするのです。
これだと足が痛くない・・・はず。

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二人でのどかな山道を色々喋りながら歩きました。
途中に何箇所かある善根宿の様子を見ながら、
野の花を愛でつつ初秋の景色を堪能しました。

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別格椿堂では、
描いてきた絵を奉納させていただきましたがな。
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トイレに行ったらこんなところに蛙が・・・
ここではできないなあ。隣のを使う。

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途中の遍路小屋で昼食にしました。
お互いに写真を撮りあい、それぞれfacebookに投稿・・・
二人してなにやってんだ?と思われたことでしょう。

1300
いよいよここから雲辺寺への登り口です。
「足は大丈夫ですか?」
「意外に大丈夫です!」
地下足袋が調子いいみたいです。
日本人の山歩きには地下足袋が適しているのかもしれん。
新田次郎の小説「孤高の人」の主人公「地下足袋の文太郎」も
地下足袋を履いて六甲山系を歩いていたっけなあ。

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むしろ問題あるのはわしのほうですがな。
もともと山登りは自分のペースで、
のそのそ登っているので
人とペースをあわせて登るのは苦手です。
彼はわしより7歳若く、体重は20kg近く少ない。
ああ、ハンデやああああ。

持病の高血圧や喘息をだましだまし登っているが、
やはり彼と差が開き始めた。
「さ、先に行ってください」
見得も臆面もないわし。
格好つけたって仕方ないもんね。
立ち止まって休むと眩暈がしてくる。まずい。
足の筋肉が痙攣してきた。更にまずい。
汗をかきすぎてミネラル不足になっているんやろうなあ。
塩分と糖分、水分を緊急補給する。
なんとか足も動くようになってきました。

こんなヨタヨタな太ったおっさんでも
山や野を歩いて遍路しているのですから、
自分の意思さえあれば誰でも歩き遍路はできます!
全部歩かなくてもいいじゃん!
そう思いますよ。
高速車遍路しなくっても、楽しいことは歩きのほうが多い。


「ドクターストップかかっているから」
「ギックリ腰だから」
「膝が悪いから」
「そんな元気ないから」
「時間がないから」
「遠いから」
「子供が小さいから」
「主人が心配だから」
「動物の世話があるから」
「植木の世話があるから」

色々な理由をつけて
行かなかったり、
安易な車遍路に走る人達のなんと多いことか。


言い訳する前に
歩く楽しさ、景色を見るゆとり、風を感じて
遍路道すがらお接待に触れる有難さを味わってもらいたい。

坂本屋のお接待、道隆寺の前で貰う手作り地蔵さん、
通りすがりの人から差し出されるみかん等々・・・


彼に力を貸してやりたいと更に思ったのは
彼の信仰心の篤さです。
遍路路沿いのお地蔵様には、
きちんと立ち止まって手を合わせていました。
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前掛けが外れて落ちていたら、
いちいちしゃがみ込んで直していました。
修理不能だったら
「すいません、また今度来て直します」
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おおおおお、すごいねえええ。
わしもお地蔵様や祠では手を合わせるが、
ここまではしない。できない。

それにすれ違う人達に
ごく自然に「こんにちは」と挨拶をしている。
これ、簡単に見えてなかなか難しいですよ。

きっとお大師様が、わしの口と身体を使って
彼に歩き遍路をさせるように
仕向けたのかもしれませんて。

でもね、もう少し現実的な計画を立ててから行動を起こしてくださいね。
家族を養う義務もまだあるのですから・・・
それに先達推薦してもらうお寺も決めていないみたいだし。
お四国は逃げはしない。
(新居浜の人に言うのはおこがましいが・・・)
じっくりと目の前の問題に取り組んでもらいたいと思いました。
そのためのお手伝いはします。
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結局雲辺寺の麓まで一緒に降りてきました。
わしは民宿「青空屋」に泊まるのでここでお別れ。
新居浜から家族が迎えに来るのだそうです。
また一緒に歩きましょう。


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「青空屋」さんは、歩き遍路さんの間でも評判のお宿です。
普通の農家の離れを増築したような造りの気持ちのいい建物です。
今夜の同宿者は
大学の先生をしていたテント泊のおじさん
香川はテントを張る場所がないと言い、ここで家に送り返すそうです。
通夜堂や善根宿は防犯の関係上、使わなかったそうです。
色々自分の持論を硬く持っていて、曲げそうにない人でした。
もう一人は二十台の若者で、結願したら何をするんでしょうね。

今日はなぜか食欲がなく、
熱々の骨付き鶏を食べたらお腹がいっぱいになってしまいました。
宿のご主人と香川県のうどん屋の話をしたら、
わしが食べた店を全部否定されました。
香川県人はそれぞれ自分の好みのうどん屋さんがあるようです。
ではどこの店がいいのか?
聞いても明確な答えは返ってきませんでした・・・





