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区切り歩き遍路2周目 第11回 85番八栗寺~88番大窪寺

区切り歩き遍路2周目
第11回 85番八栗寺~88番大窪寺

4月24日(金)
いよいよ結願を明日に迎え、なんだかワクワクしてきたよ。

1850なんば発~2145高松駅前着
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駅前のホテルに着く。
明日は早いので備え付けの目覚まし時計をセットしようと思ったが、
セットがややこしそうだ。
説明書もないし、フロントに持って行ってセットしてもらった。

「エアコンが故障しています」
と貼り紙がしてある。
窓を開けて寝たら、夜中に暴走族の音で目を覚まし、
更に明け方には猫のさかりのついた声で目が覚める。


27年4月25日(土)
寝不足のような気がするが、目は冴えています。
0510
さあ、勇んで出発です。
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琴電「高松築港駅」からは、0600が始発
まだ時間がたっぷりある。ちょっとその辺を散歩しようかね。
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すぐ正面には石垣がある。高松城のようです。
このお城は海に面して築かれているのですね。

「高松築港駅」~「瓦町駅」~「八栗駅」
さて八栗駅前からは五剣山までどういけばいいのかな?
幸い、山が見えるのでそっちに向かって歩けばいいか・・・
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「八栗寺へいくの?」
お散歩中のおばあさんが声をかけてきた。
「はははい」
「そっちじゃないよ。近道を教えてあげるからついてきんさい」
「え?いいんですか。ありがとうございます」
朝早くからお大師様に会ってしまいました。
今回は手作りの納め札をたくさん印刷して持ってきたので、お礼に貰ってもらう。

0650
八栗山ロープウエイ駅着
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日祝日は0700始発だそうです。今日は土曜日・・・始発は0730ですがな。
40分待つよりも、このまま歩いて登っていきましょう。
なんたって今日は3週目最後の旅やしね!
朝の山道の気持ちのいいこと!
空気は澄んでいて涼しいし、ホケキョと鳥が迎えてくれる。
それに一度歩いて登っているので遠しとは思わない。
ジャネーの法則、おそるべし。

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この道標の袖のなびき具合、雅だと思いません?
芸術ですねえええええええ。

0720
出迎え大師さまが迎えてくださいました。
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「よう来たのう」
「は、はははい。おはようございます」

第85番札所 八栗寺着
まだ朝早い境内には、わしひとり。
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とっておきの伽羅香で御本尊様をおもてなしする。
いいかおり・・・・法楽です。
この香りこの場所を独り占めって、贅沢ですねえええええ。

さて降りはケーブルカーに乗るか?
そんなわけないっしょ~。もう歩いて降りることで頭がいっぱいですがな。
裏門から続くゆるやかな道で、歩みも早くなります。

「塩屋駅」までたどり着いたら、ちょうど電車が来た!
なんと間のいいことよ。
南無大師遍照金剛

この頃、列車とかバスの時間に拘泥しなくなりました。
間に合う時は間に合うし、間に合わないときは、
どうやったって間に合わないからです。
もっと心にゆとりを持つことが必要だと遍路道が教えてくれました。

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「琴電志度」終点です。
ここから志度寺まで約400m歩いていきます。
まだ朝早いけれども、暑くなってきました。
でもいいお天気なのでありがたいですね。

0852
第86番札所 志度寺着
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源内さんの墓もあるよ。
ここのお寺の境内は草木が多く、したがって新緑も綺麗です。
なにやら騒々しい持鈴の音が近づいてきた。
もう少し境内をゆっくり散策してみたかったが、
とっとと納経所に行って御朱印を貰う。

ここから長尾寺まで7km歩いていくと、時間を食い、
今日中の結願が危うい。
よし、御馳走してもらおうかね。

「もし、乗せてもらえんかのう?」
「いいですよ」

新居浜から一人で来られている65歳の男性で、
奥様は「今回は行かない!」というので一人で来て結願するそうです。
銀行の警備関係の方で、今のわしの職場と関係が近いので話が弾み、
弾みすぎて道をひとつ間違えてしまいました。
でも車なのであっという間に後れを取り戻す。

0950
第87番札所 長尾寺着
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順調にお勤め、納経が済んで
納経所隣の休息所で「甘納豆おはぎ」を買ってベンチで食べる。
まだ温かくっておいしいね。
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あんこのかわりに甘納豆を混ぜ込んである。
食べ終わり、さてこのゴミをどうするか?
買ったお店で引き取ってもらおうと、店内に入ったら

「この納経帳、忘れませんでした?」
「ああっ!そ、そうです!わしのです」

おはぎを買った時に手に持っていた納経帳をお店に忘れてきていたのでした。
それに、そのことに気付かなかった。
もし、ゴミを引き取ってもらいに店内に入らなかったら・・・ゾッとしました。
「ああ、これはお大師様が教えてくださったんやねえ」
「そうやねえ」
ああっ南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛
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ここからは意地でも歩いて行く。
女体山越えでいこう!

ちょっと気になることがある。
それは、87番から88番へのへんろシールが剥がされていること。
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長尾の街中が特にひどい。
いったい誰がこんなことをするのでしょうか。

天網恢恢疎にして漏らさず。
これ剥がした人、きっと誰か見ているよ。

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あやしい石像群が安置(?)されているお堂も健在です。
地元の芸術家さんが造っているんでしょうねえええええええ。
こういうキッチュな芸術好きです。なかなか楽しい。

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筍の季節なんですね。
毎回思うのですが、掘りたくて掘りたくて仕方がない。
前回は三角寺~雲辺寺~観音寺の道中で筍達がわしの心を散々乱してくれました。
筍ごはん、筑前煮、テンプラ、若竹煮・・・


1141
おへんろ交流サロンで休息
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お茶を頂きながら昼食を摂らせてもらう。

さてこれから女体山へ向かおうかね。
新緑に包まれた山道を歩む。
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幸いまだ今日は、あの爬虫類には出会っていない。
そのかわり、手足の生えたやつがガサガサッとうごめいてそのたびに
ハリーコールが発動しそうになりました。

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ジャネーの法則の通り、一度通った道は気分的に楽です。
今回もラジオがお供なんですが、聴いている番組は俳句・・・
ほんわかした内容なんで気が楽になる。

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でもやっぱり最後のへんろ転がしはキツいね。
汗が吹き出し、足がヨレてくる。
もう少し体重を減らさなきゃならんなあ。

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路端の木に吊るされたメッセージが元気をくれますよ。
「結願」の文字に元気付けられ艱難辛苦の上、頂上に着く。
おお、眺望絶佳
風も気持ちがいい。今の時期の山登りって最高やね。
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スマホを見たら電波が三人立っていたのであちこちにメールを送る。
facebookにも。
投稿に書き込み、いいね!してくれた皆さん、ありがとうございました。
とても励みになりました。

登ったら今度は降らなくてはいけない。
急な階段を降りるのは膝によくないなあ。
これが雨の日だったら滑ってもっと危なかったでしょうね。

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奥ノ院に立ち寄る際、倒木の下をくぐったら「バキ」という音がして
黄色い旗が折れた・・・・
こここれは何か意味があるのだろうか?
3週目の結願を前にして、次の旗を買え、ということか
それともヒッチハイクはやめよ、というお大師様のお告げなんでしょうか???
これについての諸氏の意見を求む。

かすかに線香の香りが下界から漂ってきました。
ゴールまでもうすぐです。

1550
第88番札所 大窪寺着
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歩き遍路2周目、通算3周目終了です。
ここでも、結願したぞ~!という感慨は湧いてこない。
なぜか?
なぜなんでしょうね。

自分にとっては、まだ通過点なのかもしれません。
納経所では、結願証書を求める人で長い列が出来ている。
わしも書いてもらったことがあるので、このくらいの長さは待とう。

門前の巡拝洋品店「飛猿閣」に立ち寄る。
ここで御影を額装してもらったのです。
自分の両親にあげたので、今度は自分の分が欲しいなあ・・・と思うのです。
お店のお婆さんとしばらく喋る。
わしの描いた札所の絵を貰ってもらえました。


しばらく門前の店をひやかし、八十場庵で、生醤油うどんを食べる。
夕食前なんですが、ここでうどんを食べたかったんっす。
すごいコシがあってうまかった。
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ここの親父さんは、○ん○く卵黄のCMでよく出ている。

本日のお宿、「八十窪」に落ち着く。
食事の前にお風呂に入り、洗濯をして落ち着く。まだ夕食には1時間ある。
貰ったお酒を手に取り、ちょっと呑んでみよう。

ぐびぐび・・・

日本酒って、こんなに美味しかったっけ?
体中の細胞にプチプチと染み込んでいくような感じがして、気持ちいいなああああ。
きっと汗をかいて山登りして消耗している身体が欲しているのでしょうね。
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カップ一杯の酒で、すっかり出来上がってしまいました。

1800夕食の声がかかる。
いい気分で食堂に下り、八十窪名物のお赤飯をいただく。
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今日の同宿はカナダからの男性、お刀自様1人、オジサン3人、それにわしの6人です。
カナダの男性のお相手を皆ブロークンな英語で対応している。
彼は英語で詳しく書かれた八十八か所巡りガイドブックを持っていました。

食前に飲んだお酒とお赤飯、それにお遍路同士の語らいに酔ったわしは
ヨロヨロと部屋まで戻り、そのまま1930に寝込んでしまいました。


4月26日(日)
朝早く起きてしまったので、
ちょっくら大窪寺境内に散歩に行く。
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大師堂の藤棚は見事で、花も今盛りです。
クマバチの羽音がぶんぶんとしている下でベンチに座り
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藤の香りをしばし楽しむ。
朝食は0600から。
早立ちのお遍路さんにはありがたい時間ですね。
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食後は
オジサン2人・お刀自様・カナダ人はお宿の人がJR志度駅まで送迎し、
オジサン1人は歩いて1番まで打戻り、
わしはコミュニテイバスで高速志度バスターミナルまで行く・・・

バスは大窪寺1000発なので、時間はたっぷりある。
しばらく境内でスケッチを楽しむ。
お香の香り、鶯の鳴き声、お遍路さんの持鈴の音が聞こえてくる。
ゆったりした時間を楽しむことができました。

朝も早くから八十場庵が開店していて、うどんを食べたくなり
「すいません、うどん食べられますか?」
「できますよ」
「おおっ では打ち込みうどんをば・・・」
「打ち込み一丁!」
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前は、道路向かい側の店で食べたのですが、味が違う。
こちらは、豚汁にうどんを入れたような感じです。
個人的にはこちらの方が好きです。

1000バスに乗り込む。
運転手さんが乗り込んできたお遍路さんたちに、
それぞれどこで降ろしてもらいたのか聞いてくれる。
さすがコミュニテイバスやね。
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わしの後ろに座っていたお刀自様の二人、親子だそうですが
8年間かけて二人で廻ってきたそうです。
仙台の人で、途中震災のため中断したそうです。

このあと、一番へ戻り、そこから高野山に行くそうなんですが
高野山の宿坊が今、満杯なのを知らなかったらしく、
南海沿線に住むわしとしては
大阪市内に宿を取り、南海高野線での日帰り参拝をお勧めしておきました。

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バスは高速志度バス停入り口で停車してくれました。
ありがとう!