9月24日(木)
昨夜から雨が降り始めていて、今朝は本降りです。
0630に朝食をいただいて早めに出発する。
今日の予定は、まず67番大興寺へ行ってから、70番本山寺に行く。
ポンチョを着ると蒸れて中も外もしっとりと濡れてくる。
過去、ここを訪れたとき75%の確立で雨です。
雨不足の香川県において、
わしは龍神様とお連れになっているのでしょうか。
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0728
大興寺門前でお地蔵様と彼岸花が出迎えてくれる。
雨にぬれそぼるこの景色もまた一興です。
このアングルは田圃の中の方に行って撮りました。
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とかく雨の日はテンションが下がり気味で持て余します。
「もう帰ろうかな・・・」
なんていう弱気の虫も出てきますね。
同時期、徳島の阿南でも大雨で、鶴林寺・太龍寺あたりでは
心が折れて帰りたがるお遍路さんたちがいるとfacebookに書かれていました。

靴も防水とは言え、最初から水浸しです。
靴下が濡れると靴擦れの原因となってしまうんだけどなあ。


歩くこと2時間、
0939に70番本山寺の五重の塔が見えてきました。
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この風景、奈良で見かける景色とよく似ているので好きなんです。
少し雨も小止みになってきたのでポンチョを脱いで
本堂から大師堂、納経所まで小走りで移動する。
今日は正座してのお勤めは無理です。
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ここから68番神恵院、69番観音寺まで「本山駅」から「観音寺駅」
まで移動する予定だった・・・んですが
タクシーの宣伝看板が目に入り、雨で気弱になっていたわしは
躊躇なく呼んでしまいました。

1016
観音寺・神恵院境内は、しっぽりと雨に濡れています。
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傘をかぶったままお勤めするのですが
うつむくと雫が盛大に手元に落ちてきて
線香や蝋燭、経本などが濡れてしまいます。
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わしが二箇所のお勤めを終えた頃、
民宿で一緒だった青年が濡れ鼠でやってきた。
テント泊のおじさんは、わしと同じく本山寺から廻るようでした。

歩いて「観音寺駅」に移動し、高松行きの普通列車に乗る。
「みの駅」で降りて、
去年お世話になった駅横の「みのタクシー」で71番弥谷寺まで行く。

1230頃に到着
門前の「俳句茶屋」は閉まっていました。
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シルバーウイークが忙しかったし、雨だし今日はお休みなんかな?
俳句をひねってきたんだけどなあ。残念
その頃になると雨もかなり小降りになり、青空さえ見えてきた。
これで雨も上がってくれたかな??

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大師堂の納経所では濡れた靴下も脱いで上がり、
きちんと座ってお勤めができました。
納経所ではわしの描いた絵を納めさせていただきました。

ここから山道を下り、次の曼荼羅寺へ向かう。
草ぼうぼうの山道は
長い、あの生き物の出現しそうな雰囲気で怖い。
杖でやたら草をかき回しながら急いで降りる。

「右73番出釈迦寺 左72番曼荼羅寺」
の標識があり、なぜか出釈迦寺のほうへ足を向けました。
別に深い意味はない。
雨がやんでいたから・・・かな?
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ここでは草履に履き替えてお勤めしたのですが
靴下も濡れていたし、引敷も濡れていたので気にする必要もないが、
唯一濡れていなかったお尻の部分が濡れてしまいました。

曼荼羅寺の裏手にあるうどん屋さん。
歩き遍路さんにのみ、うどんをお接待で食べさせてくれるところで
徳光さんのお遍路さんを見て、
一度入ってみたかったんですよ。
「こんにちは~・・・あの~、うどん食べさせてもらえますか?」
「お参りしてきました?」
「いえ、まだなんです」
「じゃ、先にしてき。その間に茹でておくから」
「は、はははい」

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曼荼羅寺の境内には無花果が1パック200円で売っていたので
今夜のおやつに買いました。

お勤めを終えてうどん屋さんにダッシュ!
しばらく世間話をしているうちにうどんが茹で上がりました。
ここは製造、卸専門のお店のようで
うどん食べさせるのはお接待のようです。
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お接待のお礼に自作の納め札と
札所の絵を貰ってもらいました。
とてもとても絵を喜んでもらい、ううう嬉しいなあ。
話好きのおかみさんと、しばらく楽しくお話をしましたがな。