1132
ちょっと遅れて1145バスが来て
今回の旅は終了しました。

次は4周目が待っています。
今度はどうやって廻ろうかな?通夜堂、野宿・・・スケッチブック持って
思いは膨らみます。

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区切り歩き遍路2周目 第10回 71番弥谷寺~84番屋島寺 別格18番海岸寺、19番香西寺

区切り歩き遍路2周目
第10回 71番弥谷寺~84番屋島寺 別格18番海岸寺、19番香西寺

今回の予定は4月18日(土)、19日(日)の予定だったんですが
急遽17日に休みが入ったんで躊躇なくお遍路予定を一日繰り上げました。
でも既に宿の予約を入れてあるので、先に行った分、宿まで戻ります。

4月17日(金)
大阪なんば0835発の観音寺行きのバスに乗る。
朝のバスに乗るのは久しぶりやねえ。
車窓の景色を堪能させていただこうか、と思ったら眠気が襲ってきました。
目が覚めたら淡路島を過ぎる頃。

ここでふと思ったんですが、観音寺まで行くよりも、
その手前の三豊で降りた方が、最初の目的地の弥谷寺まで近いんでないの?
スマホの地図とにらめっこする。
で、三豊市役所前で降りる。1230頃かな?
昼食のビジネスマンたちが道を行きかう。

ここからどうやって行こうか?歩くか?
いや、せっかくだから効率的に廻りたい。
おへんろ地図に載っている「さくらタクシー」を呼んだらすぐに来てくれました。
「弥谷寺まで!」「あいよっ」
遠いかなと思ったら、割と早く着いた。

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第71番札所 弥谷寺着
新緑が美しい季節です。
特に札所は紅葉が植わってるところが多いので
緑がひときわ美しい。
渡る風も爽やかで、鶯の声も聞こえてくる。
空は霞ががっている。
ああ、春の札所は最高やなああああ。

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弥谷寺といえば、「俳句茶屋」
おじさんがテンポよく参拝者たちをあしらっています。
わしも昼食代わりの草餅をいただきながら部屋に上がりこんで一句ひねる。
「霞たつ讃岐の空にわれ一人」
台湾人の女性もいて、日本語で句を書いていました。

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本堂までの登り道では数多い仏様が出迎えてくれます。
「よう来たのう」
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煩悩多きわしには108段の階段は身に沁みます。
山頂から望む讃岐平野の絶景をしばし楽しむ。

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さてここから、別格18番海岸寺まで峠越えて山道を行く。
山道です。
今日は暖かい。
かねてより心配な、「あの生き物(爬虫類)」の出現が予測される。
びくびくしていると、かすかな物音にもびくっとする。
ああ、お大師さま、たすけて~っ
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遍路路を保存されている方の善意の鎌と剪定鋏がある。
おお、これがあのうわさのお方のか・・・
わしも協力しようかと思ったが、生憎草は伸びていない。
また今度、と思い歩きはじめたら

どしっ のコピー
本命が出た!
知らぬ存ぜぬふりをして歩き続ける。
「ドキッ」としたときの心電図波形は正常なのか、期外収縮の波形なのか
誰か知りません?実験しようと思っていたが、果たせず。

ところどころ崩れかけた山道を降りると
里に出てきた。
しばらく歩くと小高い山の上に多宝塔が見えてきた。
九輪がないと変わった雰囲気ですね。

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おおっここが別格第18番札所 海岸寺だ!
勇んで境内に入ると、大師堂だけある。
「???」
盥堂がある。なるほど、お大師様生誕の地の縁起ですね。
納経所で御朱印を頂きました。

さて門を出て道路の向かい側を見ると・・・
あれ?
ここが海岸寺?
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しまったああああ、いまの所は奥の院かああああ。
まったく、つくづく不勉強なわしです。
ごめんなさい。

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気を取り直して遍路道を歩むと、「仏母院」が見えてきました。
お大師様の母、玉依御前(たまよりごぜん)の屋敷跡と言われるそうです。
ここは番外とか別格の扱いをうけていないんでしょうか?
四国曼荼羅霊場の第十七番札所になっているそうです。

ここからひたすら曼荼羅寺めざして南下する。
天気もよくて気温も上昇していく。汗が流れて喉も乾く。
納経所の閉まる1700までに到着せにゃ・・・気ばかり焦るが、どうしようもない。
国道を越えたあたりで近道をしようと、遍路標識以外の道を歩いていたら
訳が分からんようになっちまった。
下校途中の小学生の子が挨拶してくれたので
「もし、お嬢ちゃん、お寺へはどういったらいいのかのう?」
「お寺って?しらない」
「曼荼羅寺なんやけど・・・」
「まんだらでらね。そこをまがったらいいよ」
「すすすまんのう」

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第72番札所 曼荼羅寺着
ここで、すまんこってす。最初に納経所に駆け込みました。
そしてもうひとつすまんことに、出釈迦寺に行きました。時間が足らんのです。

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第73番札所 出釈迦寺着
こんな時間でも結構車遍路さんが来るよ。
納経に間に合い、順序は逆ですが本堂・大師堂でお勤めさせてもらう。
お灯明と香炉の火を落とし始めているので、塗香を使わせてもらう。
買っておいてよかった!
本堂裏の遥拝所からは我拝師山の奥之院が見える。
ああ、今回も訪れることができなかったなあ・・・。

トボトボと曼荼羅寺に戻り、すっ飛ばしていた本堂・大師堂でお勤めする。
ここではお灯明と線香をあげることができました。
昔から持っていた伽羅香がまだ残っていたので持ってきました。
火をともすと、あたりに伽羅のいい香りが漂い、法楽というんでしょうか。
今買うと相当に高いんですが、高い物はやはりそれだけあるなあ。

今日のお宿は観音寺駅前です。
一日分の予定が前倒しになったので、その分戻らなくてはならんのです。
どうしようか?
迷う間もなくタクシーを呼ぶ。
「観音寺までJRで行きたいんですが、一番近い駅まで・・・」
「あいよっ」

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「みの駅」に到着
発車時間までしばらくあったので、駅周辺を探索すると・・・
すぐそばに「さくらタクシー」があった。
わしの頭はめまぐるしく回転し始め、明日の予定表が組みあがりました。
五色台悩む
早朝7時前にこの駅まで来て、タクシーで出釈迦寺奥之院麓まで行き、
それから山登りだっ!
そうと決めたらタクシー屋さんに連絡を入れて明日の朝の予約を入れました。

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今夜のお宿は観音寺駅前のこのお宿
ビジネス旅館で素泊まり4500円
本日の夜11時ころに到着しますとあらかじめ伝えておいたんです。
でも少しだけ早くついてしまいました。
店のオヤジさんが少し慌てる。
「い、いや・・夜中に来ると聞いていたんで、前のお客の荷物がまだそのままあるんや」
(ええっ!だってだって今日の話なんやよ)
別の部屋を案内してくれました。
洗濯機は屋上、1回百円、洗剤はあると聞いていたんですが、ない。
持参の洗剤を使い、その間お風呂に入り、部屋に戻って鍵を開けようと思いきや、
鍵穴に入らない。
よく見たら別の部屋の鍵を渡されたようです。
あ~あ、フロント(らしきもの)に行き、オヤジさんを呼ぶこと数合、
奥からノソノソ出てきました。
「この部屋の鍵、違うよ」
「ああ、〇☆ДЮЙ・・・」

コンビニで食べ物買ってきてとっとと食べて寝ました・・・・

4月18日(土)
早寝したおかげで4時起き
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「観音寺駅0601」~「みの駅0616」の列車に乗る。
計画より早いが、みの駅でしばらく朝の空気を楽しむとしよう。
予讃線の各駅、発車アナウンスは、どこも「瀬戸の花嫁」ですねえええ。
この曲に郷愁を感じるのはわしの年代以上かしらん。
なにしろ小学6年の時に流行したもんねえ。

みの駅について、駅の周りをぶらぶらしていたら、さくらタクシーの方角から
声がかかった。
「もう着かれましたん?いま呼びますよ!」
「い、いえいえ。いいんですよ。早く来てしまったんですよ」
「5分くらいしたらすぐ来ます」
「すすすすすみません」

0634
我拝師山のふもとに到着!
今日もお天気がいいなあ。それに早朝の空気は澄んでいる。
絶好の参拝日和です。
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勾配が急なのは見てわかる。覚悟の上で登るが、やはりきついなあ。
参道は整備されていて石灯籠や石塔が立ち並んでいる。
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おお、西行法師腰掛石もあるよ。帰りに腰かけてみよう。

捨身ヶ岳

登ること約30分、山頂の奥ノ院に到着しました。
門のところから持鈴の音が聞こえてくる。
もうお寺の方が掃除をされているのか?と思ったら先達さんの輪袈裟をされている。
「おはようございます」
「おはようございます。どちらから?」
「は、はい。堺からです」
しばらくお話を聞かせてもらった。
奥ノ院の檀家総代をされている方で、頂いた納め札は金色
でも裏に108回以上巡拝と書かれている。
「100回以上は錦札と聞いていますが・・・」
「錦よりも金の方がいいと思わない?」
「は、はあ。金、錦ともに見たことがないので比べようがないんです・・・」
この方は、毎朝ここに参拝されておられるそうです。
すごいね~。
その中で、数々の奇瑞に会われたそうです。
その様子を参道途中の石碑で示しているのですが、
迂闊にもその碑文を読んでいなかった。
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自分の迂闊さを恥じつつも、
わしも富士山で出会った観音様の顕現についての話も聞いてもらえました。
やはり朝イチでここに来てよかった。
この方の輪袈裟には「権中先達」のワッペンがあった。
巡拝百回を超えているが、
安易な昇任をよしとしない人格の高潔さを垣間見たような気がする。
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我拝師山での余韻に浸りながら、次の札所に向かう。
旅のお供、携帯ラジオを聴きつつ歩いていると、NHKの短編小説の朗読の時間になった。
この番組すきなんですよねえええ。
今日は人気だったプログラムのアンコールで、「いっぺんさん」です。
作家の力量のため、つい聞き入ってしまう。
一番の山場で次の札所に着いてしまった。

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0831
第74番札所 甲山寺着
うう~ん、どうしようか。ラジオを聞くのを中断するか?
そんなのできない。今が一番いいところです。
鐘楼の脇のベンチに座り、しばらく物語を聴くことにしました。

朝早くからダンタイさんがやってきて札所は賑やかです。
ダンタイさんが潮のように引くころ、番組は終わりました。
すこし涙ぐんだまま、本堂と大師堂でお勤めをしました。

へんろ標識に従い、観音寺の街中を進むと、
名物「かたパン」の店がありました。
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「どれが一番人気の品ですか?」
「ここに並んでいるもの全部ですよ」
乾パンの平べったいやつを10枚買う。
善通寺師団のあった関係で、陸軍の携行糧食やったんかね。
そういえば福井県敦賀市の敦賀連隊跡地の正面にも「かたパン」を売っている店がある。
関連あるのかな?

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第75番札所 善通寺着
相変わらず善通寺境内は広いですねえええええ。
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お遍路さんのダンタイさんのほかに、観光客も数多くいる。
ここでAKBのコンサートがあったんやなあ、結果はいかに?
と思いながら歩く。
各札所で買った記念バッチ、いちいち輪袈裟に付けているので重くなり
ずれるので輪袈裟留めを買いました。

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売店横のベンチに座り、さて早速かたパンを食べてみるかね。
おお、確かに硬いよ。
歯の悪い人にはお勧めできないね。でも携行食としてはいいでしょうね。ほんのり甘い。
ガリガリ4枚ほど食べてお茶を飲んだらお腹が落ち着きました。

予定よりもだいぶ早く廻っているような気がする。
これなれば、かなりの距離を歩いて廻ることができる。
春の讃岐路を鼻歌歌いながら歩く。
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途中、鉄橋の下をくぐるが、かなり低いよね、ここ。
真上を電車が通ったらどんな感じになるんでしょうか。
一度その気分を味わってみたいっす。

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田圃にはレンゲが植わっています。
昔の田圃には皆これが植えてあって、
春先にはピンク色が綺麗だったんですけどもねえ。
根球には窒素を多く含むので、化学肥料に比べて環境には優しいとは思うんです。
ちなみに、わしの故郷岐阜県の県花は、レンゲです・・・
レンゲの歌って何かあったかなあ・・・と考えながら歩いていたら

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第76番札所 金倉寺着
ここの鐘楼の造りは面白いよね。
絵の題材にちょうどいい。
描いていきたいが、うう~む。心の余裕がない。

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金倉寺の門前には、うどん屋さんがある。
ちょうどいい、お昼にしようかね。
あまり広くない店内には参拝客が4人うどんを食べていました。
わしも生醤油の冷うどんを頼む。
おばあさんが天麩羅を揚げている。
うまそうなので筍と牛蒡の天麩羅を頼む。
「うまそうな色やね。この黄色はなに?」
「食紅をつかっているんやよ」
旬の筍は甘くておいしい。
うどんのコシも強烈においしい。
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これで330円なり。
やっぱりうどんは讃岐やねえええええええ。

ちなみに
タクシーの運ちゃんから聞いたんですが
全国に展開している某セルフうどんチェーン店が高松市内に一軒出店したんですが
すぐに潰れたそうです。
そんなに不味いわけでもないと思うんだけどなあ・・・
地元資本でもないのに名前を使われた讃岐人の矜持にかけて潰したのかな?
値段で負けたとも言っていた。

お腹も出来上がったところで出かけるかね。
遍路路沿いの神社周辺では草刈りをやっている。
地元の人たちが草や落ち葉を掃除していました。
わしの好きなこの案内板付近も集められた落葉が積もっていました。
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以前、道隆寺の手前で、手作りのお地蔵様を貰った。
いまそれは、故郷の八十八か所写しの道隆寺の御本尊と大師像の間に安置してある。
http://okirakudojyo.blog93.fc2.com/blog-entry-117.html
今日はどうかな?
家の前を通りかかったが、お昼時なんでしょう。声はかからない。
通り過ぎてしばらくたってから、
「おへんろさぁ~~~ん!」
呼ぶ声が聞こえた。
納め札を取り出しながら、引き返す。
貰えましたよ。
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優しい表情のお地蔵様です。口がハート型に見える。
ほわんとした気分になり、さらに歩くと・・


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第77番札所 道隆寺着
ずらりと並んだ観音様が迎えてくれます。
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さて、
ここからの予定は、少しだけ複雑になります。
このまま順に行けば78番郷照寺なのですが、明日の予定を考える時
80番讃岐国分寺に先に行っておこうという気になりました。
なぜかというと、天皇寺~白峯寺~根香寺~香西寺の順に廻りたいからなのです。

で、まず「JR多度津駅」まで歩いていき、そこから高松行に乗って「国分駅」まで行きます。

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第80番札所 讃岐国分寺着
車遍路さんたちがチラホラいました。
境内の本堂前には大きな画板を広げて絵を描いている人がいました。
ああ、いいなああ。
わしもこんな風に描きたい。
でもね、描きたい描きたいと思うだけではだめなんですよね。
描きたいと思ったら描かなきゃ。

「国分駅」から下りの観音寺行に乗り「宇多津駅」で降りる。
ここの駅は規模が大きいね。周辺に大きなマンションが建っている。

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第78番札所 郷照寺着
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うん、予定表通りの行動に満足するが、予定を立てて動くのがわしの長所でもあり短所でもある。
もう少し心に余裕を持って行動したいものです。

納経所では郷照寺のアイドルが御朱印をくださいました。
最初、納経所を覗いてみたら男性二人しかいなかったので、半ばあきらめていたので
こおりゃラッキー!
facebookをネタにして、ブログ用名刺を受取ってもらえました。

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宇多津駅の近くにあるうどん屋に入ったら、
店の人から色々話しかけられました。うどんを食べている写真も撮ってもらい、
店のHPに写真を載せてくれるそうです。
「おか泉(おかせん)」

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今日のお宿は、多度津駅前にあるビジネスホテルです。
ここは少林寺拳法の本部がある地で、拳士たちが多数宿泊するところのようです。
「拳士たちへ」という注意書きが多い。
今日はちょっと脱線してビールを一本買ってきました。
区切りとはいえ、修行中は飲まないと決めているのですが、
考えてみたら今回の宿泊は今日で終わり。
勝手な理屈をこじつけて精進落としをしました。
そのおかげで、またもや8時前に寝込んでしまいました。



五色台参拝
4月19日(日)
今日は屋島まで行けたら行こう!
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「多度津駅0549」~「八十場駅0607」
あいにく今朝は雨がしとしと降っています。

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第79番札所 天皇寺着
納経所が開くまでゆっくりとお勤めをさせていただく。
そうだ、白峯神社も参拝しておかねば・・・。
それでもまだ時間がある。
雨が降っていなければスケッチブックを出して絵を描きたいところです。
軒下でも描けるじゃんかよ!
と、自分で突っ込む。

納経所前で待つこと数分、閉められていた雨戸が内側から開きはじめた。
わしも外から開けるのを手伝う。

さて、御朱印も頂いたし、次いこう。
今日の天気予報は曇りのはずなんですがなあ。
ポンチョ着て歩くが、気温が高いせいで蒸し暑い。足に付けたスパッツも暑いなあ。
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ふと道の脇を見ると遍路標識が建っている。
昔の遍路道は脇を通っていたんでしょうね。

次第に雨が上がってきたので、ポンチョを脱ぐと、身体が軽くなったような気がする。

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五色台の麓に「血ノ宮」という妙な名前の宮がある。
ちょうど通りかかったおじさんと挨拶を交わしたので名前の由来を聞いてみた。
「ああ、このお宮はな、崇徳上皇の柩が八十場を発って白峯山へ御葬送の途中、
天候が急に悪くなって柩をしばらくこの地に安置したとき、台石に血が流れ出たためなんじゃ」
ふ~~~~~ん。
一旦凝固した血液が線溶したのかしらん?

この付近は崇徳上皇に由来の旧跡が多いですね。
こういったことを考えながら
雨の上がった五色台を見ていると
幽玄な雰囲気を醸し出しているような気がする。
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そんな雰囲気に浸っていると、白峯寺への参道に出る。
延々と続く石段・・・・弥谷寺の百八段とは比べ物にならんね。
さすが天皇陵へとつづく参道です。
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心して登らせてもらいます。ああ、汗が出る。
こおりゃ、国分寺から登る急な道と大して変わらないなあ。
あえぎながら延々と登ると、やがて玉砂利が敷かれた神域に出ました。
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崇徳天皇陵に参拝がかないました。
ここでも塗香を使わせてもらう。
拍手を打ったら鳥の声がやんだ。

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第81番札所 白峯寺着
定年後のおじさん遍路さんたちが数人ベンチで休んでいる。
この人たちは連れだって歩かず、自分のペースで旅をしている。
人と接したいから旅に来るのか、人と接したくないから旅に来るのか
人それぞれです。
わしは人と出会いたいから旅をしています。
ですからベンチで隣に座った人にはひととおり声を掛けています。
そこから会話が弾む人もいれば、実にそっけない人もいます。

ここから尾根伝いに根香寺を目指す。
ここの道は好きですね。
アスファルト道じゃない。
昨夜の雨でぬかるんでいるところもあるが、そのほかは気持ちのいい山道です。
自然に顔がほころんでくる。鼻歌も飛び出してくる。

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この塀の内側の組織とはもう縁がないので興味も何も湧かない。懐かしくもない。
今が一番楽しいからです。

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日の当たる場所に独り立っておられるお地蔵様
幾多の旅人を見つめてきたのでしょうか。

自動車道に出たところで、脇の家から声がかかった。
地元の人たちのやっている休憩所のようです。
お茶とコーヒー、お菓子の接待をしていただいた。
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「お坊さんですか?」
「い、いいいいえ」
そんな風にみえるんですかね?煩悩だらけのオッサンなんですが。

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五色台に、まだ新しいへんろ小屋が出来ていました。
前に通った時にはなかったので、ごく最近にできた建物のようです。
トイレ、宿泊もできるようです。
子供たちがお小遣いを出してお接待用のお菓子を備えてくれています。

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1139
第82番札所 根香寺着
新緑の綺麗な階段を登った時、駐車場の方面から持鈴の音が聞こえてきた。
(あの音は、ダンタイさんか!)
そう思い、お勤めの前に納経所に駆け込む。
首尾よく御朱印を貰い、ほっとして鈴の音が近づいてくるのを見ると、
どうもいつものダンタイさんとは様子が違う。
まず、若い女性が多い。男もいるにはいるが、女性の方が多い。
尼様もいるが、日本で見るような衣ではない。天平の甍で見たような衣装です。
う~~む、なんだろう?

本堂でのお勤めの時、彼女らは五体投地礼拝の姿勢を取り始めた。
よく中華街なんかで見たことがある。
中華系か?
香港?台湾?
尼様と坊様がお経を始める。中国語の般若心経です。
Youtubeで見たことがあるが、実際に聞いたのは初めてです。
中国語の韻が音楽のようで美しく感じる。
しばらくその様子を見ていた。女性はきちんと礼拝していたが、
男どもはその様子を正面から写真に撮りまくっている。

大師堂でお勤めが終わってから、女性の一人に声を掛けてみた。
「台湾?」
「ベイジン」
「ベイジン?・・ああ、北京かあ」
写真を撮りたそうにしていたのでOKしたら、お仲間が集まってきて
ツーショットの撮影会が始まった。
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さぞかしわしの顔はニヤついていたろうなあああああ。
尼様と目が合ったのでニッコリしたら、向こうもニッコリ
尼様とツーショットの記念撮影
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今、中国の仏教の状況はどうなっているんでしょうね。
文革で多くの僧侶が還俗させられたと聞く。
また復活してきているのでしょうか。

ニヤついていたわしに、車遍路のおばさんが
「あの人たちはどこの人?」
「中国ですって」
「中国にも仏教があるの?」
(意味深な問に聞こえるが、多分無知故の疑問なんでしょう)
「そりゃあなた、弘法大師は唐の長安青龍寺の恵果大阿闍梨から灌頂を受けたんですよ」
「え?そ、そうなの。ふ~~ん」

ここから遍路標識に従い、別格19番香西寺をめざして下る。
この道は割と広く、しかもアスファルト舗装されていないので足に優しい。
なので、つい飛ぶように降ってしまう。
後で膝が痛くなってしまうのにもかかわらず。

人家が見え始め、沿道には琵琶の木が目立ち始めた。
商売物の木には、きちんと実に袋がかけられているが、そうではない木はそのまま。
中途半端に熟れて落ちている実もある。
拾って食べてみました。うまい。
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別格第19番札所 香西寺着
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このお寺は水子供養で有名なとこらしいですね。
いつも思うのですが、水子はいつから水子と呼ばれるのでしょうか?
受精したときから魂が宿るのでしょうか?
それとも母親の胎内から出た時なのか?
わしの勝手な論理では、周産期における「死産」と「流産」の境目あたりかなと思うのです。

閑話休題

ここからバスに乗って高松築港駅まで行き、それから琴電で一宮寺へ至る、という
計画を立てていたのですが
バス停が見当たらない・・・・
無駄に時間を浪費していると今日中に屋島寺まで行けなくなる。
よし!タクシーだ。
呼ぶとすぐ来てくれる。便利やねえええええええ。
せっかく乗ったんで、ここから一宮寺まで行くとするか!

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第83番札所 一宮寺着
ここはちょうどダンタイさんで満ち溢れている。それに先達さんの集団も来ていて
賑やかな事この上もなかった。
先達さん、あまた存在していても
先達業務に実際携わっている人は何割くらいなんでしょうね?

ここから琴電の駅に移動して、
「琴電一宮駅」~「瓦町駅」~「琴電屋島駅」
まで行く。わしの好きな小さい電車です。
「琴電屋島駅」駅前には屋島山上行きシャトルバスが運行されている。100円
1545発なんで、まだ30分以上ある。
駅前の食堂兼民宿でうどんでも食べて行こうかね。
「うどんください」
「バスに乗るのかいのう?」
「は、はははい。一番早くできるうどんを・・・」
「月見うどんが一番早いよ」
「ではそれを」

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やってきたバスの乗客はわしともう一人。
採算合うんかいなあ?
でも廃止になったら困るなあ。

10分くらいで屋島山上に到着
雨が降ってきそうな空模様と風になってきた。

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1556
第84番札所 屋島寺着
ここは有名観光地なので、この時間でも駐車場は5割がた埋まっています。
狸さんにご挨拶をして、本堂大師堂に廻る。
納経所でお菓子をいただきました。
駐車場の売店で、職場にお土産を買おうかと考えたが、やめ!
来週は結願なので、そこで買おう。

さて、帰りのバスは1730です。
まだ1時間ほどある。
仕方ない、やるか。
「もし、のせてくれんかのう?」
「すいません、一杯なんです・・・」
「は、はははい」

くじけずに
「もし、のせてくれんかのう?」
「問題ないですよ」
やった!
三十台の夫婦でした。ひいおばあちゃんのやり残したお遍路をしたことがあるそうで、
わしの姿を見ていたら、また廻りたくなったと言いました。
四国の人は、行きたくなったら行きやすいので羨ましいんですが、
案外四国の人は案外お遍路には興味がないそうです。

「琴電屋島駅」~「瓦町駅」~「高松築港駅」
駅を出たら雨が降っていた。
巡拝中にはほとんど降っていなかったのは、お大師様のご利益か・・・

南無大師遍照金剛

JR高松駅前の高速バスターミナルからなんばに帰るのですが、
1830発なのでまだまだ時間はある。
今日は汗をどっちゃりかいたのでお風呂に入りたいんですが、駅周辺にはなさそうだ。
入浴は我慢して、下着だけトイレで替える。ついでに頭にも水をかぶる。
不審者に見えたかな?