食べ終わったらまた雨が降ってきました。
ここから74番甲山寺まで濡れながら歩く。
するとまた雨がやむ。
ポンチョを着たり脱いだり、忙しいなあ。
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75番善通寺まであと少し
このまま濡れずにたどり着くことができるか?
残念・・・雨が激しく降ってきました。
駐車場側から境内に入ったので、最初に大師堂に参拝する。
この時点で1645・・・
本堂まで行って帰ってくると時間ぎりぎりやなああああ
仕方がない。
心苦しいが先に納経所に行こう。

ご朱印を貰い、本堂の方面に歩いて行くと、
同宿だった青年がちょうど着いたところでした。
わしはタクシーでチョンボしたんですが、彼は歩いてきたんでしょうね。
わしに比べてかなり速足のようです。
わしが遅いだけなんでしょうが・・・・
本堂でお勤めを果たしたのは1655
ギリギリでした。

善通寺を後にして、今日のお宿は善通寺グランドホテル
頭から足の先までしっぽりと濡れていたので気持ちが悪い。
早く部屋に入って濡れた服を脱ぎたい。
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素泊まりなので
今夜の夕食はホテルの隣にあるスーパーマーケットで調達する。
温かい夕食が食べたいのですが
出来合いのお弁当で我慢するしかない。



9月25日(金)
0733「善通寺赤門前バス停」から琴参バスに乗って
0738「金倉寺立場バス停」で降りる。
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別に朝早く歩きはじめたら余裕で金倉寺まで行けるんですけどもね・・・

0751
76番金倉寺に着く。今日は雨降っていないが草履が濡れている。
せっかく乾いた靴下を履いてきたが、草履を履いたら濡れてしまいました。
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「お砂踏み道場」ここ入ってみたかったんです。
初めて入りました。
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各札所の御本尊のご真言を唱えながら巡っていくと・・・
金倉寺と長尾寺の御本尊を描いた掛け軸の紐が取れていて
斜めになっていました。
ああっ勿体ない。
お寺の人に教えに行きました。

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田圃の中の道を通り、
神社の彼岸花の群生を楽しみながら歩く。
ここの道、好きな道のひとつです。
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77番道隆寺の直前の家で、いつもお爺さんから
「おへんろさ~ん!」
とお接待の声がかかるのだが、今日に限って声がかからない。
杖に着けた鈴をひときわうるさく鳴らして、
ゆっくり歩くのだが声はかからない。
留守なんかなあ?

1日中家の前を通るお遍路さんを見張っているわけにはいかない。
まあいいや。
今回は手作りお地蔵様はあきらめよう。
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道隆寺から「多度津駅」まで1km歩いて高松行き列車に乗り、
丸亀市内を通り越して「宇多津駅」で降りる。
1km歩いて78番郷照寺に着く。
門前で三角寺への途中で一緒のバスに乗ったご婦人遍路が
出てくるのに出くわした。
「ありゃ、またお会いしましたね」
彼女は変則打ちをしているので、
わしとは同じ道程にはならないようです。
でも時々出会う。ご縁なんでしょうね。

郷照寺の納経所では美人の奥さんからご朱印を頂く。
いつもながら愛想のいい笑顔が綺麗です。
デレデレしながら描いてきた郷照寺の絵を納めさせていただく。
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また「宇多津駅」まで戻って高松行きに乗り、「八十場駅」に
行くのですが、駅でまた先程のご婦人遍路と一緒になった。
列車が来るまでベンチに座りお話をしました。
自分の母親くらいの歳なんですが
独りで元気でお遍路しているだけあって見かけ若いね。

このあたりの大きな駅の発車ベルは「瀬戸の花嫁」です。
わし以上の年代にはとても懐かしい曲なんですが
最近の世代にとってはどうなんでしょうかね?

「八十場駅」に着くと、79番高照院天皇寺にはすぐです。
連れだって歩いていると、数珠持ったおじさんが
「こっちが近道やよ」
と教えてくれました。
「わしはな、西国の大(先達)でな、この間表彰されたんや」
へえええええ、でも思いっきり普段着ですよ。
それに数珠はどう見ても浄土真宗のやつ・・・
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79番天皇寺にはダンタイさんがいました・・・
隅っこに座らせてもらい、お勤めを果たして納経所に行ったら・・・
テンジョウインさんが納経帳とお軸、判衣を山のように
積み上げていました。
待つのも修行です。
でもね、テンジョウインさんたちの立場になって考えてみたら、
彼らはいつも納経所で個人の遍路さんたちから鬱陶しがられて
肩身の狭い思いをしているんでしょうかね。


全てを終えてふと見まわしたら、
先程のダイセンダツのオジサンの姿がない。
納経所でも見なかったなあ。
我々よりも早く全てを終えて次に行ってしまったのでしょうかね?