ターミナル前にうどん屋の看板が3つほど見えたので、夕食に行こう。
ここでも生醤油うどんの冷たいやつを食べる。うまいね~。

満足してターミナル前のベンチに座ったら、
帰り支度のお遍路さんがやってきて隣に座った。

「お疲れ様です。どちらへ(帰るのですか)?」
「いや、もう帰るんです」
「ええ。ですからどちらへ帰るんですか?」
「なんばまで」
「私も難波までです。そこから堺まで帰ります。あなたは?」
「富田林です」
「へええ、遠いですね」
「ちかいですよ」

彼は人と関わりたくなくて遍路に来ている人かもしれん。
それ以上語るのをやめにしました。
お遍路に来ている人の数だけ、その理由があるんですね。
わしは人との出会いが楽しくってきているんで、今回の三日間は楽しかったなあ。

次回はいよいよ結願に向けて、来週の土日に歩きます。






区切り歩き遍路2周目 第9回 60番横峰寺~60番本山寺

区切り歩き遍路2周目
第9回 60番横峰寺~60番本山寺


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3月12日(木)
今回は休みを一日つけてもらって3日間の旅です。
南海駅構内では恒例カウントダウンが進んでいます。
今夜も2250発の夜行バスに乗る。
「ハービス大阪バス停」今度は間違えません。

3月13日(金)
0545
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「西条駅前バス停」に到着しました。春とはいえ夜明け前の駅前は寒いね~。
でも真冬のような芯まで冷えるような寒さではなく、風さえ防いだらなんとかしのげる。
夜が明けてくると通勤通学の人たちが三々五々集まっては去っていく。
今日は平日だったんだ。

やがて夜が明けてきた。駅舎越しに南の方を見ると
輝くような銀嶺が見えた。
スケッチブックを取り出して早速お絵かきをしました。
石鎚山にも一度登ってみたいなあ。
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0743
せとうちバス西之川行きに乗り横峯山を目指して出発する。
バスはいきなり街を抜けると山あいの道に入っていく。
くねくねした山道が、標高を稼いでいく。
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ここは以前の「突撃車遍路」で通った道だなあ。
0808「横峯登山口バス停」で降りる。610円

そこから分岐点を右に100mくらい登ると、
横峯登山バス「上ノ原乗換所バス停」がある。
すると、そこには発車間際のマイクロバスがいて、
わしを乗せてくれるために待ってくれていた。
おお、ラッキー!
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往復1750円払ってバスに乗り込む。
そこは団体さんがぎっしり乗っていました。
大型バスの団体さんたちは、ここでマイクロバスに乗り換えるのです。
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わしは補助椅子を出して座る。実はマイクロバスのような狭い車内は補助椅子の方が
足を延ばして座ることができて楽ちんです。
奈良交通のツアー客を乗せた賑やかな車内は、細い山道を快調に登る。
「あ、ほらほら、つららがあるよ!」
「え?どこどこ?」

バスは無線でお互いに連絡を取り合っていて、離合車両の情報も無駄なく入ってくる。
しかしながら、こちらが気を付けていても、相手が何も考えていないドライバーだと
離合が難しい場面もあったよ。
お年寄りの車遍路は軽自動車か大型車が多く、車種にかかわらず危なっかしい。

奈良から来た御刀自様たちや、わずかの親父様たちは、12回かけて四国を廻っているそうです。
「その黄色い旗はなに?」
「ヒッチハイク遍路の印です・・・」
御刀自様たちと喋りながら走ること30分「横峯寺参拝口バス停」着

0845
第60番札所 石鉄山横峯寺着
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山頂の駐車場からは15分くらい歩く。健脚も足弱も車椅子も歩かねばならない。
幸いここ数日は気温も上がり、心配していた降雪も消えていました。
わしは飛ぶように歩き、団体さんとかちあわないようにテキパキと納経を済ませました。
納経所には無線機が置いてあり、納経所・バス・バス停の間の見事な連携で安全運航がなされていました。

0951
「横峯寺参拝口バス停」から「上ノ原乗換所バス停」まで降りてきた、が
「横峯登山口バス停」から伊予西条駅行のバスは1245しかない・・・
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さて、どうするか?
団体さんのバスをジャックしようかとも考えたが、多分無理だろう。
悩むまでもない、歩くのみ。
わしは基本歩き遍路なんです。

「歩こう!」
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黒瀬ダム湖から、黒瀬峠を越えて行けば前神寺までたった5km
お天気もいいし、歌うたっていこう。
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地蔵尊には梅の花が満開でいい香り。
奈良交通のバスがわしを追い越していく。窓から手を振ってくれている。
わしも杖を大きく振った。

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里からは桜の蕾の香りが漂っている。
誰に言ってもこの香りのことを分かってもらえないが・・・確かにあるんです!

里に下りて、梅の花が咲いているところでは必ず鼻を近づけて香りを嗅ぐ。
この季節、梅の香りを嗅ぐと切ないような懐かしいような子供のころの記憶が蘇る。

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梅を一枝手折り、杖に刺してみました。
おお、風流やなあ~~。一人悦に浸るのです。

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「石鎚神社」がある。前に通りかかった時、遥拝のみで通り過ぎてしまっていたので
今日はきちんと参拝していこう。
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山門?というのでしょうか。大天狗様と小天狗様が出迎えてくれる。
この神社には、今も神様が居られるという。
果たしてどのような奇瑞があるのでしょうか?
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凡人のわしには感じることができないのかもしれん。
霊水が湧き出ているところがあり、早速頂かせてもらいました。疲れも吹っ飛ぶ?

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第64番札所 石鉄山前神寺着
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61~63番は、前回廻っていたので今回は64番を打つ。
まだ初春の札所は平日もあって参拝する人もまばらです。ダンタイもいない。
計画を立てていたよりも早く予定をこなすことができました。

ここからJR「石鎚駅」まで行き、「伊予土居駅」に移動する。
1307発なので、ちょっと腹ごしらえしよう。
駅から6分歩いてうどん屋さんに行き、釜玉うどんを食べる。
じつは今わし、ぶっかけとか釜玉うどんがマイブームなのです。

「石鎚駅」の待合室には職業遍路らしき老人と犬が占拠していました。
かれらはこれからどこに行くのでしょうか?
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1357「伊予土居駅」着、そこから歩いて10分、

1416 別格12番札所 延命寺着
今日のお宿「蔦廼屋」は駅の正面にあるのですが、まだ行くには早い。
スケッチブック取り出して絵描きを始めました。
絵を描くときにはあらかじめ納経所などで断ってから描くのがマナーです。
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橋のたもとに座り込んで描いていると、参拝に来た人たちが覗き込んでいく。
「いい趣味ですね」
「は、はははい」
描きだすと熱中するもんですね。
描きあがったら1530になっていました。

では、本日のお宿の「蔦廼屋」に行こうかね。
ここの店内には綺麗な切り絵や日本画が飾ってあって目の保養になります。
それにここは料亭なので食事がおいしい。


3月14日(土)
今朝は6時前に出発するので朝食用のお握りを頼んで作ってもらいました。
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0545、まだ暗い「伊予土居駅」に行く。しとしとと雨が降っている。
駅のベンチに座っていると0600、町内のサイレンが鳴り始めた。
それが終わると今度は鐘の音が聞こえてきた。
あの方向は延命寺やろうか。現代では6回打つのかな?
捨て鐘は2回として・・・そんなことを考えながら聞いていたら、
何回打ったのかわからんようになってしまいました。
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「伊予土居駅」から「伊予三島駅」までガランとした列車に乗って移動する。
「伊予三島駅」からは駅前のタクシーで三角寺まで行く。
3000円弱かかったが、今日の予定を考えると、致し方なし。

0647
第65番札所 由霊山三角寺着
雨足が更に強まる。
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境内にはテントや屋台が設置されている。今日は何か祭礼でもあるのかな?
朝も早いが今日は車遍路さんたちが続々とやってくる。

さてこれから、別格13番仙龍寺まで6kmの道程を行くのですが、
路線バスは土日は運休
山奥すぎて車もあまり通わない。おまけに、雨
道なりの「仙龍寺⇒」の標識に従って山あいの狭い道路を歩く。
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山越えの道ではないようだ。でもこの雨の中、山道を登る気はない。
ポンチョを着ていると、寒いかと思いきや、蒸れて暑くなってくる。
気温が高いのか?

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山中の道を一人で歩いていると、ふと何かの気配を感じることがある。
振り返っても誰もいない。これは何か?遠野物語にある猿の佛立ちか?
新田次郎も随筆の中で同じ事を書いていた。
山の精霊なのか、気のせいなのか。

間違えました。訂正します。
「猿の佛立」⇒「猿の経立」(さるのふつたち)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%8C%E7%AB%8B
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やがて雨は小雨にかわり、そして霧雨になってきた。
もうすぐ雨があがるのだろうか。
歩くほどに雨が上がった。
しかし、着ている雨着を脱ぐような場所がない。
暑いがこのまま行こう。
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道はやがてダム湖のほとりをなぞるようになってきたとき、
いきなり山の影から目的地が現れた。

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別格13番札所 金光山仙龍寺着
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ここは三角寺の奥之院なんですね。どうりで道標に「奥之院」と書いてあるはずだ・・・
まさに秘境、参拝者以外こんなところには来ないでしょうね。
階段を上ると崖に張り出した本堂が見えてきた。
本堂入口で雨着を脱がせてもらい、リュックにくくりつける。
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本堂へは靴を脱いで上がるのですが、緋毛氈が敷いてあるよ。
緋毛氈を踏みながら、しずしずキョロキョロ進む。
二階へ上がると、部屋そのものが大師堂になっている。
部屋の脇には納経所があり、若いお坊さんが
「右がお不動様、正面がお大師様です。両方お参りください」
は、はははい。「お不動様」と言われたが、「童子様」ですよ・・・
書かれている真言もお不動様ではない。
でもそのとおりに唱えました。
部屋内はわしとお坊様だけ。緊張しつつ気合を入れてお勤めさせていただきました。

わしと入れ替わりに夫婦連れが入ってきました。
おお、彼らに御馳走してもらおうぞ。
本堂の前で待ち構え、
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やった!
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彼らはなんと堺市から来ている人でした。
御主人は南海電鉄のエンジニアで、奥さんに連れられて休みの日に四国に来ているそうです。
御馳走してもらったので納め札を渡したら
「? 何ですか?」
お接待を受けたことがないのでわからないようです。
車遍路にありがちなパターンでしょうね。

ふもとの道まで御馳走してもらい、そこから再び歩く。
2時間くらい節約できた。
梅の香りが強烈に香ってきたので山側を見ると、梅林がある。
ちょっとそこまで登ってみて、貸切状態で梅見です。
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1100
別格14番札所 椿堂着
御馳走してもらったおかげで時間がたっぷりできました。
よし、ここでスケッチをしよう。
納経所では、歩き遍路さんには料金はお接待だそうです。
絵を描く事をお断わりしておいてから・・・
色々アングルを探してうろうろ・・・
納経帳の絵を参考にさせてもらう。
この構図は大いに参考になります。鐘がつってある門の朱色を主題にしたい。
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大師堂の軒に座り込んで昼食のパンを齧りながら絵を描く。
夢中で描いていたら1時間があっという間に過ぎました。

さて行くか。
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トンネルの手前にバス宿がありました。
道向かいのお好み焼き屋がやっていて、一泊2000円です。
今度泊まってみたいですね。でも風呂がないなあ。

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トンネルを出てしばらく行ったらレストラン「水車」がありました。
ここ、いつも閉まっているようなイメージがあって今回はどうかな?と思い
中に入ったらやっていました。
「やってますか?」
「はい、どうぞ」
天ぷらうどんを食べました。

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本日のお宿の「岡田屋」に到着しました。90歳近い名物お父さん元気でなにより!
すでに先客が1人いました。仙人風の髭を蓄えたオジサン。
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靴には乾燥剤を入れてくれていました。こういう心配りが嬉しい。

今日岡田屋に宿泊するのは5人
わしと、定年後の年代の遠し打ちオヤジが3人、それに2巡目区切り打ち娘遍路さん
オジサンばかりなのでわしのような年代は若僧扱いなのはいつものことです。
夕食を食べながらみんなでワイワイ楽しくお喋り。
東北訛の仙人髭のオジサンは、遍路は通し打ちしかないと今まで思っていて、
「区切り打ち」という言葉は初めて聞いたそうです。
それにお宿の情報も持っていない。
これはなぜか?とみんなで検討したところ、ビジネスホテル泊が多く、
他の遍路さんたちとの語らいがなかった、という結論を得ました。

彼は食事の際にこれだけ沢山仲間と話したのは初めてだそうです。
勿体無いなあ・・歩き遍路の醍醐味は民宿での交流なんですのに。

もう一人のオジサンは、携帯電話を持っていないそうです。
昔のお遍路さんはそんなもの持っていなかったので、
いわば原点回帰といえば、そう。
岡田屋のお父さんの携帯電話を借りて福岡の実家に
「おとうさんは無事コール」をしていました。

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そのあと岡田屋名物の雲辺寺までの登山口案内と観音寺までの道案内を聞き
いい気持ちで眠りにつきました。


3月15日(日)

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今日は雲辺寺まで歩いて登り、ロープウエーで降りたら山麓駅から別格16番萩原寺まで歩き
そこから70番本山寺まで歩き、そのあと列車で観音寺まで移動して68・69番で終わりです。

0630朝食を速攻で食べ、0635に宿を出る。
一度登った山道、気分的には楽だろうなあああ、と考えつつ登る。
始めてではないけれども、やはり勾配が急な山道はつらいなあ。

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「この付近で大便をしないでください」
ここで大便をするお遍路さんが多いのかなあ。
この看板は新しい。古いのもあった。ということはここで用をたす人は昔からいるのか?

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山道の途中に自転車がある。前にも見たような・・・
なぜにこんなところに自転車が?
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第66番札所 巨鼇山雲辺寺着
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さすがに寒い。登り道では汗だくなのですが止まると、とたんに汗が冷えて寒い。
雪が残っているほどですからね。鼻水が垂れてくる。
ダンタイさんもいる。納経所は、さぞ混んでいると思いきや、既に嵐の去った後らしく
空いていました。

仙人風髭の親父さんも登ってきました。彼も鼻水を盛大に垂らしている。

さてここからロープウエイに乗って山麓駅まで一気に下る。
突撃車遍路の時に乗った時、ガイドさんがとても美人さんだったので
今回も会えるかな?と思いカメラを構えて用意していたのですが
期待もむなしく新人のあんちゃんでした。

ロープウエイ内は御刀自様たちの賑やかな声に包まれて支柱を超える度に大きく揺れるので
キャーキャー賑やかでした。

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山麓駅から「萩原寺⇒」の道標に従い下っていくと、掩体壕があった。
ここは砲撃訓練場だったらしい。着弾点の観測所跡と書いてあった。
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別格16番札所 萩原寺着
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ここの奥之院が今降りてきた雲辺寺で、萩原寺は前寺だそうです。へええええ~。
五来重による奥之院の解説のとおり、行者は深山幽谷で行をするのですが、
信者さんたちが集うには麓が便利がいい。
この萩原寺と雲辺寺の地理的関係からそれがよくわかる。
勉強しておいてよかったあああああああ。

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納経所は門前にある茶屋「萩庵」の中にある。
ここは萩の名所だそうです。

5kmほど歩いて本山寺に至る。
このまま今日は雨も上がると思っていたら、また降りだしてきた。
今日もポンチョのお世話になります。
荷物を背負っている時はポンチョが便利ですね。
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1202
第67番札所 小松尾山大興寺着
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門前のお地蔵様が迎えてくれます。
境内には小規模のダンタイがいる。
大型のワゴン車に乗っている60歳代の9人のオジサンたちです。
先達もいないようで、二巡目らしい人が先達の代わりをして、
納経は交代で纏めてもらっているようです。

本堂の軒下で、岡田屋さんで貰ったお接待の昼ご飯を食べる。

雨が降っているし、疲れてきたので御馳走になろうかと思ったんですが
ここから70番本山寺まで行くのは順番ではない。普通の人は68・69番まで行く。
ではヒッチハイクは不可能か?

だろうね~。

仕方ない、濡れて歩くか。
国道沿いにひたすら歩く。
無聊を慰めてくれるのは携帯ラジオです。
幸い平野部に入ってからはAM各局はよく受信できる。
ラジオ聞きながら歩くと観音寺市に入り、高松道の高架をくぐったらもうすぐだ。
五重塔が遠望できる。いつみてもこの景色はいいなあ。
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1415
第70番札所 七宝山本山寺着
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雨はいくぶん弱まってきた。
ここにも大型バスのダンタイがいるが、すでに大師堂でのお勤めも終わりに近いようである。
やれ安心
納経所で綺麗な記念バッチが売ってありました。躊躇なく買う。

ここから1km先の「本山駅」に行き、1523の下り列車に乗る。
駅に着いたのは1455、まだまだ時間がある。
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うどん屋だ!食べていこうかと一瞬躊躇したが、何故かやめておいた。
何故やめたか?それは知る由もない。

ベンチで疲れた足をいたわりつつ、乾パンのおやつを食べる。
この乾パン、携行に便利だし、腹持ちもいいので非常食に重宝しています。
登山の時にはポケットに入れておいてボリボリ齧りながら歩いています。
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待っている間、珍しい物が見れました。それは貨物車
待ち合わせの為、しばらくわしの待つホームに停車していました。
今どきの貨物車はコンテナばかりですね。
やがて来た列車に乗り一駅先の「観音寺駅」まで行く。
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「観音寺駅」から1.5km歩いて
1605
第68番札所神恵院、69番札所観音寺着
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時間も迫ってきたし、また雨も降ってきたので先に納経所に行く。
御朱印を貰っておいてから、改めてゆっくり二か所でお勤めをしました。
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終わりごろに、岡田屋で一緒だった携帯を持たないオヤジさんと会いました。
「私はこれで終わって堺に帰ります。結願までお元気で!」
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「観音寺駅前バス停」1755発のJRバスで難波2230着
今日はしっかり歩いたので、バス内ではさぞ盛大に眠りこけると思ったら
眠くない。
本読んで過ごしました。難波について南海電車のホームにいたら
わしの荷物を見てオジサンが
「これは四国遍路の荷物に違いない!」
と奥さんに盛んに説明していました。

今回は3日間あったので、かなり廻ることができ、
それにスケッチも楽しむことができました。

結願まであと少し、楽しんでいこう!








区切り歩き遍路2周目 第8回 44番大宝寺~48番西林寺 坂本屋訪問

区切り歩き遍路2周目
第8回 44番大宝寺~48番西林寺 坂本屋訪問

今回の旅は、順序はさかのぼりますが
久万高原~松山までの旅です。
メインは坂本屋訪問

3月6日(金)
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南海の駅構内にはカウントダウンの看板
いよいよ、という感じがします。
2310発の松山行きの夜行バスに乗ります。

3月7日(土)
0600 松山駅前バス停に到着!
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眠れたのか眠れていないのかよくわからないのはいつもどおり。
今朝の朝食は乾パンとお茶

0630発の、久万高原行きの路線バスが来ました。
乗客は、わしともうひとりお遍路さんの男性
松山市内をバスは走り、やがて郊外へと出て
次第に標高があがっていく。
三坂峠の道路に至ると、くねくねカーブです。
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0734
「三坂峠バス停」着
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雨がしとしと降っている。
濡れて行こうか、と考えたんですが意外と雨脚が強くなってきたので
ポンチョを取り出して着る。
前回ここを歩いたときには雪でした。今回は雨
晴れの日に歩いたら気持ちいいでしょうね。

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石畳は、濡れていると滑りやすくて危険です。
わらじを履いていたら摩擦が大きくて安全なんでしょうね。

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はるか下界の松山の町は霧に煙って展望が悪い。
しかしこういった景色もいいか。

三坂峠の下りは、知った路なのでそんなに長いとは感じませんでした。
あっというまに人里に来てしまったような気がします。

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里では梅の花が咲いている。
観光地の梅もいいけども、ひっそりと咲いている梅の方が好きですね。

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0827
坂本屋着
約1時間で着いたことになる。
まだ戸はあいていない。
濡れたポンチョを干していたら、「門前の小僧」さんのベンツがしずしずと山道を
登ってきました。

きょうはここでお接待の体験をさせてもらう予定です。
前回は1月の閉店している時に訪れたので中には入っていません。
ですから今日は楽しみにしていたのです。

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小僧さんと引き戸を開け、囲炉裏の火を起こす。
囲炉裏の火っていいですね。
身も心も温まります。
二階へあがらせてもらう。
おお、ここがいしだあゆみのドラマで三味線を弾いていた部屋か!
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やがて会長さんたちがやってきて、今日の坂本屋当番4人が揃いました。
会長さんが裏から椎茸を採ってきて、囲炉裏で焼き始めました。
わしの生まれ故郷は岐阜県平成(へなり)村の近くで
日照時間4時間の山間の村の主要産業は椎茸栽培で
よく椎茸を焼いたのを食べたもんです。
久々にその光景を思い返しました。
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小僧さんに連れられて、坂本屋周辺の案内をしてもらいました。
この近所には大師堂があり、その階段の跡だそうです。
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そうこうしていると、お遍路さんがチホララとやってきました。
富山県の青年、自転車に乗った東京の人、横浜からのご夫婦
今日は雨で少ないそうですが、それでも囲炉裏の火をとても喜んでいました。
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坂本屋のその日の様子は「門前の小僧さん」のブログで。

1420
今日は早仕舞いさせてもらい、わしと小僧さんはベンツで札所めぐりに行く。
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1431
第46番札所 浄瑠璃寺着
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今日は車なんで駐車場から雨の中をわざわざリュック背負って境内に
行きます。
本堂には坂本屋に寄ってくれたご夫婦がおられました。
「うしろでお経を聞かせてもらったんですが、聞きほれてしまいました」
(ええっ、そそそんな大したもんではないんですよ・・・・)

1450
第47番札所 八坂寺着
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車だと確かに早いのですが、歩きのときの情緒、旅情が沸かない。
送ってもらいながらこんな事を考えては、小僧さんには申し訳ない・・・・

1513
別格9番札所 文殊院着
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ここのご本尊は地蔵菩薩やったんやね。
てっきりお大師様がご本尊と思っていました。失礼しました。

1537 
第48番札所 西林寺着
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ここは川よりも低い土地にあり、伊予の関所寺です。
今日は悪いことをしていないので大丈夫でしょう。

ここのご本尊の十一面観音様は本堂の中で後ろ向きに立っておられる、
と小僧さんの弁
なんでも、力が強すぎるから後ろ向きに立っておられ、
本堂の裏側にも扉がある。
ほとんどのお遍路さんは裏までまわらないんやろうなあああ。

さて、今日はここまで。
今日は小僧様のお宅にご厄介になります。
ここは善根宿ではありませんよ。念のため。
まず、ちかくの温泉に連れて行ってもらい旅の疲れ(?)を癒す。
そして奥さんの手料理を堪能しつつ、ビールをいただきます。
松山の名士である小僧さんは話題豊富で
いつまでもその話を聞きたかったが、お遍路さんは早寝早起き
小僧さんに促されて床につく。

3月8日(日)
今日は順序が前後しますが44~45番を廻ります。
近くのバス停まで送ってもらい、
0650
久万高原行きバスに乗る。
若い女性のお遍路さんも乗っていました。
昨夜はよく眠れたのでバスの中でも眠くならず、車窓の景色を楽しむことができました。
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0745
「久万営業所前バス停」着
この時期、久万町ではひな祭りのイベントがあるんですね。
お久万大師堂を通り過ぎ・・・

0807
第44番札所 大宝寺着
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今日は雨も上がって青空です。春の鳥の声も聞こえてきて
気持ちがいいね。
仁王門では、大草履に納められた納め札がこぼれてしまっています。

納経もおわり、さてここからどうしようか?
次の岩屋寺まで11kmある・・・わしの歩みでは4時間近くかかる。
バスは・・・次の便は11時
駐車場でお大師様に声をかける。
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よし、

大成功!
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徳島からの年配のご夫婦で、タクシードライバーをされているそうです。
10回くらい廻っておられるそうですが、
納め札は白のまま。
こだわらない人なんでしょうね。
車は順調に久万高原の山道を進みます。
季節は春、ということで歩きの遍路さんの姿がチラホラ見えます。
(すまんのう・・・お先に)