「八十場駅」に戻り、やってきた列車に乗り「国分駅」で
降りて500m歩くと、80番国分寺に着く。
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この時点で1330
まだここで今日の予定を終わるには早い。

ご婦人は今日はこの先の「鬼無」駅まで行き、
「せと国民旅館(だったっけ?)」に泊まるそうです。
駅まで車で迎えに来てくれるそうです。

わしは83番一宮寺に行くことにする。
でも、歩くには時間がかかりすぎるし、
電車を乗り継ぐと
「国分駅」⇒「高松駅」徒歩「高松築港駅」⇒「琴電瓦町駅」乗換え「一宮駅」
という具合になり、往復する事を考えると不便です。
ですからタクシーを呼びました。
ちょっと高かったが、予定をこなすためには仕方がないかな。
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一宮寺で参拝を済ませ、
帰りは多少時間に余裕ができたので
琴電とJRを乗り継いで「国分駅」に戻ってきました。

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今日のお宿は国分寺門前の「えびす屋」
愛想のいい奥さんに出迎えられて一息つきました。
お洗濯はお接待でやってくれるそうで、
ありがたいですねえええええええ。

今日も汗を沢山かいて喉が渇いていたので
飲み物を買いに外に出かけたら、問題発生

門前の自販機も、近くの商店の自販機もお釣り不足で千円札を
受け付けてくれなかった!
店の人に言ったら、「ああ、そう。困ったなあ・・・」
と考え込み始めたので、買うのをあきらめましたがな。

えびすや旅館の玄関には、1本100円でお茶と水が置いてあった。
宿泊者の要望を受け入れて置いてくれているのだそうです。
ありがたいですねえええええええ。
早速お茶を買いました。支払いは宿代の清算のときだそうです。

今夜は関東からのオジサンと二人
夕食は何が美味しかったというと、まず新米
水加減と炊き加減が最高で
ご飯だけで何杯も食べられますよ。
それにハマチの煮付がおいしい。
おかずを全部食べてしまい、それでもご飯を食べたかったので
煮汁をごはんにかけて食べたらこれがびっくり。
鰻丼のタレに近いが、それよりも美味しかったなあ。
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おいしい食事とお洗濯のお礼に
手製の納め札と国分寺の絵を差し出したら
飛び上がって喜んでいただけました。
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曼荼羅寺裏のうどん屋さんのおかみさんといい、
こんなにわしの描いた絵を喜んでもらえると描いた甲斐があり、
とても励みになります。



9月26日(土)

この宿は、雲辺寺と同様に、山登りの麓の宿だというので
朝食は早めに出してくれます。
0550に準備ができていて、大飯3杯食べて
0600に出発することができました。

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若者がわしを追い越し、ズンズン先を歩いて行く。
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昨夜少し雨が降ったみたいなのですが、今朝は上がっています。
雲に霞む五色台は480m弱の山なので、さほど高くはない山ですが
後半の登りは急な丸太の階段で、激しく体力を消耗します。
それもそう長い時間ではなく、やがて頂上の県道に出ました。
曇り空ながらいい風が吹いてきます。

県道から自衛隊演習場沿いの遍路道に入ると
じめじめしたぬかるんだ道をしばらく歩く。
しかしながら緩やかな降り道なので、案外歩みは早く、
白峯寺へは早く着いたような気がします。


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81番白峯寺の門前には
新しいトイレができていました。
長い階段を登って本堂・大師堂の前で座ってお勤めをしていたら
ダンタイさんがやってきました。
何かよくない予感がする・・・
納経所ではその予感があたってしまいました。

天を衝くばかりの高さにうず高く積み上げられた納経帳
建築現場のパイプのごときお軸
ちりめん問屋の倉庫の如く重ねられた判衣

ここで待つのも修行です・・・・修行です!

艱難辛苦のうえに次の82番根香寺への山道をゆく。
ぬかるんだ緩い坂道は、行きと違って歩きにくい。
それに気温も上がってきました。
休日の五色台は、ハイカーもちらほらいます。
丁度いい規模の山なんでしょうね。

今日は国道沿いにあるお接待所はお休みのようです。
その先には食堂もあるのですが、昼食にはまだ早い。
自販機で飲み物だけ買って休憩します。
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最後の山道に入り、去年出来たばかりのロフトつき遍路小屋で、
またしても先日のご婦人遍路に出会いました。
よくよく彼女とは縁がありますねええええ。
「また会うかもしれないので、またねと言っておきます」
「はい、またね」

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82番根香寺では、
座ってのお勤めにも慣れてきて、さっさと空いている隅っこを見つけて
テキパキとすることができるようになりました。
やはり一番足に優しいのは板の間ですね。

ここから山を降りて「鬼無駅」に至ります。
5km、1時間半ってとこかな?
ところが降りる道を間違えたみたいです。

別格香西寺行きのほうの道で、お遍路もあまり通らないようで
草ぼうぼう、倒木に道を阻まれ、苦労して降りてきたら
「鬼無駅」から西に大きく離れてしまっている。
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ヘビの子供をからかって遊んだバチがあたったかな?