0854
第45番札所 岩屋寺着
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今日はいいお天気だし暖かいので車遍路さんたちもたくさんいるよ。
(こおりゃ、帰りもご馳走にあずかれるかな)
ここ岩屋寺は、歩きはもちろん車遍路もバス遍路も
等しく本堂までの長い坂道を自分の足で歩いて登らねばならない。
今日はなんだかお年寄りが多いみたいです。
杖を突きながら、自分たちのペースでゆっくり歩いています。

お勤めを済ませ、納経所で
かねてよりの念願だった「せり割り行場」へ入る鍵を借りました。
前回は膝の調子が悪く、断念したので是非行ってみたかったのです。
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300円を払い、途中の「三十六童子巡り」のお札を渡される。
せり割り行場までの道のりにある童子様と明王様にお参りしながら進む。
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これがけっこうキツい山道になっています。
急な山道、危険な崖道、これから行場に行くんだという気持ちにさせてくれます。

間違えないように各童子像にあるお札入れに名前を確認しながら
進むんですが、あれ?
ないよおおおおお。
14番師子光童子様と15番師子慧童子様、それに馬頭明王様のお札が
余ってしまいました・・・。

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いいかげん汗をかいてきたころ、せり割り行場が見えてきました。
お不動様に「これから行ってきます」と挨拶し、
荷物と杖は入り口に置いておき、いざ鍵を開けたら・・・
おお、ここが岩の裂け目かあああああ。
なるほど行場という雰囲気が漂っています。
足元に気をつけ、慎重に登る。三点支持のロッククライミングの要領です。
昨日の雨で岩が湿っているし、足元は落ち葉が積もっていて余計に滑りやすい。
こおりゃ、降りは大変やなああああ。
普段使わない筋肉を使うし、緊張しているので余計に疲れる。

あとで他の人のせり割り体験を読んだら、最初の岩の裂け目のところには鎖と
ロープがあったらしいです。わしのときはそんなものない!


登りきったら、まだ先に登るところがあった!
湿った鎖を握り締め、足元を確認しながら岩場を登ると、
はしごがある。
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長いはしごが目の前にそびえ、これまた少し湿っているので
おっかなびっくり登る。
そういえばわし、高所恐怖症やったんや!
ここで引き返したい気持ちでいっぱいになった頭を振り払い
先へと進む。
一歩踏み外せば、下は断崖絶壁

確かにここは観光気分で来るところではない。
「南無大師遍照金剛大師」
が自然と口から出てくる。

階段を登りきったら、
目指す白山台権現様までは更に鎖場がある。
もう少しです。

決して気を抜いたわけではないのですが
足を滑らせてしまった。
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命の綱の鎖はしっかりと握っていたのですが
半回転したので肘と腰を岩にぶつけてしまいましたがな。
でも痛いと思う暇はなかった。
ひたすら真剣

南無大師遍照金剛

艱難辛苦の上白山大権現様にお参りしました。
でも狭い頂上、眺望絶佳とは言え足元がおぼつかない。
さっさと降りよう。
つくづく行者さんは偉いなあ、と感じました。

登るときよりも降りるときのほうが怖かった。
鎖場は鎖にすがって降りればいいんですが
せり割りでは、なぜか前向きに降りてしまいました。
足を滑らせたらこのまま下まで落ちていく気がして
最高に神経を使いました。
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ああ、行者さんはつくづく偉い・・・・

そんなこんなで下まで降りてきたら
ドッと疲れがでてきました。

あう~、今日はここまでにしようかのう?
駐車場まで降りてきて、善根宿でいただいた昼食を食べつつ
お大師様を探す。
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ありがとうございます。
和歌山から来ている夫婦連れにお世話になりました。
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久万の町までお世話になり、そこからバスで松山まで帰ります。
バスは1332発なので、まだ時間はたっぷりある。

今回スケッチブックを持ってきているので
お久万大師堂の前でお絵かきしていました。
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今日は久万町のひな祭りイベントがあるらしく、
子連れの人たちが沢山通りかかり、
絵を描いている怪しいオジサンを見つめている。
そのなかで、
「絵を描いているんですか?」
と話しかけられました。
絵描きの方らしく、わしのスケッチ姿の写真を撮ってくれました。
こんなの初めて、照れますねええええ。
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松山駅までバスで降り、駅前の「キスケの湯」で汗を流して
1730発の高速バスで難波まで帰りました。

次回もスケッチブックをもってこようかな?


区切り歩き遍路2周目 第7回 49番浄土寺~63番吉祥寺

区切り歩き遍路2周目
第7回 49番浄土寺~63番吉祥寺

わしの歩き・バス・列車・ヒッチハイクお遍路も、折り返し点を過ぎました。
順調すぎて、こんなんでいいの?と思うくらいですがな。

2月14日(土)
おおっ今日はバレンタインデーなんやね。
ま、そんなことはお大師様の知ったこっちゃないんですけど。

0600に高速バスは松山に到着する。
まだ夜が明けておらず、月が出迎えてくれる。
さすがに2月はまだ寒い。
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ここでしばらく朝食を食べたり洗面をしたり、
次回の久万高原行バス停の確認をしながら時間をつぶす。

0730
約束の時間ピッタリに門前の小僧さん
(以下、「小僧さん」と表現する)がベンツでやってきた。
今日の松山札所めぐりは小僧さんにすべて帰依することにする。

実は来月の3月には、久万高原から下りの三坂峠のふもとにある
お接待所「坂本屋」訪問をすることになっていて、
そこに半日逗留して、帰りに46~48番と文殊院を参拝するので、
今回は49番からなのです。

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0745
第49番札所 浄土寺着
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門前の駐車場で装束を整えて・・・いざお遍路へ!
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小僧さんは日頃から般若心経の写経をされていて、
参拝の時には写経入れの中に持参した物を入れている。
本来の「納経」なんでしょうね、これは。
で、その場合の仏前勤行次第はどうやればいいんかいなあ?
というわしの疑問に対しては、小僧さんが歩き遍路された際の先達さん曰く、
「形式にこだわる必要はない」そうです。
う~~む、易しいようで難しい公案です。
わしも写経を納めてみたいと思うのですが、それが自分には出来るのか?

次の札所に向かう途中、小僧さんの忘れ物を取りに行くため、
「遍路橋」のほとりの小僧さん宅に向かう。
そそそこで、奥様からチョコを頂きましたがな!
カンゲキー
まさかお遍路に出てチョコを頂けるとは思いませんでしたがな。
今年はいいことあるかな?

0825
第50番札所 繁多寺着
ここは松山市街を一望のもとに望むことができるFBなロケーションです。
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鐘楼の天井には極彩色の天井画が描かれています。
小僧さんに教えてもらうまで、全然気が付いていませんでした。
この天井画、あらかじめ描かれた板を嵌め込んだんでしょうね。
でなければ首が凝って仕方がない。
この題材は何なんでしょう?
答えは「門前の小僧遍路日記」にて。
ミケランジェロがシスティナ礼拝堂のフレスコ画を描いた時のぼやき・・
「わが筆は常に頭上にあり 絵の具は床に滴りて豪華な模様を成す
わが足は腰を貫き、尻でようやく釣り合えり
足下は目に入らず、そろそろと歩むのみ
わが面の皮は引き張られ、後方に折られて結ばれる
われ反りかえるはシリア人の弓のごとし」
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0900
第51番札所 石手寺着
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ずっと気になっていた門前の土産物屋さん前のこの女性の像
縁起を聞いてみたら、神仏様の像ではないらしい。
でも詳しいことは忘れてしまいましたがな。

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鐘楼には住職の反戦平和への
熱いメッセージが掲げられております。

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次の太山寺へ至る遍路道は、本堂を左に行ったところにありました。
全然気づかなかったなあ。
大体、山門の方に戻り、道後温泉の方向に行ってしまうよ。

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納経所で納経してもらっていたら、やたら美人のツアー添乗員さんに尋ねられた。
「人間のホンノウ(煩悩)は、ヒャクハチなのに、なぜ88か所なんデスか?」
「う、うう~ん、それはね、これとは別に別格20番あって、これらを足すと、
丁度煩悩の数の百八つになるのです」
「そうデすかあ、アリガトございます」
苦しい言い逃れをしてしまいました。

彼女、韓国人のようです。そういえば韓国人の団体さんが来ていたなあ。
勉強熱心の方のようで、いずれお遍路を始めるかもしれません。
韓国人の先達さんもおられることですし、
この機会に日本の文化を深く知っていただきたい。
わしもしっかり勉強しておきます。

さて、このあと小僧さんにお願いして、是非訪ねてみたい宝巌寺へ行く。
ちょうど道後温泉の近くです。

0926
宝厳寺着
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ここはお遍路とは関係のない時宗のお寺だが、一遍上人ゆかりの古刹です。
しかし昨年の火災で本堂を全焼し、一遍上人の木像も焼失してしまいました。
本堂再建の目途が立ち、現在その作業中です。
小僧さんにお願いをして仮寺務所に行き、
「もういっぺん 起き上がりこぼし」を買わせていただきました。
その際に、小銭入れに入れておいた有り金を全部寄進してしまい、
あとで慌てることに・・・・

次はロシア兵墓地へ・・・
日露戦争の際のロシア兵捕虜収容所が松山にあり、
そこで亡くなった兵士の墓があるところです。
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墓は故郷ロシアの方向を向いている。
「ロシア人墓地」と最初書かれていたのだが、ロシア以外からも徴兵されてきた人たちもいたため
「ロシア兵墓地」と改称されたそうです。
なるほど確かに墓碑銘にはギリシア正教の十字架、見慣れた十字架、新月、ダビデの星
様々な宗教のシンボルが刻まれています。
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徳島のドイツ兵捕虜収容所といい、
四国の人たちの寛容さが滲み出ているような話です。

途中、坊ちゃんで有名な「ターナー島」を見物しつつ、次の札所に行く。

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第52番札所 太山寺着
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ここの門前町で見たかったのは、「ねじれ竹」
参道脇の旧遍路宿の庭にある、先端や根本がねじれ絡み合って生える竹で、
この宿に泊まった不義の男女が金剛杖に使っていた青竹が突然ねじれ合い、
それを植えたところ自生したという話が伝わっています。
ダイサンチクという熱帯性の竹の一種とも言われているそうです。

そういえば、また余計な知識・・・
竹は日本古来の植物と考えられていますが、実は中国から持ち帰って植えた植物で
天敵がないため、現在竹害というものがあるそうです。
昔はきちんと竹林は手入れされていたんですが、最近手入れをされなくなったため
どんどん広がっていき、保水力が低いため土砂災害の原因ともなるそうです。
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ここの納経所で、財布がカラなのに気づいた。
宝厳寺で有り金すべて寄進してしまっていたがな。
リュックの中にお金があるが、駐車場は遠い。
「すすすんません、お金貸して・・・」
小僧さんから納経代借りました。


1048
第53番札所 圓明寺着
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ここの山門脇の石柱に記されていた寄進者の名前・・・
「誰だかわかる?」
「い、いえ。わかりませんのや」
「青色発光ダイオードの会社の社長夫人です」
ほほ~、生き金を使う人やねえええええ。凡人にはでけん。

さてここで本日の先達様とはお別れ。
某協会の会長職の小僧様は、翌日の会議資料準備のため急いで帰宅
多忙な予定を割いてわしに付き合ってくれました。
まことに申し訳ないっす。

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「伊予和気駅」から予讃線の上りで「大西駅」まで行く。
1135、ちょうど今治行の列車があった!
列車に飛び乗り、小僧さんのお見送りを受けて松山を後にしました。

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予讃線の車窓からは、美しい瀬戸内海の風景が見える。
去年の今頃、風に吹かれながらこの道を歩いたなあ・・・と感慨しきりです。
暖かな車内でボ~ッとしていると、
昨夜のバスでの寝不足が響いてついウトウト・・

1217
なんとか寝過ごさずに「大西駅」に到着しました。
「大西駅前バス停」は、駅からすぐ、
と書いてあったんですが、どこにもないよ。
近所のおじさんに聞いたら、200mくらい細い間道を通り抜けて、
国道まで出たところにある。
バス停の正面には「土岐氏の墓所」があった。
わし、美濃の出なので土岐氏と聞いたら早速参拝せにゃ・・・・まだ時間はある。

1236に来たバスに乗り、一路延命寺へ。
「阿方バス停」で降りようとしたら、
「次の桜ヶ丘団地前バス停のほうが近いよ」と教えてもらい、そこで降りる。
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確かにこっちの方が近い。
今回はバスの運転手さんにお世話になることが多い。
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1250
第54番札所 延命寺着
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駐車場には不吉な大型車が駐車している。
そう、「団体さん」だ・・・・。
彼らは暖かくなるとどこからともなく現れ、
札所と札所の間を脇目も振らず走り抜け
騒々しい持鈴の音と共に札所に現れると漣のごとくお経をあげ、
終わると次の札所目指して去ってゆく。疾きこと風の如し。
しかして彼らは決して納経所に現れることはなし。
「テンジョウイン」と呼ばれる旅行請負人が山ほどの納経帳あるいはお軸を
うず高く積み揚げる様はバベルの塔、また百尺の山の如し。
不幸にしてその場に行き当たった遍路は、その間修行に耐えねばならない。
極稀に心ある者は歩き遍路に対し順番を分け与えてくれるが、
大部分は知らぬ存ぜぬ顔で、
じっと順番を待つ歩き遍路には目もくれない。

今回も、ああっ・・・納経所には天高く納経帳の塔が建っている。

ここから南光坊まで4km、歩いて1時間
どうしようか・・・今回の旅はバス、列車の道程開拓を行うことである、
と自分に言い聞かせ、バス停の方向に向かって歩く。
「そっちは逆の方向だよ!」
門前を掃除中のお爺さんから声がかかる。
「い、いえ。疲れたのでバスで行こうかと思い・・・」
(これ、嘘はいかんぞ)

1346に今治営業所行の便がある。
まだ少し時間があるので近所のショッピングセンターにある「大阪王将」で昼食を摂る。
どうでもいいことかもしれんけど、「餃子の王将」と「大阪王将」はどう違うのだろうか。
どこかでケンカ別れして別々になったのでしょうかね?
カラアゲ丼と豚骨ラーメンのセットを食べた。
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1358
第55番札所 南光坊着
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山門を入ったら、目の前に紐が垂れ下がっている。
なにかな?と思い上を見上げたら釣鐘だった。
滑車があって、滑らかに突き棒が動くようになっていますがな。
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今日はこの辺で終了の予定だったんですが、まだまだ時間がある。
よし今日は行けるところまで行こう!

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「今治市役所前バス停」から1431発の木地口行きに乗り、
「小泉バス停」で降りる。220円
そこから約500m歩いたら、

1452
第56番札所 泰山寺着
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納経所のワンちゃんは今日はお留守です。
今日は休日なので家族連れの車遍路が多い。
思春期くらいの男の子も、親に連れられて参拝しています。
こういった機会に神仏に触れる機会があるといいですね。

わしは中学校のころ、創価学会の友達から折伏されて癪だったので
宗教について勉強をしていた頃だったので、
「神頼みなんてするもんじゃない!」と生意気言っていました。
でも、実はそうで、神様には頼む対象ではなく、
満願成就とか、無事息災のお礼をしにいくものなのです。
「今日一日ありがとうございました」

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こんなことを考えている自分の姿が大師堂に映っている。
どんな表情をしているんやろうねえ。
お大師様は「ごちゃごちゃ言っとらんでええんじゃ」
と言われているかもね。

さて、次のバスは・・・ない。
ここから次の栄福寺までは3.9km、歩けば1時間ちょいです。
もう3時過ぎだし・・・58仙遊寺まで行きたいという欲が出てきた。

奥の手を使おう。
駐車場で若い夫婦連れが車に乗り込むところを襲ってみた。
「もし、次の札所までいきなさるか?」
「行きますよ」
「すまんが・・・わしをそこまで乗せていってくださらんか?」
「いいですよ」
「おお、ありがたや。南無大師遍照金剛」

善男善女の集う札所の駐車場では50%の高確率でヒッチハイクが成功する。
車遍路のことを時には否定するくせに、
わしって勝手な人間やねえ・・・・
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1520
第56番札所 栄福寺着
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徳さんのお遍路さんでもここの建物が出ていましたね。
乗せてもらった車の奥さんが
「変わった建物!何かしら?」
「お寺の情報を発信する基地ですって・・・」
わしも喋っていて、わかったようなわからんような答えになっちまった。
つくづく、勉強不足です。

栄福寺まで車を御馳走してもらえたので時間がたっぷりあるよ。
この時間なら次の57番仙遊寺までの3kmを余裕を持って歩ける。

いざ!

山道を歩くのは楽しいね。
足の裏が気持ちいい。
それにまだ冬なので蛇が出ないのが何よりいい。
歩き遍路は冬に限る!

去年、写真を撮ろうと思ったらシャッターがおりなかった
「犬塚」
おそるおそる写真を撮ってみたら、撮れたよ。
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単に電池がなくなっていただけなのか?
それともわしの運気の違いか?

山道は鳥の声しか聞こえてこない。

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おお、今年も梅の花が迎えてくれました。
一本だけ凛として咲いているこの木、好きですね。
梅の花の精がいるのかもしれん。
この梅ノ木に呼ばれてここまで来たような気がする。
気のせいか。

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内海源介の墓を過ぎて・・・アスファルトの道路に合流する。
確かに勾配は急じゃなくて登り易いのですが
自動車道は趣がないなあ。

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57番札所 仙遊寺着
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ここの山門をくぐるとわしの好きな「瀧観観音」がある。
この憂いを帯びた表情がたまらん。
本堂へ至るまでの長い階段で息があがってくる。
汗もどんどん出てくる。冷えると寒いやろうなあ。

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修行大師様の背中が出迎えてくれる。
山の上だけあって空気が冷たい。
ここには素敵な宿坊があるそうです。泊まってみたいなあ。
納経所で
「すいません、ここには通夜堂はありますか?」
「はい、ありますよ」
「そうですか!次の機会に是非お願いします!」
次は寝袋持ってこよう

さて参拝も済んだ。
ここから今治市内南光坊近くの旅館を予約している。
どうやってそこまで行こうか・・・・
駐車場の車にご馳走してもらおうかな?
ふと見るとテレビで見た「お砂踏み巡礼」のワゴン車がある!
なるほど、これがそうなのか。
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さて車遍路は二組いる。
老夫婦二組が一台の軽自動車で来ている。これは無理やなあ。
もう一台は、30台のあんちゃん、これだ!
「あ、あの~いまからどこに行かれるかのう?」
「あ、今日はここの宿坊に泊まるんっすよ。あはははは」
「そ、そうですか。ここの宿坊はいいところらしいですね。ではごゆっくり」
「あはははは」


腹を決めて歩いて里まで下ろう。
登りと違ってペースは速いが膝と爪先にこたえる。
確か永福寺の先の川を渡ったところにバス停があるなあ。
1721に今治駅行きのバスがある。
とりあえずそこまで行こうぞ。

黙々と日の暮れかかった山道を下って行くと、後ろの方で
ワイワイガヤガヤ声がする。
若い男女4人がふもとから仙遊寺まで行って帰る途中のようです。
ピクニックかな?
楽しそうにお喋りしながら、それでも足どりは軽そう。
いいねえ、わしも混ぜてもらいたい。

栄福寺までたどりつき、さて目指す川向こうは・・・意外と遠い。
もはや1715・・・
ああっバスには間に合わない。
仕方ないなあ、奥の手のタクシーを使うか。
「栄福寺まで一台!」
「あいよっ!」
すぐに来てくれました。
「南光坊まで」
「あいよっ」
「ところで、笑福ビジネスホテルって知ってます?できたらそこに・・・」
「今治駅前の?」
「いえ、そこは廃業したらしいんです。で、息子さんが南光坊近くで
同じ名前のビジネスホテルされているそうです」
「知らないなあ~。お遍路さんも使わないのでは?」
「そうなんかもしれませんね。では南光坊でお願いします」

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南光坊の納経所前のベンチでホテルに電話を入れて待っていると、
迎えに来てくれました。
今回のお宿は「笑福ビジネスホテル」南光坊南数分
ここは、今治駅前の遍路道沿いにあった「笑福旅館」が廃業し、
息子さんがこちらで開いている宿泊施設です。

聞いてみると奥さんが管理栄養士、ご主人は司法書士、宅建も持っておられる。
あ、それから調理師とふぐ調理師も・・・
なぜにそんな人たちがビジネスホテル?
謎は深まるが、まあいいか。

冬場のお遍路は洗濯しなくてもいいかと思ったが
結構汗だくになってしまい、山のような洗濯物になってしまい、
部屋に干したのですが
部屋に染み付いたタバコの匂いが移ってしまい、
後日全部洗濯しなおすことになりました。





2月15日(日)
今日の予定は、59番国分寺と別格10番興隆寺、11番生木地蔵です。
本当は昨日55番南光坊までとしていたんで、
今日の予定が大分余裕があるよ。どこまで行けるかな?

0630朝食を食べ終えて0700ご主人に今治駅まで送ってもらいます。
その際に、奥さんとご主人の持つ資格についてお話を聞くことができました。

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0720「今治駅」発
多度津行き普通列車で、「伊予富田駅」まで行く。
朝のローカル線はガラガラです。
それよりもこの駅の発車メロディーは「瀬戸の花嫁」です。
わしが小学生高学年の頃流行っていて、好きだったなあこの曲
いつのまにか口ずさんでいましたがな。
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0723「伊予富田駅」着
ここから2km弱国道に沿って歩く。
ここは前回歩いたはずなのに、不思議と記憶にない。なぜなんだろうか。
単にわしの記憶力が落ちてきただけなんやろうか。

0814
第59番札所 伊予国分寺着
早朝の札所は人がいない。しかしお線香立てには既に何本か立っている。
3本セットではないお線香なんで、お遍路さんではなく
地元の方が参拝されて行ったんでしょうね。

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握手修行大師様のお背中も、まだ早朝モードで、
のんびりされているようです。
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その横にある「大師の壷」頭・足・腰・目・・・あちこち触れて真言を唱えました。
どこまでご利益があるか?

さてそこからまた道なりに「伊予桜井駅」まで約2km歩いて再び列車に乗る。
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道の途中、小学校の校庭脇に、遍路標識が倒れていた。
教育委員会さん、どうかもとどおり建ててやってください。
これは四国の文化財なんですから・・・

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「伊予桜井駅」は無人で、駅前のさびれた食料品店で切符を売っている。
「ごめんくださ~い」
「は~い、はい・・・」
お婆さんが出てきた。
商店の向かい側の自転車預かり所には山ほどの自転車が預けられていたので
利用客は多いようだ。
だから、切符や定期の販売委託でなんとかこの商店はやっていけるんでしょうね。
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0911「伊予桜井駅」発
0924 2つ先の「壬生川駅」着
「丹生(にゅう)」と「壬生川(にゅうがわ)」は、読みが同じで、
途中文字が変わったのでしょうかね。

ここら一帯の「丹生」という地名は、
辰砂の採れる鉱脈があったことを裏付けるのでしょうね。
日本のあちこちに「丹生」のつく地名が点在している。
たしか高野山も辰砂の鉱脈の上だったと思う。
神社仏閣の造営や、塗金のための水銀は、昔から大量に必要だった。
弘法大師の足跡と辰砂の鉱脈は必然的に一致しています。
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さて今日は時間がたっぷりある。
ここから別格11番生木地蔵までは4kmほどあり、
さらに10番興隆寺まで4km
歩いていこうかバスを使おうか・・・
駅前の路線バス停の標識とにらめっこしていたら、
バス停にバスがちょうどやってくる。
運転手さんに
「このバスは、『なまきじぞう』に行きますか?」
「ええ、『いきじぞう』すぐ前に行きますよ」
ああ、生木とは、「いき」と読むのだったか・・・・
しかしなんというグッドタイミング
お大師様のお導きか(考えすぎ)

0931発「壬生川駅前」周桑バス湯谷口行き
乗客はわしひとり。バスの運転手さんと世間話をしながら目的地まで向かう。
なんとのどかなローカルバスであろうか。
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0947
「はい、生木前バス停に着きましたよ。次の興隆寺へは、そこの信号を右ですよ!」
「お世話になりましたあっ」