日が照ってきて暑い中を1時間歩いたが、
これからの予定が頭の中でグルグル廻り、香西の街中で
目の前に停まったタクシーを捕まえてしまいました。

この地点から、「高松築港駅」か「瓦町駅」のどちらが近いか?
運ちゃんによると「瓦町駅」に行った方が同じ距離で無駄がないそうです。
「ではそこにお願いします」
今回はタクシー利用率高いなあ。

琴電「瓦町駅」から志度線に乗り「琴電屋島駅」で降りる。
ここの駅前から屋島山上行きバスが出ていて、
わしがバス停に着いたら、ちょうどバスがやってきた。
なあああんて、運がいいんでしょう。

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屋島は観光地だけあって
84番屋島寺では、参拝者以外の人たちもたくさんいます。
仏前で柏手を打つ女の子たちもいます。
彼女らは納経所へ行き、いま流行の「御朱印」を貰っています。
「御影は、いりますか?」
「・・・?え?それなんですか?」

今日は乗り継ぎがうまくいき、時間がたくさん余りました。
では、スケッチブックを取り出して
お絵かきをしようかね。
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1時間ばかりお絵かきを堪能してから、下りのバスに乗る。
おっと、その前に実家のカーチャンにお酒を買って送ろうかね。
駐車場のお土産屋さんに讃岐の地酒の生酒があったので2本買いました。

今日のお宿は琴電屋島駅前の「広瀬旅館」
食堂兼旅館で、素泊まりのみです。
「あの~、ここで何か食べさせてもらえますかいのう?」
「いやあ、碌なもの無いから、買ってきて食べた方がええですよ」
「ではお店はどこに?」
「歩いて行く?30分くらい。自転車なら10分」
「自転車は持っていないんっすよ」
「貸します」
「貸して!」
結構遠いところにあるショッピングセンターに行き、
今日の夕食と明日の朝食・昼食を買い込んで来た。

でもね、どうしても食堂で瓶ビールを飲みたかったので
お風呂と洗濯を終えて、食堂に行き
「ビールと何か食べるのものを頂戴」
「ここに書いてあるものだけなんですよ」
「けっこうあるやんけ。ではチキンライスをば・・・」
ビールを喉に流し込むと、五臓六腑に沁み渡りますがな。
この食堂は、奥がすぐ母屋のようで生活感が店に溢れ出している。
家の男の子が店の内外を走り回り、
「おなかすいた~」
チキンライスが出来上がり、男の子が命じられて持ってきた。
自分の持ってきた食べ物を食い入るように見つめているので
ひと口あげたら、
厨房で御主人に怒られ、べそをかいていました。
ごめんね。


9月27日(日)
今日は最終日です。
午前中に85番八栗寺と86番志度寺を廻り、
「高速志度バスストップ」から帰ります。

「琴電屋島駅」から「八栗駅」で降りて、山に向かって歩いて行く。
五剣山が目印なので迷わないよ。
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85番八栗寺では、描いてきた絵を納めさせていただきました。

遍路標識に従い、裏からの下り道を通る。
この道、自動車道ですが緩やかな降り道で
木陰が気持ちのいい道で、好きな道のひとつです。

「塩屋駅」まで歩いて来て、ここから琴電に乗っていこうと切符を買ったら
うどんのいい香りがしてきたよ。
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目の前にセルフうどん店があった。
ふらふらと引き寄せられ、店内に入る。
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いやあああ、満足しました。
やっぱりうどんは讃岐やね。

「琴電志度駅」で降りて86番志度寺まではすぐです。

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あいかわらずここの境内は緑の木々に覆われていて
林の中に入り込んだような気がします。
草履はすっかり乾燥しているので
ここの境内ではずっと履き替えてお勤めしました。
大師堂の横では、老人会がお接待所を賑やかにやっていて、
さかんに呼び込む声が聞こえてくる。
わしもお接待を受けたら、
納経所に納める予定の札所の絵を差し上げようかな?
と思い、手に持って用意していました。

しかし
自分たちのお喋りと、車遍路の人たちとのお喋りに夢中で
結局わしには声はかかりませんでした。
声がかからないのも、縁です。

渡そうと思って持っていた札所の絵も
納経所に納めてきました。

バスの時間までがかなりあるので
本堂前のベンチに座ってスケッチをすることにしました。
描いているとお接待の人たちがわしに気づき、
入れ代わり立ち代わり誘いに来ました。
でもね、一度無視されたので、ほいほいついて行くのもなあ・・・
最後まで丁重にお断りしました。
それで神経使ってしまいました。
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このへんが今のわしの性格の限界みたいです。
いきさつはともかく、
人の行為は素直に受け取る度量の広さが必要だなあと考えました。