0949
別格11番札所 生木地蔵(正善寺)着
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わしの好きなこじんまりとしたお寺です。
隣には神社がある。
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ここの売りは楠の立ち木に彫られた地蔵尊なんですが
昭和29年の台風で倒壊し、しかし地蔵尊は無事であったため、
本堂の中に安置されている。
中を覗いてみたが、袈裟がかけられていて木目が見えなかったよ。

ここからは4kmほど歩いて10番興隆寺へ行く。
初春の伊予路は日差しが暖かく、風もそれほど吹いていない。
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田んぼからは枯れ草を焼く香りが渡って来る。
「どこまで行きなさるか」
「はい、興隆寺まで」
「西山さんかあ。主人もお遍路が好きでよく行っていたよ」
「そおですかああああ」
このへんでは西山さんと言われて親しまれているのですね。
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ため池の堤防かなあ、首のないお地蔵さんが鎮座ましましている。
なんとかならんもんかねえ。

やがて路は山の斜面に沿って勾配が緩やかになってくる。
広い墓地を通っていると、道の向こうをサルが横切っていく!
「サルものは、追わず・・・」
獣よけに金剛杖に鈴をつける。
最近金剛杖に鈴をつけることなかったから、久しぶりの登場やね。
鈴さん、お待ちかねでした。

さらに参堂は山道になっていく。
いかにも札所に近づきつつあるといった風情です。
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それに、おお、
「西山四国八十八箇所巡り」があるじゃあないですか。
わしの大好物です。
一番札所の建物は結構立派なお堂になっている。
このほかの札所もこんな感じかなあ?
この先に行ってみたいが、やめておく。

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赤く塗られた「御由流宣橋(みゆるぎばし)」

-看板原文のまま-
弘法大師が青年の頃この橋のたもとで
「み仏の法のみ山の法の水 流れも清くみゆるぎの橋」
と詠まれた。
この橋は橋板の裏側に経文が書かれてあるところから無明から
光明へのかけはしとなっている。心して渡られよ。

はい。心して渡らせていただきます。

山門について、やれやれと思いきや、まだまだ石段は続く。
今日は気温が高いのと、厚着をしているために汗が流れ落ちてくる。

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「牛石」
-看板原文のまま-
源頼朝公が本堂再建の時材料を運搬し続けた牛がこの地にたおれ、
人々は牛に似た石でこれを葬った。
参詣する人々は口のところに草をさしこんではその労をねぎらうのである。

なるほど、牛の形をしているが
口に差し込まれているのは草ではない。
杉の葉である。
牛さんは杉の葉は食べられないでしょうに・・・独り突っ込む。

途中で何かの気配を感じる。
さては山の獣が出来したか?と思い振り返ると犬だ。
首輪の紐が途中で切れている。
もももしやこれが四国で名高い「へんろ犬」か!
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犬ちゃんと一緒に本堂まで登っていく。
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本堂は、立派な石垣の上に建てられている。
たぶんこれは、城塞の役割も持っているんでしょうね。
昔の大寺院は堀をめぐらしたり、砦としても使えるような建物が多い。
有名なのは石山本願寺
後に秀吉が大阪城を築いたほどの場所です。

小さい子連れの若夫婦がお参りに来ている。
4歳くらいのお姉ちゃんと2歳くらいの弟です。
ちょうどわしの子供もこういった感じでした。
お父さんはちゃんと子供たち用の納経帖も持ってきています。
小さいうちからこうして神仏に手を合わせることを教えるのはいいことだと思います。

境内には先ほどの犬と、もう一匹プードルっぽい小型犬がいて、
子供たちはそっちに夢中で追いかけている。
犬たちは、あんまりしつこくかまわれたくないらしく、
うなり声を出していますがな。

納経所ではピンバッチも買う。
「歩きですか?」
「はははい」
歩きはお接待でミルキーを3つ貰いました。
子供たちと目が合ったので、ひとつずつお遍路さんからお接待をあげました。
「ようお参りでした!」
「ありがとー!」
「ママ、食べていい?」

ここのお寺は山奥の別格ですし、駐車場から長い距離を階段で登らなくてはいけないのですが
何組かお遍路さん以外にも参詣者が次々と登ってくる。
親しまれているお寺なんでしょうね。

別格では念珠をひとつずつ買い、それを20集めて数珠にするのですが
最初から集めていなかったので
今回は買うのをやめておきます。また次回・・・楽しみ。

帰りはまたのどかな田園風景を眺めながら緩やかな降り道です。
一度来た道は、最初よりも時間が短く感じる。
「ジャネーの法則」の通りで、
初めての経験は時間が長く感じ、
経験済みのことは時間が短く感じる。
これは若い頃は新しい経験ばかりなので一年が長く感じ、
年とっていくと経験したことばかりなんで一年はあっという間
ということです。
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生木地蔵前まで戻ってきました。
ここからバスに乗ればあっという間に壬生川駅まで戻れる。
距離にして約5km
この時間にバスで壬生川駅まで戻り、そこから香園寺まで行けるな・・・・
思いは千々に乱れつつ、結局バス停に足が向く。
ここのバス停、上りと下りの場所が大きく離れている。
バスの運ちゃんが来る時教えてくれました。
下りのバス停目指して国道を進むが、バス停そのものが見当たらない。
「????」
さらに20分くらい歩くが、次のバス停もないし、見たことのない風景だ。

ああ、バス路線は旧道だ!
ここで旧道に行くか、このまま歩いて駅まで行くか
またもや心は千々に乱れる。
しかし、自然と足は旧道に向かっている。
旧道に入ったとわかるのは、前回横峰寺に向かって歩いた道で、鮮明に覚えているからだ。

バス停があった。
「丹原下町バス停」1321発
今は・・・1320
おおっなんと!
またしてもお大師様のお導きか!(考えすぎだってば)
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バスは旧道を順調に進み、1332壬生川駅に到着!
いいねえ、順調ですがな!

こうなったら61番香園寺まで行きたい。
でもね・・・列車の便がなくて1時間後しかない。
仕方ない、タクシーで行こう。
駅前にたむろしているタクシーに
「あ、あの~、番香園寺までいくらくらいでしょうか・・・」
「1800円くらいやね」
そのくらいなら大丈夫だ!

1340
第61番札所 香園寺着
駐車場には
「日本1週自転車旅行中 寄付求む」のボードをつけた自転車と
あんちゃんが座り込んでなにやらタブレットで書き込みをしていた。
若い頃に苦労しなはれよ・・・
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この大聖堂(?)は、初めて訪れる人には少々戸惑うところでしょうね。
まず、どこにどうして行けばいいのか、大概うろうろしている。
階段を上がり、入り口で中を覗き込んで
(ここでいいの?)
のような感じの善男善女が多くいる。
「すいません、タイシ堂は、ここでいいんでしょうか?」
「え?太子堂ですか?さて、太子堂はわかりませんねえ・・・」
「え?でも必ずタイシ堂はあるはずなんですけども」
(あなたお遍路さんなんでしょ?タイシ堂もしらないの?)
「もしかしたら、ダイシ堂ですか?弘法大師様の」
「え、ええ。(タイシって言うじゃないの?)そう・・」
「それならばご本尊の大日如来様の、ほら、その奥にあります」
「ああ、そうですか」
「それから外には子安大師様もおられますから、そちらもお参りされてください」

彼女ら、一番から回ってきたんでしょうか?
「タイシ堂」を拝みながら・・・

車遍路さんたちは、お互いの情報交換とか、
先達さんによる教えを受けることがないので基本的なことを間違ったまま
巡礼されている方が多いように感じます。
なにか釈然としない婦人たちを残し、わしは納経所に行く。

わしはお遍路始めるに当たって、
最初だけバスツアーに参加してみてお勉強をしておいてよかった、
と思います。
わしの参加したツアーの先達さんは年配の僧侶の方で、
ほかのオバハン先達さんからは「先生!」と呼ばれておられました。
ツアーに参加される善男善女(ほとんどが婦人)は、素直に先達さんの
言われる作法を一生懸命なぞっていました。
これはこれでいいのではないかと思います。
ただ、時間の都合でせかされるようにお参りしたり、
納経帳は添乗員さんが(山ほど)持っていくので、納経を知らないまま終わったり
さらにバス遍路だけで先達さんになった人なんかは、
遍路道の事を知らなかったり・・・

わし、バス・歩き・車の遍路をやってみたんですが
なんでもいろいろ経験しておくのが大事じゃないかと思いますよ。
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納経所には「62番さんの記念御影をここでお渡しします」と表示されていた。
前は63番さんでそれをもらった。
61番と63番が、補完してあげておられるんやねえええええ。


ここから次の宝寿寺までは1.5km
フンフンフ~ンと楽しく歩いていく。

1410
第62番札所 宝寿寺着
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あいかわらず本堂は工事中で近づけない。
納経所で御影を1枚頂き・・・
ちょっとおトイレに行こうかね。

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これ、ナイスな注意書きですね。ベスト注意書きです。
子供の頃、学校の遠足で観光地に行った時
男子トイレで着物姿のお婆さんが朝顔にお尻を向けて用足ししていたのを見て
カルチャーショックを受けた思い出が蘇りました。
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さらに吉祥寺まで1.5km
これも楽しい楽しい歩きです。

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吉祥寺の塀の外にレモンの木があって、黄色いレモンがたわわになっている。
わし、柑橘系はミカン以外は苦手で、特にレモンは考えただけで唾が湧いてきます。
普段は絶対に手を出さないのですが、なぜかこのレモンを食べたくなった。
木になっている物は「不誅盗」の戒めにそむくので
例によって地面に落ちているやつはないかな・・・と杖で草むらをあたってみたら

あったよ。

まだ腐ってもいないし、傷もない。
南無大師遍照金剛
いただきます。
無意識にガブリ
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レモンを美味しいと思ったことは生まれて初めてです。
すっぱく感じなかった。むしろ爽やかな酸味に感じました。
そういえば今日は朝食を0630に食べてから何も食べていない。
飲み物も飲んでいない。
汗もかいていた。
疲れきった身体がレモンを欲していたのでしょうか。
五臓六腑にレモンの果汁が染み渡る。
「フレッシュレモンになりたいの!」
なんのこっちゃ。

1447
第63番札所 吉祥寺着
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先ほどのレモンの感動が大きすぎて、
いまいち吉祥寺の印象が薄くなってしまった。
すまんこってす。

さてここで今回の予定を終えることにします。
調子こいて次の64番前神寺まで行けない事はないが
今日は壬生川駅に戻り、1540の高速バスで帰らねばいけない。
万が一乗り遅れたら悲惨なので
歩いて3分の「伊予氷見駅」から「壬生川駅」まで戻る。
列車を待つ間に遅い昼食を食べることにしました。

1534「伊予氷見駅」発、1543「壬生川駅」着
まだバスの時間まで2時間あるので、
駅の売店で聞いた「トウヨウ温泉」に行く。
地元の人は知っているので、「ああ、あそこを右に曲がってもひとつ右に曲がってすぐ」
こともなげに言うんですが、わしは始めてなので道のりが長く感じる。
ここでもジャネーの法則です。
艱難辛苦の上着いたら「東予温泉」でした。「トウヨウ」ではないのね・・・
ともかく、汗を流すことができてさっぱりしました。

伊予、讃岐に入ってくると帰り便は翌朝ではなく
当日の夜に大阪に到着できるので便利です。
それにわしのイビキの被害者が少なくて済む・・・。

旅を進めるうちに記念バッチがたくさん集まってきました。
わし、バッチマニアなんですよ。
アメリカ旅行の時も帽子一杯にバッチつけて喜んでいました。
そんな虫が「1200年記念」バッチがあちこちで販売されていますがな。
思わず買ってしまいます。ああ~、お金減る。
さてそれをどこにつけようか・・・そういえば見かけた大先達さんの輪袈裟には
ピンバッチがキラキラついていたなあ・・・
だったら輪袈裟につけてもいいのではない?
チョーシに乗ってつけたら、重くなってしまいました。
でもまだまだ札所は続き、この先バッチはどんどん増えていきます。

次回は3月7日、8日に久万高原大宝寺、岩屋寺、それにそれに
坂本屋訪問です。
楽しみ~。
プロフィール

おきらく道場主

Author:おきらく道場主
柔道弐段剣道弐段腹参段のあやしい絵描きのおやじです。

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