「高速志度バスストップ」まで歩いて1.5km
最終日はからりと晴れあがり、
夏日とも思われるほどの気温でした。
かんかんと日差しが照りつける高速バス停で、
日影を探してあちこちうろつきました。


帰りのバス内では、6日間の疲れが溜まっていたのか
爆睡してしまい、気づいたらバスは神戸を走っていました。



今回の旅は、
会うのを楽しみにしていた人達と会うことができませんでした。
でも、会うことを期待するのはこちらの勝手な思い込みで、
相手にとっては知ったことではない。

人との出会いは楽しみなんですが、
過度の期待を持ちすぎるとかえって逆の感情を持ってしまう。
邂逅(かいこう)と考えた方がいいんでしょうね。


次回は10月の連休
順番が激しく前後するのですが
浄瑠璃寺から始めて伊予西条の前神寺まで。
松山にお住いの
坂本屋の「門前の小僧」さんと突撃遍路を敢行したいと考えております。


そのあといよいよ4巡目の結願
11月初頭の連休で行きたいと思います。

歩き遍路3巡目 43番明石寺~45番岩屋寺

歩き遍路3巡目 43番明石寺~45番岩屋寺


お大師様の御縁により、先日
真言宗の阿闍梨様にお目にかかる機会を得ました。
苦行を詰まれ、とても力の強いお方で、
お話をさせていただいているうちに
自分の足りないところ、間違っているところ、伸ばすところなどについて
多くの御教示を賜りました。
これからの自分の成すべきことの片鱗が垣間見えたような気がします。
自分の得意分野である絵を描くことを通して
益々精進を重ねます。


今回は、久万高原への旅です。
その中で、有難い納め札を頂戴する機会を得ました。
大宝寺門前で頂いた巡拝200回を越す方の錦札
先の阿闍梨様から頂いた、他に例を見ないような有難いお札
岩屋寺で出会った方から頂いた金札、赤札
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現代は車であっという間に50回、100回と巡拝を重ねる事ができ、
従って錦のお札には中務茂兵衛さんのように歩いて廻られた人のような
功徳はないのではなかろうか?
そう考えてきました。
でも、阿闍梨様によると、
錦札を貰った人の幸せを考えなさい。
車で廻って得た錦札であっても、貰った人は幸せなのだから功徳はある。
と言われ、それもありかな、と思うようになりました。

でも、自分の威を示すために錦札を得ようとして、
車で散々廻って回数を稼いでいるような人の心根は
お大師様はちゃあああんと見ておられると思います。

車は便利です。
楽して廻れます。
歩きでも車でも本人の心がけ次第とは思いますが、
先達になるための資格を得るためには、
錦札を得るためには、
やっぱり歩いて廻りましょうよ。
そう思います。

その意味で、今わしがやっている「コラボ遍路」は
どこまで遍路の心に沿っているんでしょう。
これも悩みです。



8月15日(土)
今日は終戦記念日です。そしてお盆の中日です。
こんな日にお遍路をしているわしは、どうなんかな?
そう思うのですが、祈りはどこにいてもできる。
その気持ちが大切なのではないかと考えます。

難波OCATを高速バスは0720に出発します。
お盆で高速は渋滞している・・・と
思いきや、意外と空いています。移動日ではなかったんですね。

バスはスイスイと鳴門を渡り、四国の道をこれまたスイスイと走り
定刻よりも少し早く1230に「松山駅前バス停」に着きました。

JR「松山駅」から「卯之町駅」まで
1324発の特急宇和海15号に乗って卯之町まで行きます。
車内も空いています。
お盆の移動は、案外正解だったかな??
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1427「卯之町駅」着
そこから43番明石寺までは約3km
わしの足では1時間くらいか?
古い街並みを歩くと、山に入る。
あれ?どの道だったかなあ?卯之町駅から明石寺を目指すと
逆打ちの経路になるから分かりにくい。

まあ、こっちでいいやろうと登った山道には
「新四国」の標識と石仏群が並んでいる。
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「よし、この道でいいやろう」
山道をくねくね登る。
(あれ?この道は通ったことないなあ・・・)
迷いが生じたが、道に立っている新四国のお大師様や御本尊様の石仏を
信じてひたすら登る・・・登る。
次第に道に生えている雑草が増えてきて・・・
道がなくなった。
あう~
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でも新四国の石仏は立っている。
そこに道はあるはずである。
元気出して歩こう!



思っても、草むらに潜む生き物
目に見えない物におびえながら杖で闇雲に草むらをつつきながら進むこと
数十分
やっと整備された、見慣れた山道に出た。
おお、ここぞ間違うかたなき明石寺への山道である!
結構時間をロスしたような気がするが、気にしない。


1530
第43番札所 明石寺着
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さてここで、引敷に使っている菅笠入れを座布団にする。
膝にあたる部分に畳んだ手ぬぐいを入れて・・・
縁側の段差を利用して、低くなっているところに靴を履いたまま座る。
おお、こおりゃ、按配ええわい。
あくまで正座しているから足は痛いが、足首は楽です。
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お盆の真っ最中なので参拝者は、わし一人
誰に気兼ねすることなく縁側を使ってお勤めできました。

松山に行く帰りの便は1622発特急宇和海20号
ギリギリかな?と思ったが
思いのほか足がスイスイ進んで
かなり早く駅に着きました。
天狗様が助けてくれたかな??

1726
「松山駅」着
今日のお宿は駅前の「松山スカイホテル」
ここにはランドリーの設備はなく、
少し離れたところのランドリーを紹介された。
お遍路さんやビジネスマン達にとって、
ホテル内にランドリーがあると便利なんですけどもね・・・・
洗濯は風呂場ですることにして、
まだ明るいので、ちょこっと路面電車に乗って道後温泉に行ってみる。
今日はお盆の土曜日
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道後温泉本館界隈は、すごい人出でした。
おそらく温泉も芋の子を洗うような混雑だろうなあ・・・
温泉に入るのをやめにしてに
土産物屋で「雪雀」の濁り酒を買って家内に送りました。


8月16日(日)
今日は朝早くからバスに乗って久万高原にいきます。
0630「松山駅前バス停」から久万高原行きに乗る。
途中、お遍路さんらしき人が二人乗り込んできた。

0740「久万中学校前バス停」に着いて、
そこから約1km歩いて大宝寺に行く。
待合室のトイレを使っていると、先ほどのバスで一緒だった人も来た。
山歩きのスタイルですね。
「今日は、どこまで行くの?」
「は、はあ。岩屋寺まで。バスの便がいいので大宝寺からバスで行きます」
それはいかん!山を歩かねば!」
(え?)
「私、四周目なんで最近はバス電車歩きのコラボなんですよ・・・
失礼ですが何周も廻っておられるんですか?」
「松山に住んでいて、市内は歩いて廻っている」
「ずいぶん前から歩いておられるのですか」
「い、いや・・・むにゃむにゃ」
山道を初めて歩きに来た人の自慢らしいので、
それ以上突っ込むのをやめました。

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御久万大師堂に朝のご挨拶をして・・・

0800
第44番札所 大宝寺着

山門にいたる道の森閑とした雰囲気が好きです。
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ここでも座るときに、縁側の段差を利用して正座する。
しかし大師堂では段差がないので
靴を脱いで板の間に座りました。

帰りに、門前のお土産やさん「すごうさん」に寄る。
ここ、朝早すぎたり夕方遅くに通りかかり
お店に入ったことはないのです。
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念願の店内をあれこれ物色して、名物「やいと饅頭」を買いました。
なぜにやいとか?
蓬の葉を皮に練りこんであるからです。
すると
お店のお母さんから、
「先達さんですか?」
「い、いえ違います」
「お坊さんですか?」
「い、いえ只の優婆塞です」
「ええ?お寺の方かと思いましたよ」
へえええええええ、自分ではそんな気持ちは微塵もなかったっす。
雰囲気でそう見えたそうです。

巡礼者が多く訪れる門前の店の方にそういわれて
自分自身の修行が進んできたのかなあ?とも
思いますが、ここで得意になるような狭量な心根はない。
むしろ、阿闍梨様から示された教えを守り
優婆塞としての修行を更に進めなくてはならない。
なにしろ、まだとっかかりにたどり着いたに過ぎないから。

おかあさんから有難い錦の納め札を分けていただきました。
200回以上のベテラン遍路さんがいつもこの店に寄るので
錦札がたくさんあるそうです。
阿闍梨様から錦札についての教えを賜っていた後なので、
有難く頂戴しました。


ついでに関節の痛みによく効く「ゆずっ粉」を買いました。
ゆずの種を炒って粉にした薬だそうで、かなり苦い。
良薬、口に苦し!
膝の痛みにも効くかな?


バス営業所まで戻って
さて、次の岩屋寺行きの便は・・・
0930に出るとあるが、
「あの~、次の便は岩屋寺に行きますか?」
「行かないよ。次は1100だよ」

「それはいかん!」

ここで2時間待つか、途中まで歩くか
悩むまでもない。
歩いていこう。

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久万高原は下界よりも2℃くらい気温が低いのではなかろうか。
それに爽やかな風も吹いてくる。
高原の道を楽しんで歩く。気持ちいいなあ~。
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おお、高野口かああああああ。
ありがたい地名です。
気分よく歩いて行く・・・・
と、

道の端に何かいる!
「キャ~ッ!」
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動かない。
死んでいる。
つくづく心臓に悪いなあ。

更に歩く。
「ふるさと旅行村バス停」に来た時点で1100
ここでバスが来るのを待つか。
ちょうど半分くらいの地点です。
やいと饅頭を食べながら待つ。

やがて来たバスには、
朝一緒だったお遍路さんが乗っていた。
彼は2時間バス停で待っていたんですね。
「それはいかん!」のおじさんは山道を歩いているんでしょうか。

1124「岩屋寺口バス停」に到着
ここから参道を皆歩く。
高度が上がるに従い、更に涼しくなるよ。


1140
第45番札所 岩屋寺着
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山門は、山道を降りてきた所にあるため、一旦門の外に出てから
再び入りなおす。
こだわるなあ、おい。

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ここって大師堂の方が本堂よりも立派ですよね。
わかっているはずなのに
大師堂の方で間違えてお不動様の真言を唱えてしまいました。

本堂の横にある法華仙人堂跡への梯子・・・
過去来た時には、膝が痛かったり
せり割り禅定のところで体力を使い果たしていたり
濡れていたり・・・・
結局登りませんでした。
色々言い訳したけども、高いところ怖いんですよ。

でも今回は言い訳なし。
荷物と杖・菅笠をベンチにおいて、登ろうかね。
ああっ
でも怖いなあ。
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梯子の段が握るには太すぎる。
それにガタガタいっているよ。
下を見ないように、見ないようにしているがチラ見してしまう。
ああっ怖い
早くてっぺんに着かないかなあ。
でも降りる時どうしよう・・・
次から次へと雑念が湧いてくる。
やっとてっぺんまで着いて欄干を握ったら
ギシギシいう。

やっと登って撮った写真が、これ。
高いところ怖い、という気持ちが写真に現れてしまいました。
he3-5b-10.jpg

降りるときには更にへっぴり腰で。

ドッと疲れたなああああああ。
こう書くと、「わしは全然怖くなかったよ!」と
得意げに言う人がいるが、それは言わせておこう。

だれでも人よりも優位に立ちたいものです。
でも自分の弱さをさらけ出せる人になりたい。

納経を終えて休憩所で休んでいると
汗をかきながら参道を登ってきたご婦人と挨拶を交わした。
「こんにちは。歩きですか?」
「いえ、バス・電車・歩きの区切りです。どちらから?」
「そうですか。松山からです」
「今日は松山からの人によく出会いますが、何かあるんでしょうかね?」
「今日はお盆の送りの日なんですよ。だからここに来たのです」
「なるほどおおおおおお」

帰りのバスは1310に「岩屋寺口バス停」発なので
バス停に座り込んで本を読んで待っていたら
目の前にお大師様の車が停まった。
「下まで行くの?乗って行かない?」
「いいんですか?お願いします!」
70がらみの大柄なおじさんで、車の中にお遍路道具一式が積まれている。
松山の人で、久万高原に墓参りに来たそうです。
お遍路さんを見かけると車の接待をしていると言っていました。

この人の赤札と、親類の人の金札を頂きました。

松山市駅まで送ってくれました。
これにより大幅に時間が出来ましたがな。
この勢いで浄瑠璃寺まで・・・・と思ったのですが
次回は松山市内の善根宿のご主人と松山市内巡礼をしなくてはいかん。
楽しみはとっておこう。

he3-5b-11.jpg
坊ちゃん列車を横目で見ながら
本日のお宿、「ホテルサンルート松山」に行く。
やはりランドリーが整備されていないお宿です。
あああ、こんなんだったら民宿を予約すればよかったなあ。
駅前の便利さに目がくらんで、かえって不便な思いをしてしまう。

ランドリーは500mくらい歩いたところにあり
「キスケの湯」の正面です。
こりゃいいや。温泉に入っていこうかね。
道後温泉は多分混んでいるでしょうから、ここで十分です。

翌17日(月)は、0620発のバスで帰りました。
すでにお盆のUターンラッシュは過ぎており
すこぶる快調にバスは走り、予定よりも早く大阪に帰りつくことが出来ました。

今回の旅もいい出会いにめぐり合えて
貴重な納め札も頂くことができ、
充実した旅でした。

次回は9月のシルバーウイークに6日間の長期休暇を取ることができたので
一気に廻りたいと考えております。
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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